TRANSFORMERS Blue_Archive   作:H2O(hojo)

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良かったねぇセイアちゃん!!リオ会長!!

エデン条約編もまぁ、今回ベアおば倒して、次回ミカを助けて、その次にエピローグで終了ですかね...多分。


決着

アリウス・至聖所

 

「ぐっ…インフェルノカスを倒すとは…!!まだ完全体になっていないというのに…!!」

 

「追い詰めたぜ、クソババアが!!」

 

「今まで散々こき使ってくれたなぁ、オォン!?」

 

「たかが…たかが貴様ら如きに…!!」

 

インフェルノカスを倒されたベアトリーチェの顔は苦虫を嚙み潰したように歪む。彼女はスクワッドたちにしてやられるとは、露程にも思っていなかったのである。

 

「バルバラ…いえ、バシリカに存在する全ての兵力をここに…!!こちらに戻ってきなさい!」

 

ヒュゥゥゥゥゥゥゥン…

 

「はぁ…くっ…」

 

「ま、まだ来るんですか…?うわぁ…」

 

「くっ…これ以上は…」

 

「しっかりしろ!まだ終わりじゃない!!支援が来る前に、早く…!!」

 

インフェルノカスを倒されてしまったため、ベアトリーチェは今度はバルバラたちユスティナ聖徒会を呼びだそうとする。インフェルノカスとの戦いでボロボロになっているスクワッドたちは、彼女の言葉に再び絶望を感じていた。

 

「バシリカの兵よ、私を保護なさい!!」

 

ヒュゥゥゥゥゥゥゥ…

 

「「「「・・・」」」」

 

「…何故、来ないのですか…?バルバラは?何故まだ誰も…」

 

~~~~~~~~~♪

 

「…!!」

 

ベアトリーチェは自身が完全体になるまで守るために、バルバラたちユスティナ聖徒会を呼びだす。しかし、ベアトリーチェが呼び出しているにも関わらず彼女たちは来ず、代わりに『Kyrie Eleison』が流れ出した。

 

「こ、これは…」

 

「これは…『Kyrie Eleison』…?」

 

“ミカ…!”

 

「あの女を味方に付けておいて良かったぜ」

 

流れてきた音を聞いて、ベアトリーチェ他ヒヨリとミサキも、この曲が『Kyrie Eleison』であることを理解する。そして先生は、ミカが頑張ってバルバラたちユスティナ聖徒会を抑えていることを感じるのであった。

 

「なりません!!!」

 

ガリッ…

 

「なりません!私の領域で慈悲を語る歌を響かせるなど!一体どのような手段を…?楽器も蓄音機もすべて破壊したというのに!奇跡が起きたとでも?なりません!!生徒は憎悪を軽蔑を…呪いを謳わなければなりません!」

 

バァン!!

 

「お互いを騙して傷つけ合う地獄の中で、私たちに搾取される存在であるべきなのです!」

 

“黙れ”

 

「…なに!?」

 

『Kyrie Eleison』の音を聞いて、ベアトリーチェはいつになく狼狽える。どうやら蓄音機やら楽器やらは彼女が破壊を命じたようで、音楽が聞こえてくることが信じられないようである。そして、彼女は子供は自分たち大人に搾取されるべきだと叫ぶと、先生に黙れと一蹴されるのであった。

 

“私の大切な生徒に話しかけるな”

 

「…!!!」

 

“あなたは偽りの教えで子供たちを奈落へ落とした。あなたを絶対に許せない”

 

「よ、よくも私にそのような…言葉をぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

そして珍しく先生は強い口調で、ベアトリーチェのことを拒絶する。そしてその言葉を聞いたベアトリーチェは、怒髪天を衝いて先生に怒りを向けた。

 

ゴゴゴゴゴゴゴ…!!

 

「ま、また変わり始めましたよ…!?」

 

「ああ、そうだサオリ…貴様を新しい生贄として捧げましょう!」

 

「…!!」

 

「貴様が私の計画を台無しにしたのですから、その代償を支払うのです!!」

 

ベアトリーチェはユニクロンの力を解放して、再び化け物のような姿に変化する。さらにはサオリを生贄として捧げようと、彼女へ襲い掛かってきた。

 

「…いくらでもどうぞ、マダ…」

 

パァン!!

 

「うぐっ…!?」

 

「「「!!?」」」

 

「もういいっての。いい加減お前のヒスに付き合ってやるのも飽きたわ」

 

「なっ…なにぉ…!!」

 

サオリは覚悟を決めてベアトリーチェのことを受け入れ、他のみんなを救おうとする。しかし、サオリを襲おうとした途中でモホークが彼女の脳天を貫き、冷たい目で彼女を見下していた。

 

「ユニクロンのパワーだか何だか知らねぇが、お前が一番大したことねぇわ」

 

「な、何だと…!!わ、私は貴様等の惑星を滅ぼす、ユニクロンの力を宿しているんですよ!?」

 

「んで?その恐ろしいパワーを使ってやってることがその咲いちゃった所からビームぶっ放すだけか?」

 

「「「・・・」」」

 

「ガキ使ってふんぞり返ってるだけのお前じゃ所詮この程度なんだよ、ド素人」

 

そしてモホークを皮切りに、他のディセプティコンたちもどんどん彼女の元へと集まっていく。いつもふざけてハイテンションの彼らの別の一面を見た、サオリ達は黙ってその様子を伺うことしかできなかった。

 

“・・・”

 

「分かってるぜ、先生。ガキが見てる前だからな。俺たちも多少は手心を加えてやるよ」

 

「て、手心だとぉぉぉ!?きっさまらぁぁぁぁ!!」

 

「だがそれでもケジメってのは必要だよなぁ?アイツらを散々苦しめて、俺たちのことをコケにしやがったんだからよぉ!!」

 

バシィィィン!!

 

「がっ…あぁ…!!」

 

そんな彼らの様子を見て、先生は何かを訴えかけるように見つめる。それに対しモホークは分かっていると言いつつ、ケジメは必要だとしてベアトリーチェの腹に思いっきり蹴りを入れる。

 

「本当なら俺たち4人で囲んでリンチしてやろうと思ったが、先生は教育上よろしくないとの仰せだ。だから俺一人でケジメ付けさせてやるぜ」

 

「貴様なんぞに…」

 

「今まで散々アリウスの連中に手を挙げてたくせして、自分がやられりゃ一発ダウンか?情けねぇなぁ?」

 

ボゴォ!!

 

「うっ…くっ…」

 

そしてモホークは先生の気持ちを受け取り、自分1人でベアトリーチェにケジメを付けさせるようである。そして蹴りを喰らって悶絶している彼女に、モホークは容赦なく2発目を叩き込んだ。

 

ジャキ!!

 

「な、ナイフ…」

 

「そう、俺実はナイフ使いなの」

 

ザクッ!!

 

「ぐがぁぁぁぁぁ!?」

 

「痛みが大事なんだもんなぁ?じゃあ、一生忘れねぇようにその身体に刻み付けてやらねぇとなぁ!?」

 

グリグリグリグリ…!!

 

「がぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁ!!!」

 

さらにモホークは自分の身体の中からナイフを取り出すと、ベアトリーチェにそれを突き刺す。戦士である彼はどこを刺せば痛がるのかが分かっており、ベアトリーチェは彼の攻撃に悶絶した。

 

「いやーラッキーラッキー。偉大なるユニクロン様のお力で耐久力も上がっているようじゃねえかよ」

 

ザシュ!!ザシュ!!

 

「うがあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?」

 

「そんじゃあ、ケジメいってみますかぁ!!」

 

グググ…

 

「き、貴様…一体何をするつもりだ…!!」

 

モホークはベアトリーチェの肉体がユニクロンによって多少変化していることに気が付いたようである。しかし、彼はそれを痛ぶれてラッキーくらいににしか思っておらず、次はベアトリーチェの腕を掴み始めた。

 

「ケジメだよ、ケジメェ!!こんな薄暗い場所に閉じこもってたんじゃ知らねぇのかぁ?」

 

「お、お前まさか…!?」

 

「いやぁ、ここキヴォトスにも素晴らしい文化があるんだなぁ。初めて知った時は感動したぜぇ」

 

「私の…私の指を切り落とそうというのか…!?」

 

「正ッ解!!」

 

そして困惑するベアトリーチェに対し、モホークは“ケジメ”という言葉を強調してその意図を理解させようとする。ベアトリーチェは“ケジメ”の意味を小指を切り落とすことであると指摘すると、モホークは笑顔で正解と答えた。

 

「お前ッ!!完全なる私の肉体の一部を切り落とそうというのか…!?」

 

グググググ…!!

 

「ホラホラァ!!覚悟決めろよ、“大人様”なんだろぉ!?」

 

「やめっ…やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

 

「ピーピー騒いでんじゃねぇぞ。テメェが今までやってきたことを指1本で許してやろうってんだ。大人しく指詰めろや、“生娘”」

 

「うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

ザシュッ!!

 

自分の指を切り落とそうとするモホークにベアトリーチェは必死で抵抗するものの、彼に恐怖を覚えている彼女では意味が無かった。そして、ただ偉そうに恐怖で子供たちを支配していたベアトリーチェをモホークは“生娘”と侮辱しながら、彼は彼女の指を切り落とすのであった。

 

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」

 

「うるせぇ!!」

 

メキャッ…!!

 

「うっ…!!」

 

バタン…

 

「あっ、ヤベッ…気絶させちまったぜ」

 

「「「・・・」」」

 

モホークによって指を落とされたベアトリーチェは、かつてないほどの大声で絶叫する。彼は彼女を黙らせるため腹を殴るが、それにより彼女が気絶してしまった。

 

「よっと」

 

ポイッドシッ…

 

「んで、コイツどうするよ?」

 

「ユニクロンのパワーを取り込んだってことは…コイツもテラーコンみたく不死身なのかね?」

 

「じゃあ、コンクリートで固めて海に沈めるか?」

 

「それか宇宙空間に放出とかかねぇ…まったく、捨てるのにも苦労するゴミだぜ」

 

気絶したベアトリーチェを用済みだとばかりにモホークはポイ捨てする。そして彼は他のディセプティコンの3人と彼女の処理方法について話し合っていた。

 

ドカァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!

 

“まだ誰か残ってたの…!?”

 

「テメェは…!!」

 

ブゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!!ギゴガゴゴ!!

 

「ハァ…ハァ…」

 

「「「スカージ!!」」」

 

しかし唐突に至聖所の壁が壊され、中から錆付いた大型トラックが姿を現す。そしてそのトラックはトランスフォームすると、一同はそれがスカージであることに気付いた。

 

ガチャ…ヒョイ!!

 

「あっ…テメェ!!それは俺たちの獲物だぞ!!」

 

ガチャ!!ガチャ!!ガチャ!!ガチャ!!

 

「片手落ちの今のお前なら、4人がかりでぶっ倒せるぜ!!」

 

“いや、一旦武器を降ろして”

 

「「「「・・・」」」」

 

“話をさせて欲しい”

 

ガチャ…

 

スカージはベアトリーチェに近づくと、彼女を拾い上げる。それに対しディセプティコンは彼に銃を向けるが、先生は彼と話がしたいといって彼らを制止させた。

 

“ベアトリーチェをどうするつもりなのかな?”

 

「コイツはユニクロン様の力を取り込んだ。故にユニクロン様をこの惑星に引き寄せるパワーを持っている」

 

“つまり…”

 

「コイツを使って俺はユニクロン様をこの惑星に呼び寄せる!!サイバトロン星のことなどもはやどうでもいい!!我々に屈辱を与えた代償を支払わせてやるぞ虫けら共!!」

 

先生はスカージに、ベアトリーチェをどうするつもりなのかと尋ねる。そしてスカージはユニクロンの力を取り込んだベアトリーチェを使って、ユニクロンをこのキヴォトスへ呼び出すと宣言した。

 

“分かった…好きにするといい”

 

「お、おいおい…みすみす見逃すのかよ、先生!!」

 

“うん…その通りだよ”

 

「この俺に情けをかけているつもりか…?後で後悔しても遅いぞ」

 

“情けをかけているわけじゃないよ。私は大切な生徒と友達を苦しめた君たちを許すつもりはない。君たちは必ず、私たちの手で倒す。この私たちの故郷でユニクロンを迎え撃つ!!”

 

スカージの返答を聞いた先生はベアトリーチェのことは好きにすると良いと言って、彼を見逃すつもりである。ニトロゼウスとスカージが先生のその選択に困惑していると、彼はスカージに向かってキヴォトスでスカージを迎え撃つと宣戦布告した。

 

「フフフ…いいだろう。お前たちはユニクロン様に怯えながら苦痛を感じて滅びる未来が確定したぞ」

 

“お前たちの野望は必ず私たちで食い止めてみせる”

 

そういってスカージはどこかへ消えてしまった。

 

 

 

 

 

「お、おわり…ですか?」

 

「まぁそうじゃね?」

 

「あ!ひ、姫ちゃんは!!」

 

「あ、アツコ…!!」

 

「まだあそこに!」

 

スカージが去った後、ヒヨリは少し落ち着いた後アツコがまだ十字架に取り残されていることを思い出す。色々と有り得ないことが起こり過ぎて、彼女たちはアツコのことを思い出せずにいたのである。

 

「あ、あわ…は、早く姫ちゃんを降ろしましょう!」

 

「よし、俺に任せろ!!」

 

ガチャン…!!ガッ…ガッ…ガッ…

 

「アイツ…“狂戦士”って名前の割には器用だよな…」

 

ガチャガチャ…バシッ…

 

「よしよし…」

 

ドシィン!!ヒョイ…

 

十字架に掛けられているアツコを降ろそうとして慌てるヒヨリに対し、バーサーカーは器用に十字架をよじ登っていく。そしてアツコを拘束している器具を外して飛び降り、アツコを床に寝かせた。

 

「ひ、姫ちゃん…」

 

ガチャ…

 

「姫…しっかりしてくれ…」

 

「アツコ…」

 

「…外傷がひどい。血を流しすぎてる」

 

「姫…アツコ…頼む、目を開けてくれ…お願いだ…アツコ…目を、開けてくれ…」

 

床に寝かせられたアツコを見て、ヒヨリはまずその顔に付けられていたマスクを外す。素顔を晒したアツコは眠っているように見えるが、外傷がひどいようで生きているのか分からずサオリを心配させる。

 

「「「・・・」」」

 

「「「「・・・」」」」

 

「サオリ、ちゃん…?」

 

「アツコ…!!」

 

そして一同は心配そうにアツコが目を開けるのを見守っていると、遂に彼女が目を覚ます。アツコが目を覚ましたと同時に、サオリが真っ先に彼女の名を呼ぶのであった。

 

「ひ、姫ちゃん!!気が付きましたか!?」

 

「アツコ…!!目が覚めて良かったぜ!!」

 

「うん…サオリ、ヒヨリ、ミサキ、バーサーカー、モホーク、ニトロゼウス、ドレッドボット…みんな、おはよう」

 

タッタッタッタッ…ガバッ!!

 

「アツコ…!!!」

 

さらに他のメンバーもアツコの無事を喜び、彼女も意識がはっきりしてきたのか仲間の名前を1人ずつ読んでおはようと挨拶する。そしてサオリは唐突にアツコの元へと駆け寄って、抱き着いていた。

 

「あ、サオリ…?」

 

「良かった…本当に、よかった…」

 

「う、うん…?」

 

「アツコ…生きていてくれて、ありがとう…本当に、ありがとう…」

 

「…うん」

 

サオリに抱き着かれたアツコはまだその状況を理解できていないようで、かすかな声で彼女の名を呼ぶ。そしてサオリはアツコが生きていてくれたことに、泣きながら感謝を述べるのであった。

 

「サオリ…泣かないで。私は大丈夫だから。先生が…バーサーカーたちも手伝ってくれたんだね?」

 

「ああ…そうだ…。ありがとう、先生…。もう、これで大丈夫なんだな」

 

「…うん。大丈夫だよ、サオリ。きっと全部、終わったよ」

 

彼女たちの長く辛かった戦いは、先生とディセプティコンたちの協力によってようやく終わったのである。

 

 

 

 

 

“みんな大丈夫?”

 

「うん…辛うじて」 「ああ…」 「も、もう本当に終わりなんですよね…?」

 

「流石に一晩中戦いっぱなしは疲れたぜ…」

 

「サイバトロン星で戦争してた以来だ…」

 

ベアトリーチェたちとの対決が終わりアツコを助けた後、彼女たちはようやく一息つく。先生は一同を気にかけるが、全員ぶっ通しで戦っていたためもうヘトヘトである。

 

「先生、私たちを助けてくれてありがとう」

 

“マスクはもう付けなくてもいいの?”

 

「うん、大丈夫」

 

「アツコ…やはりお前は素顔のほうが何十倍も素敵だ…」

 

「豹変キモッ…」

 

意識が完全に戻ったアツコは改めて自分とアリウススクワッドたちを助けてくれた先生に感謝を述べる。そしてアツコは常に顔を覆っていたマスクを外しており、ベアトリーチェがいなくなった今もう付ける必要性は無いようである。

 

「マダムがどうして私にマスクを付けさせたがってたのか、分からなかったんだけど…。アズサの爆弾に巻き込まれた時、私の身体を保護してくれた装置があって…多分、それを作動させるのに必要だったんだと思う。結局、マダムは私を守るためにこのマスクを付けさせていたんだろうね」

 

「要するに生贄にする前に死ぬと困るから保険で付けてたってわけかい」

 

“じゃあ、今後も必要な時には付けようか。アツコが怪我をしたら悲しむ人が多いからね”

 

「「「・・・」」」

 

「そうだね…マスクはたまに付けるようにする」

 

アツコはベアトリーチェに生贄として磔にされたことで、彼女が自身にマスクを付けさせた意図を理解したようである。マスクには彼女を守るための力が宿っており、ベアトリーチェは自身が崇高へ至るためにアツコを保護していたのである。そしてまだアツコのことが心配である先生は、彼女に仮面を必要な際には付けるよう促すのであった。

 

「…先生。約束通り…姫を救ったから…先生の好きにしてくれ」

 

“好きに…?”

 

「私がすべての元凶だ…エデン条約事件も、セイア襲撃も、ナギサ襲撃も…ミサキも、ヒヨリも、アツコも、お前たちだって…みんな私のせいでこうなってしまった。連邦生徒会でも、トリニティでも…矯正局でも何でも構わない。先生が思う、一番適切な所に私を送ってくれ」

 

「一体何を…!?」 「り、リーダー…!?」 「・・・」

 

「「「「・・・」」」」

 

そしてサオリは全てが終わったから、自分の身柄は好きにしていいと先生に告げる。それを聞いたスクワッドたちは動揺し、ディセプティコンたちも顔を顰めていた。

 

「ふ、ふざけないでリーダー…1人だけそんな…!」

 

「いや…私は、長い間負うべき責任を放棄して生きてきた…。これでいい…今がその時なんだ」

 

「り、リーダー…」

 

「・・・」

 

そんなサオリに対し、ミサキは怒りを覚えヒヨリとアツコは心配する。だが彼女たちの気持ちを余所に、サオリは自分が責任を負うべきだと言って先生に身柄を差し出そうとしていた。

 

“…そうだね。サオリは責任を負わないといけない”

 

「あぁ…」

 

“サオリは長い間、周囲の子たちを守るために頑張ってきた”

 

「!?」

 

“他人の面倒を見て、守り、耐え…責任を負ってきたんだ”

 

そしてサオリに身柄を差し出された先生は、彼女に責任を負うべきだと諭す。しかしそれは、彼女がトリニティの惨劇を含む一連の事件を引き起こしたからではなく、アリウススクワッドたちのために頑張ってきたからである。

 

“だからこそ、おかしな環境で狂った教育を受け、誤った選択をしてきたのだと思う”

 

「「「「・・・」」」」

 

“サオリたちは、罪を犯した悪い生徒…それは変わらない。だからといって、苦しんで当然なわけじゃない”

 

「あぁ…その通りだ」

 

“子供たちが苦しむのは、その子のせいじゃない。子供たちが苦しむような世界を作った責任は、大人の私が背負うものだからね”

 

サオリは責任を背負っていたからこそ、ベアトリーチェの教育によって歪められたのだと先生は思ったようだ。そして罪の犯した生徒であろうと、子供である以上責任はその状況を作った大人の責任であると説いた。

 

「な、何を言っているんだ…!そんな…!!では…一体私は…私は何の責任を負わなければならないんだ…?」

 

「はぁ…お前こんだけ一緒に居たってのに全然コイツのこと理解してねぇんだな…」

 

“責任を負うのは、自分の人生そのものだよ、サオリ”

 

「…ど、どういう意味なのか、分からない」

 

しかし先生に説明されてもサオリは自分が何をすべきか分からないようで、モホークに呆れられる。それを察した先生が自分の人生に責任を負うべきだと答えを示すが、それでも彼女は理解できないようである。

 

「…私は分かる気がする」

 

「姫…?」

 

「サオリ、やりたい事はある?」

 

「・・・」

 

そんななかアツコは先生の言っていることが分かったようで、サオリにやりたい事があるかと尋ねる。アツコに言われサオリは考えるが、すぐには思いつかず黙ってしまった。

 

「アズサは学ぶのが楽しいって言ってた。友達と一緒にいる事が幸せだって。サオリの好きなものは何?やりたいことは?趣味は?好きな食べ物は?私は今まで、一つも聞いたことがない。サオリ、将来の夢は?なりたいものはある?」

 

「…そんな、そんなものは…わからない…一度も、そんなもの考えた事がなかった…私が何が好きなのか、何がしたいのか…私は、一つも分からない…」

 

「サオリは、責任感が強くて…決断力があって…んーと」

 

「お、教えるのが上手です…いろいろ…教えてくれる時は、怖いですけど…」

 

「真面目ではあるよね。計画を立てるのも美味いし、指揮をするのも上手だし」

 

そしてアツコはサオリの好きなものややりたい事について質問する。しかし彼女は今までそんなことを考えたことが無かったため、自分が好きなことすら分からないと嘆いた。それを見たスクワッドたちは、サオリの良い所をそれぞれ述べていく。

 

“そっか…それなら、サオリは今後…。良い先生になれるかもしれないね”

 

「…!!!」

 

「リーダーがせ、先生に…!?」

 

「まぁいいんじゃねぇの?想像はつかんが…」

 

「ううん、そんな事ないよ。よく似合いそう…でしょう?」

 

そして彼女たちの言葉を聞いて先生は、サオリは良い“先生”になれるかも知れないと言い始める。それを聞いたサオリは思っても見なかったことを言われたため、とても驚いていた。

 

「…分からない。私に…そんな未来が本当に…?」

 

「まぁあるんじゃねぇか?俺たちだってキヴォトスに来てこんな事してるとは思わなかったし」

 

「そんな…人生の責任を負うという意味も、私が好きなことも、そんな未来も…何も分からない…私は…私は、生きていても…いいのか?」

 

“その答えは、自分で見つけようね”

 

サオリは先生に言われたことに実感が持てないようで、戸惑いっぱなしであった。そして何も分からないサオリに対し、先生はその答えは自分で見つけようと答えるのであった。

 

“そういえば…君たちはこれからどうするの?”

 

「そうさなぁ…まぁ手柄は先生に譲ってやるよ。ババアもスカージに回収されちまったし、センチネルは…俺たちが貰うとあの真面目君が黙ってなさそうだし」

 

「コイツらと一緒にいるさ。共に戦った仲だからな」

 

「先生、メガトロン様に“窮地の際は飛んで駆け付けます”って言っといてくれ」

 

“分かったよ。彼女たちをよろしく頼むね”

 

先生はサオリたちからディセプティコンたちのほうに顔を向けると、彼らの今後を気に掛ける。それに対しモホークたちはスクワッドたちについて行くと言って、先生にそのことをメガトロンに伝えるよう頼むのであった。

 

“じゃあ、ここでお別れだよ”

 

「なっ…!?急に…待ってくれ先生!?」

 

“まだ助けが必要な生徒がいるんだ”

 

「ま、待ってくれ…!!私は…私たちは…」

 

サオリたちとディセプティコンたちとの話を一通り終えた先生は、彼女たちに別れを告げる。だがサオリはまだ先生に聞きたいことがあるようで、必死に先生のことを止めようとする。

 

「いや、そうか…それを見つけるのが私の…」

 

“大人が保証するよ…その答えは、必ず見つけられる”

 

「…!!」

 

「それじゃあな、先生!!ユニクロンをぶっ倒すときは俺らのことも呼んでくれよ!!」

 

タッタッタッタッ…

 

だがサオリは立ち止まると、先生の言葉を思い出し彼を止めるのを止めた。先生は最後にサオリに必ず答えは見つけられると言ってミカの元へと向かうのであった。

 

 

 

 

 

「い、行ってしまいました…?」

 

「…きっと、ミカを助けに行ったんでしょ」

 

「ひ、1人で大丈夫でしょうか…」

 

「まぁ大丈夫だろ。あのオレンジ君もいるし」

 

「先生は大人だから、きっと何か方法があるんだと思うよ」

 

先生を見送ったヒヨリは、1人で行ってしまった彼の心配をする。それに対しニトロゼウスとアツコは、心配ないと言うのであった。

 

「もうベアトリーチェもいなくなって、アリウス自治区を抑圧するのはすべて消えたね」

 

「・・・」

 

「リーダー…」

 

「サオリ、大丈夫…?」

 

「うん…まだ何も分からないけど…それでも…」

 

 

 

 

 

“初めて…この世界にいてもいいのだと、思う事ができたよ”




誓ってキヴォトスで殺しはやってない...ハズです。
ベアおば初めての指詰め、お楽しみいただけましたでしょうか?
はい、そんじゃユニクロンの鍵になってもろうて

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