私は…何に囚われているのだろう。
この世界?アヤ?先生?もう分からない。
とっくに希望が無いことは分かっている。でも死ねないんだ。
私は虚ろな目をしたそれに話しかけた。
「なぁ…アヤ。」
「それ」から返答は返ってこなかった。
ギィィ…
古びた扉が開き、見慣れた姿を見た。
メイカ先輩だ。良かった、生きていた。でも…
エミカ先輩とルカ先輩は居なかった。
その瞬間、私の後ろから憎悪の気配がした。
私は恐怖で振り向くことができなかった。
「それ」は今まで聞いたことのない声で言った。
「メイカ…先輩…!!」
先輩は俯いていた。
「それ」は続ける。
「なんでお前が⁇みんなを傷つけ、殺し、苦しめたお前が!!
なんでお前だけが帰ってきたんだ!!」
「すまな…」
「それ」は先輩の謝罪を遮り、続けて言う。
「お前は何も出来ず仲間を傷つけた!
お前だけが生きている価値はない!」
先輩は絶望と嘲笑が混じった表情で言った
「ははは…そうだよ……私は死神だ!!
死神の癖に!!英雄気取って?大切なものを何も守れず?
何が英雄だよ!!何が最強だよ!?
あははは!?もう!!こんな世界!?いらないでしょ!!」
先輩…だったものは泣いていた。
悲痛さは微塵も感じられない。
これが彼女の本心なのだろうか…
「それ」…いや、アヤは胸ぐらを掴み…
「何なんだよ!!この野郎が!!
自分本位で!!悲劇のヒロイン気取りで!
人を傷つけても死神だから、で済ませて!
この…!!クソ野郎がぁ…!!」
ドンッドンッ、ドンッドンッ!
硬いものが何度も当たる音が部室に響く。私には…もう分からない…
私が好きだった二人はいない…知人によく似た…何かだ。
私には…もう分からない。
何が正しかったのか、どうすれば良かったのか、何をすれば助かったのか…
特殊弾が入った拳銃を拾い、こめかみに銃口を向け、私は昔の学園生活を懐かしみながら、引き金に指を掛けた。
…………………………………………
他の先輩を見殺しにしてノコノコと帰ってきたメイカ先輩に憤慨して衝動的に私のオートマグで殴打してしまった。
私だって…何もできなかったのに…?
そんな様子を見たユキは、
自分で頭を撃ち抜いて自殺してしまった。
家族のように親しくしていた親友を目の前で亡くした急な絶望に私はもう命を断つこと以外考えられなくなった。
ユキと同じように私も自分の頭に銃口を当て…
引き金に指を掛けた。
何かが弾ける音と共に、分からないけれど脳が弾けたのが自分でもわかった。
段々、視界がぼやけ…
ああ、私は死ぬんだ、…なんだかわかる……
何もできない私なんか…こうすれば…良かったんだ。
最初から…こうすれば…。