烙印からの帰還者〜天上院家の末っ子は脳筋デッキしか勝たん〜   作:Eクラス

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アニメでいうところの3話目…


05 勝てばいいだけの話し

「今年の入ってきた殿方って真樹那さん以外いまいちパッとしないですわよねー」

「ジュンコさん。真樹那さんは異世界から帰ってきた俺TUEE系男子じゃないですか。他の殿方と違って人離れしてるというかオーラが違うというかミステリアスな所とか考えると当然ですわ〜」

「モモエもまだそんなこと言ってるの?あの子、ミステリアスというか何考えてるかわからないだけじゃない」

 

 ここは男子禁制の女の園。

 

 オベリスクブルー女子寮のお風呂場にて天上院明日香、ジュンコ、モモエ達が女子トークに花を咲かせている。

 

 というか、明日香の弟の話しだが。

 

 セレブ御用達のようなゴージャスは建物の造り。浴場は全面ガラス張り。解放感溢れる素晴らしい眺めになっている。

 

 立地条件的に、この寮は湖を越えないといけないから侵入者はそうそうにいない。

 

 移動手段はボートだけ。

 

「明日香さんは真樹那さんを連れて鮎川先生のカウンセリング受けさせてきたんですよね?どうでしたか?」

 

 明日香が弟を心配して鮎川先生に相談し一度カウンセリングを受けてみようという話し。

 

 明日香はため息を吐くしかなかった。

 

 思い返すだけでも馬鹿らしい。

 

「何がケモ耳バンザイなのよアイツ。こっちの気持ちも知らないで…」

 

 思わず愚痴がこぼれる。

 

「薄々前からわかっていましたが明日香さんってけっこうブラコンなんですね」

「ブ、ブラコンじゃないわよ何言ってるのよジュンコ…!」

「そして、明日香さんの愛はケモナーの弟君には届かず…あぁ、なんたる悲劇ですわ」

「だから別にそんなんじゃない…の」

 

 明日香にしては珍しく歯切れが悪い。

 

 顔半分を湯で隠してぶくぶくと泡を拭く。その仕草は不貞腐れた少女。

 

(私はただ、3年ぶりに再開したんだからもっと一緒にいたいだけなのに…)

 

 別にそれだけだ。

 

 別に他意はない。

 

 ないはずだ。

 

 しかし、この2人は妄想を飛躍してくる。

 

 こちらをニヤニヤして見てくるのが癪に障るが。

 

「賑やかね。お邪魔するわ」

 

 と言ってこちらにやってきた榊玲奈が湯船に浸かった。

 

(榊さん。明日香さんに負けず劣らずスタイル抜群すぎません?)

(引き締まったカラダ…何かスポーツされてるのでしょうか?アスリートみたいですわ)

(私より大きい…)

 

 三者三様、榊玲奈のカラダをジロジロ観察した。

 

(((というか、エ、エロい…)))

 

 同性であってもそう思ってしまう。

 

 本当に同学年か?と疑いたくなる。何か特殊なフェロモンでも出しているかもしれない。

 

 敢えて云うなら真樹那の女版だろうか。ミステリアスという部類もけっこう似ている。

 

 榊玲奈本人からしてみたら不当な評価だろうから口に出して言わないが。

 

「あら?もしかしてみんな同性もイケるくち?私はイケるくちだからいつでもウェルカムよ」

「「い、いいえ!遠慮しておきます!」」

 

 明日香とジュンコはなんとか断った。

 

 なんという魔力なのか、危うく榊玲奈のカラダに吸い寄せられるところだった。

 

「えへへ、玲奈お姉さま〜///」

「あらあら甘えん坊さんね。今夜空いてる?あとでワタシの部屋へおいで」

「はいですの〜///」

 

 モモエが即堕ちした。

 

(モモエー!アンタ、顔が良ければ男女見境なしか!というかナニする気!?気になるんですけどー)

(ジュンコ!ダメ!行ったら戻れなくなるわ!)

 

 明日香はなんとかジュンコを押し留めた。

 

 モモエは幸せそうに目をトロンとさせて榊玲奈の胸に顔が収まった。

 

「そんなことよりも、気になる男子の話ししてたんじゃないの?ワタシも気になるわ」

「そ、そーなんです!榊さんはもし好きな人、もしくは恋人がケモナーだったらどうしますか?」

「そうね…ワタシだったらまず監禁するかしら」

「「か、監禁!?」」

 

 榊玲奈はモモエの両手がっちり掴んだ。

 

「それでね、わからせてあげるの。ケモ耳なんかよりワタシの魅力をカラダに染み付くまでたっぷりと、こんな風に」

「「…」」

 

 モモエの頬、首筋、鎖骨と順に指で撫でていく。

 

 その手つきがやらしい。

 

「特に異世界馬鹿野郎くんにはたっぷりと、ね」

 

 そう言って明日香を見た。

 

「榊さんはあの子とどういう関係なの?」

「あら?気になる?」

「そりゃ姉だから当たり前じゃない」

(あわわ、エロ談義と思ってたら修羅場突入したんですけど!?この場から逃げたいのに明日香さんが腕を離してくれない!?)

 

 後ずさりをするジュンコを明日香は腕をガッチリ掴んだままだ。

 

「ワタシと彼は秘密の関係ですもの。アナタには教えたくないわ。それは彼も同じ。だからアナタに何も言わなかったんじゃない?」

「それは…」

「でも、それじゃフェアじゃないかしら?ワタシとしては彼から異世界の話しを聞かされているであろう明日香さんにいろいろ聞きたいくらいなんだけど」

「異世界なんて…あるわけないじゃない」

「あー、その様子だと本当に何にも知らないのねアナタ」

「……」

(か、帰りてー)

 

 ジュンコはキャラ崩壊するくらいに天を仰いだ。

 

「これじゃフェアじゃないわね…じゃあ一つだけ教えてあげる。去年の12月17日、彼は異世界から帰ってるわ」

「そんな、前に?ウソよ…」

「いいえ、間違いなく。ネットではこの異世界ネタで持ちきりよ?『烙印事件』で調べれば一発でヒットするわ」

「烙印…事件…」

 

 オカルトや陰謀論レベルの話しとして世に出回ってしまっている。

 

 もう一度言う。証拠は隠蔽できず出回ってしまっている。

 

「そうそう。これ、彼がアナタに知られたくなかった秘密のひとつよきっと。あとで調べてみればいいわ。彼を問い詰める材料になるでしょ」

 

 明日香はじっと榊玲奈を見る。

 

 嘘を言っていないことはすぐにわかる。

 

 なんでもいい。何か情報が欲しかった。

 

「ワタシが彼を知ったのはそのネットを調べたから…だから、ワタシも彼の言う異世界については何も知らない。ワタシも彼が異世界で何をしていたのか知りたいの」

「でも、あの子は何も話してくれないのよ…何度問い詰めてもはぐらかすばかりだし」

「でも、ずっと異世界に行っていた。と言ってなかった?ワタシがアナタ達の近くにいた時はそればっかり」

「ぬ、盗み聞きするあなたに言われたくないわ…」

 

 榊玲奈はやれやれと肩を竦める。

 

 異世界馬鹿野郎は本当に異世界に行っていた?それをまともに取り合うこともなく否定してしまったのは自分だ。

 

 明日香はもう一度ちゃんと弟と向き合おうと考えを改めた。

 

(…)

 

「えぇ、そろそろ仕掛ける頃合いよね」

「何の話し…?」

「ねぇ、明日香さん。ここはデュエルアカデミアよ?欲しいものはデュエルで手に入れなきゃ」

「そうね。確かに…それが手っ取り早いかもしれないわ」

「でしょ?…しっ。静かに。外に誰かいるわ」

「え、うそ…!?」

 

 タイミングを見計らったかのようにそれは訪れる。

 

「の、覗きよー!!」

 

 少々わざとらしく榊玲奈の叫び声が大浴場に響いた。

 

 

 

「というわけで、真樹那、十代。デュエルよ!」

「ワタシ達が勝ったら覗きをした丸藤翔くんを先生に報告。そして、異世界馬鹿野郎くんは異世界の話をワタシ達にする。全部ゲロするまで帰さない」

「じゃあ俺たちが勝ったらこの話は無かったことにして翔は連れて帰るぜ!」

「なーんでこうなった?というか説明雑じゃない?」

 

 覗きの犯人は丸藤翔であった。

 

「僕はやってないっス!」

 

 彼曰く、明日香からもらったラブレター通りに女子寮へノコノコやってきたらしい。

 

 体育の授業、着替え室の翔のロッカーに置いてあったらしい。

 

 もちろん、明日香はそんなラブレターは送っていないわけで、誰かにハメられたようだ。

 

 しかも宛名は十代だったことが判明…

 

 それで、十代とついでに真樹那は呼び出しをくらって何故かタッグデュエルを強要される。

 

「翔の無実を晴らすためだ。真樹那、頑張ろうぜ。俺達なら勝てるさ!」

「まっ、なるようになれか…」

「うぅ、巻き込んでごめんよアニキ、真樹那くん」

 

 ジト目で姉を見る弟。

 

 若干居心地悪そうに目を逸らす姉。

 

 女子寮前の湖にボートが4隻。

 

 女子側は、明日香、榊玲奈、ジュンコ、モモエ。

 

 男子側は、十代、翔、おまけの真樹那。双方が睨み合う。

 

(なんダーカ、面白くなってきまシータ。もしかシーテ、ワタシーは、ゲームメイクの天才だったノーネ)

 

 ラブレターの犯人もこっそり観戦。

 

(異世界のハナシー、ワタシも聞きたいノーネ)

 

「まー、アレだ。これじゃ割に合わないから翔を返してもらう約束のついでにもう一つ。オレたちが勝ったら姉さん達は1週間ケモ耳で生活してもらいまーす!」

「「はぁ!?」」

「姉さん、この世は等価交換だ!錬金術の授業でも習ったろ?何かをなし得るには対価が必要なんだ!それとも何?オレ達に怖気付いた?」

「こ、この馬鹿真樹那…ッ!!」

「あ、あのー、真樹那さん。私たちも、負けたらケモ耳付けるんですかー?」

「もちろん!ジュンコちゃんもモモエちゃんも女子4人全員仲良くケモ耳娘にしてやる!」

「「えぇえええええ!?」」

「明日香さん、アナタの弟くんは相当拗らせてるわ」

「こんな弟でごめんなさい」

「でも、まぁ…」

 

 4人はデュエルディスクをセットした。

 

「「「「勝てばいいだけの話し!!」」」」

 

 デュエル開始ぃぃい!

 

 

女子ズ LP8000

 

  明日香      榊玲奈

  手札5枚     手札5枚

 

  ▢▢▢▢▢    ▢▢▢▢▢

  ▢▢▢▢▢ ▢  ▢▢▢▢▢ ▢

 

▢ ▢▢▢▢▢  ▢ ▢▢▢▢▢

  ▢▢▢▢▢    ▢▢▢▢▢

 

  手札5枚     手札5枚

  十代       真樹那

 

男子ズ LP8000

 

真樹那の手札

【妖精伝姫-シラユキ】

【デスペラード・リボルバー・ドラゴン】

【コンセントレイト】

【溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム】

【貪欲な壺】

 

(うん、まあ……)

 

 なんとも微妙…

 

 というか若干事故ってる。

 

 To Be Continued…




次回、タッグデュエル
明日香→十代→榊玲奈→真樹那

ルール
・互いLP8000
・2巡目まで攻撃できない

勝てば以下の権利を得る
・女子が勝てば、翔を覗き犯として先生に報告
・女子が勝てば、真樹那は異世界の話しをする
・男子が勝てば、翔は解放される
・男子が勝てば、女子4人明日から1週間ケモ耳生活

※エンジョイデュエルなのでルールガバガバの予定
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