TRANSFORMERS Blue_Archive   作:H2O(hojo)

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ここからやる事が...やる事が多すぎる...!!


聖園ミカ vs アリウススクワッド

アリウス自治区

 

“ミカ…やめて!!今はこうしてる場合じゃ…!”

 

「ごめんね先生。私、元々言う事を聞かない“悪い子”だったでしょう?先生が今どういう状況なのかは大体分かるけど…その言葉には従えないの。私は何度も先生を裏切ってきたし…それが1回や2回増えたからって、今更変わることもないし、うん」

 

「・・・」 「どうする?」 「せ、先生…?」

 

「俺たちがトランスフォームしてみんなで乗り込めば振り切れるんじゃね?」

 

突如スクワッドたちの前に現れたミカを見て、先生は止めるよう叫ぶ。しかし彼女はこれまで何度も先生を裏切ってきたため、これ以上先生を裏切っても変わらないと言って聞く耳を持たなかった。

 

“とりあえず、ミカにお灸を据えよう”

 

「よかった。ちょっとムカついてきたところだったから」

 

「あれ?これって私が怒られる流れ?」

 

「そりゃそうだろ。むしろ何で怒られないと思ったん?」

 

「本当、嫌われ役って損するばっかりなんだから」

 

先生はしつこく追いかけて来るミカに一度お灸をすえる決断をする。ミカはそれに不服そうに反応するのを、モホークに突っ込まれるのであった。

 

 

 

 

 

「さっきはよくもやってくれたなメンヘラ女ぁ!!」

 

ドシュ!!ドシュ!!ドシュ!!

 

「へぇ~戦闘機になるだけあってミサイルが撃てるんだね」

 

ヒュゥゥゥゥゥゥゥ…ドカァァァァァァァァン!!

 

「どうだクソッたれ!!」

 

シュゥゥゥゥゥゥゥ…

 

「何?今の?トランスフォーマーってもっと強いと思ってたけどせいぜいこの程度なのかな?」

 

「マジかよ…」

 

ミカにお灸をすえるためにニトロゼウスは彼女にミサイルを撃ち込む。しかし、彼女はそれを避ける素振りを見せなかったため、ミサイルは彼女に直撃する。そしてミサイルが爆発して発生した煙から無傷のミカが出てきたのを見て、ニトロゼウスは恐怖を覚えていた。

 

“お灸をすえるって言ってもあんまり傷つけないようにね…”

 

「何も心配することはねぇぜ先生。多分俺たちが本気でやったってあのメンヘラ暴力ゴリラ女は死にはしねぇよ」

 

バシュゥゥゥゥゥゥゥン…ドカァァァァン!!

 

「ゴリラって言うの…止めてもらえるかな☆」

 

「お、怒ってますね…」

 

「流石に今のは私でも言い過ぎだと思う」

 

割と殺す気でミカの相手をするディセプティコンたちを見て、先生は彼女を傷つけないようにと注意する。しかし、モホークは彼女をゴリラに見立て本気でやっても死にはしないと言うと、ミカの銃撃が頬を掠めるのであった。そしてミサキとヒヨリはゴリラと言われたミカに少し同情していた。

 

“そうだよ。ゴリラは賢くて強くてそして繊細な生き物なんだよ。決して暴力的な人の例えで使うべきじゃないよ”

 

「えっ?ゴリラのくだりまだやるの?」

 

“私の友達がそのことを聞いたら絶対に悲しむよ!!”

 

「先生にはゴリラの友達がいるのか?凄いな大人というのは…?」

 

「ゴリラの友達がいるってことに大人関係あるか?」

 

さらに先生はゴリラの生体について熱く語りだし、悪口として使うべきではないと先生らしく注意する。一方このまま流れると思っていたモホークのほうは唐突にゴリラについて語りだした先生に引き気味に接するのであった。

 

「楽しくおしゃべりしてるだなんて余裕だね?そんなに私のことを弱いと思って舐めてるのかな?」

 

ズドンッ!!ズドンッ!!

 

「くっ…何て威力だ」

 

「ヤベェ…ご立腹だぜ。少々はしゃぎすぎたか…」

 

「いつもそんな感じでしょ…」

 

先生とスクワッドたちが仲良くゴリラで盛り上がっているのを見て、ミカはどんどんイライラが加速しているようで彼女たちに向かって銃を撃ち込む。ミカの銃が着弾した後には破片が飛び散り地面や壁が抉れていた。

 

「ここは俺が先陣を切るぜ」

 

「ドレッドボット…何かいい考えがあるの?」

 

「あぁ、銀行強盗で磨き上げ戦闘センスを見せてやるぜ」

 

「フッ…最悪だね」

 

イライラして殺気立っているミカの相手を今度はドレッドボットが買って出る。ミサキが珍しく彼の事を心配すると、ドレッドボットは自信満々にミサキに言葉を返す。それを聞いたミサキはこれまた珍しく、少し笑っていた。

 

「さぁ、今度はこのドレッドボット様が相手になってやるぜ!!」

 

ダッダッダッダッダッダッ…

 

「まさかと思うけど、接近戦ならそっちの方が分があるだなんて言う単純な考えじゃないよね?」

 

ガチャ!!ドキュン!!バシュン!!

 

「それで牽制のつもり?」

 

バシュゥゥゥゥゥゥゥン…!!

 

「あぁ…俺のパワーじゃお前には勝てそうにねぇしな」

 

「くっ…飛び上がったからって!!」

 

ドレッドボットはミカに向かって走り出すと、彼女は接近戦を仕掛けると思ったのかつまらなそうな顔をする。パワーでの勝負であってもミカは自分が敗けるとは微塵も思ってなかったのである。しかしミカの予想とは違いドレッドボットは彼女の頭上に飛び上がった。

 

「注意が逸れたね」

 

バシュゥゥゥゥゥゥゥン…!!

 

「なっ…連携プレー!?」

 

「おっと、余所見か?」

 

ズダダダダダダ!!

 

「やられた…!!」

 

ドカァァァァァァァァァァァァァァァァン!!

 

ミカがドレッドボットに視線を向けたところで、スタンバっていたミサキがミカにロケットランチャーを撃ち込む。さらにそのタイミングでドレッドボットが銃を撃ち込むことで避ける隙を潰し、2人の攻撃は見事ミカに命中する。

 

「ケホ、ケホ…」

 

「いい加減うざってぇからここらでお寝んねして欲しいもんだね…」

 

「まぁこれは流石に効いたろ」

 

「やったか?」

 

バコンッ!!ガシィ!!ドカァ!!

 

「「「ふざけんな!!!」」」

 

砂煙に巻き込まれ咳込んでいるミカを見て、ディセプティコンたちは手ごたえを感じていた。しかし、ニトロゼウスが特大のフラグを建てたため、他の3人にぶん殴られるのであった。

 

ガラッ…

 

「んんっ…痛いね…やっぱトランスフォーマーがいると厄介だな…」

 

「ほらぁ~!!」

 

「申し訳ございませんでした」

 

「二度と余計なこと喋るなよお前ぇ!!」

 

そしてニトロゼウスの建てたフラグを速攻で回収するがごとく、ミカは少し傷ついた程度で立ち上がる。それを見たディセプティコンたちは一斉にニトロゼウスを責め、彼は速攻で謝罪をするのであった。

 

“ミカ…セイアはたぶん無事だよ。だからトリニティに戻って…ミカを傷つけたくない”

 

「先生…。ごめんね…私はいつもこんなだよね…。私みたいな問題児はさ…先生に何度も心配をかける生徒は…先生の傍にいられないってことも、よく分かってる…」

 

“・・・”

 

「「「・・・」」」

 

((((また始まった…))))

 

スクワッドにやられてるミカを見て先生は彼女を心配して、再度トリニティに帰るように促す。先生に声を掛けられたミカは、自分を問題児だと言って自責し始めたため、再び辺りに気まずい空気が流れ始めた。ディセプティコンの4人などは正直なところうんざりしていた。

 

「でも…私…。私…わたしには…」

 

「もう、帰る場所がないの…トリニティにも…どこにも…」

 

「私はトリニティの裏切り者で、みんなの敵で…何度もセイアちゃんを傷つけてしまった魔女だから…。学園から追い出されたら、ナギちゃんにも、大切な人たちにも…二度と会えなくなる…」

 

「生徒じゃなくなったら…私みたいな問題児、先生だって、もう会ってくれないよ…」

 

「私に、これ以上幸せな未来なんか訪れないってことも、よく分かってる…。わ、私は…悪党だから…人殺しだから…」

 

そして遂にミカは感情が溢れ出し、泣きながら心情を吐露し始める。自分がトリニティを裏切ったことで起きた数々の悲劇、セイアを何度も傷つけてしまったという事実、そしてそれによって学校に居場所がなくなりナギサや先生にも会えなくなってしまうという不安、そしてこれから自身が幸せになる未来を微塵も描けないという事実に彼女は打ちひしがれていた。

 

「だから…私に残っているにはこんなものしか、ないの…」

 

「なのに、あなた達は…どうして?」

 

「私は大切なものを全部失ったのに!ぜんぶ、奪われたのに!!」

 

「あなた達は…どうして?」

 

自分に残されているのはサオリ達に復讐することだけであり、それ以外は全て彼女に奪われたとミカは主張する。そして、その彼女たちの元に先生がいることが、許せないのである。

 

「「「・・・」」」

 

「あなた達が何の代償も支払わないで、何も奪われないでいるなんてそんなの…。そんな事、許したら…私は…私は…何者でもなくなってしまう…。私には、何の意味も残らない…。わたし…。わたしは、どうしたらいいの…」

 

“ミカ…”

 

「自業自得とはいえ、流石に憐みを感じ始めてきたぜ…」

 

感情を発露するミカを見て、アリウススクワッドたちは先頭を忘れて黙り込んでしまう。彼女たちもベアトリーチェに捨てられ先生に出会ったことで、自分たちが彼女にしたことがどんなことかを理解し始めていた。

 

「スクワッドを…サオリを、そのままになんてしておけない…」

 

「うわぁぁぁ!!急に落ち着くなぁ!?」

 

「おっとぉ…?流れ変わったな」

 

「その女が、何の代償もなく先生の庇護を受けるなんてダメ…」

 

「・・・」

 

しかしひとしきり泣いた後ミカはすぐに冷静になり、アリウススクワッドをそのままにしておけないと再び彼女たちに敵意を向ける。その豹変ぶりを見てディセプティコンは驚き、名指しでダメと言われたサオリは彼女から目を逸らした。

 

「だから先生、私を止めないでね」

 

スタ…スタ…タッタッタッタッ…

 

“ミカ!”

 

「あ、アイツ…ふらふらしながらどっか行ったぞ…?」

 

「一体何なの…あの女」

 

ミカは先生に止めないでとお願いすると、ふらふらとどこかへ行ってしまう。先生は大声で彼女を呼び止めるが、彼女はそのままどこかへ消えてしまった。その一連の流れを見ていたアリウススクワッドたちは、その異様な光景を見て引いていた。

 

「そんなに…私が憎いのか、ミカ。…仕方ないのかも、しれないな」

 

「リーダーどうする?あの女、また私たちを追いかけてきそうだけど…このままバシリカに突入するのは少し危険かもしれない。アリウスに聖徒会…さらにストーカーまで…相手しきれないよ」

 

「このまま旧校舎地下の回廊を通ってバシリカに侵入する。彼女が何を企んでいようが構わない。行くぞ…時間がない」

 

「まぁ気にしてもしゃあねぇわな」

 

(ミカ…)

 

一同はミカのことは気にせず旧校舎へと向かうのであった。

 

 

 

 

 

アリウス分校・旧校舎

 

「こっちだ」

 

“ここがアリウス分校の、昔の校舎…”

 

「中に入ったのは初めてです…」

 

「そうだね。ここは廃墟…というより、もはや遺跡に近いところだから」

 

サオリに先導され一同はアリウス分校の旧校舎へと入っていく。ここはヒヨリたちですら中に入るのは初めてであった。

 

「昔はここでアリウス生が勉強をしていたのでしょうか…。ど、どんなことを学んでいたんでしょう…」

 

「さぁ…それを覚えている人は、もういないだろうね」

 

「わからねぇぜ、実は俺たちみたいなのが今もあそこで眠ってるかも知れねぇし」

 

「急ぐぞ…回廊は地下にある」

 

ヒヨリが旧校舎が生徒の学び舎として使われていた頃に想いを馳せていると、サオリは急ぐように彼女たちを急かす。彼女たちはアリウス分校の旧校舎の地下回廊へと消えていった。

 

 

 

 

 

旧校舎・地下回廊

 

「み、見つけました!こっちです!」

 

「そうか」

 

「探せばあるもんだなぁ」

 

「けっこう広いぜここ。屈んで前に進まなくて済みそうだ」

 

旧校舎を進んでいくと、スクワッドたちは地下回廊を見つけ出す。地下回廊はカタコンベと違って天井が高く、ニトロゼウスは屈んで進む必要がないと喜んでいた。

 

「…待って」

 

「「?」」

 

「リーダーの言葉通り、ここがバシリカまで一直線に繋がっている通路なら…この地形は危ない」

 

「待ち伏せの可能性なら私も考えている。だが、むしろ一直線なら…」

 

「俺たちに乗っかって突っ走れば楽勝だろ」

 

一同が回廊を進んでいると、ミサキが何かに気付いたようで彼女たちに待つように言う。ミサキは地下回廊はバシリカまで一直線のため待ち伏せされると危険だと考えているようである。しかし、サオリとモホークはトランスフォーマーたちの機動力なら問題無いとミサキの懸念を退けた。

 

「いや、聖園ミカの話」

 

「アイツか…」

 

「私が彼女ならどうするのか…考えたの。彼女にとって一番の障害は多分、先生の存在。怪我をさせたくもないし、先生の指揮も厄介だろうから。ならきっと…」

 

ゴゴゴゴゴゴゴ…!!

 

「お前ら気を付けろ!!柱が落ちてくるぞぉぉぉぉぉ!!!!」

 

ドォォォォォォォォォォォン!!

 

しかしミサキが心配していたのは聖徒会やテラーコンたちの待ち伏せなどではなく、ミカのことであった。そして彼女がその話題を出した矢先に回廊の柱が倒れはじめ、一同は巻き込まれないように前へと走った。

 

「くっ…先生、大丈夫?」

 

“うん、何とか…”

 

「よ、よかったです…急に柱が倒れるなんて…いったい…。って…り、リーダーは?」

 

「リーダー、どこ?」

 

柱が倒れてきたことによりミサキとヒヨリ辺りが瓦礫に包まれる。そして彼女たちはサオリが居ないことに気が付くと、彼女のことを呼ぶ。

 

「…ここだ。反対側にいる」

 

「こりゃあ、どかすのに時間かかりそうだぜ」

 

「瓦礫のせいでよく見えない。怪我は?」

 

「ああ、大丈夫だ」

 

そしてヒヨリとミサキがしばらくサオリのことを呼び続けると、瓦礫の向こう側から彼女の声が聞こえてくる。どうやら彼女たちは、誰かが倒してきた柱によって分断されてしまったようである。

 

ゴゴゴゴゴゴゴ…!!

 

「あ、ああっ!まだ終わってないんですか!?もっと倒れてくるっ!?」

 

ドォォォォォォォォォォォン!!

 

「けほっ、けほっ…ダメだ、完全に塞がれてる」

 

「か、完全に終わりですね!?リーダーは大丈夫なんですか!?」

 

「俺らでもこれは厳しいな…」

 

「リーダー、聞こえる?そっちに戻る道が塞がってないなら、合流地点を探すよ」

 

一度で終わりだと思っていた柱の倒壊はなおも続き、ヒヨリ・ミサキ・先生・ディセプティコンの4人と、サオリは完全に分断されてしまう。とりあえず、ミサキは瓦礫越しからサオリと今後の方針について話し合おうとしていた。だが…

 

「…いや、それは厳しそうだ」

 

「…良かった!先生が巻き込まれるかもと思って、威力下げたんだけどさ。それでも不安だったから」

 

ガチャ…

 

「・・・」

 

「まあでも、錠前サオリ…こうして、あなたが綺麗に残ってくれて良かった」

 

サオリは合流地点を探そうと提案するミサキに厳しそうだと答えた。何故ならば彼女の前には復讐に囚われた聖園ミカが立っているからである。

 

 

 

 

 

“ミカ!!やめて!!”

 

「ごめんね、先生。それはできないよ。ねえ、サオリ。時間がないんでしょう?急がなくていいの?」

 

「日の出まで…あと3時間か」

 

「あーあ…せっかく分断したけど…先生がここに来ちゃったら、これ以上私にできる事はないんだよね。でも、それって一体どのくらいかかるんだろうね?それまで持ち堪えられたらあなたの勝ちだよ、サオリ」

 

瓦礫の向こう側にミカが居ることに気付いた先生は、大声でミカを制止しようとする。しかし、彼女は相変わらず聞く耳を持たず、目の前のサオリを抹殺しようとしていた。

 

「・・・」

 

「…なに、その表情。何か楽しいことでもあったの?それとも諦めちゃった?」

 

「いや、昔のことを思い出しただけだ」

 

「?」

 

だがこんな状況にも関わらず、マスクを付け直したサオリは少し嬉しそうであった。それを見たミカは頭がおかしくなったのかと思ったようだが、彼女は何故か昔の事を思い出していたようである。

 

「来るな!!先生!!」

 

「…!!」

 

瓦礫の向こう側

 

「・・・」 「!?」

 

「時間が無い…そのままアツコの所へ行ってくれ!姫を、頼む」

 

「おうっ!!任せとけよ!!」

 

そしてサオリは先生にこちらに来ないよう、大声で叫ぶ。彼女は自分を助けるよりもアツコを救うほうが先決と考え、自分1人を残してアツコの救出に向かうよう促した。そしてその気持ちを受け取ったモホークは任せとけと答えるのであった。

 

「リ、リーダー…!」 “…!!”

 

「気持ちは分かるがサオリの言う通りだ。ここで俺たちがアイツを助けるより、アツコの元へ向かうほうが先だ」

 

「それに、もし道を見つけたとしても…手遅れだよ」

 

「・・・」 “・・・”

 

「今のリーダーではミカの相手なんかできない。私たちが到着するまで耐えられるかだって怪しいくらい」

 

サオリの自分を見捨てろと言わんばかりの発言を聞いて、ヒヨリと先生は固まってしまう。だが予断を許さない状況であるため、ニトロゼウスは2人に先に進むよう促す。それに少し休んだとはいえ、万全の状態ではないミカを相手にサオリが持ち堪えられるはずが無いとミサキは考えていた。

 

「で、でも…」

 

「でもじゃない!!俺たちの目的はアツコを救い出すこと!!それが最優先事項である以上、その可能性が最も高い選択をするべきだ!!」

 

“・・・”

 

「最終判断は先生に任せる…」

 

「今の指揮官はお前だ、先生。俺たちはお前の判断に従う」

 

それでもサオリを見捨てる選択を躊躇っているヒヨリを見て、ニトロゼウスは本来の目的であるアツコ救出を優先するべきだと訴える。そしてこの選択には先生自身も迷っているようで、黙り込んで考えている様子である。そんな彼に対し、ミサキとドレッドボットは先生の判断に従うと改めて誓った。

 

「それに、ミカは自分がやっている事を自覚しているみたいだけど…。そんなあの女を先生は説得できるの?」

 

“……私は”

 

タッタッタッタッ!!

 

ミサキにミカを説得できるのかと問われ、先生は小声でそう呟くと走り出すのであった。

 

 

 

 

 

「・・・」

 

「あーあ…結局、先生は行っちゃったね。よかったねサオリ。きっと、あなたのお姫様は助かるよ」

 

「ミカ…お前が望んでいたのはこんな事だったのか?」

 

「私が望んでいたこと…?私、何を望んでたんだっけ…ああ、うん…そうだね。目的達成、みたいな?」

 

先生たちが瓦礫の向こう側から離れた音を聞いたサオリは安堵の表情を浮かべると、再びミカに視線を向ける。そして、彼女が望んでいたことは何だったのかという疑問を本人にぶつけるが、当の本人も自分の目的ははっきりと認識できていないようである。

 

「…でも、別にあなたを狙ったわけじゃないよ。正直に言えば、誰でもよかった」

 

「・・・」

 

「むしろ…先生がここに残ってくれたらいいなーとか…思ったりしたくらい。まぁ、それはちょっと高望みだと思うけどね」

 

「・・・」

 

「えー…そんな目で見ないでくれる?セイアちゃんによく言われるんだよね“衝動的で何も考えてない”ってさ。私だって自覚してるけど…ちょっとひどくない?本人に言う?ソレ」

 

正直な話ミカからしてみれば、狙うのはサオリではなくアリウススクワッドの誰かならば誰でもよかったのである。それを聞いたサオリは、その衝動的な行動にあきれ果てた顔をすると、それを彼女に突っ込まれるのであった。

 

「…うん。やっぱり、私が一番望んでいたのはコレかなぁ。最も憎いあなたが、こうして私の前にいる事」

 

「・・・」

 

「それに、先生は…生徒を助けに行くのが正しいよ。最後にはすべての苦難を乗り越えてみんなで幸せになる…そんなハッピーエンドに向かうのがね。そして、数多くの悪行を重ねてきた私たちは…ここで結末を迎える」

 

「・・・」

 

誰でも良かったとはいうものの、ミカが一番望んでいたのはサオリが自身の相手として残ることであった。彼女はここでサオリを抹殺し、目的を遂げようというのである。

 

「だからさ…そろそろ私たちの結末を迎えようか、サオリ。黙ってないで何か言ったらどう?“魔女”が“猟犬”を処刑する場面だよ?何か言い残したい事とか、ないの?“納得できない”とか、“お前の不幸は自業自得だろう”だとか、言い訳しなくていいの?」

 

「…いや、納得している」

 

「!?」

 

ガチャ…タッタッタッタッ…ボォォォォォォン!!

 

「手榴弾!?違う…煙幕…?なに、これ?」

 

ミカはさっきから自分の言葉をただ聞いているだけのサオリに、この状況に陥らせた元凶である自分に文句や言い訳を吐いたらどうだと言う。しかしサオリは納得していると言って、何やら手榴弾のような物をミカに投げつけ、それが炸裂した。

 

ドォォォォォォォォォォォン!!ドォォォォォォォォォォォン!!

 

「い…いたた…」

 

「今は生産が禁止されている武器だ。アリウスの訓練場にたくさん捨てられていてな」

 

「そうなんだ☆別に興味ないんだけど?」

 

ガチャ!!ドォォォォォォォォォォォン!!ドカァァァァァァァァン!!

 

「くっ…!?」

 

サオリが投げたブツは、今まで大してダメージを与えられなかったミカが痛がるほどの威力を発揮していた。どうやらキヴォトスでは現在生産が禁止されているほどの武器のようで、サオリはこれを使ってミカにダメージを与えていった。

 

「お前を相手にする際の注意点は理解した」

 

ダダダダダダ…!!

 

「…うっ」

 

「ミカ…私はお前の憎悪を否定しない。お前に幸せな未来が訪れない事も、すべてを奪われた事も、孤独になった事だって…私に原因がある。ならば、私はその憎悪に応じよう」

 

タッタッタッタッ…

 

「…面白いね、うん」

 

サオリはここまでのミカとの戦いで、彼女の戦闘スタイルを学びそれを実行していく。そしてサオリは改めてミカの憎悪を受け入れそれに応じると言ってミカの視界から消えていった。

 

「ゲリラ戦でいくんだ?まぁ、この地形を考慮したらそれが最善だろうね。それに…それってサーモバリック手榴弾でしょ?あはは☆ちゃんとたくさん用意してる?少量で私を相手できるなんて思わないでよね?」

 

ドォォォォォォォォォォォン!!

 

「これなら…うん。今からちゃんと相手するからさ…全力で抵抗してみてよ?あなたにとっては、すべては虚しいものなんだろうけど」

 

「そうか…なら、最後までもがいてやろう」

 

「へぇ…退屈させないでよね?」

 

ドォォォォォォォォォォォン!!ズダダダダダダ!!ドカァァァァァァァァン!!

 

 

 

 

 

至聖所

 

「面白い見世物。そうして互いの地獄を深めていくなんて…ミカ、やはりあなたは私のミューズです。他者との接触は地獄である…互いが憎しみ合うことで、その実在を証明しているに他なりません。証明できない楽園に比べたら、こちらの方がはるかに明確です」

 

「まさか…手駒として使っていたディセプティコンだけではなく、右腕であるウルトラマグナスまでもが儂を追ってくるとはな…これも定めか…。だがしかし、儂は諦めんぞ。我が種族を…救うために」

 

「「「・・・」」」

 

サオリとミカの戦いをアツコのいる至聖所で見ているのはベアトリーチェとセンチネルとテラーコンたちである。ベアトリーチェは彼女たちの戦いを見て、自信の理想の世界だと喜んでいた。そしてセンチネルはウルトラマグナスが自分を倒しに来たことに驚きながらも、自らの野望を諦める気は無いようである。

 

「まだ諦めていないようですね」

 

「百合園セイアか?」

 

「トリニティに戻りたいのですか?ですが、夢の隙間から脱することは容易ではないでしょう。あなたは“意識”に巻き込まれましたからね。キヴォトスの外部に通じる窓に顔を出したも同然です」

 

「「「・・・」」」

 

「ええ…あなたの存在はまるで暗闇浮かぶ灯火のように目立った事でしょう」

 

そしてベアトリーチェは自分が夢の隙間に送ったセイアを観測すると、諦めずに脱出しようとする彼女を見て忌々しそうにする。どうやら彼女はキヴォトスの外部にベアトリーチェによって放り出されたようで、そこで何かに巻き込まれているようである。

 

「“アレ”によって、ね」

 

「アレ…?」

 

「センチネル・プライム…あなたにはまだ説明していませんでしたね。“アレ”に露出されたあなたの神秘は恐怖…テラーへと反転され、裏面の原理があなたを支配し始めたのです。気になりますね…この先、あなたがどうなってしまうのか。私たちも何も知らないのです。“アレ”について、私たちは全くの無知なのですから」

 

どうやらセイアは彼女の言う“アレ”に取り込まれつつあるようである。そして“アレ”のことについては、ベアトリーチェを含むゲマトリアたちも理解の及ばない存在であり、セイアが“アレ”に触れてどうなるかを期待しているようである。

 

「解釈されず、理解されず、疎通されず…ただ到来するだけの不吉な光。目的も疎通もできない不可解な観念…。私たちゲマトリア最大の宿敵…。私たちはそれを“色彩”と呼んでいます」

 

「色彩…?」

 

「えぇ…。そしてこちらの3人は“儀式”によって崇高に至るために呼び出した色彩の尖兵たちです。私は“儀式”によって“色彩”の力を取り込み、この世界の支配者へと至るのです!!」

 

「…そうか」

 

(あの女の汚らわしい目的は理解した。相変わらず不愉快な女だ…。しかし、ヤツの語る“色彩”とやらに妙な胸騒ぎがするのは何故だ…?)

 

 

 

 

 

夢の隙間

 

“はぁ…はぁ…”

 

“私は…諦める事などできないよ、ベアトリーチェ。何処かに…何処かに…この状況を打破できる方策があるはずだからね…”

 

“一刻も早く、ここを抜け出す方法を…見つけなければ…。いつまでも、この白昼夢に囚われてはいられない…”

 

“嗚呼…私にはまだ…為すべき事が残っているのだから…”

 

 

 

 

 

地下回廊・某所

 

ギギギギギ…

 

「・・・」

 

キュィィィィィィィン…!!ギゴガゴゴ…!!

 

「この場所に不届き者が侵入しているようだな…。それに…ヤツの、“ユニクロン”と“テラーコン”共の気配がする。やはりあの時、完全に奴らをこのキヴォトスから排除することはできなかったか…」

 

バサッ!!

 

「私が眠ってからどれだけの時が経ったのかは分からんが、この惑星の“子供たち”のためにも、我々が招いてしまった危機は排除しなければ…!!」

 

地下回廊の某所にて、赤く少し錆付いたような色をした金属生命体が彼女たちの戦闘の影響によって動き出す。その生命体は騎士のような姿から一匹の赤いドラゴンへと変形すると、回廊の中を飛び立つのであった。




ダイナボットじゃないよ
Bメガトロン「俺様じゃないぜアチョー!!」
オリジナルトランスフォーマーでもないよ
一応実写にもちゃんと出てたよ

あと、原作と違ってまだまだやらなきゃいけないことが多いので制限時間が1時間から3時間に伸びてます。
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