絶望しかない世界と死   作:アルカンテナ

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3話

「そうか…エミまで…」

メイカ先輩は感情のこもっていない、乾いた声で呟く。

レイナ先輩の姿が見えないことに私は気づいた。

「レイナは…私が殺した…殺したんだ…」

エミカ先輩が少々、おかしな声調で呟いた。

何を言ってるんだ。エミカ先輩がレイナ先輩を殺す…?ありえない。

「エミカ。レイナは自ら望んで死んだんだ。

お前が気負う必要なんかはない。」

メイカ先輩は素っ気ないながらも優しく言う。

彼女もひどい傷を負っていた。

顔の左側は裂傷のせいで口裂け女のような顔になり、

破れかけた制服は赤く染まっていた。

「………でも…私が………」

エミカ先輩は言いかけて黙り込んでしまった。

「合流してすぐだが提案がある…」

メイカ先輩はゆっくりと、冷静に言い始めた。

「一つ、作戦がある。」

「成功すれば…この騒ぎはおさまる。

ヴィスワ学園の滅亡は避けられないと思うが…」

「もしかしてだが…」

「奴を殺すつもりか…?無茶だ!そんなこと!」

ルカ先輩が強い口調でメイカ先輩に食ってかかる。

「だったらこのまま奴に怯えて過ごすのか?

いつ死ぬかもわからず?」

「これ以上大切な人を失うかもしれないのに?」

「そんなの私はごめんだ。」

メイカ先輩も負けじと言う。

でも…あんたのせいで…皆んな傷つき、大切な人を失った。

あんたが…強いのに…!!1人で逃げたから…!!

「…………」

「…でも…アイツと戦うのか?」

「勿論。そうなるな。」

「当たり前か…」

「アヤとユキ、そしてマイカは連れて行かない方がいい筈だ。」

今更後輩達の心配ですか…?もう遅いですよ!!先輩!!

「私もそれには賛成だ。」

「何もできないかもしれないけど…私も連れて行ってください!!」

部屋の端で震えていたマイカが立ち上がって言う。

「マイカ、私達は必ず帰ってくる、

それまでこの部屋を守っていてくれ。」

「可愛いあんたらをこれ以上危険な目に遭わせたくないんだ。」

エミカ先輩がマイカの頭を撫でながら言った。

「アヤ。」

ルカ先輩が私を呼ぶ。

「何ですか…?」

ルカ先輩が私を強く抱きしめる。

「アヤ…もし私が帰って来なかったら…」

全く…あんたは…すぐに失敗を心配する。

「失敗した時の話なんてやめてください。」

「そっか…アヤらしいね。」

ルカ先輩は笑っていた。

「盾ってあるかな…?」

メイカ先輩の問いにこたえるようにマイカは言う。

「メイカ先輩の盾は私が持ってます。」

「これですね。」

マイカがメイカ先輩に盾を差し出す。

「ありがとう。」

先輩はマイカの頭を撫でていた。

マイカは少々不服な顔をしていたが、嫌では無いようだった。

出発前の先輩達との会話が終わり、先輩達は各々準備を終えた。

「それじゃあ…行ってくる。」

ギィィィィィ…バタン!!

古い扉が閉まった。

私は少しだけ…希望が持てた気がした。

だが、静かな、何も無い時間が流れ始め、私は暗い考えになっていく。

そんな淡い希望など無駄だ。そうさ。

希望なんて無いんだ。私は二人もの人を見捨てた。

……ははは……

「はははははは!!私は一体どうすればいいんだろうな!?

ユキ…!!私にはわかんねえよ!!こんな状況で、

結局私は責任を他人に押し付けるだろうな!!

そうでもしないと自分に生きる理由が分からないんだよ…

元々私には生きる理由なんか…

…………はぁ。なんで私は…ずっとこんなしょうもないことに

固執しているのだろうか…?先輩の帰りを待てばいい。

希望を持っていればいい。そう思っても自分の無価値さを

忘れることはできないからか。はぁ …私って…面倒な人間だな。」

自分自身を否定する言葉が流れるように声になる。

「何言ってるの…アヤ…もういつも明るいアヤは居ないの…?」

ユキは泣きそうな…虚しそうな声で呟いた。

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