TRANSFORMERS Blue_Archive 作:H2O(hojo)
エデン条約襲撃事件後、しばらくした後
“今回は助かったよ…君がいなかったら私の命も危うかったかも知れない”
「いや、私のほうこそ君に感謝している。君がディセプティコンを連れて来なければ、私は…いやオートボットたちはセンチネルに全滅させられていただろう」
“腕はもういいの?”
「あぁ、うちのラチェットとホイルジャックたちは優秀な医者とエンジニアだ。外れた腕もこの通り元通りさ。君の腹の傷も大丈夫か?我々と違って、人間は…特に先生は頑丈ではないのだろう?」
“うん、何とかね。傷は残っちゃったけど、問題ないよ”
エデン条約のほとぼりが冷めた頃、先生とオプティマス・プライムはキヴォトスのとある場所で2人で会っていた。2人は互いに相手のお陰で助かったと感謝すると、これまた互いに事件で負った傷を心配していた。
“センチネル・プライムは、まだ見つからないの?”
「あぁ…我が師はこの事件の首謀者の1人だ。それこそディセプティコンも、各学園も必死になって探しているはずなのだが…まるで見当たらない」
“そうなんだ…アリウススクワッドたちも見当たらないって言ってたよ”
「やはり、未だ場所が分からぬアリウス自治区へ潜んでいるのだろう。早急に見つけねば…」
そして話題は未だ居場所が分からないセンチネル・プライムとアリウススクワッドたちの事になる。キヴォトスの各勢力が必死になって探しているにも関わらず見つからないので、オプティマスはアリウス自治区に潜んでいるのではと推測した。
“でも私はアリウススクワッドの子たちも救いたい。彼女たちも、まだ子供で生徒のはずだ”
「そうか…君のその苦しんでいる生徒を救いたいという思いは、尊いものだと私は思う。流石は連邦生徒会長が選んだだけのことはあるな」
“そういえば…初めて会った時、君は連邦生徒会長から私の事を聞いたって言ってたけど、彼女に会ったことがあるの?”
「あぁ…一度、ほんの僅かなひと時だったがな」
先生はアリウススクワッドに腹を撃たれたにも関わらず、彼女たちも同じ生徒であるため、等しく救いたいと言い出す。それを聞いたオプティマスはその考えを肯定し、連邦生徒会長が彼を選んだ理由を理解していた。
先生がキヴォトスに来る数日前
ブゥゥゥゥゥゥゥゥン…キキィィィ!!ガチャ…
「ありがとう、ビー君」
「『お安い御用さ』」
「・・・」
「はじめまして。オートボットの司令官、オプティマス・プライムさん。私はこのキヴォトスで連邦生徒会という組織の会長をやっている者です」
「あぁ、私がオートボットのリーダー、オプティマス・プライムだ」
これはオプティマス・プライムが連邦生徒会長と会った、最初で最後の記憶である。何故なら彼女はこの数日後謎の失踪をし、キヴォトスから姿を消すからである。
「ビー君から聞きました。あなた達オートボットはオールスパークというアイテムを探すためにこのキヴォトスへと降り立ったことも、そしてあなた達と敵対するディセプティコンも同じくこの惑星へと既に潜入していることも」
「・・・。あぁ、その通りだ」
「そして私はディセプティコンに命を狙われ、それをビー君に救われました」
「そうか…恐らくメガトロンが君を殺すよう命じたのだろう」
彼女はビーから降り、オプティマスプライムに挨拶すると、彼らが置かれている状況をオプティマスに確認する。一方のオプティマスはまだキヴォトスの人間を警戒しており、ぶっきらぼうな態度を取っていた。
「貴女は一体何のために私のために会いに来たのだ…?」
「そうですね…いきなり正式な約束もなく訪れてしまったことは申し訳なく思っています。ですが、私には時間がありません」
「時間が無い…?」
「私はあともう少ししたら、このキヴォトスから消えてしまうでしょう。その前に貴方とお話がしたかったのです」
「・・・。分かった、話を聞こう」
オプティマスは不機嫌そうに生徒会長に会いに来た理由を問うと、彼女は謝罪し時間が無いことを打ち明ける。連邦生徒会長の覚悟を見たオプティマスは、態度を変えて彼女の話を聞くことにするのであった。
「お話というのは他でもありません。私たってのお願い…いや、一生のお願いとでも言いましょうか…。とにかく、貴方たちにお願いがあって来ました」
「そうか…」
「私はビー君と出会って、短い間でしたが沢山の冒険をしました。それは私にとって大切でかけがえのない思い出でもあります」
「『ありがとう』」
連邦生徒会長のお話というのは、オプティマスにひいてはオートボットに彼女から自分が消える前にお願いがあるようである。そして彼女はお願いをする前に、自分とビーたちの思い出を彼に話した。
「彼と交流を深めていくうちに、私は気づいたのです。貴方たちならばこのキヴォトスで生きる生徒たちの希望となれるのではないかと」
「・・・」
「彼女たちのことを助けてくれとまでは言いません。ですがどうか苦しんでいる彼女たちに寄り添ってはくれませんか…?」
「寄り添う…?」
そしてビーと交流を深めていくなかで、連邦生徒会長はトランスフォーマーたちがこのキヴォトスの生徒たちの希望になり得ると考えたようである。彼女のお願いというのは、キヴォトスで暮らす生徒たちに寄り添って欲しいという話であった。
「残念だが…我々は戦士だ。とてもこの惑星の住人たちに寄り添うなどということは…」
「いいえ。むしろ貴方たちだからこそ、彼女の希望足り得ると私は思っています」
「『そうだ』『彼女たち』『強い』『アグレッシブ』『パワフル』」
「えぇ、ビー君の言う通り彼女たちはとてもアグレッシブで、私にすら理解できないことをしでかす事が多々あります。そんな彼女たちであるからこそ、貴方たちの力が必要なのです」
しかし、連邦生徒会長のお願いを、オプティマスはオートボットは戦士であるとして断る。だが、彼女はそう言われることを予想していたのか、キヴォトスで生きる生徒たちの強さを説き、バンブルビーもそれに同調した。
「それともう一つ。私がキヴォトスからいなくなった後、ここに新たに“先生”がやってきます」
「先生?師や教師…ということか?彼女たちは生徒なのだろう…?ならばその彼女たちを教え導く存在は居てしかるべきではないのか…?」
「はい…本来はそのはずなのですが、キヴォトスにはそのような人が…“大人”が存在しないのです」
「なんと…!!」
「私がいなくなった後は、その頼れる大人である“先生”にキヴォトスを任せたいと思います」
そして連邦生徒会長はオプティマスに自分がいなくなった後に、先生がキヴォトスに来ることを伝えると、彼はキヴォトスに生徒を教え導く存在である先生がいないことに驚く。連邦生徒会長はその先生に、自分が居なくなった後のキヴォトスを託そうというのである。
「先生は貴方たちと同じくこのキヴォトスの外からいらっしゃいます。そして、彼自身は貴方たちやこのキヴォトスの住人に比べればひ弱で脆い存在でもあります」
「君の言いたいことは分かった。彼のことを守って欲しいのだな?」
「はい、話が早くて助かります。先生はこれから多くの苦難に立ち向かわなくてはなりません。そんな彼を…どうか守ってあげてください。重ねてお願いいたします」
「『俺からも』『頼む』」
連邦生徒会長は先生はキヴォトスの外から来て、本人自体はひ弱な存在であると説明する。その事を聞いてオプティマスは彼女は彼を守って欲しいのだと察する。そして連邦生徒会長とビーは再び、オプティマスに頭を下げるのであった。
「キヴォトスを統べる者よ。頭を上げて欲しい」
「いいえ、私はそれほど大した存在ではありません。ただ志半ばでここを離れる以上、後を引き継いでくださる“先生”と、このキヴォトスで生きる者たちのために自分ができる事をしているまでです。私は失敗してしまったので…」
「よろしい!君の覚悟は受け取った。オートボットは先生とここに暮らす生徒たちの味方となろう」
「ありがとうございます!!」
連邦生徒会長の覚悟を見たオプティマスは、彼女に頭を上げるよう促す。そして彼は彼女の話を聞いて、先生と生徒たちの味方になることを決めたのである。それを聞いた彼女は嬉しそうにオプティマスを見上げてお礼を言うのであった。
「では、私はこれで。もう二度と会うことは無いでしょう…」
「あぁ…後は任せてくれ」
ギゴガゴゴ…!!
「『寂しい』『行かないで』」
「ビー君…」
オプティマスが自身の願いを聞き入れたことを確認した連邦生徒会長は、2人と別れようとする。しかし、バンブルビーは彼女と別れるのが寂しいようで、トランスフォームして彼女に抱き着いた。
「ごめんね、ビー君。本当は君を置いて1人で行くのは寂しいけれど…これは私がやらなきゃいけないことだから…」
「『分かった』」
「ありがとう…君と一緒にいた時間はとても楽しかった。今度は君が先生の相棒として彼の傍にいてあげてね」
「『任せて!』」
連邦生徒会長は涙を流しながら、ビーとの別れを告げる。そして彼女は先生の相棒として彼を守って欲しいと言うと、ビーは親指を上げて承諾した。
「最後に、皆さんに私から贈り物です」
「贈り物…?」
「『トランスフォーマー』これがここキヴォトスでの貴方たちの名前です。サイバトロン星人と呼ばれるのは少々カッコ悪いですからね」
「『トランスフォーマー』…なるほど、我々を呼称するのにピッタリだな。ありがとう、素敵な名前を与えてくれて」
「それでは、ここで本当にさようならです。最後に貴方と話ができて良かった…」
そして連邦生徒会長は彼らと別れる前に、一つ贈り物を授ける。それはここキヴォトスでサイバトロン星からやって来た金属生命体が呼ばれている、『トランスフォーマー』という名であった。彼女はその言葉を最後に2人と別れ、何処かへ消えてしまった。
「これが、私が彼女と出会った時の記憶だ」
“いや…ちょっと待って欲しい…。色々初耳というか、聞いてないことが沢山あるというか…。特にビーと連邦生徒会長の話なんだけど…”
「ビーは君に彼女のことを詳しく話していないようだな」
“全く知らなかったし、そんな素振りも感じさせなかった…。一体なんで…?”
「ビーにとって彼女との記憶はかけがえのないものなのだろう。それこそ、君にすら話すことを躊躇うほど大切な…」
ひとしきりオプティマスが連邦生徒会長との記憶を語り終えると、先生は知らなかった事だらけで驚く。特にビーの前の相棒が連邦生徒会長だったことに関しては、青天の霹靂だったようであった。
“そうか…彼女との思い出はビーにとってそれほど大切なものなのかも知れないな”
「あぁ…実際のところ私もビーに一度聞いたことがあるが、話してはくれなかった」
“ビーにもキヴォトスに大切な思い出があるんだね…”
「ビーは私より前にこのキヴォトスへ降り立ったからな…。この惑星に最初に来たオートボットは彼だ」
オプティマスの話を聞いて先生は、ビーと連邦生徒会長との在りし日の冒険に想いを馳せる。オプティマス曰く、ビーはオートボットの中で一番最初に来たトランスフォーマーのようである。
「この惑星に私たちが来てしばらく経ったが、最近ふと思うことがある…」
“うん…”
「我々は何のためにここキヴォトスへ降り立ったのか…」
“それはここキヴォトスにオールスパークがあるからだって…”
ビーと連邦生徒会長の話をした後、オプティマスは最近思う事があると先生に打ち明ける。その内容とは何故自分たちがここキヴォトスへと降り立ったかについてであり、先生はそのことについてオールスパークがあるからだと答えた。
「あぁ…我々が最初にこの惑星にやって来た目的は君に最初に会った時に説明した通りオールスパークの反応があったからだ。それはメガトロンたちディセプティコンもそうだろう。だが、最近はどうにも違うように感じるのだ…」
“そう…なんだ”
「太陽をエネルゴンに換えるためにこの惑星を狙ったザ・フォールンとそれに対抗したプライムたち、グレートウォーで消息を絶ちここで眠っていたセンチネル、さらには別の世界から偶然流れ着いてしまった未来の戦士たち…。オールスパークに関係無く、まるで引き寄せられるかのようにここキヴォトスへやって来ている。これはもはや偶然という一言だけでは済む話ではあるまい」
“それは、最近自分もそう思っていたところかな”
オートボットもディセプティコンも初めはオールスパークの反応を感知してキヴォトスにやってきたことに間違いはない。だがオプティマスは最近、それが理由ではないと感じ始めていた。彼はオールスパークに関係無くザ・フォールンやセンチネル、さらには未来の戦士までもがここキヴォトスへやって来ている現状は偶然ではないと考えており、先生もそのことについては薄々思っていたようである。
「それ故に最近連邦生徒会長が私に言った言葉がよく浮かぶのだ。“彼女たちに寄り添ってくれ”という言葉が…」
“うん…”
「もしかすると我々は彼女たちの心に寄り添うために、彼女たちを守るためにこの惑星に来たのではないか…?そう思えてならないのだ…」
“うん…私も生徒たちも、沢山君たちに助けてもらったよ”
その事実を認識してオプティマスは最近よく、連邦生徒会長の言葉が思い浮かぶという。そして自分たちがキヴォトスにやって来たのは生徒たちを助けるためなのかも知れないと思い始めていた。
「それに…彼女たちのことを見ていると、永く戦っていて忘れていたあの楽しかった頃の気持ちを思い出す。平和だったあの頃の記憶を…」
“・・・”
「だからこそ、戦いで擦り切れてしまった我々と同じような道を、彼女たちには歩ませたくはない。この惑星で彼女たちや先生たちと交流していくにつれ、そう思うようになってきたのだ」
“うん…うっ…”
「あのメガトロンですら、“俺の惑星だ”と言うほど執着している。本人は表に出さんだろうが、ヤツもこの惑星の住人たちに惹かれつつあるのだろう」
さらにオプティマスはキヴォトスで暮らす生徒たちを見て、戦争が始まる前の楽しかった記憶がよみがえってくるようである。そして彼女たちが今の自分たちのような結末になって欲しくないと望むようになったようである。その話を聞いた先生は感動で泣き始めていた。さらにオプティマスが語るには、彼だけでなくメガトロンですらもこのキヴォトスに惹かれ始めているようであった。
“うっ…ありがとう…!!ぐっ…私を…私たちを守ってくれて…”
「あぁ…これからも君や生徒たちには多くの苦難が降りかかることだろう…。だが何も心配することはない、我々がついている」
そして現在 アリウス自治区・地下回廊
ギギギギギ…!!
「ユニクロン…?何を言っているのだ貴様は!?ユニクロンは今我が故郷サイバトロン星に近づきつつあるのだぞ!?何故この惑星にユニクロンの従者たちがいるというのだ!?」
バシィィィィン!!ゴォォォォォォォォォン!!
「ならばこの領域から感じるユニクロンとその走狗テラーコンの気配は一体何だ!!貴様らもテラーコンの一員なのだろう!?」
ガガガガァァァン!!
「何を訳の分からんことを…!!」
ウルトラマグナスはいきなり現れたドラゴンに襲い掛かられ、手を焼いていた。さらにそのドラゴンは自分たちのことをユニクロンの走狗であるテラーコンだと思っているようで、一同は困惑していた。
ドォォォォォォォォォォォン!!
「なぁ、俺たちに襲い掛かってきた例の不死身の3人組がいたろ?」
「あぁ、それがどうした?」
「あいつらは昔からいたのか…?」
「いや、アレを初めて見たのはお前たちと同じタイミングだ。マダムの部屋を守っている“門番”かと思ったが、恐らく違う。私たちはあの3人組のことは何ひとつ知らない」
「やっぱりそうか…」
ドラゴンの話を聞いていたモホークは、サオリに例の3人組は前からいたのかと尋ねる。それに対し彼女は、モホークたちと襲われたときに初めて会ったと答える。
“その3人組がどうしたの…?私もさっき遠くから姿は確認したけれど…”
「いやあねぇ?俺たちディセプティコン、アリウスの連中、センチネル、オートボット共、ババア、聖園ミカ、先生…少なくともコイツらは“テラーコン”とやらじゃねぇのは確実だろ?」
“うん。…ってまさか!!”
「あぁ、察しがいいな先生。もしかしたらあの得体の知れない3人組が、あのドラゴンの言うユニクロンの走狗“テラーコン”である可能性が十二分にあるんじゃねぇか?」
“だ、だとしたら…ベアトリーチェが行おうとしている”儀式“っていうのは…!!”
「アハハ…考えたくもねぇが、俺たちの故郷サイバトロン星の次はここをムシャムシャ貪るつもりだろうぜ」
モホークとサオリの話を聞いて先生は彼に何を考えているのか尋ねると、モホークはその例の3人組こそがテラーコンではないかと気づいたようである。そして先生はそれを聞いてベアトリーチェが行おうとしていることにも気づき、冷や汗が出るほど戦慄していた。
「その話…センチネルとババアは知ってるのか?」
「俺がアイツらだとして、わざわざ親切に教えるか?」
「ぜってぇ教えねぇわ…」
「つ、つまるところ…センチネル・プライムも、そのアリウスを支配するベアトリーチェとかいう女も、俺たちですらユニクロンの手のひらの上で踊らされてるわけか…」
「「「「・・・」」」」
モホークの話を横で聞いていて、ニトロゼウスはセンチネルとベアトリーチェはそのことを知っているのかと尋ねる。それにモホークはテラーコンは教えていないだろうと答える。そしてホットロッドはこの場にいる全員がユニクロンに踊らされている現状に、頭が痛くなっていた。
“だとしたら、彼はユニクロンを敵視しているわけだから味方になれるはずだよね?”
「えぇ!?せ、先生無理だよ!!あんなのを仲間にだなんて!?」
「ミカ…それをお前が言うのか…?」
「どういう意味かな☆」
「コラコラ…喧嘩をしないの」
モホークの推測を聞いた先生は、ユニクロンを敵視するあのドラゴンは自分たちの味方になるのではないかと言い出す。それを聞いたミカは無理だと言うが、サオリにお前が言うのかと言われ喧嘩腰になったのでホットロッドに止められた。
ガコォォォン!!
「はぁ…はぁ…しつこいヤツめ!!」
“ちょっと待った!!”
「何だ!?」
「シャーレの先生…」
“私たちはユニクロンとは関係ない!!むしろ、この惑星に迫るユニクロンを止めるために来たんだ!!”
先生はウルトラマグナスとドラゴンが組み合っているところに声を掛けて、2人の戦いを止めさせる。そして自分たちはユニクロンたちとは関係無いと訴えた。
ビュゥゥゥゥゥゥン…!!ギゴガゴゴ!!
「変形した!!」 「やっぱし俺たちのお仲間じゃねぇかよ!!」
ドォォォォォォォォォォォン!!ジャキィン!!
「先生ッ!!」
“・・・” 「・・・」
先生の言葉を聞いてドラゴンは彼の元へと飛び立つと、ドラゴンから騎士の姿へとトランスフォームする。そして先生に持っている剣を首元に突き立ててて、2人は見合っていた。
「この目…以前私に助力を求めに来たあの男と同じだ…!!」
“・・・?”
ジャキッ…
「け、剣を収めたぞ…!!」
「良かろう…お前たちはユニクロンの走狗ではなさそうだ。目覚めたばかりで少し混乱していた。すまなかったな」
騎士は先生の目を見て、以前出会った男のことを思い出す。先生はその言葉にピンときていなかったようだが、騎士は彼に免じて剣を収めた。
「我が名はストームレイン。アイアコンの騎士だ」
その後、先生は自分たちの現状をストームレインに説明した。
「なるほど…ユニクロンの気配を感じたのは、そのベアトリーチェとかいう女がロイヤルブラッドを生贄に捧げてユニクロンを呼ぼうとしているからか」
“推測の域を出ませんが、我々はそう結論付けました”
「というわけで俺たち時間がねぇし、多分この会話も筒抜けっぽいんだが…」
「この回廊は元々我が領域だ。あの女の視線から遠ざける程度のこと、容易いことである」
ストームレインは先生の話を聞いて、ユニクロンの気配の元が何なのかを理解する。さらに、モホークがベアトリーチェに会話の内容が筒抜けなのではという懸念を伝えると、ここは自分の領域なので問題ないと答えた。
“じゃあひとまず安心かな”
「いや、お前たちの敵がこの回廊の中にいる気配を感じる。テラーコンもいるな…」
「えっ、ヤバいじゃん!」
「ここは私の領域ゆえ、ある程度空間を歪ませることで時間稼ぎはできる。だが、それもいつかは突破され、ここに突入してこよう。だが、その前に私から君たちに話をさせて欲しい」
「すっげぇ~」
しかし、テラーコンや聖徒会たちがこの地下回廊に入って来ており、ストームレインは空間を歪ませて時間を稼いでいるようである。そしてその間に彼はみんなに話があるようである。
“貴方は一体いつから、ここにいたんだ…?というより君はサイバトロン星の住人なのか?”
「あぁ、私はそこにいる者たちと同じく、サイバトロン星からこのキヴォトスにやって来た存在だ」
「マジかよ…」 「最近そういうの多くね?」
「そして私は…いや私たちはかつてユニクロンと戦い、私を除いて全滅した」
「「「「「えぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」」」」」
最初に先生がストームレインに尋ねたのは、彼が何者であるかということであった。その質問に彼はサイバトロン星人であると答え、さらには一度ユニクロンと戦ったことがあると言うと、一同は大声で驚くのであった。
「この惑星に来たのは遥か昔、まだ君たちのような存在が生まれておらず、私のような大型のトカゲが世界を支配していた時代であった」
“そ、それってつまり…恐竜が生きてた時代ってことでいいのかな?”
「俺たちは長生きだからな。それで、一体何だってそんな昔にキヴォトスに来たんだ?」
「我が創造主たるクインテッサ星人がこのキヴォトスの生物を金属生命体に換えようとしようとしていた。我々はそれを止めるため、彼女に反逆し争ったのだ。その影響で例の恐竜たちは滅んでしまったがな…」
「「「「「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」」」」」
ストームレインがキヴォトスに来たのはまだ恐竜が絶滅する前の時代であった。ホットロッドは彼にその目的を尋ねると、クインテッサ星人の野望を阻止するためと言ってトランスフォーマーたちを再び大いに驚かせた。
「く、クインテッサ星人って実在したのか!?教科書でしか見たことなかったぞ!?」
「あ、あぁ…私も初耳だ。13人のプライムが生まれる前の古の存在で我らの祖先を作ったという創造主だとは聞いていたが…」
「お勉強は嫌いだったが、俺でもソイツの名前は知ってるくらいのビックネームだぜ…」
“み、みんなが凄く驚いてる…”
クインテッサ星人の名前を聞いたトランスフォーマーたちは、一様に驚いた反応をする。クインテッサ星人の名は教科書に載るほどの伝説の存在であったようだ。
「クインテッサ星人の侵攻を阻止した我々は、彼女からあらゆる物体を金属に変える杖を奪い取り、それを封印するべく永い眠りについた」
「はぁ…はぁ…クインテッサ星人で驚いてたが、そういや肝心なヤツはまだ登場してなかったな…」
「そして再び、私を呼び起こす者が現れた。その男はマーリンと名乗り、聖女バルバラを救って欲しいと我々に懇願してきたのだ」
「今度は聖女バルバラ?サクラコちゃんが聞いたら卒倒しちゃうよ」
「さっきから色々出てきて頭が痛くなりそう…」
そしてクインテッサ星人を退けた後、ストームレインたちは眠りについた。そしてその後、第一回公会議が開催された時代になった頃、マーリンという男によって目覚めたようである。そこにはトリニティと聖女バルバラの名があり、今度はミカとアリウススクワッドたちを驚かせた。
「我々は彼女たちの争いをマーリンたちと共に終結させた。その後12の勢力が合わさってトリニティとなったのだ」
「トリニティの成り立ちまで聞いちゃったよ…」
「そして、それぞれの12人の首長が円卓を囲み騎士団を結成したのだ」
「というかさっきから“俺たち”って言ってるってことはアンタ1人じゃないってことか?」
「あぁ…我々の仲間は私を含めて12人いた。丁度トリニティの首長と同じ数だ」
そしてマーリンと共に内戦を終結させ、彼女たちは『トリニティ』となったのである。さらには12人の首長が円卓の騎士を結成し、それぞれにストームレインの仲間従ったようである。
「最初は円卓の騎士は全員平等で上下は無いという話であったが、それではあまりに話がまとまらないので、リーダーを決めることとなった」
「へぇ~それでどこの派閥がリーダーになったの?パテル?フィリウス?サンクトゥス?ユスティナ?ヨハネ?まさかのアリウス?」
「アーサー派の首長だ。マーリンが選んだ」
「アーサー派なんて全然聞いたこと無いかも。もう解散しちゃったのかもね」
「アーサー派の首長であるアルトリア・ペンドラゴンをリーダーとし、私は彼女の相棒としてトリニティの繁栄に努めた。そのおかげで彼女は『騎士王』と称えられるようになったのだ」
円卓の騎士に上下は無かったようだが、結局不便なのでリーダーを決めることになったようである。そして、ミカはそのリーダーがどこの派閥かを聞くと、ストームレインはアーサー派のアルトリア・ペンドラゴンという人物をマーリンが選んだと答えた。
「い、いや待って欲しい…」
「ホットロッド?何か気になることがあるのか?私はこの惑星に来て日が浅いのであんまりピンとこないのだが…」
「俺がキヴォトスに来て愛読している『騎士道物語』の内容そのままじゃないか!?」
「あぁ、セイアちゃんが陳腐で安っぽい物語だってボロックソに貶してたあの『騎士道物語』のこと?」
「聖園ミカの言う事をあんまり信じてなかったんですけど…百合園セイアって本当に性格が悪いのかもしれませんね…」
ストームレインの話を聞いて、ホットロッドはその内容が彼のよく読んでいる『騎士道物語』にそっくりだと驚く。それを聞いたミカはセイアがボロクソに言っていたことを思い出し、それを聞いたヒヨリはセイアの性格が本当に悪いのではと信じ始めていた。
「だが、栄華というものは永遠に続くことはなく、いつかは衰退の時が来る」
「やっぱりそこも物語と同じか…」
「クインテッサ星人はキヴォトスを諦めてはいなかったのだ」
「しつけぇなぁ!!ババアってのはどこもそうなのか?」
しかし『騎士王』によってもたらされたトリニティの繁栄も、長くは続かなかったようである。クインテッサ星人は死んでおらず、再びここキヴォトスへと襲来したのである。
「力で敵わないと一度目で悟った彼女は、今度は我々を切り崩す方法で追い詰めてきた。そして彼女の甘言に乗せられた者がいたのだ…」
「それがアリウスか…?」
「あぁ、その通りだアリウスの少女よ。アリウスの首長は、クインテッサ星人にお前を『騎士王』にしてやると言われ、それを信じてしまったのだ…」
「あちゃ~」
「しかし、この騒動はアルトリアの尽力によって何とか収束することができた」
クインテッサ星人は一度目の時の反省を踏まえて、こんどは内部分裂を狙ったようである。そして彼女の甘言にまんまと引っかかってしまったのが、アリウスだったのである。だが、この騒動自体は『騎士王』の尽力によって解決したようである。
「だが、これでヤケになってしまったクインテッサ星人は、こともあろうにユニクロンをこのキヴォトスに呼び寄せたのだ」
「よ、ようやくユニクロンの登場だぜ…」
「我々は力を合わせて戦った…そのおかげで結果的にはユニクロンを遠ざけることには成功したが、犠牲も大きかった」
「なるほど、貴方1人しかいないというのはそういう理由があったわけか」
「あぁ、この戦いで私以外のアイアコンの騎士は死に、アルトリアもこの戦いの犠牲になってしまった…」
しかし、作戦がまたもや失敗したクインテッサ星人は、ユニクロンをキヴォトスに呼び寄せたのである。彼らは力を合わせて何とか勝利を収めたようだが、その犠牲は大きかったようである。
「アルトリアが死んだ後、再び開かれた会議にてアリウスは激しい糾弾を受けた。アルトリアは水に流せと言っていたが、もはや弾圧を止められる者は誰もいなかったのだ」
「「「・・・」」」
「結局彼女たちは激しい弾圧を受け、トリニティを追放された。だが、聖女バルバラだけはそれを良しとせずユスティナ聖徒に弾圧を命じるフリをさせて、彼女たちをアリウス自治区へと逃がしたのだ。私も彼女の意志に賛同し、アリウス自治区へと同行しそしてこの場所で眠りについたのだ」
“・・・”
ユニクロンを退けた後、再び行われた会議において裏切ったアリウスは激しい糾弾に晒されたようである。結局アリウスはトリニティを追放され、聖女バルバラの慈悲によってアリウス自治区へとストームレインと共に逃れたようである。
「結局、私たちは先祖の代から呪われてるってことか…」
「それは違うぞ、アリウスの子らよ」
「「「!?」」」
「我々が『トリニティ』として集まったのは、12の派閥がそれぞれ同じ理想を共有したからだ。それはアリウスだろうが、パテルだろうが他の派閥であろうが関係ない」
「「・・・」」
アリウスがトリニティを裏切ったという話を聞いて、ミサキは自分たちは先祖の代から呪われていたと嘆く。だがストームレインはすぐさまそれを否定した。アリウスも元は他の派閥と同じく、共通の理想を旨に集った存在なのである。
“その理想って…?”
「『皆に祝福があらんことを』…。アリウスへの弾圧が始まった時、聖女バルバラだけはこの理念を忘れず、彼女たちを助けたのだ」
「「「「皆に祝福があらんことを…」」」」
「あのような結末に至ってしまったが、元は同じ理念を共有した同士だ。君たちはアリウスであるだけで祝福されているのだ」
トリニティの理想について気になった先生は、ストームレインにそのことについて尋ねる。ストームレインはトリニティの理想は『皆に祝福があらんことを』であると答え、アリウスもトリニティの一員であった以上祝福されていると答えた。
「だがどうやら、私が眠りについている間にその理念は忘れられてしまったようだな。それだけでなく悪鬼の跳梁を許し、ユニクロンの走狗まで入り込むまでに至ってしまった…」
“はい…彼女たちはそのせいで長く苦しんできました。私はそれをどうにかするべく、ここまで来たのです。ですからどうか…力を貸してください”
「あぁ、勿論だ。この朽ちかけの私で良ければな」
“ありがとうございます!!”
しかし、ストームレインが眠りについて長い時が経つにつれ、その理念は忘れられベアトリーチェやテラーコンたちの勝手を許してしまったことを彼は嘆く。先生はそれを本来あるべき姿へ戻すべく、自分たちに力を貸して欲しいと頼み、ストームレインは快く承諾した。
「戦う前に、お前たちに一つ言っておきたいことがある」
「?」 「何だよ?」 「我々に…ですか?」
「お前たちは我々と同じように、この惑星へと飛来した。だが理由は何であれ、この惑星の主はこの惑星の住人であることを忘れるな」
「「「「・・・」」」」
「サイバトロンの人間が長い時を経て多くこの惑星に集うのはもはや運命だろう。もしかすれば我々は彼女たちの声に応えて呼ばれているかも知れぬ」
いよいよ始まるテラーコンたちとの決戦を前にして、ストームレインはトランスフォーマーたちを集めて話をし出す。彼の話というのは、キヴォトスの主は自分たちではなくここに生きる者たちであるという事であった。
「故に、我々は彼女たちのために存在している。彼女たちが祝福された道を歩めるように尽力しろ。彼女たちを守り、彼女たちに寄り添え。それがこの惑星での我々の役目だ」
「はぁ~」 「何だそんなことかよ」 「身構えて損したわ~」 「やれやれだぜ」
「当たり前だ。我が命運は彼女たちと共にある」
「・・・」
そしてストームレインは自分たちは彼女たちのために力を尽くべきであると説く。しかし、そんな事はホットロッドとディセプティコンたちはとっくに理解しており、当たり前だとストームレインに返した。そしてこの場で唯一キヴォトスで生徒たちの交流が無いウルトラマグナスは彼らの事を羨ましそうに眺めていた。
「そろそろ私の能力でヤツらをとどめておくのは限界だろう」
“ありがとう…大事な話ができて良かったよ”
「やはり貴方が再び私を呼び起こしたのも運命なのかも知れんな。マーリンと同じ目をした男よ」
“そのマーリンっていう人のことはよく知らないけれど、彼も目の前の困っている子たちのために頑張っていたのは伝わった。私もそんな高名な人物に恥じないように頑張るよ”
「あぁ、ヤツは変な噂が絶えなかったが、アルトリアたちを想う心は本物だった」
ストームレインの能力の限界が近づき、テラーコンたちとの決戦が近づくなか先生は彼に感謝を述べる。ストームレインは先生のことをマーリンに似ていると言うと、彼はマーリンのように生徒たちを助けると答えた。
“皆に祝福があらんことを”
「「「「「皆に祝福があらんことを」」」」」
いざ、最後の戦いへ
シャッターとドロップキックを見てビーがキレてましたが、そこにはこういった理由があったわけです。この世界の『トランスフォーマー』は連邦生徒会長とビーの出会いから始まり今に至るというわけです。
詳しいことはそれこそ4章で説明しますが、未来の戦士ってのはビーストウォーズの連中の事です。
あんまり、『最後の騎士王』要素が無かったのでここでポイントを荒稼ぎします。ちなみにアーサー王の姿は宇沢レイサそっくりです。本名だけはFate
マーリンはあの時代の先生みたいな人で姿は便利屋先生をイメージしてます。胡散臭いCV櫻井孝宏ボイスっぽいから
最後に
俺は、連邦生徒会長が「ビー」じゃなくて「ビー君」って呼ぶのが好きなんだよ!!