絶望しかない世界と死   作:アルカンテナ

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5話

…ここは…まだ化け物が来てない世界みたいだ。

でも、もう私は先輩達を取り戻す為に…

この世界も滅ぼす。

身勝手だ。勝手に勘違いして…他の世界から幸せを奪って…

私…いやこの馬鹿のせいで!!でも…もう戻る事は出来ない。

ごめんなさい。何もできなくて。

ごめんなさい。幸せを奪って。

ごめんなさい。ごめんなさい。

ごめんなさい。こんな事しか私には出来なかったの…!!

「ヴィスワ学園」に私は侵入する。

「私」がすぐ近くに居た。

「せっ先輩!!待ってください!!」

「私」は先輩を追いかけているようだ。

あの時みたいだ…でもお前は、結局誰も救えず、また人を傷つけるんだ。

私は「私」に銃を向ける。

ズダダダダダ!!

「いだぁっ…やめて…やめて…誰かっ…!!助けて!!」

「私」は情けなく助けの手を呼んでいた。

誰も来ねえよ。お前は死ぬんだ。そう思っていた。

ドンッ!!

鈍い音と酷く、重い衝撃が後頭部に走った。

頭蓋骨が割れたのだろうか…視界が揺らぐ。

私は視線が合わないまま…後ろを向く。

特徴的な盾…儚い澄んだ色の髪…やっぱり…

「メイカ先輩」だ。

「お前…私の後輩に手を出し…まさか… お前、別世界のマイカだろ。」

彼女は私の正体に気づいた。私は何があったのか、

何故私はこんなことになったのか、

話すことにした。

「私のヴィスワ学園には…謎の化け物が現れて…」

「皆、食べられた。数少ない仲間達も…先輩達も…

 追い詰められて自殺した同級生もいた…」

「あの時、私が死んでいればぁぁ!!」

心の叫びが初めて声となった。

私はもうどうでもよかった。

私は偽物の先輩達に銃を向け、引き金を引く。

でも、目の前の先輩が偽物だと言うのに

少し、躊躇し、引き金を引くのが遅れた。

私は銃を奪われた。

「私のせいで皆いなくなった…」

そう呟いた私に「メイカ先輩」は言う。

「失ったり…無くなった物、人に固執したって

 もう帰って来ない。お前が苦しまずに

 生き続けられる事がお前のとこの私の願い

 なはずだ。もう…こんなことはやめるんだ。」

「私なんかが…生きていていいの?

 他人から幸せを奪った私が…?

 苦しまずに…生きていいの…?」

「そんな都合のいい事!!許されないでしょ…」

私は彼女に自分の考えをぶつける。

「他人の幸せを奪ったとしても…

 誰かを傷つけ、悲しませたとしても。

 命を捨てたり…諦める理由にはならない。」

「お前は病院で治療を受けた後…自由に生きろ。」

「…困ったら生徒会館を訪ねてくれ。」

「それと、銃を返しておくよ。」

私は返された銃を「先輩」に向けた。

引き金を引こうとした。引けなかった。

もう私は…ここを滅ぼす必要など…

私は。色彩の言いなりなどにはならない。

あの「先輩」の言う通り、罪は消えない。

私のせいで世界が滅んだ事実は変わらない。

だとしても先輩達が望んでいるのなら…

私は自由に…生きてみよう。

少しだけ、そう思えた気がした。

 

 

 

 

 

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