人理修復を成し遂げたマスターはありふれた世界じゃ最強に決まっている   作:アイリエッタ・ゼロス

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友と仲間との再会

 ダ・ヴィンチside

 

「さて、じゃあ早速誰が並行世界に行くか決めるとしようか」

 私は大量の紐が飛び出た箱を持って食堂にいるサーヴァント達にそう言った。

 

「ダ・ヴィンチちゃん、その箱は....」

「君達、誰が行くかで乱闘騒ぎを起こすと思ってね。公平に決めるためにくじを作った。

 人数分あるから一人一本引いてくれたまえ。その引いた紐に赤い印が付いていたメンバーが

 一回目のレイシフトメンバーだ」

「なるほど....」

「さ、一人一本選んでくれ! 決まったら早速レイシフトをしてもらうよ」

 そう言うと、全員が紐を手に取った。

 

「せーの!」

 私の言葉に合わせて全員が紐を引っ張った。今回、赤い印が付いていたのは....

 

「私が....!」

「マジか....」

「ふむ....」

 マシュ、カドック、エミヤだった。

 

「よし! 三人は早速準備! 持っていく物はこちらで用意したから着替えていつもの所に

 集合! 良いね?」

 そう言って、私は一人先にこの場所から去った。

 

 ~~~~

 

 数十分後、着替え終わったマシュとカドックとエミヤが私の所に来た。

 

「ダ・ヴィンチちゃん、準備が出来ました」

「よし。ならカドック、君にこれを渡しておく」

 そう言って、私はカドックにバッグを渡した。

 

「これは?」

「....最後の決戦で使った魔術礼装の改造版と極地用の魔術礼装が入っている。向こうが

 どのような場所かもわからない状況だ。極地用だけでも良いかと思ったが念のためにね。

 後は通信機が入っている。立香くんに会うことが出来たら渡してくれ」

「....了解した」

「さて、じゃあ頼んだよ三人とも」

 そう言って、私は機械を起動した。

 

 ~~~~

 立香side

 

「南雲、少し良いか?」

 工房で作業している南雲に俺は声をかけた。

 

「何ですか水月先生?」

「オスカーの指輪、少し貸してくれねぇか?」

「指輪ですか? 大丈夫ですけど....何するんですか?」

「少し考えてたんだが、ここを繋ぐ地上の魔法陣って本当に安全なのかと思ってな。それに

 ちゃんと起動するのかも気になるし少し調査してみようと思ったんだ」

「そういう事ですか。でも一人で大丈夫ですか?」

「安心しろ。メルトも一緒だ」

「あー....じゃあ大丈夫ですね」

 そう言うと、南雲は俺に指輪を渡してきた。

 

「じゃあ調査、お願いします」

「あぁ」

 俺はそう言って工房から出て、オスカーの遺体があった部屋に向かった。部屋には既にメルトが

 いた。

 

「おまたせ」

「別に待ってないわよ。それよりも、こんな所から地上に出れるの?」

「資料を見る限りはな。ま、やってみるだけだ」

 そう言いながら、俺は資料に書かれていた通りの起動方法を行った。すると魔法陣が光り出し、

 俺とメルトは光に包まれた。

 

 ~~~~

 

 光が収まると、俺とメルトはどこかの洞窟にいた。足元には部屋にあった魔法陣と同じものが

 あり、ここがあの部屋と繋がる先だということが察することが出来た。

 

「外に出れると思ったが....洞窟の中か」

「そりゃ隠すのに最適だからでしょ。大っぴらに道のど真ん中に魔法陣があったら明らかに

 怪しいでしょ?」

「そりゃそうだ....取り敢えず進むか」

 俺はメルトにそう言って洞窟を進んだ。道にはいくつかの扉やトラップがあったが、指輪に

 反応したのか勝手に解除されていった。その道を進んでいくと、道の先に光が見えた。

 その光からは風は吹いていた。

 

「出口みたいね」

「あぁ」

 そう話しながら光の先に進むと、俺とメルトは地上に出た。周囲の風景を見るに、ここは

 ライセン大峡谷ではないかと仮定した。

 

「随分高い崖ね」

「そうだな。....考えてみれば、こんな崖下に迷宮の出口があるとは誰も思わんな」

 そう言いながら、俺はルーンを描きこちらに向かってきた魔物にルーンを飛ばした。メルトも

 魔物に向かって行き、自慢の脚で魔物を真っ二つに斬り裂いていた。

 

「よっわい魔物ねぇ....」

「まぁそりゃなぁ....」

 全滅した魔物の死体を蹴りながらそう言ったメルトに俺はそう返した。その時....

 

「「っ!?」」

 俺とメルトは突然巨大な魔力反応を感じた。

 

「おいメルト....この魔力」

「えぇ....こんな魔物とは比べ物にならない程の魔力量ね。少し高ぶってきたわ! 先に

 行くわよ!」

 そう言うと、メルトは一人で魔力の反応を感じた方向に駆け出した。

 

「ちょ、待てってメルト!」

 俺も急いでメルトを追いかけ魔力を感じた方向に走った。

 

 ~~~~

 マシュside

 

「ここは....」

「渓谷みたいだな....」

 レイシフトした私達がいたのは何処かの渓谷だった。

 

「どうやら無事にレイシフトはできたようだな」

「あぁ。だが、問題はどうやって探すかだ」

「確かにそうですね。一先ず、周囲を探索して....」

 そう話して探索を開始しようとした時....

 

「「「っ!」」」

 突然こちらに向かって巨大な魔力が向かってくるのを感じた。私とエミヤさんは武器を

 構えカドックさんの前に立った。魔力の反応は物凄いスピードで近づいてき、私達に気づくと

 私に向かって武器の様な物を振り下ろしてきた。私は盾で攻撃を防いだが、その一撃はかなり

 重く、私の足は地面にめり込んだ。

 

「(凄い威力....! サーヴァントの人達と変わらない! 一体どんな敵が....)」

 そう思いながら私が攻撃してきた正体を見ると言葉を失った。

 

「嘘....」

「その巨大な盾....あなたまさか、マシュ....?」

 攻撃してきた正体は、先輩を命と引き換えに守って死んだ筈のメルトリリスさんだった。

 

「メルトリリス!?」

「なぜ君が....」

 カドックさんとエミヤさんもメルトリリスさんがいることに驚いていた。

 

「赤い弓兵に、クリプターの....何であなた達がここに....」

「それはこちらのセリフです! どうしてメルトリリスさんが....あなたはあの時....」

「あー....まぁちょっと色々あってね」

「メルトー! 少しは速度落としてくれって....」

 すると、メルトリリスさんの背後からそんな声が聞こえた。その声に、私は聞き覚えがあった。

 

「って、メルト。固まってどうし....!?」

 声の正体が見えると、私は涙が出てしまった。何故なら、声の正体は死んだと思われていた私の

 大切な先輩だったからである。

 

 ~~~~

 立香side

 

「マシュ!? それにカドックにエミヤ!?」

「立香....!」

「マスター....」

 メルトを追いかけていくと、何故かそこにはマシュとカドック、エミヤがいた。

 

「何で三人がここに....」

「何で....? 何でじゃないですよ、この馬鹿先輩!」

 すると、マシュが俺に向かって盾を振り下ろしてきた。俺は命の危機を感じ、咄嗟にその攻撃を

 避けた。だが、マシュは連続で俺に向かって攻撃を仕掛けてきた。

 

「ま、待てマシュ! その盾で殴られたら死ぬ!」

「問答無用です! 私が、私達がどれだけ心配したと思っているんですか!」

「そ、それを言われると何も言えねぇな....! てか三人も見てねぇでマシュを止めて....」

 俺はそう返しながらも他の三人に助けを求めた。だが....

 

「自業自得よ。大人しく殴られなさいな」

「今回ばかりはメルトリリスの言う通りだマスター」

「立香、お前が悪い。諦めろ」

「味方はいねぇのか!?」

 まさかの三人全員から俺の助けを求める声は無視された。そして気づけば、マシュは俺の

 目の前にいた。

 

「....先輩、お覚悟を」

「あ、あのマシュさん....? とりあえず話だけでも....」

「えぇ、聞いてあげますよ。....ただし、ボコボコにした後ですが」

 その言葉を最後に、俺はマシュにボコボコに殴られた。

 

 ~~~~

 

「自分勝手な行動をして皆に心配と迷惑をかけて申し訳ありませんでした....」

 マシュにボコられた後、俺は三人に土下座をしていた。

 

「あっはっはっはっは! 良いわね立香! 今のあなた最高よ!」

 俺の後ろでは、俺の状態を見てメルトが大爆笑していた。

 

「(あとで覚えてろよメルト....)」

「先輩、あんな事二度としないと約束してくれますか?」

「はい....ここに約束します。やらかす時は事前に相談してからやらかします」

「やらかさないようにしようとは思わないのかよ....」

「....わかりました。反省しているようなので、私はこれぐらいで許してあげます」

「ありがとうございますマシュ様....」

 俺はそう言って再び頭を下げてきた。

 

「さて、じゃあ次は僕だな」

「....え?」

 すると、何故かカドックがそんな事を言って指を鳴らしながら近づいてきた。

 

「カ、カドック....?」

「安心しろ。僕はキリエライトと違って一発だけにしておいてやる」

「そういう問題じゃねぇだろ!?」

「動くな。狙いがズレる」

「慈悲は無いのか!?」

「あると思っているのか?」

 そう言いながら、カドックは魔力を拳に乗せてぶん殴ってきた。

 

 ~~~~

 

「随分手酷くやられたな」

「そう思ってるなら助けてくれよ....」

 二人に盛大に殴られた俺は、この世界と現状について話し合うためエミヤにおんぶされ

 魔法陣のある所に向かっていた。

 

「だが、今回の一件はマスターに非がある」

「....それは確かに」

「みんな、君の事が心配だったんだよ。誰にも言わず、自分で何もかもを背負ってしまう君が。

 協会に殴り込みに行ったのも、カルデアのみんなや、マシュ、カドックを協会からを守るため

 だったんだろ?」

「....気づいてたのか」

「君とどれだけの付き合いだと思っている。それに私だけじゃない、他のサーヴァント達も

 気づいてた。手紙を見てな。....まぁそれを知って暴れ出すサーヴァントが大量にいたがな」

 そう言われ、俺は何となく誰が暴れていたのか想像がついた。

 

「みんなに謝んねぇとな....」

「そうしたまえ」

「エミヤも、悪かった....」

「....気にするな。その言葉は、他の者に言いたまえ」

「....あぁ」

 そう言いながら、エミヤはメルト達の後をついて行った。

 

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