TRANSFORMERS Blue_Archive   作:H2O(hojo)

86 / 141
サオリ「画面の前の先生。全ては虚しい…アリウススクワッドのリーダー、錠前サオリだ。私は今、アツコを助けるために先生と行動中だ。今日は遂に私たちと聖園ミカが因縁の再開を…って何だモホーク、面白いことを言え?何で…ここはそういう場所だから?だが私にはそんなこと…頼むこの通りだ許してくれモホーク!!私は何ひとつ面白いことができない。だが頼れるのはお前しかいないんだ!!」

モホーク「お前の持ちネタ、本当にソレ(土下座)でいいのか…?」


魔女

サオリがアリウススクワッドたちと合流する少し前

 

トリニティ総合学園・監獄

 

「セ、セイア様のご容態は…!?」

 

「ダメです、痙攣と血が止まらなくて…」

 

「至急、救護騎士団に連絡を…!!シスターフッドでもどこでも構わないから、早く対処法の確認を…!」

 

「ナギサ様は?」

 

「今、病院に移動中です!他の方々にも連絡を取っていますが…」

 

セイアは色彩に触れたことにより、地面に倒れ伏す。セイアが倒れたと聞いて大勢の人間が彼女の部屋へと集まり、緊急事態といった様相であった。

 

「“シャーレ”は?」

 

「さっきから連絡が取れません!ま、まさか先生にも何か起きたのでは…!?」

 

「不吉なことを言わないで、連絡を続けて!」

 

さらにその場に集まったトリニティ生の一部がシャーレに連絡を取ろうとするが、アリウスたちの元にいる先生には連絡が取れずにいた。そのことを知らないトリニティ生たちは、このタイミングで先生への連絡が取れないことに不吉なものを感じていた。

 

「犯人は!聖園ミカですか!?あの魔女が!!」

 

ドンッ!!

 

「待ってください!ミカ様は何も…」

 

「彼女がセイア様の部屋を訪れたからこんなことが起こったのではありませんか?あの女が何かをしたに決まっています!」

 

ドンッ!!ドンッ!!

 

「やめなさい!今ここで争ったって…!?」

 

「人殺し!この魔女め!」

 

そしてセイアが突然倒れたショックでその場に突っ立っていることしかできないミカに対し、一部のトリニティ生から疑いの目が向けられる。彼女がこれまでやらかしてきたことから、彼女がセイアを殺したのだと考える者が出てきたのである。

 

「出てきなさい!!聖園ミカ!この極悪人!全部あなたのせいよ!」

 

“君が、アリウスに接触したことによって…。先生が…スクワッドに狙われている…”

 

“君が、先生を連れてきたから…!”

 

「私のせいで…こうなっちゃったんだね…」

 

そして遂にトリニティ生の1人が放った言葉によって、ミカはセイアが彼女に放った言葉を思い出してしまう。その言葉を聞いたミカは遂に泣き出してしまった。

 

「…私のせい。私がバカだから、セイアちゃんが…私は全然、許されてなんかいなかったんだ…。もしかしたら挽回できるチャンスがあるかもしれないって、思ってた。きっと今夜を過ぎたら…明日の朝にはナギちゃんとセイアちゃんと、先生と一緒に…みんなで、いっしょに…。そのはずだったのに…どうしてこんな…」

 

「消えろ!!」

 

「挽回のチャンスだなんて、そんなおとぎ話みたいなもの、あるはずがないのに…バカみたい。そんなものを信じたりなんかしたから…。私がバカだから、アリウスに…”アリウススクワッド”に…サオリに利用されるばっかりで…。そのせいで…大切な人たちを傷つけて、怪我をさせてしまって…これじゃあまるで…」

 

「魔女め!!」

 

ミカは先生との約束を信じ、明日の聴聞会に出席すれば自分のやらかしたことを挽回できると思っていたようである。しかし、彼女は今の現状を見て、自分にそんなことは許されないと考え、自信の愚かさ故に周りを傷つけてしまったと深く絶望した。そしてそんな彼女に、投げかけられたのは“魔女”という言葉であった。

 

「・・・」

 

「やめろ!誰か、早く正義実現委員会を連れてきてくれ!」

 

「…そうだね。そういうことだったんだ…」

 

魔女という言葉を聞いたミカは、何かスイッチが入ったかのように落ち着きを取り戻す。そして自分がこれまでやってきたことを思い出し、何か悟ったかのような顔をしだす。

 

「なんだ、考えてみたら簡単なことじゃん…“アリウススクワッド”の錠前サオリ…すべては…」

 

ギュゥゥゥゥ…!!

 

「あの女が元凶なんだから」

 

「「「・・・」」」

 

そして何かを悟ったミカは拳を固く握りしめ、全ての元凶はサオリであると決めつける。そして様子の変わった彼女の姿を見たトリニティ生たちは、彼女のそのオーラに圧倒されていた。

 

「あの女が私を利用して…セイアちゃんのヘイローを壊そうとして、ナギちゃんにミサイルを飛ばして、あの変な宇宙人を味方につけて、先生を傷つけて…。全部…ぜんぶ、ぜんぶ、ぜーんぶ!あの子が計画したことだった」

 

スッ…

 

「…そうだね。こんな結末になるくらいなら…私、何をすればいいのかわかったよ」

 

スタスタスタ…

 

「私の大切な人たちがこんな目に遭っているのに、錠前サオリだけ安穏と過ごしてるなんておかしくない?うん、そう。そうだよ…あの女も…。私が奪われた分だけ、同じように奪われなきゃ不公平でしょ。あの女の大切な人も、同じように…全部」

 

ミカはうわ言のように全ての元凶はサオリであると呟きながら、監獄の壁のほうへ歩いていく。そしてミカは自分と同じようにサオリにも同じだけの不幸を与えてやろうと決意し、その顔に笑みを浮かべた。

 

 

 

 

 

トリニティ・監獄内

 

「離せ!出てこい聖園ミカ!!」

 

「ここで騒ぎ立てるな!今状況を…」

 

ドォォォォォォォォォォォン!!バコォォォォォォォン!!

 

「ぐあっ!?」

 

「な、なんだ…!?壁が…壊れた!?」

 

ミカが収監されている監獄の前では、ミカを糾弾する者とそれを止める者とで騒動になっていた。しかし突然轟音と共に目の前の壁が崩壊したため、彼女たちは驚いてそれどころではなくなってしまう。

 

「ごめんね~☆」

 

ガサゴソ…

 

「えーっと…私の銃、どこだっけ…。あっちだっけ?さてさて、行くとしよっか」

 

タッタッタッ…

 

「か、壁を…素手で…?」

 

「…み、聖園ミカ…聖園ミカが…」

 

「聖園ミカが脱獄した!!」

 

そして壁をブチ破って登場したのはミカであった。彼女はいつもの軽快な調子で銃を探し始めると、そのまま駆け足で何処かへ行ってしまった。そしてそれを見たトリニティ生は彼女のことを化け物を見るかのような目で見ており、怯えるのであった。

 

 

 

 

 

そして現在

 

“さっき言ってた「あと90分」って、どういうこと?“

 

「アリウス自治区に行くには、トリニティ地下のカタコンベを通過しないといけない。カタコンベの入り口は、判明しているだけでも約300か所。その中の“本当の入り口”は限られていて、残りはすべて偽物」

 

「入口を間違えれば、カタコンベで迷い続ける羽目になる。だから私たちは正しい入り口と、そこからアリウス自治区に通じるカタコンベの内部ルートを暗号で伝えている」

 

「便利なもんだぜ。便利すぎてうちにも欲しいくらいだ」

 

合流したアリウススクワッドはモホークたちに乗り込んで、一路アリウス自治区を目指す。ミサキとサオリによれば、アリウス自治区に行くためにはトリニティのカタコンベを通過するだけでなく、300か所ある中から本当の入り口を探さねばならないのである。

 

「カタコンベの内部は一定周期で変化するからね」

 

“内部が変化する…?”

 

「そう。この前通った道が行き止まりになったり…あるいは方向を見失ったり…そんな感じになる。どんな仕組み化は分からないけど…カタコンベは全容が明らかになってない迷宮。足を踏み入れるたびにルートと入り口が変わってしまうから」

 

「俺たちがあの場所から逃げられなかったのはそれもあるぜ」

 

さらには入り口から中に入ったところで、今度は内部の構造が変化するようである。今までアリウス生やディセプティコンたちが抜け出すことができなかったのもそれが原因のようである。

 

「今の私たちでは、どこが正しい入り口か分からないんです…もう暗号を教えてもらっていないので」

 

「逃げ出した猟犬に、帰り道を教える必要はないからな」

 

「で、でも…たった1つだけ、まだ使える入り口が残ってます」

 

「それも今日の日付変更線までしか使えない。あと1時間後には、そこも閉ざされてしまう…そうなったらもう…」

 

「アリウス自治区には戻れなくなるだろう。なんとか戻れたとしても、アツコを助けることはできない」

 

そしてアリウスから追い出された彼女たちは現在暗号を教えてもらっていないため、普通の入り口は使えないのである。しかし、今夜の午前0時になるまでに使える入り口というものがあるようで、彼女たちはそこへ急いで向かっているのである。

 

ズダダダダダダ!!

 

「!?」

 

「“スクワッド”だ!」

 

「やはりここに来たな!総員、戦闘準備!」

 

ガチャ!!ガチャガチャ!!

 

「…あっちも同じことを考えてたみたいだね」

 

だがその入り口に急ぐ彼らの前に、アリウス兵が現れ発砲を始める。アリウス兵たちも当然その入り口のことは知っているため、護衛を配置していたというわけである。

 

キィィィィィィィィィィィ!!ギゴガゴゴ!!

 

「オラオラオラァ!!テメェらザコ共だけで俺に勝てるのかぁ!?」

 

「クソッ…ディセプティコンか!!実家に帰れよ!!」

 

ズダダダダダダ!!

 

「俺たちゃ今勘当中なんだよッ!!」

 

「さらに生まれ故郷は滅亡寸前ってなぁ!!」

 

アリウス兵が発砲したと同時に、ディセプティコンたちはトランスフォームして戦闘体勢に入る。流石のアリウス兵もディセプティコンの相手は厳しいようで実家に帰れと叫ぶが、ディセプティコンたちは勘当中だの滅亡寸前だのと返すのであった。

 

「戦闘準備」

 

「は、はい!」

 

「まあ、こうなるよね」

 

サオリ達もベアトリーチェがアリウス兵を配置していることは分かっていたようで、一同は戦闘準備に入る。

 

「いいだろう…手負いの猟犬の意地、見せてやろうじゃないか」

 

「アオォォォォン!!」

 

「・・・」

 

バキッ!!ドゴッ!!ボカッ!!

 

「お前さぁ…サオリが良い感じの決め台詞言ったんだから空気読めよ」

 

「アイツ…ちょっと恥ずかしくなってんじゃねぇかよ」

 

そしてサオリが決め台詞を言ったところで、バーサーカーは猟犬にちなんで犬の遠吠えの鳴き真似をする。それにより現場の空気が一気に白けたため、バーサーカーはモホークとニトロゼウスにぶん殴られた。

 

 

 

 

 

ドォォォォォォォォォォォン!!

 

「一昨日来やがれ!!」

 

「あんなに苦戦させられた相手が、こんなに簡単に…」

 

「これが大人の力…す、すごいというか怖いというか…」

 

「なるほど…こりゃメガトロン様も欲しがるわけだぜ」

 

その後アリウス兵を簡単に蹴散らしたアリウススクワッドたちは、先生の指揮能力に驚く。ディセプティコンの4人もここでようやく、メガトロンが先生に拘る意味を理解した。

 

「これなら、本当に…」

 

「おしゃべりをしている時間はない。行くぞ」

 

「…そうだね、行こう」

 

「はい!」

 

こうしてアリウス兵を倒したスクワッドは、急いでトリニティの地下通路へと急ぐのであった。

 

 

 

 

 

トリニティ・地下通路

 

「…ここから地下道を通ってカタコンベの入り口に入る。でも…さっきの様子を見るに、“彼女”も私たちがこの通路を使うだろうことは分かってるみたいだね」

 

「…ああ。おそらく準備されているだろうな」

 

「まあ、少し考えれば分かることか。そもそも、アリウスの生徒なら誰でも知ってる入り口だし」

 

「っつても入り口は入り口だ。俺たちのようなデカブツを配置しておけばそれこそトリニティに見つかるだろうからな。精々アリウスのガキ配置するのがいいとこだろ」

 

地下通路に辿り着いたアリウススクワッドは、ディセプティコンたちから降りて歩いて通路を進む。ミサキとサオリはここにも当然アリウス兵が配置されているだろうと予想していた。

 

「そうは言っても迂回路は無いし、当然他の入り口を探す時間もない」

 

「強行突破する」

 

「数多の銀行強盗で培ったスキルを見せてやるぜ!!」

 

「脳ミソは…別にいいや。もやしっ子啜っても美味しくなさそうだし」

 

そして今の彼女たちに残されている時間は当然無いため、サオリは強行突破を決める。それを聞いたドレッドボットとバーサーカーは銃を構えて戦闘準備に入った。

 

「どうせ向こうも私たちも、考えは同じ。でも私たちには“シャーレ”の先生がいる」

 

「へへ…そ、そうですね。よろしくお願いいたします」

 

“え、う、うん。こちらこそ…?”

 

「この先には訓練されたエリート兵が待ち受けているはずだ」

 

「俺たちが先頭に立って暴れ回る。先生はお前らは安全が確保され次第後からついてこい」

 

ミサキとヒヨリは先生を味方にしたことで、少し余裕が出てくる。サオリ曰くここから先はエリート兵が待ち受けているようだが、ディセプティコンが蹴散らしていくようである。

 

「厳しい戦いになるが、ここを突破すればアリウス自治区に入れる。行くぞ」

 

 

 

 

 

アリウス自治区への入り口

 

ドカァァァァァァァァァァァァァァァァン!!

 

「ぐわぁぁぁぁぁぁ!!」

 

「…!!」 「・・・」

 

「ふふっ、やっぱりここに来ると思ってたよ。大当たり!」

 

「聖園、ミカ…」

 

「うわっ…マジかよ。あれが例の聖園ミカって女?」

 

アリウス自治区の入り口に辿り着いたスクワッドたちだったが、入り口を見張っていたエリート兵は轟音と共に吹き飛ばされる。そして煙が晴れて現れたのは、聖園ミカであった。何だかんだ、ディセプティコンの4人組は初顔合わせである。

 

「悪役登場☆ってところかな!まだ覚えててくれてたんだね?会えて嬉しい…って顔じゃなさそうだけど、どうしたの?」

 

スッ…

 

「そんな、魔女でも見たみたいな顔しちゃって」

 

「「「「・・・」」」」」

 

ゾァァァァァ…!!

 

ミカはエリート兵をブッ飛ばしたにも関わらず、笑顔でサオリ達の元へ近付く。そして笑顔から一瞬で狂気に満ちた顔に切り替わると、殺気を放ちディセプティコンたちを戦慄させた。

 

「…檻の中にいると聞いたが」

 

「出て来ちゃった☆早く、あなた達に会いたくってさ」

 

「そりゃどうも、サインでも書いてやろうか?」

 

「別に貴方達に用は無いよ。私が用があるのはサオリなの。だってほら…私たち、まだお話しなきゃいけない事があるんじゃないかって」

 

サオリはミカが収監されているという情報を聞いていたためそのことをミカに尋ねるが、ミカは元気に出てきたと答える。モホークがミカとサオリの会話に口を挟むが、どうやらミカはサオリに用があるようである。

 

「…先生は?」

 

「後ろだ。すぐに追いつくぜ」

 

「私もこれまで、それなりにあなた達と一緒に行動してたからさ。ここに来るってすぐに分かったよ」

 

「…通路が閉じるまでは?」

 

「残り約28分」

 

ミカがサオリとお話したいと言っているが、サオリのほうは自分の仲間と次の行動を密かに話し合っている。どうやらサオリは先生と通路のタイムリミットを確認しているようだ。

 

「まさか戦うつもり?今、あの女と交戦するのは無謀だと思うけど」

 

「そうか?いかに強いって言っても所詮はキヴォトスの小娘だろ?しかも1人だし」

 

「ただでさえ、姫と一緒にアリウスから逃げ続けた私達の体力は底を尽いてる。指揮が無ければ、まともに戦える状態じゃない。さっきまでは、先生の指揮があったからなんとか戦えてたけど…」

 

「それでもたかがガキ1人だぜ?そんなに警戒するほどかよ?」

 

「聖園ミカ…彼女はティーパーティーとして異様なほど、それこそ群を抜く武力を持っている。おまけに、乱戦のこの状況な彼女にとって最も有利な戦場だよ」

 

サオリの質問に答える中でミサキは彼女の考えを理解したようだが、ミサキは彼女の考えを無謀だと止める。しかしミカのことを良く知らないディセプティコンたちは、彼女の実力を甘く見ており問題にしていないようである。

 

「あはは☆愚鈍な女だと侮ってたのかな?そうだよね。でも、あなた達の暗号ぐらいは分かるんだから」

 

「女の子はちょっとバカなほうがカワイイって言ってけどなぁ!?」

 

「集合場所とか、拠点とかもまだ覚えてる。こう見えても、クーデターを起こした張本人だからね!」

 

「お前らちょっとツメが甘いんじゃねぇか?」

 

「指示をしたのはベアトリーチェだ」

 

ミカはアリウススクワッドに自分が愚鈍な女だと侮られていると思っているようである。しかしミカは暗号や集合場所、拠点の位置も覚えており、それに対しドレッドボットからサオリに非難の目が向けられるが、彼女は指示したのはベアトリーチェだと言い張った。

 

「あはは。多分、バカだと思われてたみたいだけど。…利用しやすかったかな?まあそれは否定しないよ」

 

「後退して、出直すのは?」

 

「無理だ、時間がない。じきに通路が閉じる」

 

「先生が到着するまで時間を稼ぐのは?」

 

「それは…」

 

ミカがスクワッドたちに話しかける中、彼女たちは相変わらず作戦会議の真っ最中である。ミサキは先生が来るまで時間を稼ぐ作戦を提案するが、サオリはミカの味方をするのではないかと心配しており言い淀んでしまった。

 

「ねえねえ、私の話聞いてる?無視?無視ってひどくない?これでも一緒にクーデターを起こした仲なのにさぁ」

 

ザッ…

 

「それって…仲間外れじゃないの?」

 

タッタッタッタッ…!!

 

「ひっ!こ、こっちに来ました!?」

 

「今どきメンヘラ暴力系ヒロインなんて流行らねぇぞ!!」

 

「金輪際流行ってたまるかよ!!」

 

これまでスクワッドたちに無視され続けたミカは、痺れを切らしたようで戦闘体勢に入る。いきなりこちらに向かって来たミカを見てヒヨリは驚いて逃げ出そうとし、モホークとバーサーカーはミカのことをメンヘラ暴力系ヒロインと形容するのであった。

 

「散れ!正面から受けるな!」

 

ズダダダダダダ!!ダァン!!ダァン!!ダァン!!

 

 

 

 

 

“(さっきの銃声は…?)”

 

ズダダダダダダ!!ドカァァァァン!!

 

”(急いで追いかけないと)”

 

タッタッタッ…

 

 

 

 

 

ドカァァァァァァァァァァァァァァァァン!!

 

「う、うう…速すぎます…」

 

バタン…

 

「くっ…」

 

「何てやつだ、あのアマ…本当に富裕層のお嬢様かよ」

 

「舐めてたとはいえ、俺たちを一瞬で吹っ飛ばしやがった…。俺って実は軽いのかな」

 

「俺との玉突き事故で吹っ飛んだだけだ、お前が軽いわけじゃねぇよ」

 

サオリの警告を聞いていたにも関わらずヒヨリはミカの攻撃を正面から受けてしまい、その場で倒れてしまう。そしてそれはディセプティコンたちも例外ではなく、重量級の彼らでさえ吹っ飛ばされてしまい、その現実に彼は驚いていた。

 

「ねえ?ねえねえサオリ?本当にこれで終わりなの?お飾りの人形だって今のあなたよりは上手く戦えるんじゃない?この程度じゃないよね、“スクワッド”は。ねえ、どうしたの?」

 

「くっ…」

 

ドシャン!!

 

「当たり前だぜ。お前ちょっと可愛いからって調子乗るなよ。さっきのはちょっとした準備運動だろ?」

 

「だよね。そんな程度じゃガッカリするところだよ☆」

 

ミカはミサキの背後に周って腕を絞めると、スクワッドたちの実力に拍子抜けする。どうやらミカは彼女たちの本気はこんなものでは無いと思っているようだ。そして、ミカに吹っ飛ばされていたドレッドボットはすぐに立ち上がると、さっきのは準備運動だと言うが、ミカのほうもあの程度じゃガッカリだと返した。

 

「あーあ…もう弾切れなの?ほら、もっと撃ちなよ?私がこんなに無防備に立っているんだから、さぁ!」

 

ギュゥゥゥゥゥ!!

 

「ぐっ、うぅぅぅぅ…!!」

 

「クソッ!!こっからだと俺たちの攻撃がミサキに当たる…」

 

「へぇ…あなた達も仲間は大切なんだ?てっきり、任務のために一緒にいるだけだと思ってた」

 

ミカはミサキを盾にしてアリウスたちを挑発し、ミサキの腕をさらに強く絞める。そのパワーに悶絶するミサキを何とか助けようとするが、この状況では彼女も巻き込んでしまうためディセプティコンたちも手をこまねいていた。

 

「どんな人にだって大事な存在っているよね。うんうん、私にもいたから分かるよ。…あなた達が殺そうとした、セイアちゃんの事なんだけどさ」

 

「俺にはそうは見えなかったがな」

 

「知ってる?セイアちゃんってさ、人を怒らせる天才なんだよ。何回グーパンが出そうになったか分かんないくらい!」

 

「「「「・・・」」」」

 

((((やっぱヤバいよこの女…))))

 

仲間のことを慮る彼女たちを見て、ミカは自分もセイアのことが大事だったと言い始める。しかしその直後のグーパン発言を聞いて、ディセプティコンの犯罪者集団ですら引いていた。

 

「でも…普段は嫌なヤツって思ってるのに、いざケガしたら心配なの。大丈夫かなって不安になっちゃうの。セイアちゃんが死んだって聞いた時は、すごく辛かった。…変だよね。あんなに話すだけでイライラするのに、ちっとも嬉しくなかったの」

 

「ホントなんなのお前…」

 

「そりゃあセイアちゃんの事は嫌いだったよ?ワケわかんない事ばっかいうし。でも、私にとっては大切な人だったの。死んで欲しいわけじゃなかった。人殺しになるつもりもなかった」

 

「メンドクサッ…」

 

ギュゥゥゥゥゥゥ…!!

 

「何か言ったかな☆」

 

しかし普段ムカつくセイアが昏睡状態に陥いると、心配してすごく辛かったと告げる。彼女のその自己中心的な訴えを間近で聞いていたミサキはつい本音が漏れてしまい、ミカにさらに強く絞められるのであった。

 

「けど、もう…全部、ぜーんぶ無駄になっちゃった…」

 

ガチャ…バン!!バン!!バン!!バン!!バン!!

 

「ぐっ…ッ!!」

 

「ミサキッ!!」

 

「私は…ちょっと痛い目に、みたいなこと言ったよね?いつヘイローを壊せなんて言ったのかな?」

 

「次そういう約束をするときにはちゃんと記録を残しとくんだな、クソメンヘラ女ぁ!!」

 

そしてミカは至近距離からミサキに銃弾を撃ち込むと、ミサキは血を流して歯を食いしばる。さらにミカは怒り睨みつけて怒りを露わにするが、バーサーカーは挑発を続けるのであった。

 

「まぁ、私1人で勝手に暴れて台無しにしたくせに、いまさら被害者ヅラするの?って感じだけどさ…」

 

「自覚はあんのかよ…」

 

「私の…大切なもの…ぜーんぶ、なくなっちゃったんだよ?学園も…友達も…宝物も…帰る場所も…先生との約束だって…。明日になったら、全部元通りになるかもしれないって、信じてたのに…。そんなものはお話の中だけだった…あはは…運命はもう決まってるみたい」

 

ガチャ…!!

 

「だからさ…“スクワッド”の…特にサオリ。あなた達も同じ痛みを受けなきゃね。私が失った分だけ、あなた達も失ってよ。そうじゃないと…不公平でしょう?」

 

これだけ自分勝手な主張をしてはいるものの、ミカ本人には被害者ヅラしている自分がおかしいとは感じているようである。だがそれでもミカは自らの感情を抑えることができないようで、サオリたちアリウススクワッドも自分たちと同じ目に合わせないと気が済まないのである。

 

ブゥゥゥゥゥゥゥゥン!!ギゴガゴゴ!!

 

“ちょっと待った!!”

 

「せ、せ、先生…!?」

 

「「「「と、誰…?」」」」

 

「ホットロッドだよっ!!」

 

サオリたちの絶体絶命のピンチに現れたのは、先生とホットロッドであった。




ミカのことはナギサの次に好きですよ。でもそれはそれとしてこの時のミカの態度はまぁ...って感じです。
アニテが終わったので、今ビーストウォーズメタルスを見ています。
何でメタルスからしか配信してないんですかね
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。