人理修復を成し遂げたマスターはありふれた世界じゃ最強に決まっている   作:アイリエッタ・ゼロス

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カルデアとトータスの邂逅

「この魔法陣ですか?」

「あぁ。俺達が拠点にしている場所に繋がってる。マシュ、これを魔法陣にかざせ」

 そう言って俺はマシュに指輪を投げた。

 

「わ、わかりました」

 マシュが指輪をキャッチして地面にかざすと、魔法陣は光り出した。

 

 ~~~~

 

 光が収まると、俺達はオスカーの部屋にいた。

 

「ここが、お前の拠点なのか?」

「俺というか、俺達のというか....」

「俺達?」

「まぁ後で説明する。それよりもエミヤ、一階に降りて外に出てくれるか? メルト、マシュと

 カドックをリビングに連れて行ってくれ。後、工房にいる南雲をリビングに呼んでくれ」

「わかったわ。ついてきなさい」

 そう言うと、メルトは二人を連れて部屋を出て行った。

 

「じゃあエミヤ、頼む」

「あぁ」

 エミヤはそう言って俺を外に運んだ。外に行くと、白崎とユエが魔法の打ち合いをしていた。

 

「おーい、白崎ー!」

 俺は白崎に聞こえるぐらいの大声で白崎を呼んだ。白崎は俺の声に気づき、俺の方を見ると

 血の気が引いた顔になった。

 

「せ、先生! どうしたんですかそのケガは!? というかその男の人誰ですか!?」

「説明は後でするから....取り敢えず回復魔法かけてくれ。結構ヤバい....」

「と、取り敢えず家の中で! ユエ! 包帯あったと思うから取ってきて!」

「わかった」

「あとあなたは先生を家に!」

 白崎は慌てながらもユエにそう言って急いで家の中に入っていった。

 

「....先生?」

「あとで説明する....」

 

 ~三十分後~

 

 白崎からの治療を受けた俺はエミヤに包帯を巻かれながらソファに座っていた。そして、

 俺の横にはメルト、その隣に置いた椅子にカドックとマシュが座っており、俺の目の前には

 南雲と白崎とユエが座っていた。

 

「それで先生、そちらの三人は?」

「昨日話したカルデア、俺の世界の仲間だ。包帯を巻いているのがアーチャーのエミヤ、

 銀髪がカドック・ゼムルプス、盾を横に置いているのがマシュ・キリエライト。アーチャーは

 サーヴァントでマシュはデミ・サーヴァント。カドックは俺と同じマスターだ。三人とも、

 そこの人間二人は俺が転生した世界で生徒だった南雲と白崎。そっちの金髪はこの迷宮に

 封印されていた吸血鬼のユエだ」

「おい立香....お前、カルデアの事を話したのか?」

 俺が三人を紹介すると、カドックは頭を抱えながらそう聞いてきた。

 

「あぁ。だが機密情報については話していない。世界の状況とカルデアという組織とその目的、

 後はサーヴァントについてやんわり話しただけだ」

「ホントか....?」

「ホントだっての。なぁメルト?」

「まぁそうね。でも、サーヴァントと真名をホイホイ言うのはどうなの?」

「あ....」

 メルトの言葉に、俺はしまったという表情になった。

 

「立香....」

「まぁ私は問題ないだろう。マシュもな。ただ、他のサーヴァントは気をつけたまえ」

「はい....」

「あ、あの! 三人は先生の世界の方、っていう事で良いんですよね?」

 すると、南雲がそう聞いてきた。

 

「はい。そうですよ」

「聞きたいんですが、どうやってこの世界に?」

「それは....」

「俺達の世界の技術でこの世界にやってきた。コイツを探すためにな」

 マシュがどう言おうと考えている時、カドックが俺を指差しながら南雲にそう言った。

 

「それって、いわゆる転移ってやつですか?」

「まぁそうなるな。それがどうした?」

「その技術で、僕達を元の世界に帰してもらう事ってできますか?」

「元の世界? どういう意味ですか?」

「俺が話す。実はだな....」

 俺は三人にこの世界に転移した経緯、この世界の状況、ここに着いた理由、この世界の真実を

 話した。

 

「なるほど....」

「学校にいると魔法陣が現れこの世界に転移させられ戦争に参加しろと言われた。その訓練の

 途中、何者かの攻撃によってそこの少年が奈落に落ちた。その少年を追って二人も奈落に落ち

 迷宮内でそちらの吸血鬼の少女を見つけてここに着いたというわけか」

「簡潔にまとめてくれてありがとうエミヤ」

「そしてこの世界の神は人間を駒にして戦争を起こしている、か....どうするつもりだ立香」

「まぁその神を殺す。その過程で迷宮を攻略しこの世界から脱出する。どの道それしか方法が

 ないからな。カルデアに戻ろうとしたところでレイシフトしたわけじゃないから無理だしな」

「....そうか」

 カドックはそう言いながら、呆れたようにため息をついた。そして、俺に持っていたカバンを

 投げてきた。

 

「おっと。これは?」

「お前の魔術礼装だ。ダ・ヴィンチから合流した際に渡すように言われていた。後は通信機も

 入っている」

「そうか....ありがとなカドック」

「礼は良い。....まったく、相変わらずトラブルによく巻き込まれる奴だ」

「だからこそ、私達が助けてやらねばならないのかもな」

「そうですね」

 エミヤとマシュはそう言うと、俺の前に立った。

 

「一先ず、ここにいる間は私達も協力をしよう」

「できることは限られてしまいますがね。それと、私はサーヴァントの皆さんに協力を

 頼んでみます」

「....まぁ、僕も手伝ってやる。立香に死なれると、今度こそ困るからな」

「三人とも....ありがとう、恩に着る」

「気にするな。....君達も、私達にできることなら協力しよう」

「っ! ありがとうございます!」

 南雲がそう言うと話し合いは終わり、今後について話を始めた。

 

 ~~~~

 

 話し合いが終わり、俺はマシュと外にいた。そして、俺はカバンに入っていた通信機を

 操作していた。

 

「連絡取るのこえぇ....」

「駄目ですよ先輩。ダ・ヴィンチちゃんだって心配してるんですから」

「わかってるよ....はぁ、よし」

 俺は気合を入れてカルデアに通信を繋げた。

 

「あー、こちら立香。こちら立香。ダ・ヴィンチちゃん、応答お願いします」

『やぁやぁ、これはこれは突拍子のない事をやって行方不明になった立香くんじゃないか』

「うっ....すみませんでした....」

 ダ・ヴィンチちゃんの言葉に俺は苦い顔をしながら謝った。

 

『うん、素直に謝れてえらい! それよりも、よく無事だったね立香くん。安心したよ』

「あぁ。何とかな」

『この通信ができているという事は三人と合流できたようだね』

「あぁ。マシュとカドックにはボコられたけどな....」

「せ、先輩!」

『それは甘んじて受け入れたまえ』

「へい....」

『それで、今どこに? それとその世界について何か情報はあるかい?』

「もちろんだ」

 そう言って、俺はダ・ヴィンチちゃんにこの世界と現状について話した。

 

『なるほど....』

「てな訳で、神殺しをやろうと思う。現状帰る方法も無いからな」

『そうか....確かに今の立香くんをこちらに戻す手立ては無いからね。現状ストームボーダーを

 そちらに向かわせる技術も無いからね。....こちらでもどうにかそちらに向かう技術を探して

 開発してみようと思うよ』

「了解。....でもよダ・ヴィンチちゃん、俺カルデアに帰っても良いのか?」

 俺は自分のやらかした事を考えながらそう聞いた。

 

『当たり前だよ! カルデアは間違いなく、君の帰る場所だよ』

「....ありがとう、ダ・ヴィンチちゃん」

『あぁ! 一先ず、そちらにサーヴァントを定期的に送る準備が整っている。だから、どうにか

 そっちの世界で生き残ってくれ!』

「了解」

『じゃあ、また連絡する! 何かあったらすぐに連絡してくれたまえ!』

 ダ・ヴィンチちゃんがそう言うと通信は切れた。

 

「元気そうだったな、ダ・ヴィンチちゃん」

「えぇ。でも、先輩を探すために随分無茶をしてたんですよ?」

「頭が上がらねぇな....」

 そう言いながら頭を掻いていると、突然マシュが俺に抱き着いてきた。

 

「っ!? どうしたマシュ!?」

「先輩の温もりを感じているんです....生きている温もりを」

「....本当にごめんな」

「良いんです。生きていてくれたから....」

「マシュ....」

 俺はそう呟き、マシュの頭を撫でた。

 

「先輩....必ず、生きて帰ってきてくださいね」

「あぁ。約束する」

「....あら、恋人をほったらかしにして浮気なんて。随分偉くなったわね?」

 すると、突然背後からそんな声が聞こえた。俺は恐る恐る振り向くと、そこにはいい笑顔の

 メルトがいた。

 

「メ、メルト....う、浮気じゃねぇぞ。これはマシュから....」

「メルトリリスさん....私、まだ諦めたつもりはありませんから! 隙を見せたら、すぐに

 先輩は私が奪っちゃいます!」

「ふふふ....随分強気な発言ね。奪えるものなら奪ってみなさいな」

 そう言った二人の間には、火花が飛び散っているように見えた。

 

「そうさせていただきます。じゃあ先輩、私は先に戻りますね」

 マシュはそう言うと俺から離れ、先に家の中に戻っていった。

 

「メ、メルト? 俺等もそろそろ....」

「立香はそこに正座。できるわよね?」

「....はい」

 俺はメルトの有無を言わさない言葉に負け、その場で正座した。そして、メルトからの

 ありがたいお説教(物理)を受けることになった。

 

 

 

 

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