TRANSFORMERS Blue_Archive   作:H2O(hojo)

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はい、お待たせしました。ベアおばとの決戦になります。

色々あってカルバノグの兎編は2ルート作ることになりました。
詳細は活動報告に書きました。
【リンク】
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=322171&uid=183573


怪物

地下回廊・某所

 

パァン!!パァン!!パァン!!パァン!!パァン!!

 

「「「・・・」」」

 

スゥゥゥゥゥゥゥ…

 

「はぁ…はぁ…。うぅ…痛い…疲れた…あーもう傷だらけ…」

 

ガタッ…

 

「でも…まだ大丈夫」

 

タッタッタッタッタッ…

 

サオリ達を見送った後ユスティナ聖徒会を引き受けたミカは、襲い来るミメシスと1人で戦っていた。ディセプティコンたちを恐れさせるほどの強さを持つミカといえども、彼女たちの物量の前では流石に厳しい戦いを強いられていた。

 

 

 

 

 

地下回廊・礼拝堂

 

「・・・」

 

カツカツ…

 

「ここは…聖歌隊室?」

 

カツカツ…

 

「オルガンと…楽譜…」

 

カツカツ…

 

「蓄音機まで…。そっか、そうだよね、アリウスも私たちと同じ授業を受けていたはずだもの」

 

カチッ…プツッ…

 

「…動かないかぁ。まぁ、長い間使ってなさそうだし、仕方ないよね」

 

ミカはユスティナ聖徒会を引きつけながら、別の部屋へと入っていく。そこはアリウスが以前使っていた礼拝堂であり、オルガンや楽譜、蓄音機もあった。蓄音機が気になった彼女は、レコードに針を乗せてみるが、もう動かないようである。

 

「はぁ…コハルちゃんが身を挺して助けてくれた時…カッコ良かったなぁ。コハルちゃん、物語のお姫様みたいだった。先生が登場して助けてくれてさ…私のそういうお話が好き」

 

「窮地に陥ったお姫様を運命の人が救う…そんな御伽噺。子供っぽくて、夢にあふれて…素敵で、胸がときめくような…私も、そんな物語の主役になりたかった」

 

「でも、わかってる…私にはそんな資格なんてない。“魔女”がハッピーエンドを迎えるお話なんて、この世のどこにもないもの」

 

ミカは礼拝堂をうろつきながら、コハルが自分を庇ってくれたときのことを思い出していた。そして自分はそんな資格は無いと言って、“魔女”の自分はハッピーエンドを迎えられないと呟いた。

 

「サオリ…私は、自分が受けた痛みをあなたに感じてほしかった。そうじゃないと不公平だと思っていたの」

 

「でも…そうだね…私と同じように、あなた達も救われたかったよね。あなた達も…幸せになりたかったよね。あなたがアツコを助けたい理由も分かるよ…。多くの人を騙し、絶望に陥れたあなたでも…最後の最後に、誰かを救う事ができたなら…苦痛だらけのあなたの人生も、それだけで報われる…そう、思ったのでしょう?」

 

「わかるよ…私とセイアちゃんもそうだもの」

 

キュォォォォォォォォォォォォン…!!

 

ミカはこれまでの自身の行動は、サオリに自分と同じ痛みを感じて欲しいという理由で起こしたというとこを誰もいないこの場所で打ち明ける。そしてサオリの話を聞いて、彼女たちも救いが欲しかったということを知り共感していた。

 

「だから…アリウススクワッド」

 

「あなた達のために、祈るね」

 

「いつか、あなた達の苦痛が言える事を…」

 

「やり直しの機会を希うのと同じように…」

 

「あなた達に、未来が…次の機会がある事を…」

 

そしてアリウススクワッドたちの苦しみを知ったミカは、彼女たちのために祈ると述べる。スクワッドたちを恨み憎んでいた彼女が、彼女たちのために祈るのであった。

 

「だから、私は…あなた達を赦すよ」

 

「それは互いが公平に不幸であるよりも、もっと良い結末だろうから」

 

ザッザッザッザッザッザッ…

 

「…例えアツコを救ったとしても、あなた達の未来はきっと苦難に満ちている。一生追われるかもしれない…表を歩くことができないような悲惨な人生になるかもしれない」

 

「でも、それでも…あなた達の未来に、ほんの一筋でも光明があると信じるのなら…アツコを助ける事で、あなた達自身をも救えばいい」

 

「あのうるさい4人組ならきっと、あなた達のことを守ってくれるよね」

 

そしてアリウススクワッドのために祈ると同時に、ミカは彼女たちのことをようやく赦すのだった。結果的にキヴォトスの大勢の人間を敵に回してしまったアリウススクワッドたちには、これから苦難の道が続いているだろうとミカは思う。しかし、それでも彼女は彼女たちなら、ディセプティコンと一緒に乗り越えていけるだろうと信じていた。

 

「私はもう手遅れだけど…あなた達には、まだ時間が残されているでしょう?」

 

「それに…先生が手伝ってくれているから、きっと大丈夫…。あの4人もいるしね」

 

「あなた達のその行く先に幸いが…祝福が、あらんことを…」

 

そしてミカはこれから彼女たちが戦うベアトリーチェとの戦いも、先生とディセプティコンがいるから大丈夫だと安心していた。そして、ストームレインが話したトリニティ創設時の合言葉を彼女たちに送るのであった。

 

プツッ…

 

「…あれ?」

 

~~~~~~♪

 

「あははっ、故障してたんじゃなかったの?」

 

~~~~~~♪

 

「これは…慈悲を求める歌。別にこの歌が好きなわけじゃないけど…そうだね、うん」

 

カツカツカツカツ…

 

ミカがアリウススクワッドたちのために祈っていると、動かないと思っていた蓄音機が唐突に動き出す。そして蓄音機から聞こえてきたのは、ミカが牢獄で聞いていた『キリエ・エレイソン』という慈悲を求める讃美歌である。

 

ザッザッザッザッザッザッ…

 

「あは☆何をそんなに急いでいるのかな?」

 

「「「「「・・・」」」」」

 

「あなた達は通れないよ。この先にあるのは、救済の戦いを繰り広げる主人公の舞台。私たちみたいな悪役には許されていないの」

 

ガチャ…ガチャガチャガチャ!!!

 

「さあ、先生…あの子たちを救ってあげて」

 

ガチャ…

 

「ここは私が食い止めるから」

 

そしてミカは礼拝堂から出ると、至聖所へと向かおうとするユスティナ聖徒会の前に立つ。そしてここは通さないと言って、迫りくる大勢の敵に銃を向けるのであった。彼女は単騎でユスティナ聖徒会と聖女バルバラを食い止めようとしていた。

 

~~~~~~~~~~~♪

 

『Kyrie Eleison』

 

~~~~~~~~~~~♪

 

 

 

 

 

至聖所

 

ブゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン…!!!

 

「姫え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!!!!」

 

(ずっとアツコって呼んでたのに、今更姫?)

 

(姫?ここにきて?)

 

(今になって姫?)

 

ディセプティコンたちに乗り込んだアリウススクワッドたちは、至聖所へとようやくたどり着く。その際にバーサーカーが“姫”と大声で叫んだため、普段そう呼ばないはずの彼からその言葉を聞いた、他3人は疑問符を浮かべていた。

 

キキィィィィィィィィィィィィ…!!!!

 

「…はぁ、はぁ」

 

「ここが…バシリカの至聖所…」

 

スッ…

 

「姫…!!」

 

「…気を失っているだけみたい」

 

車を降りたスクワッドたちは辺りを見渡すと、十字架のような物に磔にされているアツコを見つける。サオリは彼女を見て心配になるが、まだ彼女は気を失っているだけのようである。

 

「は、早く姫ちゃんを…」

 

カツカツカツ…

 

「お待ちしておりました、先生。私の敵対者よ」

 

“ベアトリーチェ…!!”

 

ギゴガゴゴ…!!

 

「よぉ、ババア会いたかったぜ」

 

「ちゃんと遺言は考えて来たんだろうなぁ?」

 

ヒヨリがアツコを助けようとすると、正面からベアトリーチェが現れる。先生はその姿を見て、普段は見せることはない敵意の目を彼女に向けた。そして彼の傍に控えるディセプティコンたちも殺る気十分なようである。

 

「ふふっ…。ですが、遅かったですね。儀式は既に進行しています」

 

「…!!」 「テメェ…!!」

 

「ロイヤルブラッドの神秘を搾取し、災厄“ユニクロン”の力を借りて…私は自分の存在をより高位のものへと昇華しています」

 

“・・・”

 

「さあ、先生。不可解な大人、私の敵対者よ。あなたは、もしかしたら私を誤解しているのかもしれませんね」

 

先生やディセプティコンに睨まれても、ベアトリーチェは余裕を崩さずにいる。彼女はこれからあのトランスフォーマーすらも恐れるユニクロンの力が手に入るとあって、有頂天といったところである。

 

「私たちはこの世界を通じて各自が望むことを追求しています。あなただって、同じ。何に成る事もできるし、全てを識ることができます。より高位の存在になること…それを通じて全てを救うことが大人の義務なのです」

 

「あ゛あ゛ん!?」

 

「ええ、この儀式は“ユニクロン”の力を利用し、私がより高位の存在になるために用意されたのです。そうして高みに登り、この世界を救う…それこそ大人が到達すべき境地!」

 

「ユニクロンのパワーなんか使って世界が救えると本気で思ってんのかよお前はよ」

 

目的が達成寸前のベアトリーチェは先生たちに対し、自身の正当性を得意げに話し出す。それを聞いている彼彼女らの視線はとても冷ややかであったが、彼女は気にせず話を続けていた。

 

「その過程での小さな犠牲は、仕方のないことです。そう…この犠牲は必要な事」

 

“・・・”

 

「これこそが“崇高”へと至る道」

 

「よくもまぁ抜け抜けと…恥も外聞もなくペラペラくっちゃべれるもんだな。いい年して恥ずかしくねぇのかよ?」

 

そしてベアトリーチェは彼女たちの目の前で自分の目標達成のためには、アツコの犠牲は仕方のない事だと述べる。そしてアツコの犠牲によって、自らは崇高へと至ると宣言した。

 

「あなたなら、この価値を理解しているでしょう?すべての生徒を審判することも、救うこともできる絶対的な力を有すあなたなら…!!」

 

“それは違うよ”

 

「…!?」

 

“私を誤解している。私は大した存在じゃない”

 

「なに…?」

 

そして彼女は自分の理想に対し、先生に同意を求める。しかし、先生はそれは違うと言って、彼女の理想を否定した。それを聞き、ベアトリーチェは心底理解できないと言った顔をする。

 

“私は審判者ではない。誰かを審判する権利は、私にない”

 

「・・・」

 

“私は救済者ではない。この世界の苦痛を消し去ることはできない”

 

「・・・」

 

“私は絶対者ではない。この世界の罪悪をなくすことはできない”

 

「・・・」

 

先生はサオリ、ヒヨリ、ミサキを順番に見ながら、ベアトリーチェの勘違いを一つずつ訂正していく。彼は審判者でも、救済者でも、絶対者でもないと自ら彼女に述べるのであった。

 

「…!!」

 

“私はそんな存在ではないよ”

 

「では…あなたは一体何だと言うのですか!!あなたの能力は、存在価値は何だと言うのですか!」

 

“生徒たちのための先生だよ”

 

「…!!」

 

自分の予想と違う答えを述べた先生に、ベアトリーチェは絶句する。そして彼女は彼に存自身の存在価値を問うと、彼は生徒たちの先生だと答えた。

 

“忘れられて、苦しむ生徒に寄り添いたいだけ”

 

「ならば、それを証明してみせなさい…!!」

 

ゴゴゴゴゴゴゴ…!!

 

「…!!」 「なっ…!!」 「あ、あうう…」

 

「さあ、その目にしかと映しなさい!これが私の…高位の存在となった姿です!これこそが本来の姿…偉大なる大人の姿なのです…!!」

 

そして先生は苦しむ生徒に寄り添いたいと答えると、ベアトリーチェはしびれを切らしてユニクロンと繋がった力を解放する。すると地面が揺れ始め、彼女の姿も変化し始めた。

 

ドォォォォォォォォォォォン…

 

“それが正体なんだね、ベアトリーチェ”

 

「あれが…本物のマダム…」

 

「文化の違いってヤツかねぇ?気色の悪い化け物にしか見えねぇんだけど?どの辺が偉大なんだ?」

 

「そう…私たちはあんなものに、ずっと…」

 

そして変化が終了したベアトリーチェを見て、サオリ達はその容姿に驚く。もはや人間の姿とは言い難いその容姿を見て、一同は恐怖を覚えていた。

 

「フフフ…これだけではありませんよ」

 

ゴゴゴゴゴゴゴ…

 

「いでよ我がしもべ!!インフェルノカス!!」

 

ドォォォォォォォォォォォン!!

 

「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

 

「出たな…門番!!」

 

そしてベアトリーチェはディセプティコンたちを倒すべく、“門番”と呼ばれ恐れられていた存在を呼び出す。その名はインフェルノカス。怪物のような見た目をした合体戦士タイプのトランスフォーマーである。

 

“サオリ、ヒヨリ、ミサキ”

 

「…ああ」 「…はい!」 「…うん」

 

“モホーク、ニトロゼウス、ドレッドボット、バーサーカー”

 

「おう!」 「しゃあ!」 「任せろ」 「ガルル…」

 

変化したベアトリーチェと、現れたインフェルノカスを前にして先生はこの場にいる生徒とディセプティコンの名前を呼ぶ。先生に名を呼ばれた彼女たちは、それぞれ先生を見て応答する。

 

“怖がらないで…私がついているから。一緒に頑張ろう”

 

「…ああ」

 

「うん…あの怪物を倒そう」

 

「はい!!姫ちゃんを救うのです…!!」

 

そして先生は自分がついていると言って彼女たちを励ます。それに勇気を貰ったアリウススクワッドたちは、ベアトリーチェに対する恐れが消えていた。

 

“君たちも、頼むよ!!”

 

「こいつをぶっ倒せば、俺たちの長かった戦いも終わりだな」

 

「ようやくあのクソババアをぶん殴れるわけだ」

 

「ついでにあの怪物もな」

 

「待ってろアツコ!!」

 

そして今度はディセプティコンたちの方を向いて、言葉を交わす。ディセプティコンたちも最後の戦いとあってやる気十分であった。

 

“行こう!!!”

 

「「「「「おぉ!!」」」」」

 

 

 

 

 

パァン!!パパパァン!!ズドォォン!!

 

「相変わらずでけぇな!!」

 

ズドドドドドドドドド!!

 

「俺よりデカいのも中々いねぇよ!!」

 

ズドォォン!!ズドォォン!!ズドォォン!!

 

「うがあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

「だがこうやって戦ってみて分かるが、武器はあの両腕のキャノンだけだな。そこまで強くねぇのか?」

 

ディセプティコンたちはインフェルノカスに向かって攻撃を仕掛けていく。インフェルノカスも両腕のキャノンで攻撃するが、彼らにとっては拍子抜けもいいとこのようである。

 

「さぁ、消えなさい!!あなたたち!!」

 

ドォォォォォォォォォォォン!!

 

「うっ…!!」 「ぐっ…!! 「ひぃ…」

 

“怯まなくていい!!前に進むんだ…!!”

 

ドォォォォォォォォォォォンバラバラバラ…!!

 

「この私に逆らうとは…!!悪い子ですね!!」

 

「さっきから随分ハイテンションですね…」

 

一方、ベアトリーチェと対峙しているスクワッドたちは、彼女から放たれるエネルギー波に手間取っていた。しかし先生は彼女の攻撃はそこまでの威力ではないと判断し、前に進むよう促す。

 

「何をやっているのですかインフェルノカス!!あなたたちの能力はその程度ではないはずです!!」

 

ズダダダダダダ!!

 

「うがあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

(あなた“たち”…?)

 

(コイツはアレか?デバステーターと同じタイプか?)

 

ベアトリーチェはあまり自分の役に立っていないインフェルノカスに苛立ちを覚える。モホークとドレッドボットは、彼女が“たち”とまるで複数人いるような言葉に引っかかりを覚えていた。

 

ギゴガギゴゴギゴガゴゴ…!!

 

「うおっ…!!」

 

「やっぱり分裂しやがった…!!」

 

「「「「「トランスフォーム!!」」」」」

 

「「「「喋ったぁぁぁぁぁぁ!!」」」」

 

「そうです!!数的有利を利用するのです!!」

 

このままではマズイと思ったインフェルノカスはトランスフォーマーらしく、変形し始める。だが、インフェルノカスのソレは変形というよりは分裂であり、1体の巨大な金属生命体から5体の金属生命体へと別れるのであった。

 

「スカルク(胴体)!!」

 

「ラプチャー(右腕)!!」

 

「インファーノコンスラッシュ(左腕)!!」

 

「ゴルジ(右脚)!!」

 

「グラッグ(左脚)!!」

 

「「「「「トランスフォーム!!」」」」

 

ギゴガゴゴ!!

 

インフェルノコンはそれぞれ自分の名前(と部位)を叫ぶと、再び変形を開始する。今度は合体や分裂ではなく、トランスフォームのようである。

 

「「「「「ギャァァァァァァァァス!!!」」」」」

 

ゴォォォォォォォォォ…!!

 

「コイツもドラゴンになんのかよ!!」

 

「アチチチチ…!!」 「何なんだテメェらは!!」

 

「我らインフェルノコンはかつて、クインテッサ星人によって生み出された存在。だが、ユニクロンとの戦いにおいて、我々は機動を停止した。そして、ベアトリーチェによって再び蘇ったのだ!!」

 

「お前もクインテッサ星人の関係者かよ!!」

 

そしてドラゴン形態になったインフェルノコンは、ディセプティコンたちに炎を吐き出す。これには彼らもたまらず後退してしまう。さらに、インフェルノコンはクインテッサ星人が作り出した存在であることが判明するのであった。

 

ゴォォォォォォォォォ…!!

 

「あっつ…」

 

「ね、熱気がこちらにも伝わってきます…!!」

 

ズダダダダダダ!!ズダダ!!ズドドドドドドドドド!!

 

「攻撃が届かない…このままでは…」

 

“モホーク!!”

 

「合点承知の助!!」

 

そしてインフェルノコンが吐いた炎は、スクワッドたちも怯ませてしまう。彼女たちが後ろに下がってしまったことにより、ベアトリーチェに攻撃が届きにくくなってしまい、サオリは焦りを感じていた。それを感じ取った先生は、モホークに指示を出す。

 

「ヘイヘイへ~イ。炎でちまちま攻撃たぁあ芸がねぇなぁ?」

 

「なんだとぉ?」

 

「お前みてぇなポンコツのオンボロじゃあしょうがねぇかぁ~」

 

「いわゆるバカの1つ覚えやつか」

 

「置いてけぼりくらって、お寝んねしてただけだもんなぁ~?」

 

先生の合図の後、モホークを先頭にディセプティコンたちはインフェルノコンに挑発を開始する。そこは泣く子も黙るディセプティコン、彼らがイラつくような言葉を的確に選んで煽っていた。

 

「「「「「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」」」」」

 

ギゴガゴゴ!!

 

「「「「「合体!!インフェルノカス!!」」」」」

 

“よしっ!!上手く行ったぞ!!”

 

「うがあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

ドシン!!ドシン!!ドシン!!ドシン!!

 

「俺が相手してやる」

 

ガシィィィィィィィ!!

 

ディセプティコンたちの挑発にまんまと乗ってしまったインフェルノコンは、合体してインフェルノカスへと戻る。そして彼らは雄たけびを上げながらニトロゼウスに掴みかかった。

 

「お前ら、あのババアの相手は後でいい!!俺たちと一緒にまずあのデカブツをぶっ倒すんだ」

 

「あぁ…」 「うん…」 「は、はい!!」

 

ギチギチギチギチィ!!

 

「うおぉぉぉぉぉ!!」

 

「いだだだだだぁ!!やっぱり俺一人じゃ無理っだっての!!」

 

インフェルノカスを引きつけたのを確認したモホークは、サオリたちに一旦インフェルノカス討伐に協力するよう促す。ニトロゼウスはインフェルノカスに掴まれて、機体がミシミシと鳴っていた。

 

ズダダダダダダ!!

 

「うがあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

「正直…私たちがこのデカブツに攻撃したって大して意味無いと思うんだけど…?」

 

ドシュゥゥゥゥン!!バシュン!!ドシュン!!

 

「相変わらずお前は狙いが甘めぇなぁ!!関節を狙えって散々言っただろうよ」

 

「うるさい…」

 

モホークに促されインフェルノカスに攻撃するが、ミサキはその指示に疑問を感じているようである。そんな文句を言う彼女に対し、ドレッドボットは関節を狙うよう指示するのであった。

 

「フフフ…インフェルノカスに注力していいのですか?私は構わずあなた達を攻撃しますが…」

 

キュィィィィィィィィィィィィィン…!!

 

「さぁ、死になさい!!!」

 

「ニトロゼウス!!」

 

ドォォォォォォォォォォォン!!

 

「うがあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

「なにっ…!?」

 

インフェルノカスに集中している隙に、ベアトリーチェはスクワッドたちを攻撃しようとする。しかし、ニトロゼウスはそのタイミングでインフェルノカスを動かし、ベアトリーチェの攻撃をインフェルノカスにブチ当てた。

 

「ぐぅぅ…がががぁ…!!」

 

「オイオイ?フレンドリーファイアか?」

 

「ちゃんと連携しとけよなぁ?」

 

「き、貴様らぁぁぁぁぁぁ!!」

 

「やーい、マヌケぇ~」

 

ベアトリーチェの攻撃を背後に受けたインフェルノカスは、その痛みによって悶絶する。してやられたベアトリーチェは、怒りを露わにしディセプティコンはそれにさらに火に油を注ぐ。

 

「うがあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

ドォォォォォォォォォォォン!!

 

「うぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

ドシィィィィィィィィィン!!

 

“ニトロゼウス!!”

 

「俺に構うな!!この程度、想定された状況だ!!」

 

キレたインフェルノカスは蹴りでニトロゼウスを遙か後方へと吹っ飛ばす。心配する先生に対し、ニトロゼウスは構うなといって戦いに集中させる。

 

“作戦を第二段階へ!!”

 

「「「了解!!」」」

 

ズドドドドドドドドド…!!

 

「ぐぅぅぅぅぅぅぅぅ…」

 

ドシャン!!ガブッ…!!

 

「うぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

「う、うわぁ…噛みついてます…」

 

スクワッドたちの作戦は第二段階に移る。ミサキとドレッドボットは相変わらず関節狙いで攻撃を続ける。一方のバーサーカーはインフェルノカスに飛びついて噛みつき、ヒヨリをドン引きさせていた。

 

「うがあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

ドシャァァァァァァァァン!!ズシャァァァァァァァン!!

 

「ぐるるるるるるるるるる…!!!」

 

「くっ…インフェルノカスがこんなに暴れていては、私は手を出せない…!!」

 

ズドドドドドドドドド!!ドォォォォォォォォォォォン!!

 

「ふぅ…まぁいいでしょう。生憎…夜明け前に儀式を始めたので、今の私は完全ではありません。私が完全になるまで、戦闘はインフェルノカスに任せるとしましょう」

 

バーサーカーに噛みつかれたインフェルノカスは、彼を引っぺがそうと腕を地面に叩きつける。だがバーサーカーは必死にしがみつき、放そうとしない。そして後方でスクワッドたちに攻撃する機会を伺っているベアトリーチェはここで攻撃するよりも、自身は完全体になるまで待つ選択をした。

 

「よしっ…ババアが戦闘から離れた!!こうやって、執拗に邪魔をし続ければ完全体になるまで待つだろうと思ってたぜ。プライド高いからな」

 

“じゃあ、サオリ…”

 

「あ、あぁ…」

 

「まったく…お前はもっと自身を持てって言ってるだろうが」

 

“うん。サオリはもっと自身を持っていいと思う”

 

ベアトリーチェが攻撃を止めたのを見て、モホークは手筈通りに進んでいることを喜ぶ。そして先生はサオリに目配せをすると彼女は自身無さそうに頷くので、モホークと先生は彼女に自身を持てと言うのであった。

 

“インフェルノカスに勝てるかどうかは、君たちにかかってる”

 

「あぁ…」 「勿論わかってらぁ」

 

“でも大丈夫。私はサオリたちを信じてるから”

 

「あぁ…任せてくれ、先生」

 

「相変わらず人をその気にさせんのが上手だねぇ」

 

先生は最後に、サオリに自身を付けさせる言葉をかける。それを横で見ていたモホークは、彼の手腕に感心していた。

 

スタスタスタ…

 

「行くぞ、サオリ」 「あぁ、2人であのデカブツを倒してみせよう」

 

パチン!!

 

「トランスフォーム!!」

 

ギゴガゴゴ!!

 

「さぁ、乗んな」 「あぁ…」

 

ガチャ…ブゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!!

 

サオリとモホークは定位置に向かうと、互いに向き合い手をタッチする。そしてモホークはトランスフォームしてバイクになると、彼女はそれに乗ってスタンバイする。

 

カチッ…

 

“た、ターゲットをマークしました!!” “了解だ!!”

 

“バーサーカー!!” “ぷはっ…!!よっしゃ!!”

 

「うがあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

“俺たちはそのままコイツの足止めを続けるぞ” “うん…”

 

ブゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!!ブゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!!

 

「「・・・」」

 

サオリがモホークに跨った後、各々は無線で連携を取りながら作戦を進めていく。ヒヨリはレーザーポインターでインフェルノカスの身体をマークし、ニトロゼウスはそこにミサイルの照準を合わせる。そして、それを確認したバーサーカーは噛みつくの止めて、インフェルノカスから離れる。ミサキとドレッドボットは、作戦がバレないよう足止めを続けていた。

 

“5…4…3…2…1…スタート!!”

 

“これでも喰らいな!!”

 

バシュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン…!!

 

「走れ、モホーク!!」 「応さ!!」

 

ブゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!!

 

「リーダー!!」 「ヒヨリ姉さん!!」

 

ズドドドドドドドドド!!ズドドドドドドドドド!!

 

「ブチかませ!!」 「任せたぞ!!」 “喰らわせてやれ!!”

 

そして、先生がカウントダウンの後に開始の合図を送ると、モホークはインフェルノカスに向かって走り出す。ミサキとヒヨリはインフェルノカスに銃を撃ちながら、サオリのことを呼ぶ。さらに、ディセプティコンの3人もサオリに全てを託し、発破をかけていた。

 

ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン…!!ドドドドドォォォォン!!

 

「うがあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

ブゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン…!!ガシャン!!

 

「行けぇぇぇ!!サオリィィィィ!!」 “サオリ!!”

 

ズサァァァァァァァァァァァァァァ!!バチバチバチィ!!

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

バシュン!!バシュン!!バシュン!!バシュン!!

 

「うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?」

 

ドカァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!ズドォォォォォォォォォォォォォン!!

 

サオリとモホークがインフェルノカスの足元に来たタイミングで、ニトロゼウスの放ったミサイルが炸裂する。そしてサオリはモホークを横に倒して彼から離れると、インフェルノカスの股下に火花を散らしながら滑り込んでいく。サオリは滑り込みながら彼の胸部に銃弾を叩き込むと、インフェルノカスは一層大きな悲鳴を上げて倒れ込んだ。

 

「う…がぁ…うぅぅ…」

 

ヒュゥゥゥゥゥゥゥン…

 

「はぁ…はぁ…やった…!!」

 

“目標の沈黙を確認。インフェルノカスを倒したぞ!!”

 

ズシン…ズシン…

 

「ふぅ…」 「さてと…」 「よっこらせ」 「やれやれ…」

 

「くっ…この役立たずのデカブツめ!!」

 

インフェルノカスはサオリ達の攻撃によって致命傷を負ってしまったため、機能停止に陥ってしまった。インフェルノカスにトドメを刺したサオリは、珍しく喜んだ顔を見せる。そして、ベアトリーチェは倒れたインフェルノカスにイラつきをぶつけていた。

 

「「「・・・」」」

 

“チェックメイトだね。ベアトリーチェ”

 

「地獄見せてやるよ」

 

「くっ…うっ…ぐぅぅぅぅぅぅぅぅぅ…!!!!!」

 

インフェルノカスを倒したスクワッドたちはベアトリーチェに迫り、彼女は苛立ちと苦悶の声をあげていた。




ベアおば側の最後の1枠はインフェルノカス。理由はデカくて強いのでディセプティコン4人の相手をこなせるだろうから。
サオリのバイクのシーンは1作目のレノックス大尉がブラックアウトを倒すシーンのオマージュ。

次回、遂にアリウスとの対決に決着が付きます。
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