烙印からの帰還者〜天上院家の末っ子は脳筋デッキしか勝たん〜   作:Eクラス

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計算ミスってなかったらイイんだけど…


19 vs翔

「おーい!出てこーい!真樹那くーん!僕と勝負しろーーー!!」

 

 ラーイエロー寮前。

 

 普段の彼からは想像できないような威勢のいい声が聞こてきた。

 

 その珍しい光景にギャラリーも自然と集まって来る。

 

 オベリスクブルーの女子だって例外ではなかった。

 

「何よアイツ。調子に乗っちゃって真樹那さんに喧嘩売るつもり?」

「昨日まで半べそかいていた人物とは思えない言動ですわよね。でも、わたくしの真樹那様が負けるはずありませんわー」

 

 ナンデアンタノモノニナッテンノヨ…‼︎

 

 知っているその彼は臆病者だったはず。でも、今日の彼はとても生意気で好戦的で自信に満ち溢れていた。

 

 それがどうしても引っかかった。

 

「どうしちゃったのかしら翔くん…」

 

 明日香もジュンコとモモエに連れられてやって来たのだが、彼の様子に戸惑いを覚える。とても心配だ。

 

「翔のヤツどうしたんだ?めっちゃ強気じゃん?なんか悪いもんでも食ったのか?」

「あんな翔を見るのは初めてなんだな〜」

 

 十代と隼人も彼の豹変ぶりには驚かされるばかりだ。

 

 朝からいなくなったと思ったらこれだ。呑気に昼食を取ってなんかいられない。

 

「どうしたー!僕にビビって出てこないつもりかー!!僕をガッカリさせるな異世界馬鹿野郎ー!!」

 

 ふははははーーー!とあからさまな挑発行為。

 

 皆一同に目が点になるほどに彼は変わってしまっていた。

 

「翔のヤツ、まさかな…」

 

 イエロー寮前での異変に気づいて、正面玄関から出るに出にくい状況だったために裏口からこっそり顔を出した三沢が十代たちのそばにやって来た。

 

「三沢は何か知っているのか?」

「あ、あぁ。もしかしたら翔はとんでもない事件に巻き込まれたのかもしれない」

「なんだよそれ…??」

 

 まだ仮定の話だがなと前置きをして、

 

「最近掲示板の書き込みに噂になっている異世界の白いカード。それを手に入れたのが翔の可能性が高いんだ」

「異世界の??」

「白いカードぉ??」

 

 三沢は神妙に頷く。

 

「そのカードを手に入れた者は強くなるっていう眉唾のものなんだが、あの翔を見るからにほぼ間違いなくそういうことなんだろう。人格が変わりすぎだ」

 

 異世界のカード。

 

 それを見つけたものはチカラが与えられる。

 

 デュエルでは無敗の強さを。

 

 この世界のトップとして君臨すらできる。

 

 白いカードはデュエルアカデミアに隠されてある。

 

 そして、つい昨日のことだ。誰かが白いカードを手に入れたってね。

 

「あった…これね」

 

 学園専用の掲示板サイト。明日香はケータイでググってみた。

 

「ふーん。荒れてるんだな…」

「めっちゃくちゃなんだなぁ」

 

 誰かが白いカードを手に入れたという話し。そのあとのスレはなかなかに荒れている。

 

 本当にそんなカードがあるのだろうか?

 

 十代たちも明日香のケータイを覗き込んでいた。

 

「おい!翔!本当に白いカード手に入れたのかよ?」

「あぁそうだよアニキ!だから僕が強くなったところ見ててよ!真樹那くんにも勝ってみせるっス!!」

「あいつ、マジでやる気まんまんじゃん…」

 

 昨日までの怯えた小動物みたいな彼はもういない。

 

 そこにいるのは自信に満ち溢れた1人のデュエリストの姿であった。

 

 若干目がイッてるがな。

 

「本人がやる気になったのは良いことだが、タダでそんな凄い力を手に入れた裏には必ず何かがあるはずだ。できれば、そこら辺に詳しい真樹那に聞きたいところだが…」

「その真樹那はどこに行ったんだ?」

「いや…白いカードを探すと言ってそれっきりだ」

 

 早朝見かけてそれきりだった。

 

「おーい!」

「神楽坂。真樹那は見つかったのか?」

「あぁ、連れてきてやったぜ。でも、こっちもこっちで問題が…」

 

 正直関わりたくない問題なんだとさ。

 

 真樹那と、それから榊玲奈がまた喧嘩していた。

 

「アナタがぐずぐずしてるから取られちゃったじゃい!!」

「しょうがないじゃん!オレがどう足掻いたところで誰かの手に渡るしかなかったんだって!!」

「ほんと言い訳ばっかり!また犠牲者出したいわけ?だから嫌いなのよアナタのこと!」

「オ、オレだって頑張ってんだよ!」

「結果が全てよ!このバカ猿!異世界童貞野郎!!」

「うるせーメンヘラ激重女!!俺はドーテーじゃねー!!」

 

 まぁいつものことなんだけどさ、と皆んな生暖かい目で真樹那たちを見た。

 

 見苦しいものを見るかのように何人かは心にチクりと痛みがくる。

 

 マキナガドウテイジャナイ…

 

 神楽坂曰くこの2人は一気触発マジで殴り合いの雰囲気だったらしい。

 

「おい、お前ら。夫婦喧嘩はそこまでにしとけよ」

「「これのどこが夫婦喧嘩(なのよ)!?」」

 

 あーはいはい。ハモってツッコミを入れるくらいに仲がよろしいことで。

 

 三沢はため息をついた。

 

「また僕の目の前でイチャイチャと…」

 

 そして、勘違いする者もいる。

 

「真樹那。榊さん…これは一体どういうことなの?翔くんの身に何が起こったの?ちゃんと説明して」

「姉さん…悪いけど説明はあと。それか榊にでもしてもらってよ。オレ、翔の相手しないといけないみたいだから」

「おい真樹那!翔は大丈夫なんだろうな?」

「十代。ごめん。それはわからない……」

 

 彼の異変と状況説明を求める者たち。

 

 真樹那を首を振る。

 

 声には珍しく緊張していることが伝わる。姉にはわかった。

 

 よっぽどな事情があるのだろう。

 

 いつにもなく真剣な表情。

 

 姉である自分にも言えないような事情。

 

 でも、

 

「でも、必ず助ける」

 

 真樹那は彼をまっすぐ見た。

 

「負けたらワタシが許さないわよ?」

「はいはい」

 

 そんなことはわかっている。

 

「待ってたよ真樹那くん!僕とデュエルしよう!!」

「翔。やる気になったのはいい。デュエルならいつでも受けてたつ。でも、聞かせてくれよ。例のカード誰から貰った??」

 

 誰からだなんて答えは分かりきっているがな。

 

「誰からだっていいだろ!君には教えるなって約束なんだ!教えるわけないじゃん!」

「そうかい。まぁ誰からだっていい。言っておくけどオレは本気でいく。負けたら白いカードは没収。そんでもってあのアホと約束した罰として明日からケモ耳な!」

「だったら僕が勝ったら君を僕のパシリにしてやるよ!天上院真樹那!!」

「いーね!おもしれーじゃん!丸藤翔!」

 

 さぁ、デュエル開始。

 

「「デュエル!!」」

 

翔 LP4000

手札5枚

 

  ▢▢▢▢▢

  ▢▢▢▢▢ ▢

 

▢ ▢▢▢▢▢

  ▢▢▢▢▢

 

手札5枚

真樹那 LP4000

 

手札

【妖精伝姫-シラユキ】

【手札抹殺】

【灰流うらら】

【増殖するG】

【溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム】

 

 真樹那が先行。

 

「オレのターン。ドロー」

 

【破壊竜ガンドラ】

 

(なんじゃこの手札は…)

 

 相変わらずの引きだ。

 

「じゃあ、オレは手札から【手札抹殺】を使う。初手だからお互い5枚捨てて5枚ドローだ」

 

 サイサキワルイワネ…

 シッカリシローマキナー‼︎

 

【手札抹殺】を発動してお互いの手札全てを墓地へ捨てた枚数分ドローする。

 

【混源龍レヴィオニア】

【マシンナーズ・ルインフォース】

【デスペラード・リボルバー・ドラゴン】

【機械仕掛けの夜-クロック・ワーク・ナイト-】

【メタモルポット】

 

(こいつら自己主張激し過ぎよな…)

 

 結局、こうなるんだけども。

 

 オレたちの出番はまだかまだかとオラオラ前に出てきやがる。

 

 悲しいかな今回も彼らの出番は無さそうだ。

 

 そんなことよりも面白い永続魔法カードが手札にあるぞ。

 

「オレは1枚カードを裏守備表示でセットして、永続魔法【機械仕掛けの夜】を発動」

 

 空が夜になる。辺りに工場が出現した。

 

 機械仕掛けの夜に相応しい舞台が姿を現した。

 

「こいつの効果は場にいるモンスターを機械属にできる。ようは【DNA改造手術】みたいなもんさ。さらに、自軍は攻撃力500アップさせ敵軍は攻撃力500ダウンさせる」

 

①:フィールドの表側表示モンスターは機械族になる。②:自分フィールドの機械族モンスターの攻撃力・守備力は500アップし、相手フィールドの機械族モンスターの攻撃力・守備力は500ダウンする。

 

「なんだよそれ。君のデッキでそれは反則じゃないか。ズルいんだよいつも君は!」

「ズルくて結構。ターンエンドな」

 

 真樹那はターンエンドした。

 

翔 LP4000

手札5枚

 

  ▢▢▢▢▢

  ▢▢▢▢▢ ▢

 

▢ ▢▢①▢▢

  ▢▢②▢▢

 

手札3枚

真樹那 LP4000

 

配置

①セットカード(メタモルポッド)

②【機械仕掛けの夜-クロック・ワーク・ナイト-】

 

 アノコノデッキニハ、ダ•イーザガイル。

 アァ、カンガエタクナイクミアワセダナ…

 ナーナー、ヤッパリヤベーヨナ?

 エェ、サイアクヨ。マァ、アノバカノテフダニアレバノハナシネ…

 

 さあ、翔のターンだ。

 

 真樹那は警戒する。わかっているとは思うが今の翔は普通じゃない。

 

 本当に白いカードを手に入れたのなら今この時この世界で1番脅威なのは翔ということになる。

 

 ビークロイドデッキ×ディス・パテル??

 

 どうやってシンクロ召喚するか真樹那には理解できない組み合わせだ。

 

 そんな翔は不気味に笑っている。

 

「僕のターン!ドロー!!そして、【強欲な壺】を発動してさらに2枚ドロー!!」

 

 安定の初手【強欲な壺】。

 

 不敵に笑っている。

 

「フフフ、フハハハハハハハ!!やっぱり今の僕は最強だ!!見せてやるよ真樹那くん!!君がどんなにズルくて異世界の強いカードを持っていようと僕が勝つ!!」

 

 それは勝利への確信。

 

 怖いものは何もない。

 

 手札は7枚。

 

 翔はなんの躊躇いもなく魔法カード【パワー・ボンド】を発動した。

 

 兄に封印されていた切り札をだ。

 

「僕は【パワー・ボンド】を発動!!手札の【スチームロイド】【ドリルロイド】【サブマリンロイド】をリリースして融合召喚!!現れろ!!僕のとっておき!!【スーパービークロイド-ジャンボドリル】!!」

 

 翔のエースモンスター。

 

 攻撃力3000で貫通効果持ち。

 

 しかも【パワー・ボンド】によって攻撃力は2倍だ。

 

 ただ、【機械仕掛けの夜】によって攻撃力は500ダウンの5500になる計算だ。

 

「翔のやつ、パワー・ボンド克服したのかよ!?」

「本当に昨日の翔じゃないんだなぁ〜」

「さあ!いくよ!!僕は【ジャンボドリル】で裏守備表示のソイツを攻撃する!!【ジャンボドリル】は守備表示のモンスターだろうと攻撃力が守備力を上回っていたらダメージは貫通するんだ。どう足掻いたってこれで終わりだ!!」

 

 セットした【メタモルポット】の守備力は600だ。

 

 攻撃力5500を受け止めるにはあまりに低い守備力だ。

 

 防ぎようもない。

 

 だから、こうする。

 

「オレは墓地にいる【シラユキ】の効果発動!手札の3枚と墓地の4枚を除外して特殊召喚」

 

 ガンドラを除く他のカードを犠牲にしてまで【シラユキ】を攻撃表示で特殊召喚する。

 

「それは読んでいたさ!でも、例え君の【シラユキ】を場に出したところで僕の【ジャンボドリル】で攻撃したら勝ちだ!」

「まーだだ。【シラユキ】の効果①発動。特殊召喚と同時に【ジャンボドリル】を対象に取り裏側守備表示にする。これで攻撃はできない」

「なんだって!?」

 

①:このカードが召喚・特殊召喚した場合、相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを裏側守備表示にする。

 

「知らなかっただろ?まだ使ってない効果だもんな!リサーチ不足ってやつだ」

「それがどうした!言ったろ今の僕は最強の手札なんだ!キミのことだから何か仕掛けてくると警戒していたさ!僕は【シラユキ】の効果にチェーンして速攻魔法【融合解除】を発動!!」

「マジかー」

「僕は【ジャンボドリル】を融合解除して、融合素材となった【スチームロイド】【ドリルロイド】【サブマリンロイド】を攻撃表示で特殊召喚する!これで【シラユキ】の効果は不発に終わったぞ!」

 

【シラユキ】の効果発動して対象を取ったものに対してのチェーンだ。

 

【シラユキ】の効果対象がいなくなったことにより不発になる。なるよね?

 

「今度こそいくよ!【スチームロイド】で【シラユキ】を攻撃!!スチームアタック!!」

「え、血迷った?【機械仕掛けの夜】の効果で今の【スチームロイド】の攻撃力は1300。そいつの効果を使っても1800。オレの【シラユキ】には届かないって」

 

【スチームロイド】は相手モンスターに攻撃する場合、ダメージステップの間攻撃力が500ポイントアップする。

 

 でも、それだと攻撃力1850の【シラユキ】には届かない。

 

 もちろん、それくらいわかっている。

 

「ウハハハ!僕が無策で自爆するとでも?昨日までの僕とはもう違うと何度言わせるんだー!!速攻魔法【リミッター解除】を発動!僕の機械属モンスターの攻撃力は2倍になるぞー!!」

「えー…!?」

 

 ウオー!ショウスッゲーー!!

 プレイングニムダガナインダナー

 ウマイ。マキナガオサレテル…ドウシヨウ

 ヤルナショウ。コレ、マキナタエラレルノカ⁇

 エエ。イマノショウクンハ、アノバカヲタオセルクライノポテンシャルヲタシカニヒメテイルワ。デモ、アノバカガソウカンタンニマケルトモオモエナイケド…

 

【スチームロイド】の攻撃力が【シラユキ】の攻撃力を上回った。

 

 3600-1850で1750のダメージだ。

 

 真樹那LP2250

 

「次に【サブマリンロイド】で真樹那くんにダイレクトアタック!!」

 

【サブマリンロイド】はプレイヤーに直接攻撃ができて、攻撃したのち守備表示になる。

 

 元々の攻撃力は800だが【機械仕掛けの夜】により攻撃力500ダウンしている。

 

 その状態からの【リミッター解除】の効果によって攻撃力は600。

 

 真樹那のLP2250-600=1850

 

「そして【ドリルロイド】で裏側守備表示モンスターを攻撃だ!さあこれで終わりか天上院真樹那ぁあ!!」

 

【ドリルロイド】の攻撃力は1600からの500ダウン。そっからの2倍で2200だ。【メタモルポット】は守備力600なので1800のダメージが入る計算だ。

 

 真樹那LP1850-1800=50となった。

 

 翔の波状攻撃にたまらなくダメージをくらう。

 

「うおー!ギリ50残った!?翔スッゲーじゃん!」

「あともう少しなんだなー」

「おい。真樹那が負けたら翔がどうなるかわからないんだぞ?」

「三沢。それはわかってるんだけどさ…でも、あの真樹那をここまで追い込んだ翔も応援してやりてぇよ」

「十代。気持ちはわかるが…」

 

 そう。

 

 今の翔はとても危うい。

 

 真樹那が負けると翔はもう止まらない。止められなくなるかもしれない。

 

 それは阻止しなくてはならないのだ。

 

「え、ていうかオレが負ける流れになっちゃってる?これからだろ?本当の戦いってやつは」

「そんな無様な姿でよく言えるわね。勝算はあるんでしょうね?」

「ばーか。それはこれからの引き次第だっつーの。リバース効果発動。【メタモルポット】でお互いの手札を全部捨ててお互い5枚ドローだ」

 

【ドリルロイド】に攻撃された【メタモルポット】のリバース効果が発動した。

 

 手札が変わる。

 

 戦況は変わる。

 

真樹那の手札

【壊星壊獣ジズキエル】

【獣王アルファ】

【リミッター解除】

【愚かな埋葬】

【円盤闘技場セリオンズ・リング】

 

「馬鹿は君だろ?君はこの僕という敵に塩を送ったことを後悔するんだ。僕はメインフェイズ2に移行。手札より【融合】を発動!」

「おいおいおい」

「フィールドのロイドモンスター3体!手札のロイドモンスター2体を素材にして【極戦機王ヴァルバロイド】を融合召喚する!!」

 

【極戦機王ヴァルバロイド】を融合召喚。

 

攻撃力4000(-500) 守備力4000 (-500)

 

「ロイド」と名のついた機械族モンスター×5

このカードは1度のバトルフェイズ中に2回攻撃する事ができる。このカードが攻撃した相手の効果モンスターの効果をダメージ計算後に無効化する。このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊した場合、相手ライフに1000ポイントダメージを与える。このカードは相手プレイヤーに直接攻撃をする事はできない。

 

「さらに2枚カードをセットしてターンエンドだ。そして、エンド時にパワーボンドの効果によって【ジャンボドリル】の攻撃力3000ダメージを僕は受ける」

 

翔 LP1000

手札0枚

 

  ▢▢①②▢

  ▢▢③▢▢ ▢

 

▢ ▢▢▢▢▢

  ▢▢④▢▢

 

手札5枚

真樹那 LP50

 

配置

 

①セットカード

②セットカード

③【極戦機王ヴァルバロイド】

④【機械仕掛けの夜-クロック・ワーク・ナイト-】

 

「やるじゃん翔!ここまで追い詰められるとは思ってなかった!」

「その上から目線が気に入らないんだよ!その余裕もそのイケメンの鼻っ面もへし折ってやる!この最強の布陣はちょっとやそっとじゃ突破できないぞ!!やれるものならやってみろ!!!」

 

 真樹那のターン。

 

「オレのターン。ドロー」

 

真樹那の手札

【壊星壊獣ジズキエル】

【獣王アルファ】

【リミッター解除】

【愚かな埋葬】

【円盤闘技場セリオンズ・リング】

 

【表裏一体】

 

(へぇー…そうくる?翔はまた怒るだろうけどなぁ。でも、勝たせてもらいますかねー)

 

 さあ、反撃開始だ。

 

「お互い怨みっこなしな。【壊星壊獣ジズキエル】で相手モンスターをリリースして相手フィールドに特殊召喚する」

「な!?僕の【極戦機王ヴァルバロイド】がヘンテコなモンスターになってしまった!?」

「ラヴァゴーレムみたいなもんだ」

 

【壊星壊獣ジズキエル】

 

攻撃力3300(-500) 守備力2600 (-500)

 

①:このカードは相手フィールドのモンスター1体をリリースし、手札から相手フィールドに攻撃表示で特殊召喚できる。

 

「次に【獣王アルファ】を特殊召喚」

 

 1ターンに1度しか使用できないがな。

 

 コイツは相手フィールドのモンスターの攻撃力の合計が、自分フィールドのモンスターの攻撃力の合計より高い場合に特殊召喚できる。

 

 真樹那のフィールドにはモンスターが0体なので必然的に特殊召喚できる。

 

「さらに【獣王アルファ】の①の効果を発動!【獣王アルファ】自身を手札に戻して、【壊星壊獣ジズキエル】をオレの手札に戻させてもらう」

 

 また、①:自分フィールドの獣族・獣戦士族・鳥獣族モンスターを任意の数だけ対象として発動できる。そのモンスターを手札に戻す。その後、手札に戻った数だけ相手フィールドの表側表示モンスターを手札に戻す。この効果の発動後、ターン終了時まで自分の「獣王アルファ」は直接攻撃できない。

 

 スッゲー!!オモシレー!!

 インチキニモホドガアルンダナー…

 

「ふん。初めて見るコンボだけどこれだけで僕を倒せると思うなよ!」

「もち。どんどんいくぜ〜(これくらいじゃセットカードは反応してくれないか…)」

 

 真樹那は手札より【愚かな埋葬】を発動。

 

「オレは【愚かな埋葬】でデッキから【叢雲】を墓地に落とす」

 

【機巧蛇-叢雲遠呂智】が墓地に送られる。

 

 さらに真樹那はフィールド魔法を発動させた。

 

「【円盤闘技場セリオンズ・リング】を発動。デッキから【セリオンズ】モンスターをサーチする」

 

【円盤闘技場セリオンズ・リング】

①:このカードの発動時の効果処理として、デッキから「セリオンズ」モンスター1体を手札に加える事ができる。

 

「オレは【セリオンズキング】を手札に加えて、コイツの効果を発動する。墓地にある機械属の【叢雲】を対象として特殊召喚」

 

 ドウイウショウカンホウホウナンダヨ…

 

【セリオンズ“キング”レギュラス】

地属性 レベル8 機械属

攻撃力2800(+500) 守備力1600 (+500)

 

このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。①:自分の墓地の、「セリオンズ」モンスターまたは機械族モンスター1体を対象として発動できる。このカードを手札から特殊召喚し、対象のモンスターを装備カード扱いとしてこのカードに装備する。

 

「と、まぁ本来なら【セリオンズキング】に対象に取られた機械属モンスターはコイツの装備品になるんだけど【叢雲】の効果を使ってこんなコンボもできたりするんだわ。【叢雲】の効果発動。デッキの上から8枚除外して【叢雲】を特殊召喚する。これで【セリオンズキング】の装備カードにはならない」

 

 じゃあ【セリオンズ“キング”レギュラス】はどうなるかって?対象の機械モンスターを装備カードとして装備できなかったコイツの答えはこうだ。

 

 機械属モンスターを装備なしで特殊召喚できる。

 

「手札から【セリオンズキング】を特殊召喚」

 

 レベル8モンスターガイッキニニタイモ…!?

 

 本来ならここから星8エクシーズ召喚したりマスカレーナなどリンク召喚に繋げるのだが。

 

 このデュエルでエクシーズやリンク、シンクロ召喚はするつもりないので、今の真樹那にできる全力をぶつけるだけだ。

 

「ふん!なにさ!それがどうしたっていうのさ!!レベル8モンスターがたかが2体!!全然これっぽっちも怖くなんかないぞー!!!」

「じゃあ、バトルだ」

 

 バトルフェイズ。

 

 翔のフィールドはガラ空きだ。

 

「いけ。【セリオンズキング】でダイレクトアタック」

「ワハハハ!!僕の挑発にまんまと引っ掛かったな!!罠カード【マジックシリンダー】を発動!!これで真樹那くんはゲームオーバーだ!!」

「甘いな!【セリオンズキング】の効果②を発動!コイツを墓地に送って【魔法の筒】の効果を無効にする」

 

②:相手がカードの効果を発動した時、自分の手札・フィールドから「セリオンズ」モンスターカード1枚を墓地へ送って発動できる。その効果を無効にする。

 

「な、なんだって!?」

「カウンターを狙ってたみたいだけど残念だったな。【叢雲】でダイレクトアタックだ」

「くっそー、今のでトドメを刺せると思っていたのに。永続罠カード【ライフ・フォース】発動!!」

「あーらら、まだ粘っちゃう?」

「当たり前だろ!次のターンで必ず君を仕留めてみせる!僕はLP400を払ってこの攻撃によるダメージを0にする!!」

 

【ライフ・フォース】

 永続罠

 400ライフポイントを払う。

 プレイヤーへの戦闘ダメージを0にする。

 

 真樹那のダイレクトアタックを防いだ。

 

 翔のLPは残り600だ。

 

(何あの永続罠?ターン1でもない?あと1回防いでくる??)

 

 真樹那の知らないカード。

 

 もしかしたらアニメ版のカードかもしれないが…

 

 ここまで粘られるとも思ってみなかった。

 

「ワハハハ!先に言っておいてやるよ!僕はあと1回ライフを削って君の攻撃に耐えることができるぞ!【シラユキ】を復活させてもそれこそ無駄だ!僕は次のターンで君に勝てるカードを引いてそれでおしまいだ!」

 

 真樹那に勝ちたい。その勝利への執念はきっと次のドローで勝利のBGMが流れることだろう。

 

 今の翔なら真樹那を倒せるカードをきっと引くはずだ。

 

 それは真樹那もわかっている。想定しておくのが最良だ。

 

 だから、このターンに倒しきる。

 

 それしかない。

 

 そして、これも真樹那は想定済みだ。

 

「翔。勘違いしているようだから言ってやるよ。オレはまだ3回分攻撃が残っている」

「な、なにを言っているんだ…そんなバカな。この状況からあと3回だって!?」

「嘘じゃないって。キミが全力だったようにオレも全力を出すだけ。速攻魔法【表裏一体】を発動ー」

 

 真樹那は手札から速攻魔法【表裏一体】を発動させた。

 

①:自分フィールドの光・闇属性モンスター1体をリリースして発動できる。そのモンスターと元々の種族・レベルが同じで、元々の属性が異なる光・闇属性モンスター1体を手札・EXデッキから特殊召喚する。

 

「オレは【叢雲】をリリースして、そのモンスターと元々の種族・レベルが同じで、元々の属性が異なる光属性モンスター1体をEXデッキから特殊召喚する」

「それってつまり融合無しで融合モンスターを召喚できるってことじゃないか!?どこまでインチキなんだ君は!!」

「インチキでけっこう。ズルくて上等。翔。これがオレの勝つってことだ」

 

 そう。これも勝つための手段。

 

 これは真樹那の勝利への執念。

 

 勝つために【機巧蛇-叢雲遠呂智】からの新しい展開ルートも求めた。

 

 機械属モンスターで偏らせているのにも意味がある。

 

 こいつらがいれば相手のフィールドがガラ空きなら3回攻撃でLP8000も一気に削り切れるポテンシャルを秘めていた。

 

「現れろサイバー・ツイン・ドラゴン!」

 

 それは翔もよく知っているモンスター。

 

「うそ、だ…そんな、どうして真樹那くんが持っているのさ…これは兄さんのカードじゃないか…!!どこでそれを!?」

「うん。異世界で拾った」

 

 はい。これ以上は話がややこしくなりそうだったから真樹那は【サイバー・ツイン・ドラゴン】でダイレクトアタックをして翔のLPを0にした。

 

 翔は永続罠を発動することなく、ただ敗北を受け入れる。

 

【サイバー・ツイン・ドラゴン】の2回攻撃と、そこから手札・フィールド、墓地にある全てのカードを除外してでも【シラユキ】を特殊召喚しての攻撃が残っているわけで。

 

 流石に防ぎきれない。

 

 真樹那の勝ちである。

 

 To Be Continued…




イセカイッテイエバミンナナットク
ベンリダナー
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