…ここは…まだ化け物が来てない世界みたいだ。
でも、もう私は先輩達を取り戻す為に…
この世界も滅ぼす。
身勝手だ。勝手に勘違いして…他の世界から幸せを奪って…
私…いやこの馬鹿のせいで!!でも…もう戻る事は出来ない。
ごめんなさい。何もできなくて。
ごめんなさい。幸せを奪って。
ごめんなさい。ごめんなさい。
ごめんなさい。こんな事しか私には出来なかったの…!!
「ヴィスワ学園」に私は侵入する。
「私」がすぐ近くに居た。
「せっ先輩!!待ってください!!」
「私」は先輩を追いかけているようだ。
あの時みたいだ…でもお前は、結局誰も救えず、また人を傷つけるんだ。
私は「私」に銃を向ける。
ズダダダダダ!!
「いだぁっ…やめて…やめて…誰かっ…!!助けて!!」
「私」は情けなく助けの手を呼んでいた。
誰も来ねえよ。お前は死ぬんだ。そう思っていた。
ドンッ!!
鈍い音と酷く、重い衝撃が後頭部に走った。
頭蓋骨が割れたのだろうか…視界が揺らぐ。
私は視線が合わないまま…後ろを向く。
特徴的な盾…儚い澄んだ色の髪…やっぱり…
「メイカ先輩」だ。
「お前…私の後輩に手を出し…まさか… お前、別世界のマイカだろ。」
彼女は私の正体に気づいた。私は何があったのか、
何故私はこんなことになったのか、
話すことにした。
「私のヴィスワ学園には…謎の化け物が現れて…」
「皆、食べられた。数少ない仲間達も…先輩達も…
追い詰められて自殺した同級生もいた…」
「あの時、私が死んでいればぁぁ!!」
心の叫びが初めて声となった。
私はもうどうでもよかった。
私は偽物の先輩達に銃を向け、引き金を引く。
でも、目の前の先輩が偽物だと言うのに
少し、躊躇し、引き金を引くのが遅れた。
私は銃を奪われた。
「私のせいで皆いなくなった…」
そう呟いた私に「メイカ先輩」は言う。
「失ったり…無くなった物、人に固執したって
もう帰って来ない。お前が苦しまずに
生き続けられる事がお前のとこの私の願い
なはずだ。もう…こんなことはやめるんだ。」
「私なんかが…生きていていいの?
他人から幸せを奪った私が…?
苦しまずに…生きていいの…?」
「そんな都合のいい事!!許されないでしょ…」
私は彼女に自分の考えをぶつける。
「他人の幸せを奪ったとしても…
誰かを傷つけ、悲しませたとしても。
命を捨てたり…諦める理由にはならない。」
「お前は病院で治療を受けた後…自由に生きろ。」
「…困ったら生徒会館を訪ねてくれ。」
「それと、銃を返しておくよ。」
私は返された銃を「先輩」に向けた。
引き金を引こうとした。引けなかった。
もう私は…ここを滅ぼす必要など…
私は。色彩の言いなりなどにはならない。
あの「先輩」の言う通り、罪は消えない。
私のせいで世界が滅んだ事実は変わらない。
だとしても先輩達が望んでいるのなら…
私は自由に…生きてみよう。
少しだけ、そう思えた気がした。