扉が開く音がする。ここには光が当たらず、何も見えない。
せめて私だけでも守ろう、と皆が言い私はルカ委員長が
使っていたであろうこじんまりとした部屋?物置?
に入れられ、声を掛けられるまで出るな、と言われた。
あれからどれほどの時間が経ったのだろうか…
「…!!……!!」
「…………!!…!!」
何か言い合っている、私は隠し扉に張り付き、
話の内容を盗み聞きしようとした時だった。
ドンッ、ドン!!ドン!!
この音は…鈍器?いや違う…殴りつける音だ。
ズダァァァン!! ビチャッ!!
銃声と液体が飛び散る音が響く私は…耳を塞いだ。
何も聞きたくなかった。
ズダァァン!!
私の願いも叶わず、爆音が脳を揺らす。
………
ようやく静寂が訪れた。
私は異常の正体が気になってしかたなかった。
少し考えればわかったはずだ…だが、私は根拠のない希望を持ち、
重く、厚い扉を静かに開けた。
開かなければ…。今さらながら遅い後悔だ。
一人は綺麗だったであろう青髪が赤く染まり、冷えていた。
一人は目の輝きを失い、弾丸の軌道のように血が噴き出していた。
一人は頭の赤とは言えない別の何かと混じり合った血が垂れ、
手には空になった特殊銃…ピストルが握られていた。
理解したくなかった、ここで起きた事を。
理解したくなかった、私が死を止められなかったことを。
理解したくなかった、もう、ここには誰もいない事を。
お願い…嘘だと言って…これは悪い夢で…うなされているだけだって!!
みんな…なんでみんな私を置いてっちゃうの…!?
待ってて…みんな…今からそっちに行くから…
私は自分の武器を展開し、口に咥え、引き金を引こうとした時だった。
ブラックホールの様な…虹が覆っている何にも形容し難い
「何か」が私の視界を覆ってゆく…
司祭の様な服装をした仮面をつけた人型達が私の周りに現れ、
意味のわからない事を言い始めた。
「我々が導いた色彩は何をもたらすだろうか。
「苦しみ?死?それはわからぬ。」
「彼女は恐れ崇められる存在となる。」
「この世界に居る神秘…それを根絶やしにするまで…
この世界をこの色で塗りつぶすまで。
貴様には休息も…死も赦されない。」
先輩達が…先生が…みんなが助かるなら…
先輩達はそんな事、望まないかもしれない。
私が傷つき、手を汚し、死ぬかもしれない。
でも…今みたいに一人世界に取り残されるくらいなら…
誰もいない世界で…化け物に怯えて過ごすくらいなら…
私は…先輩達…みんなを苦しめた…
先輩達が許してくれて…また笑い合えるなら…
人だって殺してやる。世界だって壊してやる。
あいつらに従えば…きっと…きっとあの時みたいに…
………
「他の世界まで…色彩を…崇高で支配するのだ!!」
…あいつらは別に先輩達を取り戻す、
なんて一言も言ってない。私の妄想だった…
私はなんて馬鹿なんだろう…!!
勝手な妄想であいつらに従って…
世界を滅ぼして…でも…やめる事はできないんだ…
もう、手遅れなんだ。