TRANSFORMERS Blue_Archive 作:H2O(hojo)
今回は合間の話なので短めです
ゲヘナ学園。ここはキヴォトス屈指のマンモス校であり、トリニティ総合学園、ミレニアムサイエンススクールと並びキヴォトス三大校に数えられる。
ディセプティコンのリーダーメガトロンはここゲヘナ学園を根城とし、支配していた。だが…
「メガトロン様!!温泉開発部の連中がまたビルドロンと結託して敷地内に大穴を掘っています!!」
「メガトロン様!!今度は美食研究会がまた給食部のフウカを拉致して、食堂で暴動が!!」
「万魔殿議長の羽沼マコトが!!」
「えぇい!!どいつもこいつも何故俺の言う事を聞けんのだ!!俺はゲヘナの支配者だぞ!!」
ゲヘナ学園は自由が売りの学校であり、支配者が万魔殿からディセプティコンに代ろうと、皆好き勝手しているのであった。さらに生徒たちからはこんな声も聞こえてくる。
「まぁ、支配者っていうかお父さんだよねー」 「そうそう、パパ。パパトロン」
ゲヘナ学園は突如現れた異星人の侵略に完全に適応していた。
そんなパパトロンもといメガトロンの一番のストレス源となっているのが
「俺がディセプティコンのニューリーダーになる男スタースクリームだ!!!」
コイツである。
スタースクリームはディセプティコンの航空参謀で実質No,2である。戦闘力も頭の出来もメガトロンに次ぐ実力を持ち、No,2に相応しい実力であることは間違いない。だが、その過剰とも言える向上心でメガトロンに反旗を翻すため、他のディセプティコンからの信頼は皆無である。
そしてそのスタースクリームはいつもの如くメガトロンを出し抜くべく、風紀委員会No,2の天雨アコの元にいた。
「それで?シャーレの先生をどうとっ捕まえるんだ?ヤツにはオートボットが護衛に付いてるって情報だぜ」
割と仲間内から馬鹿にされがちなスタースクリームだが、この気性でも元科学者である。作戦の実現性をアコに訊ねていた。
「それについてはご心配なく。我々風紀委員会の一個中隊に戦車も動員させます。トランスフォーマーに関しては、先生に個人的に因縁のあるバリケードとボーンクラッシャー、さらにうちの所属になっているサウンドウェーブとカセットロンとあなたを動員すれば流石の先生も大人しく捕まってくれるでしょう」
「なるほど、アビドスとやらの戦力はたったの5人。オートボットもたったの2人なら問題ねぇか」
「はい♪」
ゲヘナ学園風紀委員会はその名の通り学園の風紀を守る学内の警察組織のようなものである。ゲヘナ学園には問題児が蔓延っているため、学園で一番忙しい組織である。風紀委員会はゲヘナ学園にあって秩序を重んじる組織だが、とはいっても”自由”のゲヘナである。偶に秩序側が暴走を始めるのもゲヘナクオリティである。(主にアコ主導で)
「それで、アビドスに対する言い訳はどうする?一応は余所の学校に土足で入り込むわけだろ?アビドス側だけじゃなくメガトロンの野郎も黙っちゃいないぜ」
「それについても対処済みです。現在アビドスには我々が指名手配をしている便利屋68が潜伏中です。彼女たちの逮捕という目的でアビドスへ軍を進めます」
アコも行政官だけあってプランニングに隙は無い。アビドスが少数であることを活かして従わなければ兵力で訴える構えを想定していた。
「よし、そうと決まれば出動だぜ!!」
「えぇ、これでキヴォトスの主導権は我々ゲヘナ…いや風紀委員会のものです!!」
天雨アコはスタースクリームに感化され、やる気に満ち溢れていた。
その後ゲヘナ学園の演習場にて
スタースクリームとアコは風紀委員会とディセプティコンを集合させ、作戦の説明を行っていた。因みに、風紀委員長の空崎ヒナ、万魔殿議長羽沼マコト、破壊大帝メガトロンは現在会議中である。
「現在、便利屋68のメンバー4人はアビドスとゲヘナの境目付近に潜伏中という情報が諜報員の報告で上がっています。さらに、我々どころかヒナ委員長ですら苦戦を強いられたダイナボットが現在便利屋と共に行動をしていないことも確認済みです。このチャンスを逃せば2度と便利屋を捕まえることはできないかも知れません。皆さん気を引き締めて事に取り掛かってください」
「「「「はっ!!」」」
アコは今回の作戦を風紀委員会に説明するが、彼女たちの本来の目的は伝えずにいた。彼女も自分がこれからやる事が黒に近いグレーであるという認識はあるのである。
「ねぇ?チナツ」
「何でしょう?イオリ」
「何かとてつもなく嫌な予感がするんだけど」
「奇遇ですね、私もです」
並んでいる風紀委員会の中でも最前列にいる銀鏡イオリと火宮チナツは彼女のいつもとは違う様子に気付いたようである。
「アコちゃんの暴走だけでも不安だけど、今回はさらに不安だよ…」
「そうですね…何せ今回は…」
「「“アイツ”(スタースクリーム)がいる…」」
スタースクリームの事はゲヘナ学園の生徒たちの間でも有名である。メガトロンとのニューリーダー漫才はもはやゲヘナ名物の一つになっていた。
「はぁ…2人で何企んでるんだか知らないけど、始末書書く準備はしといたほうがいいかな」
「はぁ…そうですね」
目の前のやる気に満ちた2人とは違い風紀委員たちのテンションは下がりっぱなしである。なんせ暴走したら基本やらかすアコが絶賛暴走状態なのと、常に暴走状態のスタースクリームが一緒に並んで何か企んでいるのである。風紀委員は下っ端の苦悩をその身で体感していた。
((((とりあえず、責任は全部あの2人に取ってもらおう…))))
皆の心が一つになった。
一方スタースクリームはサウンドウェーブをこっちに取り込むために調略をしていた。
「メガトロンは老いぼれた。この現状を見ろよサウンドウェーブ。メガトロンはこのゲヘナ一つもまともに支配できてねぇぜ。だったらディセプティコンのためにも新しいリーダーが必要だと思うだろ?」
「・・・。」
サウンドウェーブは何も答えない。またいつもの発作が始まったと呆れた視線でスタースクリームを見ている。だが当のスタースクリームはサウンドウェーブの視線などまるで気づかずに話を続けていく。
「今回の作戦はただ、違反者を逮捕する作戦じゃあねぇぜ。『シャーレの先生』をとっ捕まえる作戦なんだ」
「ほう…」
ここにきてようやくサウンドウェーブが口を開く。シャーレの先生と言えば上司であるメガトロンもその権限や指揮能力を重要視もとい危険視している存在である。
「ソイツをとっ捕まえるのに協力してくれればお前をディセプティコンのNo,2にしてやるぜ。まっ、リーダーはこの俺、スタースクリーム様以外ありえんがな!!」
そう言われサウンドウェーブは考える。
(メガトロン様の中でも『シャーレの先生』の優先度はかなり高いご様子だった。とりあえず、アイツが“彼”を使ってニューリーダーの座に座ろうとしているのは分かり切った話だが、この話自体に乗るのはアリだ)
「誰がリーダーかなんてのはどうでもいいが、その『シャーレの先生』については興味がある。いいぞ、その作戦に参加してやろう」
「お前ならそう言うと思ってたよ」
サウンドウェーブは今回の作戦の参加を決めた。
(まぁ…失敗すれば全部コイツのせいにすればいいしな)
サウンドウェーブは中々に強かなトランスフォーマーである。スタースクリームとの付き合いも長く、仲も別に悪くはない部類である。ディセプティコンの利になると思えばスタースクリームの企みにも乗るのだ。
作戦説明を終えアコは風紀委員会に進軍の号令を出す。風紀委員会とトランスフォーマーたちはアビドスに向けて進軍していった。
「フッフッフッ…この計画がうまくいけばディセプティコンのニューリーダーはこのスタースクリーム様のものだ!!」
「待っててくださいヒナ委員長!!万魔殿の連中に一泡吹かせて2度とちょっかい出せないようにして差し上げますからね!!」
やる気に満ち溢れている2人を横目に風紀委員会とサウンドウェーブは、
「「「「「はぁ…」」」」」
大きなため息を吐きながらアビドスに向かって進軍していくのであった。
バリケードとボーンクラッシャーはアビドスで合流予定です。