TRANSFORMERS Blue_Archive   作:H2O(hojo)

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この小説を書き始めた頃から、エデン条約編のこの回はこのタイトルで行こうって決めてました。
この作品の、ひいてはブルアカとトランスフォーマーのクロスを表す言葉はこの歌詞の一文が最も相応しいと思っています。


その手を強く握り 互いの絆信じて 戦え

通功の古聖堂

 

ザァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ…

 

「・・・」 「・・・」 「アズサ…」

 

「・・・」

 

「あのバカマジで1人で来やがった…」

 

(あの少女…確か聖園ミカを捕らえた檻にシャーレの先生と一緒にいた、アリウスを裏切ったという者だったな)

 

現在通功の古聖堂に居るのは、アツコ以外のアリウスたち、ディセプティコンの四バカ、そしてセンチネル・プライム率いるエリートガードたちと、そこに単身乗り込んできたアズサである。一同はアズサが1人でここにやって来たことに、信じられないという目で見ていた。

 

「よくも、よくも姫を…!絶対に許さない…!」

 

「私は、サオリを止めてみせる。刺し違えても」

 

「お前にそんなことができるか!!」

 

ガチャ!!

 

「私たち怒りに、憎しみに、恨みに!耐えられるとでも思うのか!!」

 

わざわざやって来たアズサに対し、アツコを傷つけられたサオリは怒り心頭である。対するアズサは覚悟を決め悟ったような顔でサオリと対峙していた。

 

「アズサぁっ!!」

 

「…たとえもう、あの世界に戻れないとしても」

 

 

 

 

 

「はぁ、はぁ…くっ…」

 

バタン…!!

 

「…何故だ、アズサ。何故そこまで足掻く。そこに何の意味はある?何を証明しようとしている?」

 

「よく頑張ったがとうとう終わりの時がきたようだな…」

 

「思い出せ、全ては…」

 

「…たとえ虚しくても、足掻くと決めた」

 

その後アズサはサオリたちに必死に抵抗するが、当然単身では敵うはずもなくその場に倒れてしまう。しかしそれでもアズサは立ち上がり、サオリを困惑させた。

 

「そこに、何の意味がある!!!」

 

パァン!!パァン!!パァン!!

 

「ぐっ…!!」

 

スッ…ガシッ!!

 

「…!?」

 

「・・・」

 

「ヒフ、ミ…?」

 

だが流石のアズサも限界を迎えたようで、サオリに銃を撃ち込まれて背後に倒れてしまう。

 

だが、その時である!!

 

アズサの背を支えにきたのは、何とヒフミである!!

 

「増員、ですね…数は4、いえ、後ろにそれ以上…」

 

「あれは…」

 

「…なんだ、お前は?」

 

「普通の、トリニティの生徒です」

 

さらにはトリニティの方角からは正義実現委員会などのトリニティ生の姿が見え始める。そしてサオリはいきなり現れたヒフミを不満そうに見つめると、彼女は普通のトリニティの生徒だと名乗った。

 

「ヒフミ、ダメだ…どうしてこんなところに…ここはヒフミみたいな、普通の人が来るべきところじゃ…」

 

「…はい、確かに私は普通で平凡です。先日見せてくれたガスマスクの姿が、本当のアズサちゃんなのだと。そのことも理解しました。そんなアズサちゃんは本当なら、私なんかには手の届かない世界に生きてるのだと…そう言いたいのも分かりました」

 

「ヒフミ…?」

 

しかしアズサはヒフミにここは彼女が来る場所じゃないとつき放つ。それを聞いたヒフミは自分はアズサとは違って平凡で、生きている世界が違うということを認める。

 

「でも!!!アズサちゃんは一つ、大きな勘違いをしています!!!」

 

「…!?」

 

「今ここで、私の本当の姿をお見せします!!!」

 

「え…?」

 

だがヒフミはアズサは自分のことを勘違いしていると言って、鞄をガサゴソ探り始める。それを見ているアズサは戦場だと言うのに、キョトンとしてしまった。

 

「私の正体、それは…」

 

バッ…!!

 

「“覆面水着団”のリーダー、ファウストです!!」

 

「え…?は…?えっ…?」

 

「見てください、この恐ろしさ!アズサちゃんと並んだって、全然見劣りしないほど不気味でしょう!こっちの方が恐ろしくて怖いと言う人だっているはずです!」

 

「ひ、ヒフミ…?」 「・・・」 「・・・」

 

(あ、あのホットロッドを庇っていた少女…一体何者なんだ…?)

 

そして遂にヒフミは例の紙袋を被って真の姿である“覆面水着団のファウスト”であることをアズサに明かす。それを見たアズサ及びアリウスやエリートガードたちも、彼女の奇行に困惑していた。

 

「ヒフミ、いったい何を…」

 

「だからっ!!」

 

ビクッ…!!

 

「だから私たちは、違う世界にいるなんてことはありません!同じです!隣にだっていられます!」

 

「・・・」

 

ヒフミの奇行に困惑しているアズサはヒフミに声をかけよとするが、彼女はここで大きな声をあげてアズサを驚かせる。そして彼女はアズサと違う世界にいるのではなく、自分とアズサは同じ世界で隣にいられるのだと示した。

 

「だから世界が違うだなんて、一緒にいられないだなんて…そんなことを言わないでください!拒絶されても、すぐ近くに行ってみせます!私は…!」

 

スッ…

 

「私は、アズサちゃんのそばにいます!」

 

スッ…

 

「こうやって、すぐ触れられるところに…!」

 

「ヒフミ…」

 

さらにヒフミはアズサに拒絶されようと、彼女の側にいるといってどんどん彼女の元へ近付いていく。そんなヒフミをアズサはただ見つめることしかできなかった。

 

「でも、私のためにそんな嘘を言ってくれたところで…」

 

「誰が嘘だって!?」

 

ダッ…ダッ…ダッ…

 

ドドォン…!!

 

しかしアズサはヒフミが言っていることを本当だと信じていないようである。

 

だが、その時である!!

 

現れたのはヒフミと同じく、カラフルな覆面を被った異常者集団!!

 

「いや~、何だか大事なところみたいだね?」

 

「あの覆面、まさか…!?」

 

「し、知っているのか?ハナコ!?」

 

「っ!?」

 

その覆面の異常者集団を見たハナコは何か知っているような口ぶりを見せると、アズサはその正体を知っているのかと彼女に尋ねる。コハルに至っては思考回路がショートしてしまったようだ。

 

「目には目を、歯には歯を。無慈悲に、孤高に、我が道の如く魔境を行く…」

 

「ん、それが私たちのモットー」

 

「普段はアイドルとして活動してますが、夜になると悪人を倒す副業をしてるグループなんです♧」

 

「別にそれ私たちのモットーじゃないから!?あと変な設定付けないで!」

 

“覆面水着団のリーダーであるファウストさんのご命令で、集合しました”

 

アビドス対策委員会改め覆面水着団のメンバーは、ヒフミもといファウストの前に現れてモットーを話し出す。戦場にやってきたというのに、何とも緊張感の無い会話が繰り広げられていた。

 

「…!?」 「え、えっ!?」 「じ、実在したんですね…?」

 

「あいつらは…」

 

「分からない。詳細なデータは無し」

 

「ふ、覆面水着団…噂に過ぎないと思っていましたが、本当にいたんですねえ…」

 

ヒフミがキヴォトスで噂される覆面水着団のリーダーだという事実を知って、いままで共に過ごしていた補習授業部の彼女たちですら困惑している。そして、もっと困惑しているのはアリウススクワッドたちであった。

 

「…リーダー、あいつらヘラヘラしてるけど注意した方が良さそう。少なくとも舐めてかかると痛い目に遭う」

 

「っても、どれだけ強かろうと所詮はこの惑星の住民がたったの4人増えただけだぜ」

 

「そうだ、俺たちならまだしも、エリートガード共をどうこうできはしない…」

 

(あ、あの娘…あの意味の分からん集団のリーダーなのか…!?ホットロッドもあんなこの惑星であんなことをしてるのか…?)

 

ミサキは覆面水着団の佇まいを見て、甘く見てはいけない相手だと認識する。しかし、ドレッドボットやバーサーカーはアリウス勢ならまだしも、エリートガードたちもいる中で、たった4人(アヤネを含めると5人)増えたところで変わらないと認識していた。一方そのエリートガードである、ウルトラマグナスはその生真面目なところが悪い方向に出ていた。

 

ドカァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!

 

「な、何だ…!?」

 

「この爆発は…」

 

「ま、まさか…アイツらがまた戻って来たっていうのか…?」

 

「やはり来たか…だが、この惑星の住民と貴様らの残存兵力を合わせたところで…儂らの勝ちは変わらんぞ」

 

だが、覆面水着団が名乗りを上げた直後唐突に辺りの建物が爆破され、通功の古聖堂跡に煙が立ち込める。その中で唯一センチネル・プライムだけが、その爆発を起こした正体に察しがついたようである。

 

「ミラージュ様の参上だぜぇぇぇぇぇぇ!!!」

 

バシッ!!ボカッ!!ドカッ!!

 

「調子に乗るな、ミラージュ!!俺たちがお気楽なおバカ集団だと思われたらどうすんだ!!遅刻してきたくせに!!」

 

「いてッ!!痛い痛い!!ゴメンってば」

 

「『もう手遅れ』」

 

「くそっ!!オートボットの奴ら、命が惜しくはないのか!?」

 

エリートガードやアリウスたちの前に現れたのは、一度撤退をしたオートボットたちである。そしてその先頭に立っていたのは何故か遅刻してきたミラージュであり、それを見たアイアンハイドにシバかれていた。

 

「ん、さっきはオートボットの皆さんに土下座して謝ってたのにもうあんなに元気になってる」

 

「バカなだけよ、アレは」

 

“あ、あはは…”

 

「うへ~、あれぞまさしくスライディング、いやトランスフォーム土下座だったね~」

 

どうやらオートボットを再びこの場所へと連れてきたのはミラージュのようだが、彼は遅刻したことを詰められみんなの前で土下座したようである。その情けない姿からすぐに立ち上がった彼を見て、彼女たちは呆れと同時に感心していた。

 

「彼女の言う通りだ。我らは共に同じ世界を生きる仲間だ」

 

「やはり来たかオプティマス…片腕を失ってもまだ戦うか」

 

「当然だ。私はたとえサイバトロン星が滅亡の危機に瀕しているとしても、この惑星に生きるものたちを、仲間たちを守る」

 

「貴様っ…!!」

 

「それが私の…いやプライムとしての責務だ!!」

 

そしてオートボットのリーダーであるオプティマス・プライムも戦場へと帰還する。片腕を失っているにも関わらず戦意は全く落ちておらず、今度こそセンチネルを倒してみせると闘気をむき出しにしていた。

 

ギゴガゴゴ!!

 

「すまん、遅れた!!」

 

「ホットロッドさん!!」

 

「何その恰好?」

 

「あ、あのいや…これはですね…」

 

そしてオートボットと一度合流していたホットロッドもヒフミたちの元へと現れる。だが彼はヒフミの珍妙な恰好に疑問を抱きその恰好について尋ねるが、彼女は恥ずかしがってたじたじしていた。

 

「聞いてくれ、ホットロッド。実はヒフミは“覆面水着団のリーダーのファウスト”なんだ」

 

「覆面?水着団?何だそれ?」

 

「そこにいる人たちはヒフミのお友達ってことでいいのかな?」

 

「ん、うん…」

 

「何この空気…」

 

恥ずかしがっているヒフミをサポートすべくアズサは先ほどヒフミが明かした事実をホットロッドに述べる。いきなり覆面水着団と言われても当然理解が及ぶべくもなく、ホットロッドはとりあえず他のメンバーをヒフミの友達だと認識したようである。

 

ヒソヒソ…

 

「ん…良い人そうだから騙しているようで気が引ける…」

 

ヒソヒソ…

 

「と、友達であることには違いないわ…」

 

「ヒフミが世話になっているみたいで…迷惑とかかけてないか…?」

 

「「「・・・」」」

 

「うへ~、いえいえ~そ、そんなことないですよ~」

 

ホットロッドに声をかけられたシロコたちは、彼が良い人に見えるので騙しているようで気が引けるようである。さらにはヒフミが迷惑をかけていないかと聞かれ、自分たちが迷惑をかけた側であることを思い出して、ホシノが頑張って誤魔化すのであった。

 

「ホットロッド…」

 

「ウルトラマグナス…俺は来たぞ。お前を止めるために」

 

「俺を…止める?お前一体何を言って?」

 

「自分たちが救われるために他の世界を犠牲にするだなんて、こんなことは間違ってる。俺は親友として、お前を間違った道に進ませはしないぞ!!」

 

「・・・」

 

そしてホットロッドの姿を見つけたウルトラマグナスは彼の名を呼ぶと、ホットロッドもそれに反応する。そして真っすぐにウルトラマグナスを見つめると、彼を止めると宣言した。

 

「き、気を取り直して…なーにうちのリーダーを泣かせようとしてるのかな~?ねぇ、そこの君たち?どこの誰なのか知らないけど、知らないよ?うちのファウストさんは怒ると怖いんだから」

 

「何せファウストちゃんは最終的に、カイザーコーポレーションの幹部を倒しちゃったようなものなんですよ♧」

 

「ブラックマーケットの銀行だって襲える。朝飯前みたいに」

 

「それにこの間なんて、カイザーPMCを砲撃で吹っ飛ばしたんだからね!」

 

「そうだよ、恐ろしいんだよ~?生きて動く災いと言っても過言じゃないし、暗黒街を支配するボスみたいなものなんだから」

 

「うん、それがファウスト」

 

覆面水着団は気を取り直して、ファウストの恐ろしい噂を話始める。話の内容は全てが嘘…ともいえないのが怖いところである。

 

「ファウスト!!」 「ファウスト!!」 「ファウスト!!」 「ファウスト!!」

 

ガサッ…

 

「・・・」

 

「ああっ、ファウストちゃんが紙袋を取ってしまいました!?」

 

バサッ…

 

「あ~、流石に恥ずかしかったのかなー…?」

 

「せ、せっかく乗っかってあげたのに!」

 

覆面水着団に湧き上がるファウストコールに、流石のヒフミも恥ずかしくなって紙袋を外してしまう。それを見たホシノは流石にやり過ぎたと反省し、シロコ以外のメンバーも覆面を外していく。

 

「私は何も恥ずかしくないけど」

 

「シロコ先輩も、堂々としてないで早く取って!」

 

「ん…」

 

「ヒフミ…彼女たちが言ってたことは本当なのか…?」

 

「あ、あうぅ…」

 

結局シロコもセリカに言われて、覆面を外す。そしてホットロッドは彼女たちが言っていたファウストの所業を聞いてヒフミに確認を取るが、当の本人は俯いて恥ずかしがっているのであった。

 

「ま、まあとにかく、あらためて…対策委員会、今度はヒフミさんのことを助けに来ました!!」

 

「ありがとうございます、対策委員会のみなさん…」

 

 

 

 

 

通功の古聖堂より数キロ後方(トリニティ側)

 

「ひひひひひひ…」

 

「正義実現委員会、助けに参りました」

 

「い、委員長、怪我は…?」

 

「完治した」

 

「さ、さすがです!」

 

「私はツルギほど丈夫ではないので、まだですが…とはいえ少しは役立つはずです。力になると、約束しましたから」

 

そして対策委員会の他にもトリニティの生徒たちが次々と通功の古聖堂の元へと集まっていく。正義実現委員会のツルギはあのミサイルを喰らったにも関わらずすでに完治しているようである。そしてハスミも怪我を押してでもツルギたちについて行っていた。

 

 

 

 

 

通功の古聖堂より数キロ後方(ゲヘナ側)

 

「この間はよくも…!無事に帰れると思うなよ!」

 

「まさかオートボットと一緒に再び戦うハメになろうとは…」

 

「俺はあの気に食わんエリートガード共をぶっ殺せれば何でもいい!!」

 

「思ったより元気ですね…あなたたち」

 

一方ゲヘナ学園側から通功の古聖堂を目指して進軍してきているのは、風紀委員会とディセプティコンたちである。スタースクリームは片腕を負傷したためここにはいないが、シャッターとドロップキックは風紀委員会と共に再び通功の古聖堂へと戻るのであった。

 

カツカツカツ…

 

“委員長…!”

 

「…待たせてごめん、アコ。みんなも無事でよかった」

 

“いえ…はいっ!!”

 

「準備はできてるわね。先生の指示を待とう」

 

 

 

 

 

通功の古聖堂

 

「包囲、されてしまいましたねぇ…」

 

「これはちょっと厳しいんじゃない、リーダー?」

 

「知ったことか。無限に増殖する“ユスティナ聖徒会”の前では等しく無意味。…むしろ好都合だ。アズサだけでなく、この場の全員に知らせてやれ。この世界の真実を…殺意と憎しみに満ちたこの世界で、あらゆる努力は無駄なのだと」

 

続々と通功の古聖堂へと集まる軍勢に対し、ヒヨリとミサキは脳裏に敗北の二文字がチラつき始める。しかしサオリだけはユスティナ聖徒会の力を信じているだけあって、負けるだなどとは微塵も思わず、むしろ好都合だと思っているようである。

 

「あの小娘の言う通り心配など無用だ、エリートガードたちよ。知っての通りサイバトロン星にはまだ予備戦力が残っている。いくらオートボットとディセプティコンが手を合わせたところで、無限に増殖する亡霊とアリウス、捕虜共と我々のほうが未だ戦力としては上だ」

 

「・・・」

 

(本当に…本当にそうなのか?あの少女にしても、未だ姿を見たことのない先生にしてもそうだ。あの得体の知れなさは何だ?この胸騒ぎは一体…)

 

ヒソヒソ…

 

「えっ…ディセプティコンまで来てんの…?」

 

ヒソヒソ…

 

「どうするべ…?あん時成り行きとはいえ味方に銃向けちまったぞ俺たち」

 

そしてセンチネル・プライムもオートボットとディセプティコンが共闘したところで、自分たちの勝ちは揺るがないとエリートガードたち言い聞かせる。他のエリートガードはその言葉を信じているが、一度ヒフミと対峙したウルトラマグナスだけは妙な胸騒ぎがしていた。そして一方の4バカたちはディセプティコンが襲来するということを聞いて、今後の身の振り方を考えていた。

 

ドシィィィィィィン!!

 

「さぁ、センチネル。先ほどの続きをしてもらうぞ!!」

 

「望むところだ、オプティマス。だが、片腕の貴様に今さら何ができると言うのだ」

 

ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン…!!

 

「何だ?この音は?ジェット機?スタースクリームか?いや…」

 

“やっぱり…素直じゃないんだから…”

 

「先生…やっと君も来たのか」

 

ヒフミたちがアリウスたちと対峙するなか、オプティマスも再びセンチネルと戦うべく彼の前に立つ。センチネルは片腕のオプティマスなど問題外だと思っているようだが、ここでジェット機のような轟音が通功の古聖堂上空へと響き渡る。そしてこのタイミングで先生もみんなの前に姿を表した。

 

バキュゥゥン!!ドヒュゥゥゥン!!

 

「しまっ…!!」

 

ズドドドドドドドドドォォォォォォォォン!!

 

「「「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」」」

 

ドカァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!

 

「スペースブリッジの柱が…たった1機の戦闘機に破壊されただと…!?」

 

「あのジェット機にしては不細工な姿…まさか…!!」

 

そのジェット機のような飛行体は狙いを定めると、地上に向けてビームを発射する。そしてソレが狙った先にあったのはスペースブリッジの柱であった。スペースブリッジの柱はエリートガード諸共吹っ飛び、ゲートが閉じてしまった。そしてその飛行体の正体にオプティマスはいち早く気づいたようである。

 

ヒュゥゥゥゥゥゥゥン…!!ギゴガゴゴ!!ズダァァァァン!!

 

「・・・」 「・・・」 “・・・”

 

「ここは俺の惑星だ…!!」

 

ガシャン!!

 

「メガトロン…まさか貴様が…!!」

 

「この惑星の命運を決める戦いなのだろう?ならば俺がいなければ始まるまい?なぁ、プライム」

 

「メガトロン…!!」

 

そして例の飛行体はオプティマスとセンチネルの近くに降り立ちトランスフォームする。現れたのはディセプティコンのリーダー、破壊大帝メガトロン。これには流石の両プライムも驚きを隠せずにいた。

 

“やっぱり来た。共闘しないとか言ってたくせに…”

 

「まさかお前が来るとは思わなかったぞ、メガトロン」

 

「黙れオプティマス!!俺はそんなザマの貴様がセンチネルと戦って不甲斐なく負ける姿をわざわざこの場に観に来てやったのだ!!」

 

「なんだ…戦わないのか、メガトロン。まぁ、臆病者なお前らしいな。ハッハッハッ!!」

 

「なんだとぉぉぉぉぉ!!言ったな貴様ぁ!!」

 

オプティマスはメガトロンに声をかけると、彼は不機嫌そうにここに来た理由を話し出す。それを聞いたオプティマスはメガトロンを臆病者だと笑うと、メガトロンはセンチネルそっちのけでオプティマスにつっかかる。

 

「センチネル・プライムを始末した後は貴様だ、オプティマス!!これが終わったらぶっ殺してやる!!」

 

「あぁ、好きにするといい」

 

ザッ…!!

 

“やってやろうぜ、D!!”

 

“あぁ、パックス!!”

 

かつての親友が、共に並び立つ…

 

 

 

 

 

ザァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ…

 

「こうなったら思い知らせてやる!!足掻こうと何の意味もない、全ては無駄なのだということを!!」

 

「儂はこの惑星を手に入れる!!我が種族の存続のために!!」

 

「・・・」

 

“・・・”

 

コクリ…

 

サオリとセンチネルは次々と集まっていく敵たちを見て、怒りが最高潮に達する。そんな彼らを見ていた、ヒフミと先生はアイコンタクトを交わすと、先生は静かに頷いた。

 

「ヒフミ…」

 

「アズサちゃん、私は今すごく怒ってます。すっごくです」

 

「・・・」

 

「ですが…それ以上に、無事でよかったです」

 

そしてヒフミは再びアズサのほうへ向き直ると、彼女にすごく怒っていると伝える。その言葉を聞いたアズサは目を逸らすが、彼女はその後に続けて無事で良かったと言った。

 

「すっごく怒ってましたが、よく考えてみればそれはアズサちゃんのせいではありません。ですから、私はもう怒っていません」

 

「ヒフミ…」

 

「ですが、あの方々についてはまだ怒っています」

 

「「・・・」」

 

「殺意ですとか、憎しみですとか…それが、この世界の真実ですとか…それを強要して、全ては虚しいのだと言い続けてましたが…さらには、自分たちを救うためにこのキヴォトスを犠牲にして支配するだとか…」

 

ヒフミはさらに続けて、アズサには怒っていないと言いつつ対峙するサオリとセンチネルのことは怒っていると言い出す。それを聞いた当人たちは彼女を睨みつけるが、ヒフミは構わず話続ける。

 

 

 

 

 

「それでも、私は…!」

 

 

 

 

 

「アズサちゃんが人殺しになるのは嫌です…」

 

「そんな暗くて憂鬱なお話、私は嫌なんです」

 

「それが真実だって、この世界の本質だって言われても、私は好きじゃないんです!」

 

「私には、好きなものがあります!」

 

ヒフミはこの場にいるみんなの前に立ち、演説をし始める。その場にいる全員がヒフミに注目し、誰もが彼女に釘付けになっていた。

 

「平凡で、大した個性もない私ですが…自分の好きなものについては、絶対に譲れません!」

 

「友情で苦難を乗り越え、努力がきちんと報われて、辛いことは慰めて、お友達と慰め合って…!苦しいことがあっても…誰もが最後は、笑顔になれるような!」

 

「そんなハッピーエンドが私は好きなんです!!」

 

スゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…

 

「空が…」 「晴れていく…!!」

 

ヒフミが自分の好きなものを語っていると、今まで降っていた雨が止み始める。それを見たアリウスやエリートガードは、その奇跡にも見える光景に驚き始める。

 

「誰が何と言おうとも、何度だって言い続けます!」

 

「私たちの描くお話は、私たちが決めるんです!」

 

「終わりになんてさせません、まだまだ続けていくんです!」

 

「私たちの物語…」

 

 

 

 

 

「私たちの、青春の物語(Blue Archive)を!!」

 

 

 

 

 

「あ、雨雲が…」

 

「気象の操作…?いや、これは…」

 

「き、奇跡、ですか…?」

 

「っ、奇跡なんて無い!何これ…!」

 

雨雲が消え空に晴れ間が差すのを見て、ヒヨリとミサキは動揺を隠せない。まさしく奇跡を見てしまった彼女たちの動揺は大きいようだ。

 

「あー…ダメだなこれ」

 

「これをやられちまったらもう無理だな」

 

「あーあ、楽勝だと思ったんだがなぁ~」

 

「まぁ…捕まる前に好き放題やっちまったからなぁ…」

 

一方のディセプティコンの4バカたちは戦争の経験があるため、戦況が完全にひっくり返ったのを悟る。彼らはもう戦って勝つことよりも、ここから脱出してアリウススクワッドを含めてどうやって生き残るかに思考を切り替えていた。

 

「やはり…やはりあの胸騒ぎは、私の勘違いでは無かった…!!あの小さきものの力、これほどとは…!!」

 

「た、たかだか天気を晴れにしたところで…」

 

「だ、だがメガトロンも参戦したこの状況は…」

 

「・・・」

 

(まずい…エリートガードたちの戦意を削がれている。このままでは儂は敗北する…!!かくなる上はあの小僧を…!!)

 

ガチャ…!!

 

エリートガードたちの中で唯一ヒフミと面識のあるウルトラマグナスは、ヒフミの起こした奇跡を見て自分の感じていたものはただの気のせいでは無かったと確信する。そしてセンチネルは自分たちの劣勢を認識し、先生を撃とうと銃を構える。

 

“ここに宣言する”

 

「ぐっ…!!コイツ…!!」

 

“私たちが、新しいエデン条約機構”

 

「なっ…!?」

 

トリニティ、ゲヘナ、アビドス、オートボット、ディセプティコンの集団がこの場に集まる中、先生はいきなり宣言を始める。その内容とはこの場に集った者たちこそが新しいエデン条約機構であるというものであった。そして先生のその神々しい気迫を浴びたセンチネルは銃を向けることを躊躇ってしまった。

 

 

 

 

 

セイアの夢の中

 

“まさか…これはエデン条約…先生、君は…”

 

“元々は、連邦生徒会長が作るはずだった条約…そしてその連邦生徒会長が設立した、超法規的機関「シャーレ」…”

 

“まさか「シャーレ」が連邦生徒会長を代行すると?いや、そう解釈できるように捻じ曲げた…?”

 

“アリウスと、同じ…条約の主体であるゲヘナ、ティーパーティー、正義実現委員会、そして風紀委員会たちが集まって…さらにはアビドス、オートボットにディセプティコンまで…”

 

“かつての古聖堂があった廃墟で…条約の発起人である連邦生徒会長の代わりに、先生が…楽園の名を冠する約束を、再現した…?”

 

夢の中でその様子を見ていた者がいた。ティーパーティーの百合園セイアである。彼女はヒフミと先生が起こしたこの事態を見て、今までにないほど驚いていた。

 

“契約を曲回し、歪曲し、望み通りの結果を捏造する…”

 

“「大人」のやり方には「大人」のやり方で、か…”

 

 

 

 

 

通功の古聖堂

 

「…リーダー、ユスティナの統制がおかしくなってる」

 

「!!」

 

「こ、混乱してますね…エデン条約機構を助けるというのが戒律、しかし今はETOが二つあって…」

 

「っ、知ったことか!!!!」

 

「バカッ!!癇癪を起すな、サオリ!!俺たちはもう負けるしかないんだ!!今後のことを考えろ!!」

 

先生が新たなエデン条約機構の宣言を行ったことで、エデン条約機構が二つあることになるためユスティナ聖徒会のミメシスはエラーを起こしたような挙動を取り始める。しかし、サオリだけは未だこの事実を受け入れられないらしく、モホークの制止を振り切って戦闘を始めようとする。

 

「ハッピーエンドだと!?ふざけるな!そんな言葉で、世界が変わるとでも!?」

 

「ダメだ、こっちの言う事なんざ聞いちゃいねぇ…」

 

「それだけでこの憎しみが、不信の世界が変わるとでも言うつもりか!?何を夢のような話を…!」

 

“生徒たちの夢を…その実現を助けるのは、大人の義務だから”

 

「…っ!!」

 

サオリは自分たちユスティナ聖徒会を使い物にならなくした先生が許せないようで、仲間の声が聞こえないほどに激昂する。鬼の形相で睨みつけるサオリに対し、先生は生徒たちの夢の実現を助けるのが大人の義務と言って対抗する。

 

“私は生徒たちが願う夢を信じて、それを支える。生徒たち自身が心から願う夢を”

 

「そして彼女たちが夢を叶える世界を、我々の都合だけで壊させはしないぞ!!」

 

「フンッ…!!青臭い奴らだ…」

 

 

 

 

 

キヴォトスの命運を賭けた戦いが、今始まる




エアレイザーは留守を狙われないように留守番です。
自分でもアニテのOPにだいぶ脳を焼かれてる自覚がありますよ。
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