烙印からの帰還者〜天上院家の末っ子は脳筋デッキしか勝たん〜 作:Eクラス
真樹那・十代VS明日香・榊玲奈
タッグデュエルは8ターン目に入る。
女子ズ LP6900
明日香 榊玲奈
手札4枚 手札1枚
▢▢▢▢▢ ③④⑤⑥▢
▢▢①▢▢ ▢ ⑦⑧⑨⑩⑪ ⑫
▢ ▢▢②▢▢ ▢ ▢▢▢▢▢
▢▢▢▢▢ ▢▢⑬▢▢
手札4枚 手札4枚
十代 真樹那
男子ズ LP5750
配置
①【サイバー・ブレイダー】
②【E・HERO フレイム・ウィングマン】
③【団結の力】
④【ダグラの剣】
⑤【神の恵み】
⑥セットカード
⑦【天空勇士ネオパーシアス】
⑧【創造の代行者 ヴィーナス】
⑨【神聖なる球体】
⑩【神聖なる球体】
⑪【神聖なる球体】
⑫【天空の聖域】
⑬セットカード【コンセントレイト】
真樹那たちが劣勢。
榊玲奈の天使コンボにより脳筋ネオパーシアスの攻撃力は7750。
LPポイントの差が大きいほど攻撃力が上がっていく。
貫通持ちなので守備表示で時間稼ぎして耐えるってこともできない。
この、真樹那のターンでどうにかするしかなかった。
「異世界馬鹿野郎くんのちょっといいところ見てみたい〜。よっ♪」
「うるせー、オレのターン。ドロー」
真樹那のターン。
榊玲奈の茶々入れはスルーして。
現在、絶賛手札事故中なわけだが、そろそろ何か引きたい。
真樹那の手札
【デスペラード・リボルバー・ドラゴン】
【溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム】
【貪欲な壺】
【マシンナーズ・ルインフォース】
【トレード・イン】
(おー?)
「じゃあ、オレは【トレード・イン】で星8のモンスター【リボルバー・ドラゴン】を墓地へ送って2枚ドロー」
【トレード・イン】は【機巧蛇-叢雲遠呂智】を墓地に落として使うのが理想的だが今は他のカードを落とすしかない。
贅沢は言わない。
真樹那は2枚ドローした。
【召喚師アレイスター】
【増殖するG】
(あー、師匠か…コレいける?)
真樹那が異世界へ行っていた時、精霊のチカラの習得に大きく関わったヒトだ。
勝手に師匠と呼ばせて貰っている。
例えば、【召喚師アレイスター】を召喚からの展開ルートを考える。
【アレイスター】の効果で召喚時にデッキから【召喚魔術】1枚を手札に加える。
【召喚魔術】より【アレイスター】と【溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム】で【召喚獣プルガトリオ】を融合召喚する。
【召喚獣プルガトリオ】
攻撃力2300
守備力2000
効果は、
①:このカードの攻撃力は、相手フィールドのカードの数×200アップする。②:このカードは相手モンスター全てに1回ずつ攻撃でき、守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。
今、相手のフィールドには9枚。
元々2300+200×9 =4100になる。
さらに墓地の【召喚魔術】の効果よりこのカードをデッキに戻し、除外された【アレイスター】を手札に戻す。
そして、【アレイスター】の①の効果で自分フィールドの融合モンスターの攻撃力1000アップすることができる。
さらに、【コンセントレイト】もある。
その効果により【プルガトリオ】の守備力2000分が攻撃力に加算される。
よって、プルガトリオの瞬間的火力は3000プラスされ7100になる。
まず【サイバー・ブレイダー】を攻撃。さらに連続攻撃ができるから【創造の代行者 ヴィーナス】【神聖なる球体】×3体も破壊する。
【天空の聖域】があるから【ヴィーナス】達はダメージは0であるが、フィールドのモンスターゾーンには残り【天空勇士ネオパーシアス】しかいなくなる。
このターン【ネオパーシアス】は無視してもいい。
重要なのは【ネオパーシアス】の攻撃力を下げること。
【サイバー・ブレイダー】は天使属じゃないからダメージが入る。
7100-4200=2900
女子ズLP6900-2900=4000と逆転する。
それによって【ネオパーシアス】の攻撃力は3600と激減する。
まぁ、【アレイスター】を使えば、ざっとこんなところだろう。
それ止まりではある。
(それじゃダメだ…)
派手さはある。
一気に相手モンスターを蹴散らすのだから、このGX世界においてはウケはいいだろう。
でも、フィールドに残った【ネオパーシアス】をどう処理する?
しかも、榊玲奈のフィールドにはセットカードがまだ残っている。
それも警戒しないといけない。
(プルガトリオで暴れたい。でも、翔のためにここはまだ我慢か?あのセットカードをどうにかしないと…)
真樹那がワンパン狙っていることくらい榊玲奈も理解しているだろう。
脳筋バカな7000オーバーの攻撃が彼女の狙いだとしたらどうする?
想像の域を出ないがマジックシリンダーだったらどうする?可能性はある。
もうそれだけでゲームセットだ。
1番最悪のパターンとして【ネオパーシアス】の攻撃力を上げるために【ドレインシールド】を伏せていることだ。
これ以上LPを回復されて【ネオパーシアス】の攻撃力が上がってしまえば次の明日香のターンで終わってしまう。
もし脳筋対決に対抗意識を燃やしているなら狙いとして可能性は高い。
「もしかして手詰まりかしら?異世界帰りの英雄くんもデュエルは大したことないのね。ガッカリだわ」
(う、うるせー…)
「ちょっと榊さん?それは言い過ぎよ」
「あらあら弟想いのいいお姉さんね。でも本当のことじゃない?彼、これまで何もできてないじゃない。これならそっちのドロップアウトくんの方が楽しませてくれそう。標的変更しようかしら」
十代の方へ振り向いては舌なめずりをする。
「うっ…おーい、真樹那。なんかアイツ怖いんだけど?背筋がゾクってなったぞー」
「標的がオレから十代に代わってくれるのは全然いいんだけどなんかアイツムカつくー」
「うへ〜全然よくないって」
「じゃあ実技試験で見せたあの脳筋パワーを見せてみなさいよ。ワタシのネオパーシアスを超えてみせなさい!でも、あれれ?それもできない?あー、ゴメンなさいね!アナタ、手札事故してるのよね!それともこのセットカードが怖いのかしら?ダッサー」
「オレ、オマエ、キライ…!!」
言い合いでは真樹那は勝てない。語彙力がすぐに低下する。
「完全に煽られてるっス」
「榊さん、アナタねぇ…見て。真樹那がいじけたじゃない」
あーあ、つまんねーと不貞腐れて真樹那はその場にしゃがんでしまった。
俗に言うヤンキー座り。榊玲奈をもう無視して手札と睨めっこする。
「翔〜、ごめんな。負けるかも」
「そんな〜」
「十代もごめんなー…つまらないデュエルしてる。カッコわりー」
「そんなことねーって。お前とタッグデュエルできて、しかも対戦相手はオベリスクブルーの中でも強い女子2人だろ?ワクワクしかねーぜ」
「十代。キミ、イケメンすぎない?」
眩し過ぎる笑顔だ。
というかデュエルジャンキー過ぎる。
「真樹那、お前はお前のやりたいようにやれ!俺もやりたいようにデュエルを楽しむだけだぜ!」
「わーったよ」
頭をガシガシとかく。
オレTUEEができなくて生意気な銀髪娘に口で負かされて不貞腐れていた自分はカッコ悪すぎた。
十代がそう言うならと立ち上がり、デュエルディスクを構え直した。
真樹那は確実性を求める。
このターンは暴れやしない。
「これは次のターンへの布石だ。オレは【サイバー・ブレイダー】と【天空勇士ネオパーシアス】をリリースして【溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム】を相手フィールドに召喚する」
通常召喚権を使い相手のフィールドに【ラヴァ・ゴーレム】を召喚。
「なんだよ、そんな手があったら早く使えばよかったじゃん」
「ばーか。ホントはもっと凄い作戦があったんだよ。でも、こっちが正解」
本当は【プルガトリオ】で大暴れして、次の十代のターンでフィニッシュを決めるのが理想的な立ち回りだと考えていた。
「チッ、つまらないことやってくれたわね?」
「私の【サイバー・ブレイダー】が…」
「あっかんべー」
榊玲奈思い通りにさせやしない。
明日香がめっちゃ睨んでくるけど関係ない。
真樹那は真樹那のやりたいようにデュエルをするだけ。
「【フレイム・ウィングマン】で【創造の代行者 ヴィーナス】を攻撃!」
(さて、どうする?本当はダメージ喰らいたくないんだろ?)
戦闘ダメージは0でも追加の効果ダメージは刺さるはず。
「ホントこの男嫌い…リバースカードオープン!【ドレインシールド】を発動するわ!」
(やっぱりドレインシールドじゃん!?あっぶねー)
ミラフォなら終わっていたけど。ミラフォじゃなくても終わっていた。
【フレイム・ウィングマン】の攻撃力2100分ライフが回復する。
女子ズLP9000
「十代。あとは運任せだ。ターンエンド」
女子ズ LP9000
明日香 榊玲奈
手札4枚 手札1枚
▢▢▢▢▢ ▢▢②▢▢
▢▢▢▢▢ ▢ ③④⑤⑥⑦ ⑧
▢ ▢▢①▢▢ ▢ ▢▢▢▢▢
▢▢▢▢▢ ▢▢⑨▢▢
手札4枚 手札4枚
十代 真樹那
男子ズ LP5750
配置
①【E・HERO フレイム・ウィングマン】
②【神の恵み】
③【溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム】
④【創造の代行者 ヴィーナス】
⑤【神聖なる球体】
⑥【神聖なる球体】
⑦【神聖なる球体】
⑧【天空の聖域】
⑨セットカード【コンセントレイト】
真樹那の手札
【貪欲な壺】
【マシンナーズ・ルインフォース】
【召喚師アレイスター】
【増殖するG】
明日香のターン。
「よくもやってくれたわね真樹那。私のターン、ドロー!」
【神の恵み】の恩恵よりLP500回復する。
女子ズ LP9500
(やっぱり回復するのね…)
「それじゃここで【溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム】の効果によって姉さん達にLP1000ダメージを与えるー」
女子チームLP8500
「だったら【強欲の壺】で2枚ドロー。LP500回復してあなたの【ラヴァ・ゴーレム】が与えてくれたダメージも半減ね。寧ろ帳消しよ」
「うわ【ラヴァゴ】の存在意義が…」
女子チームLP9000
ちまちま削っていても埒が明かない。
「私は手札より【機械天使の儀式】を発動!手札の【サイバー・プチ・エンジェル】、フィールドの【神聖なる球体】を2体を生贄に捧げ【サイバー・エンジェル-弁天-】を儀式召喚!」
「すっげー!儀式召喚すっげー!」
「姉さんマジか!?」
何故か凄いものを見ると語彙力低下する男子たち。
真樹那の場合、登場するの早くね?とうる覚えのアニメにわか知識なわけなのだが。
(あ、増G出すの忘れてた…)
「まだよ!真樹那。あなたが3年間異世界って所に行っていた間に私も強くなったわ!装備魔法発動!」
明日香は、【リチュアル・ウェポン】を【サイバー・エンジェル-弁天-】に装備した。
その効果は、
レベル6以下の儀式モンスターのみ装備可能。装備モンスターの攻撃力と守備力は1500ポイントアップする。
よって【サイバー・エンジェル-弁天-】の攻撃力は3300。
「じゃオレは手札の【召喚師アレイスター】の効果発動!融合モンスターの攻撃力1000アップさせる」
【フレイム・ウィングマン】が攻撃力3100になる。
「でも、それじゃ届かないわよ?」
「おー?あ、ホントだ」
「こんな簡単な計算もできないなんてバカな子…明日からたっぷりお勉強よ!【サイバー・エンジェル-弁天-】で【フレイム・ウィングマン】を攻撃!」
「待って明日香さん!それはきっと罠よ!アイツめっちゃ笑ってるの!」
「うそっ!?」
「はい残念。もう攻撃宣言したから撤回できないー」
手札で口元を隠して笑いを堪えていたのを榊玲奈は見逃さなかった。
しかし、もう遅い。
「リバースカードをオープンってやつだ。速攻魔法【コンセントレイト】」
自分フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの攻撃力はターン終了時までその守備力分アップする。
このあとに続く文章が余分で使い所を決められてしまう。
まぁ、このターンなら関係のない話。
【フレイム・ウィングマン】の攻撃力は守備力の1200を出してさらに4300になる。
「姉さんのモンスターを返り討ちってね」
「おっしゃ!ナイス真樹那!」
「でも【サイバー・エンジェル-弁天-】は天使属。【天空の聖域】がある限り戦闘でのダメージは0になるわ」
「でも【フレイム・ウィングマン】の効果はしっかりダメージを受けてもらう」
「うっ…」
【フレイム・ウィングマン】の効果により【弁天】の元々の攻撃力1800分のダメージ
女子LP7200
「榊さん、ごめんなさい。少し熱くなってあの子のセットカードを見誤ってしまったわ」
「アレは仕方がないわ。ワタシもアレはブラフ(死にカード)だと思っていたのだから。それにまだワタシ達の方が有利なのは変わらない」
「えぇそうね。私はカードを1枚セットしてターンエンド」
女子チーム LP7200
明日香 榊玲奈
手札2枚 手札1枚
▢▢①▢▢ ▢▢③▢▢
▢▢▢▢▢ ▢ ④⑤⑥▢▢ ⑦
▢ ▢▢②▢▢ ▢ ▢▢▢▢▢
▢▢▢▢▢ ▢▢▢▢▢
手札4枚 手札3枚
十代 真樹那
男子チーム LP5750
配置
①セットカード
②【E・HERO フレイム・ウィングマン】
③【神の恵み】
④【溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム】
⑤【創造の代行者 ヴィーナス】
⑥【神聖なる球体】
⑦【天空の聖域】
「よーし、俺のターン!ドロー!」
十代のターン。
「俺も【強欲の壺】を発動!」
「あら十代。私と一緒で奇遇ね」
「へへっ」
(あれ?姉さん?何それ?なんでこっちチラ見したん?え?)
とりあえず十代は2枚ドローした。
「俺は【フィージョン・ゲート】でフィールドを上書きするぜ!」
「あーあ、ワタシの領域(テリトリー)が…」
晴天の空に黒い渦がかかる。聖域は崩れ暗雲立ち込めるフィールドに変化した。
これで厄介だった【天空の聖域】が消滅し、ヒーロー達が活躍する舞台が整った。
「俺は【死者蘇生】を発動する!甦れ【スパークマン】!!」
【スパークマン】が墓地から特殊召喚した。
「さぁいくぜ俺のヒーロー達!【フレイム・ウィングマン】と【スパークマン】を除外して【E・HERO シャイニング・フレア・ウィングマン】を融合召喚!」
除外は【フュージョン・ゲート】の効果。
暗雲の空に眩い光を放つヒーローが登場した。
【E・HERO シャイニング・フレア・ウィングマン】の攻撃力は墓地の「E・HERO」カード×300アップする。
墓地にいるヒーローは【E・HERO フェザーマン】【E・HERO バーストレディ】の2枚。元々の攻撃力が2500。よって攻撃力3100だ。
「いくぜ!【シャイニング・フレア・ウィングマン】で【溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム】を攻撃!」
(姉さんのセットカードは反応なし、か?)
攻撃は届いた。
そして、【E・HERO シャイニング・フレア・ウィングマン】の効果。倒したモンスターの元々の攻撃力分のダメージを与える。
LP7200-LP3100=LP4100
「や、やった!ついに逆転っス!」
「あぁ、流れは俺たち来てるぜ!翔!」
浮かれる2人はハイタッチを交わす。
確かにこの3000ダメージは大きい。
「じゃあ俺は【E・HERO クレイマン】を守備表示で召喚。そして、1枚カードをセットしてターン終了だ」
【クレイマン】守備力2000とセットカードで防御ラインも揃えた。
ここが正念場だ。
女子チーム LP4100
明日香 榊玲奈
手札2枚 手札1枚
▢▢①▢▢ ▢▢⑥▢▢
▢▢▢▢▢ ▢ ▢⑦⑧▢▢ ▢
② ▢▢③④▢ ▢ ▢▢▢▢▢
▢▢⑤▢▢ ▢▢▢▢▢
手札2枚 手札3枚
十代 真樹那
男子チーム LP5750
配置
①セットカード
②【フィージョン・ゲート】
③【E・HERO シャイニング・フレア・ウィングマン】
④【E・HERO クレイマン】
⑤セットカード
⑥【神の恵み】
⑦【創造の代行者 ヴィーナス】
⑧【神聖なる球体】
「あらあら、この程度で盛り上がっちゃって…」
榊玲奈のターン
「ワタシのターン。ドローするわ」
ドローによりLP500回復。
「さらに【強欲な壺】で2ドローよ。またLP500回復しちゃった♪」
「あ、そんな…せっかく逆転できたと思ったのにもうLP差がないっス…」
「うふ、残念だったわボクちゃん達」
「くっそ〜、天使デッキつえー」
「…」
女子ズLP5100
(というよりコイツらの引きおかしいでしょ。なんで3人とも【強欲の壺】引いちゃってんの?)
真樹那にはない引きを3人は持っているらしい。
榊玲奈は笑っている。妖艶に笑っている。
流れは確かに真樹那たちに傾いたはずなのに、焦りは一切ない。
(バカな子。クレイマンで球体を破壊していたらよかったのに。減点)
「ワタシは【創造の代行者 ヴィーナス】をリリースして…」
「はいっちょっとお待ち!ここで手札から【増G】を発動!」
「は?なによそれ?てかキモッ!?」
みんな大嫌いなアイツらがわらわらと増殖した。
ナニヨコレー!?とジュンコたちが悲鳴をあげた。
明日香もドン引き。
十代だけはおもしれーと笑っていた。
「こいつは【増殖するG】といってな、発動したターンに相手が特殊召喚するたびに自分は1枚デッキからドローできるんだ」
「スッゲー!おもしれー!」
「はぁ、どこがおもしろいのよ?もういいわ、私は【マスター・ヒュペリオン】を特殊召喚!さっさと踏み潰されてちょうだい」
(というかなんでコイツはこんなカード持ってるんだ?)
【マスター・ヒュペリオン】
攻撃力2800
【代行者】と名の付くカードをフィールドまたは墓地から一枚除外して特殊召喚できる。この時代にあってはならないカードなのは間違いないだろう。
真樹那が言うと「おまいう」になるのだが。
【マスター・ヒュペリオン】が特殊召喚したことにより真樹那は1枚ドローした。
「もうアナタが何をしようとも手遅れなの!【マスター・ヒュペリオン】の効果発動!墓地にある天使属を一体除外してフィールド上のカードを一枚破壊できるわ!【シャイニング・フレア・ウィングマン】を破壊しなさい!」
「そんな!?俺のヒーローが!?」
十代の光輝くヒーローが消滅した。
しかし、落胆している暇はない。
榊玲奈は止まらない。
「さらにフィールドの天使属である【マスター・ヒュペリオン】が効果を発動したことにより手札より【守護天霊ロガエス】を特殊召喚よ!」
【守護天霊ロガエス】
攻撃力2400
この特殊召喚により真樹那はもう1枚ドロー。
「まだよ!【守護天霊ロガエス】の効果発動!【神聖なる球体】を守備表示にして【E・HERO クレイマン】を除外するわ!」
「そんなのありかよ!?」
「は、反則だー」
「アナタがそれ言う?」
【守護天霊ロガエス】の②の効果。
相手フィールドの表側表示カード1枚と自分フィールドの攻撃表示モンスター1体を対象として発動できる。その相手のカードを除外し、その自分のモンスターを守備表示にする。
これにより真樹那たちのモンスターゾーンはガラ空きになる。
「一瞬の判断が命取りなのよ覚えておきなさい!トドメに装備カード【ダグラの剣】を【マスター・ヒュペリオン】にセットしてダイレクトアタックよ!」
装備カードで攻撃力は500アップして3200だ。
殺意マシマシでダイレクトアタックをしてきた。
「くっ、トラップ発動!【ヒーロー見参】!」
【ヒーロー見参】
このカードは相手の攻撃宣言時、自分の手札から相手プレイヤーはカード1枚をランダムに選択する。それがモンスターカードだった場合は自分フィールド上に特殊召喚する。
違った場合は墓地に送る。
一か八かのトラップだ。もうこれしか手は残ってはいない。
「さぁどっちだ?1枚はモンスターカードでもう1枚は魔法カードの二択だぜ!」
「うふ、最後の悪あがきかしらね」
(…)
榊玲奈は右を選択した。
「あら残念だったわね。魔法カード当てちゃった♪」
しかし、魔法カードを引かれてしまう。
「おいおいおい引き強すぎでしょ…」
「くっそー!真樹那めんご!」
【マスター・ヒュペリオン】のダイレクトアタックが決まってしまった。
装備魔法【ダグラの剣】の効果により、攻撃力3200分LPが回復してしまう。
女子ズLP8300
男子ズLP2550
「まだこれで終わりじゃないわよ?【守護天霊ロガエス】でダイレクトアタック!」
アイアイサーと敬礼した【守護天霊ロガエス】攻撃力2400のダイレクトアタックが決まった。
男子ズLP150
「あ、あっぶねー」
「おー、まじでギリ残ったー」
「チッ、しぶといわね…ターン、エンドよ」
女子ズ LP8300
明日香 榊玲奈
手札2枚 手札0枚
▢▢①▢▢ ▢③④▢▢
▢▢▢▢▢ ▢ ▢⑤⑥⑦▢ ▢
② ▢▢▢▢▢ ▢ ▢▢▢▢▢
▢▢▢▢▢ ▢▢▢▢▢
手札2枚 手札4枚
十代 真樹那
男子チーム LP150
配置
①セットカード
②【フィージョン・ゲート】
③【ダグラの剣】
④【神の恵み】
⑤【マスター・ヒュペリオン】
⑥【神聖なる球体】
⑦【守護天霊ロガエス】
「あぁ、待ってストップ。このエンドフェイズ時にオレはデッキから8枚カードを除外して手札の【叢雲】を特殊召喚する」
「「は?」」
【機巧蛇-叢雲遠呂智】を特殊召喚した。
攻撃力2450
そう。真樹那はすで【増殖するG】によって引いていた。
真樹那が引いたカード
【機巧蛇-叢雲遠呂智】
【破壊竜ガンドラ】
「あの時、引いていたのね?」
「おかげさまでー」
「何故…ロガエスの攻撃時に出してこなかったの?」
「そりゃ何故って、こっちの方がおもしろいから。勝ったと思ったでしょ?残念ー」
「ワタシ、アナタ、キライ」
「うん、知ってるー」
(…)
「明日香さん、ごめんなさい。熱くなりすぎたわ」
「でも、ほぼ削りきったわ。あの子のターンさえ凌げば私たちの勝ちよ」
明日香は確信していた。
例え実技試験で見せた【ダ・イーザ】が出てきたとしてもLP8300を削りには【ロガエス】の攻撃力2400を上回る10700以上の攻撃力が必要だということ。そう易々と出るはずがない。
LPが0でない限り次のターンは続く。
【マスター・ヒュペリオン】か【ロガエス】が場に残っていれば対処できるし、手札にある【サイバー・チュチュ】でダイレクトアタックすれば勝ちだ。
それにまだセットカードが残っている。
「LP150なんて、もう駄目だ。僕、やっぱり退学なのかな…」
「翔。泣くな。デュエルはまだまだこれからだろ?」
「アニキ…これからってもう無理っスよ。こっちはLP150。相手はLP8300。絶対勝てないッスよ…!!」
「でも、勝てたらワクワクするだろ?」
「なんで、そこまで…」
「デュエルは最後までわからないもんだぜ。少なくとも俺も真樹那もまだ諦めてない。なぁ、そうだろ真樹那?」
別に勝てる根拠はなかった。
でも、諦めない限りデュエルは続くのだ。
「十代。デュエルって楽しいな」
「だろ?」
MDとは違う。試練とも違う。
「こんなに楽しいデュエルは初めてするよ。礼を言う。姉さんも、榊も、オレをデュエルに誘ってくれてありがとう」
「べ、別に誘ったっていうわけじゃ…」
「まだデュエル中よ?終わってからにしてくれる?というか、なに?ここから勝つつもりかしら?」
デュエル中にお礼を言う奴なんて初めて見た。
「あぁ、勝ってみせるさ。なぁ、十代。ここから大逆転できたらもっとおもしろいよな?」
「おう!お前のデュエルを俺たちに見せてくれ!」
「おーけー」
そいつの雰囲気はすでに変わっていた。
体を纏う緑色のオーラみたいなものが溢れ出ていた。
「僕の幻覚っすか?真樹那くんの体が光ってるっス」
「へへっ、真樹那って案外本当に異世界へ行っていたかもな」
「くす、これがアナタの本気なのね」
「真樹那さんカッコいいですよー!」
「真樹那さま!頑張ってくださいまし!」
「ジュンコにモモエまで…あなた達はどっちの味方なんだか(すごい集中力…真樹那。あなたは本当に異世界へ?)」
追い込まれ真樹那も本気になった。
ただの遊びでしかないと思っていたデュエルが今は楽しくて闘争心に火が付いた。
真樹那自身気付いていない。
師匠から言わせてみればまだまだ半人前。
その闘争心が、本能が、無意識に魔力が器から溢れてしまっている状態だ。
「これがラストターンだ」
真樹那のターン。一枚、ドロー。
女子ズ LP8300
明日香 榊玲奈
手札2枚 手札0枚
▢▢①▢▢ ▢③④▢▢
▢▢▢▢▢ ▢ ▢⑤⑥⑦▢ ▢
② ▢▢▢▢▢ ▢ ▢▢⑧▢▢
▢▢▢▢▢ ▢▢▢▢▢
手札2枚 手札4枚
十代 真樹那
男子チーム LP150
配置
①セットカード
②【フィージョン・ゲート】
③【ダグラの剣】
④【神の恵み】
⑤【マスター・ヒュペリオン】
⑥【神聖なる球体】
⑦【守護天霊ロガエス】
⑧【機巧蛇-叢雲遠呂智】
真樹那の手札
【貪欲な壺】
【マシンナーズ・ルインフォース】
【破壊竜ガンドラ】
【混源龍レヴィオニア】
(レヴィか、オレが今求めてるのはこれじゃない…)
「オレは手札から【貪欲な壺】を発動!墓地のモンスター5体をデッキに戻して2枚ドローする」
真樹那の墓地にはすでに5体モンスターがいる。
【増殖するG】
【溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム】
【召喚師アレイスター】
【妖精伝姫-シラユキ】
【デスペラード・リボルバー・ドラゴン】
布石はすでに打っていた。
墓地のモンスターカードを回収する。
【貪欲な壺】の効果により2ドロー。
【死者蘇生】
【愚かな埋葬】
(やっとキタか!)
今までずっと手札事故って良いとこなしだったんだ。そろそろ良い引きをしてもいい頃合いだ。
「【愚かな埋葬】を発動!オレはデッキより【クリッター】を墓地に送る」
「デッキから、墓地へですって?」
「何する気なの?」
「まぁ、見てなって。墓地に送った【クリッター】を【死者蘇生】で甦らせる」
明日香たちからすれば、何を狙っているのかわからない動きになってきた。
【クリッター】の攻撃力は1000だ。何ができるという?
しかし、真樹那は通常召喚を残している。
場には2体のモンスター。
【機巧蛇-叢雲遠呂智】
【クリッター】
「オレはこの2体を生贄に【破壊竜ガンドラ】をアドバンス召喚!」
「あれは遊戯さんのカード!?すっげーよ真樹那!なんで持ってるんだ!?」
「ん?そりゃ異世界に行っていたからなー」
まぁ、そんな言い訳もできる。
あの伝説の武藤遊戯の切り札が召喚されたのだ。黒鉄の暴竜のプレッシャーに明日香たちも流石にたじろぎ一歩後退した。
「狙いはコレだったのね?」
「まーね。とりあえず【クリッター】の効果を処理する。こいつはフィールドから墓地へ送られた時にデッキから1500以下のモンスターを手札に加えることができる」
テキトーに引いておくよー、とデッキから1枚手札に加えた。
さらに、
「【破壊竜ガンドラ】の効果発動!LPを半分に払いフィールドの全てを破壊する!」
真樹那達のLPが75になる。
これでフィールド上の【ガンドラ】以外のカードは除外する。
そのはずだった。
「甘いわよ真樹那!私はあなたのお姉さんなのよ?なんとなくそんな気がしてたわ!リバースカードオープン!【エンジェル・ブラスト】発動!」
「それは神すぎるわ!明日香さんナイス♪」
【エンジェル・ブラスト】
相手の魔法・罠・モンスター効果によるモンスターを破壊する効果を無効にし、そのカードを破壊する。
よって、【ガンドラ】は破壊された。
「これで終わりよ!真樹那!あなた達の負けね!」
「くすっ、残念だったわね。万策尽きたって感じ?」
「くぅ〜、あっちぃー!」
やっぱりダメだったッス…と翔は肩を落とす。
ブルー女子のこの2人が強すぎたのだ。
白熱したデュエルなのは確かだけどアニキは呑気すぎる。
頼みの綱の武藤遊戯の切り札が通用しなかった。
なのに、真樹那すら笑っている。
まだ彼らはデュエルを楽しんでいる。
「ばーか、今のは囮だ」
「「はぁ!?」」
「翔。このデュエル、オレたちの勝ちだ」
「うそ…!?」
真樹那とはそういう人間だ。
とっておきは最後までとっておくもんだぜ、と言うように憎たらしく笑っていた。
「姉さんなら何かやってくると弟は予想できるんだが?十代のターンで使わなかったセットカードはオレ用にとっておいたんでしょ?まだまだ甘いなー」
「明日香さん!アナタの弟くん超ムカつくんですけど!」
「えぇ、同感ね。弟のくせに生意気よ真樹那!」
してやったり。
真樹那の作戦勝ちだ。
【クリッター】の効果でサーチしたカードが真樹那の手元にある。
「オレは手札から2体のモンスターをリリース!」
手札に残る【マシンナーズ・ルインフォース】【混源龍レヴィオニア】を墓地に送る。
高レベルモンスターですらコイツのためのコストでしかない。
「コイツがオレのもう一枚の切り札!【破壊竜ガンドラ-ギガ・レイズ】を特殊召喚!」
本当はまだお披露目したくなかったがそうも言ってられない。
【破壊竜ガンドラ-ギガ・レイズ】
攻撃力は元々0だ。
【クリッター】でサーチできる。
そして、
こいつの攻撃力は除外されたカード×300だ。
除外のカードは、
真樹那8枚
十代3枚
榊玲奈2枚
合計3900
さらに、墓地のガンドラの種類の数により効果が変わる。
1種類ならLPを半分払いフィールド上の全てのカードを破壊する。
LP37
今度こそフィールドを更地にした。
フィールドに残るは【破壊竜ガンドラ-ギガ・レイズ】だけである。
「そ、それでも!攻撃力は3900…まだワタシ達のライフは残って…あ」
「え、あ…まだ、このターン、あのモンスターの効果は使っていない…っ!?」
「ご名答〜。オレは【叢雲】を墓地から特殊召喚だ。もちろんデッキの上から8枚カードを除外して」
さらに、墓地から【機巧蛇-叢雲遠呂智】の効果発動した。
デッキから8枚除外して特殊召喚だ。
よって【破壊竜ガンドラ-ギガ・レイズ】の攻撃力が加算される。
攻撃力6300
そして、【機巧蛇-叢雲遠呂智】の攻撃力は2450。
女子ズのLP8300
もう計算しなくてもわかるよな。
「姉さん、榊ぃー。ケモ耳学園生活覚悟しておいてねー」
「「……」」
じゃあね〜、と憎たらしく笑顔で手を振る異世界馬鹿野郎。
黒鉄の暴竜と機械仕掛けの龍のダイレクトアタックが明日香達を襲う。
ソリッドビジョンシステムなのに大きな水飛沫が舞うほどの衝撃。
女子ズLP0
このデュエル、真樹那と十代の勝ちだ。
To Be Continued…
ガッチャ!楽しいデュエルだったぜ!