TRANSFORMERS Blue_Archive 作:H2O(hojo)
ビー「『気を落とすな』『チャンスは巡ってくる』」
ライノックス「諦めちゃいけないんダナ」
セイア「そうだな...アズサが言っていた通りたとえどれだけ虚しくとも、それを諦める理由にはならない。『TRANSFORMERS Blue_Archive』今日は現実の私のメイン回だ。ここから大活躍フォックスですまない...」
ビー「『トランスフォーム!!』」
ライノックス「なんダナ!!」
セイアの部屋
コンコン…ガチャ…
「…先生?」
“セイア大丈夫?顔が真っ青だよ”
「先生…無事、だったのか。いや、私の都合の良い夢かもしれないな。幻か、虚構か、或いはいずれも同じことかもしれないが…」
“ど、どうしたの…?”
「いや、違うようだね…その瞳は…」
先生はミカが収監されている監獄を後にして、セイアのいる部屋を訪れる。先生の前にいた彼女は顔が青くなっており、意識も少し朦朧としているため先生は彼女の様子を心配するのであった。
「…そうか。今日は、君がトリニティを訪れる日だったな。済まない。最近の私はこれまでにも増して、夢と現実の境界が曖昧でね…現在、過去、未来…それらが絶え間なく私を包み込み、私が今どこに立っているのかも不明瞭になるくらいだ。まぁ、つまるところ気にしなくても良い…そう捉えてもらっても構わない」
“みんなが心配しているよ。何があったの?”
「…そうか。何があったか、という問いに正確に答えることは難しい…ただ、一つ言えるとするならば。私は今、誰にも告げられない未来を手にしてしまっている。だが先生、君になら…」
セイアは先生を見たことで朦朧としていた意識を取り戻し、ここが現実世界であることを認識したようである。そしてどうやら彼女は夢を見ているうちに告げられない未来というものを見たようで、顔が青いのもそれが原因なようである。
「…私の言葉に、耳を傾けてもらえるかい?」
“うん、もちろん”
「ここからは、今まで君が経験してきた事件とは全く別種の…完全に異なる類のものだ。だがどうか…荒唐無稽だと感じても、どうか聞いて欲しい」
“分かった”
「…過日、夢の使者が私に告げたんだ。言うなれば“予知夢”といった類の…つまりは何時しか至る未来の片鱗…もちろん、それ自体は日頃私が視ている世界の1つだが。しかし、その日だけは様子が違っていた。そう、あの日私は…」
「…世界が、キヴォトスが終焉を迎える光景を視たんだ」
セイアはその未来を先生だけに話そうとしており、彼にその確認をすると先生は快く受け入れる。そして彼女が視た荒唐無稽の未来というのは、キヴォトスが終焉を迎える未来であった。
“キヴォトスが、終焉…?”
「ああ、そうだ。終焉を迎えて滅亡したというべきか…結果的にそこへと至ってしまうのか…それは杳として知れないけどね」
“どんな光景だったの…?”
セイアの言葉を聞いた先生は、キヴォトスが終焉を迎えると言われ信じられないようである。だが彼女にははっきりとその光景を視たらしく、その夢の内容を先生に話始めた。
「天から巨大な塔が飛来し、虚空が緋色に染められ…不吉な塔は、まるで悲鳴を上げるように鳴動し…この世界を少しずつ削りとって…そうして、世界の破片を“何か”にかぶせていった」
「削られた世界の欠片が嵐のように吹き荒れる中で、惑星のような大きな何かが天から舞い降りて…世界を喰らっていく…」
「そうして…キヴォトスのすべてが崩壊し…塵一つ残さずに、すべてが虚無へと消えた」
“・・・・・・”
「私が視たものが単なる悪夢なのか、それとも本当に未来を、あるいは過去に起きたことを観測したものだったのか…今のところ、何も分かっていない…けれど、その光景を目にしてしまったからには、私は真実を見極めなければならない」
セイアが視た未来の内容は凄惨の一言であった。途方もない話であるため、所々理解し難い言葉があったもののキヴォトスが終焉を迎えるという未来の予感を先生は感じていた。
「そうしてあの光景が何かを明らかにするために、私は果てしない明晰夢の中を彷徨い歩いた。明晰夢は、夢である自覚をもって意識的に微睡みに沈む行為。起こった事を全て記憶できることの代償に、夢と現実の境界が曖昧になってしまう。繰り返し夢と現実を行き来しすぎた私には今、自分が立っている世界がどちら側なのかさえ知覚できていない。それに…」
“それに…?”
「その過程で、彼らの…オートボットたちの“有り得たかも知れない結末”を、私は見てしまった…」
“有り得たかもしれない結末…?”
「銀色の体躯を持つ者がゲヘナの破壊大帝に身体を引きちぎられ真っ二つにされている姿…黒色の体躯を持つ者が金属の身体を腐らせて朽ちていく姿…君の相棒が胸部を貫かれる姿…。その中でも一番目を背けたくなったのは、救護騎士団のラチェット…彼がこの星の人間の手によって悲惨にも殺される姿だ…」
セイアはどうやらその終焉の光景を解析するべく、今まで明晰夢の中を彷徨っていたようでその影響で夢と現実の区別が曖昧になっているようである。そしてその最中にオートボットたちが無残にも殺されていく“有り得たかも知れない未来”も多く見たようだ。
“すごく危険な状態に聞こえるけど…大丈夫?”
「…まあ、否定をすれば嘘だろうね。しかし、それでも必要な事だ」
“無理しないでね”
「以前の私だったなら、未来を知ることを恐れて狭間の世界に逃げ込んでいただろう。けれど、今回ばかりはそうもいかない」
“どうして…?”
「あの光景がただの悪夢ではないと、私の直感が告げているんだ」
先生はそんなセイアの状態を見て心配するが、彼女は必要なことだと言って止めるつもりは無いようである。どうやら彼女は色々な夢を見てきた中で、あの悪夢だけはただの悪夢ではないと感じているようである。
「アレはキヴォトスに存在し得ない…キヴォトスの外部から到来したモノ。私の想像を遙かに上回る、理解の及ばない存在」
“・・・”
「これは私の推測だが、恐らくアレを招いたのは“ゲマトリア”…彼らがキヴォトスに外部の存在を呼び寄せ、終焉に導こうとしているのではないかと考えている」
“…ゲマトリアが?”
セイアはキヴォトスに終焉をもたらす存在を、この世界の外側から来たものであると定義する。そしてそれをもたらしたのは、先生の宿敵ともいえるゲマトリアだとセイアは語った。
「もしかしたら、あの破滅を防ぐ方法があるかもしれない…だから、私は…」
“セイア”
「…うん?」
“「ゲマトリア」に関わる事なら、今すぐ手を引いたほうがいい。セイアは今、あまりに危険な事をしてるよ”
セイアはキヴォトスの破滅を防ぐために明晰夢の中を彷徨い続けているようだが、そこで先生から待ったがかかる。先生はゲマトリアという名前を聞いた途端に目の色を変え、セイアに忠告するほど真剣になっていた。
「ああ、たしかに…あの集団の痕跡を追うのは、自殺行為に近いのかもしれないね」
“セイアの推測が事実だったとしても、今のようなやり方はダメ。きちんと情報を集めて、みんなで協力してやる事だよ”
「・・・」
“そういう事は大人に任せて。セイアは、目の前にいる人をちゃんと見てあげて”
(ミカ…)
先生の忠告を口では受け入れたものの、止めるつもりのなさそうなセイアに先生は念を押して止めるように言う。そして彼女に夢ではなく現実の目の前の人間に目を向けるよう諭すと、彼女はミカのことを思い出した。
「…君の言うことはもっともだよ。まだ何の情報もない状態であの夢に圧倒されて…私は、自分を見失っていただけなのかもしれない」
“うん…”
「それに、今私に何か起きてしまえば。ミカが…彼女がまた選択を誤ってしまう。今、ミカは考え得る限りで最悪の状況下にある」
“そうだね…”
そしてようやくセイアは先生の説得に応じ、彼の言う事に従う素振りを見せる。そしてその理由は先生に言われただけではなく、自分に何かあればミカがさらに最悪な状況に突き進んでしまうという予感があるからである。
「…あの子は今まで甘やかされながら生きてきた。皆が彼女を崇め、讃える…まるで童話に出てくるお姫様のような存在として。そんな彼女が、今のような…世界から憎悪の対象になるというのは、おそらく生まれて初めての体験だろう。彼女が背負うには、その運命は少し過酷すぎるかもしれない…」
“うん。セイアの言う通りだよ”
「…今は、ミカをあの泥濘から救うことが最優先事項。どうして私は、それに今まで気づかずに…。霧が晴れたような気分だよ…ありがとう、先生。私たちは一歩ずつ…まずはミカの問題から解決していかなければならない」
セイアは今までのミカの立場から転落した彼女の現状に同情する。そして彼女を救うのが第一と考え、彼女の救済を決意した。
“ありがとうセイア。ところで、ミカが謝りたがってたよ”
「謝る…?私は既に彼女を許したはずだが…ああ、それは夢の中での話だったか」
“言わなきゃ伝わらないよ”
「そうか…まだ、ミカは私に許されていないと思っているのか。自分が犯した罪…その一番の被害者が私だと、彼女は感じているのだろうから」
先生はセイアの決断に礼を言うと、彼女にミカが謝りたがっていたと伝える。それを聞いて彼女はもうミカを許したはずだと言うが、それは夢の中での話であったと思い出すのであった。
「愚かだね…。我儘で、浅慮で、衝動的で…欲張りなくせに自傷的でもある君は…よりによって…。己の気に入らない存在を苦しめようとした悪役令嬢は…童話では無く、寓話の主題となる愚かな存在となり果ててしまった」
“あ、悪役令嬢…”
「だが…そんな彼女にも救いがあるとすれば…。私が一命をとりとめた事で、彼女が辛うじて人殺しには堕ちなかったという点。ミカがこの地獄のような状況に耐えていられるのは…その事実があるからなのだろうね。私の安否は、ミカにとっての心の拠り所になっていると言っても過言ではない」
セイアはこれまでの彼女の行動を悪役令嬢や童話という言い回しで例えて、愚かしい事をしたと批判する。しかし、それでもセイアはミカが自分に彼女に殺されなかったことで、今の現状に耐えられているのだと改めて自覚する。
「私は彼女に優しくなかったのに…彼女は私のせいであんな…ああ、そうだな。子供じゃあるまいに…私もミカも“ごめんね”の一言すら伝えられずにいるだなんて…恥ずかしい限りだ」
“うん”
「今すぐ、ミカを呼んできてもらうとしようか。彼女と言葉を交わし…そして、明日の聴聞会に私も参加する」
“ホント?良かった…”
「ミカの罪状の中で最も重いのは、私に危害を加えたことだから…その当事者である私が一緒にいれば、多少罪は軽くなるだろう」
そしてセイアは自分がミカを苦しませている部分もあると自覚し、さらには互いに謝罪の1つもできていないことを自傷する。そしてようやく重い腰を上げ、ミカに会うことと聴聞会の出席を決断するのであった。
チリンチリン…
「お、お呼びでしょうかセイア様?」
「悪いが、ミカに会いたい。今すぐここに連れてきてもらえるかな?」
「み、ミカ様ですか?わ、分かりました。ナギサ様に確認してみます!」
「ありがとう。あと…なるべくミカと二人きりで話したいと伝えてくれないか。どうにも、他人が同席するのは恥ずかしいからね…」
「か、かしこまりました!あわせて確認します!」
セイアはミカに会う事を決めるとすぐに側近を鈴で呼び出し、ミカに会いたいと伝える。それを聞いた側近は驚きながらもすぐに、彼女の意をくんで急いでナギサへ確認を取りに行くのであった。
“それじゃあ、私もナギサのところに行って、この事を伝えてくるよ”
「ああ…ありがとう先生。私は…久しぶりに人と接し過ぎたみたいだ…少し、横になってくる。悪いが、先生。それでは失礼…」
“それじゃあ、明日の聴聞会で。おやすみセイア”
「…ああ、お休み。それでは、お気をつけて」
ゲヘナ学園
「センチネルにつきましては、捜索を続けておりますが未だ見つからず…」
「何も問題は無い、ショックウェーブ。既に手は打ってある」
「さ、左様にございますか…」
「まったく、サウンドウェーブめ…ディセプティコン全体に周知しておらんのか…。仕事は真面目にこなすが、どうにも自分本位なきらいがあるな、ヤツは」
キヴォトスの各学園では、センチネルとアリウススクワッドたちの捜索が続けられておりゲヘナではショックウェーブがその陣頭に立っている。しかし中々見つけられずメガトロンに残念な報告をするが、彼はサウンドウェーブが裏で動いているので問題ないと答える。それを聞いたショックウェーブは戸惑うのを見て、サウンドウェーブの自分本位な面を嘆くのであった。
「愚かにもカイザーに捕縛されアリウスに売られた例の4人がいただろう」
「はい。ヤツらも未だに消息不明となっておりますが…」
「俺はヤツらにセンチネルとその背後に潜む黒幕を仕留めるよう、サウンドウェーブを通じて出している。俺たちで探すより余程可能性が高い」
「・・・。ヤツは何故そのような大事な事を私に伝えないのですか…」
「はぁ…その件に関しては俺から言っておいてやろう」
何もしらないショックウェーブにメガトロンはサウンドウェーブに命じたことを一から説明する。それを聞いたショックウェーブはサウンドウェーブのその態度に不満を覚えるのであった。
「それよりも…あの老いぼれがやらかしたお陰できな臭い動きをしている不届き者共のほうが問題だ」
「カイザーコーポレーション…ですか」
「投降したエリートガード共はオートボットが捕虜として保護しているが、それ以外の未だに抵抗を続けている連中をヤツらは治安維持の名目で狩っているようだ」
「目的は何となく察しはつきますが…」
「我々サイバトロニアンの身体を弄りまわして、そこから連中の言う事を聞く忠実な兵士を作ろうというのだろうな」
そしてそれ以外にもメガトロンの頭を悩ませる問題はあるようで、それにはカイザーコーポレーションが関わっているようである。彼らは何やらトランスフォーマーたちを捕まえて、裏で密かに人造トランスフォーマーを作り出す研究をしているようである。
「我々もその研究を推し進めているというカイザーコーポレーションの大株主に探りを入れているのですが、何度も返り討ちにあっております…。未だにヤツが何者なのかすらも掴めておりません…」
「相当な手練れだな、ソイツは…」
「お気を悪くするかも知れませんが一つだけある噂を入手しております」
「何だ、話せ」
「はっ。カイザーコーポレーションの大株主…ソイツはどうやら“メガトロン”と名乗っているらしく、我々とは違う機械生命体を組織しているそうです」
どうやらショックウェーブはそちらのほうにも探りを入れているようだが上手く行っていないようで、それを聞いたメガトロンはソイツのことを手練れだと判断する。さらには、ソイツは“メガトロン”という名を名乗り、トランスフォーマーとも違う金属生命体を組織しているという噂があるらしい。
「何だとぉ…!!」
ミシミシミシィ!!
「まったくとんだ不届き者がいたものですね…」
「だが俺の名を名乗るだけあって、その実力は相当らしいな…。全くもってムカつく限りだが」
「今後もヤツについては調査を続けます」
「あぁ、任せたぞショックウェーブ」
カイザーコーポレーション
“プレジデント、例の計画の首尾はいかがかな?最近面白いことが無くて俺様ちょー退屈なの。面白い話をきかせてちょーだい”
「計画は順調だよ。トリニティで起きた例の事件のおかげで最近は素材には困らんのでね。砂漠でわざわざ蠍を狩るよりもよっぽど高品質なものが手に入る」
“フフフ…それは良かった。これで俺たちの計画達成にまた一歩近づいたわけだ。いやーめでたい!!”
「・・・」
(腹の底が見えん男だ…一体何を考えているのか分かったものではない…)
カイザーコーポレーションではこの会社を仕切るプレジデントと謎の声が会話を交わしていた。その声はおちゃらけているが、彼らがやっていることははぐれエリートガードをハンティングして非道な実験を行うことであり、それについて彼らは何も思っていないのである。そして、そのプレジデントでさえ、その声の主の得体の知れなさに恐れを抱いていた。
“おっと、こんな時間だ…急がないとお気に入りの中華屋が閉まってしまう”
「では、計画が進み次第また報告する」
ブツン…!!
「はぁ…気を抜けばヤツに会社を乗っ取られかねんな。だが、アイツは何故ゲヘナの破壊大帝の名を名乗っているのだ?」
キヴォトス某所
「フフフ…悪役は意味も無く笑うものだが、今日は機嫌が良いから笑っちゃうぞー!!うわっはっはっはぁー!!」
「メガトロン様がご機嫌だぶ~ん」
「俺様今までまったくもって出番無かったけど、83話にしてよーやく本編に登場っ!!」
「ワスピーターもよろしくだぶ~ん!!」
「「はっはっはっはっはー!!」」
キヴォトスのどこか、薄暗い部屋の中では恐竜の姿をした生命体と蜂のような生命体が何やら会話をしている。恐竜のほうは同型のグリムロックとは違い紫色で彼よりも本物のティラノサウルスに近い姿をしており、自らを“メガトロン”と名乗っていた。そして蜂型のほうは2,3mの大きさを誇り、自らをワスピーターと名乗っていた。
「まったく、あの破壊大帝メガトロンがあんなフヌケ野郎だったとはがっかりだ。有無を言わさずあの場でオプティマス・プライムを殺せば、この惑星を支配できたというのに…」
「ハチミツみたいに甘い男だぶ~ん」
「あんな老いぼれにメガトロンの名は相応しくない。ヤツを始末し俺が新しいメガトロンになってやろうっ!!そしてそのためには、我々“プレダコン”に付き従う優秀な兵士共が必要だ」
「そのためにカイザーと手を組んだぶ~ん?」
「手を組む?あれは俺様の新しい軍団ができればもう用無しのクズだ。オートボットとディセプティコン共々消えてもらう」
メガトロン、いやビーストメガトロンの目的は今いるメガトロンを排除して、自分が彼に成り代わり宇宙を支配することである。そしてそのために、エリートガードたちを拉致し、“プレダコン”の新たなる軍団に作り替えようというのである。そしてカイザーコーポレーションも不要となれば切り捨てるつもりであり、彼の冷酷さが見て取れた。
「ふふふふふ…全宇宙はこの俺、メガトロン様に跪づくのだー!!はーっはっはっはっ!!」
キヴォトスに潜む闇はトリニティの惨劇により、蠢動を強めていた。
最近は配信サイトでアニメイテッドを見ています。
つまりそういうことですね。
流石にこれ以上はビーストの人たちは出ません。