人理修復を成し遂げたマスターはありふれた世界じゃ最強に決まっている   作:アイリエッタ・ゼロス

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謎の不安とブルック到着

「ん....?」

「どうしたメルト」

 樹海を出てもう少しでブルックに着くという所で、メルトは急に止まり進行方向とは

 別の方向を見た。

 

「いえ....何だか無性に嫌な予感がして。思わず蹴ってしまいたい衝動が沸き上がるほどの」

「....そうか」

「(メルトがそう言うって....まさか....)」

「いや、まさかな....」

「先生?」

「何でもない。取り敢えず進むぞ」

 俺は頭に浮かび上がった人物を消しながらブルックに向かって歩き始めた。

 

 ~~~~

 

「止まってくれ。ステータスプレートを。あと、町へ来た目的は?」

 しばらく歩くと俺達はブルックの町に着いた。そして、俺達は門番に止められた。

 

「素材の換金と宿泊だ。旅の途中でな」

 そう言って、俺は門番にステータスプレートを渡した。南雲と白崎も他の門番にプレートを

 渡していた。

 

「....何じゃこりゃ」

 俺のプレートを見ている門番はそう呟いた。

 

「俺も聞きてぇんだよ。10回やったけど全部こうなった」

「そ、そうか....こんな故障初めて見たな....それよりもそっちの三人は?」

「ここに来るまでに帝国兵と魔物どもの襲撃にあって失くした。おかげで無駄に素材も

 落としてな」

「そうか....そりゃ災難だったな。まぁいい、通っても良いぞ」

「どうも。それと素材の換金ってどこでできる?」

「それなら中央の道を真っ直ぐ行けば冒険者ギルドがある。店に直接持ち込むならギルドで

 場所を聞け」

「そうか。助かった、ありがとな」

 そう言って、俺達はブルックの町に入った。そして、俺達は真っ直ぐ冒険者ギルドに向かった。

 

「ここみたいね」

「あぁ。南雲、買い取る素材出してここで待っとけ」

「わかりました」

 俺は南雲にそう言ってメルトとともにギルドの中に入った。そして、俺は一番ベテランそうな

 受付に声をかけた。

 

「すまない、素材の買取はここで良いのか?」

「あぁ、大丈夫だよ。じゃあステータスプレートを見せてくれるかい?」

「わかった」

 俺はそう言って受付にプレートを渡した。すると、受付は不思議そうな顔をした。

 

「このステータスは....それにあんた、冒険者じゃなかったのかい」

「あぁ。ステータスは俺にもよくわからん。何回か試したがずっとこれでな」

「そうかい....まぁそういう事にしておくよ。まぁそれは良いとして、冒険者登録はして

 おくかい? 冒険者と分かればいくつか特典が付くよ。例えば買取金額一割増とか、ギルドと

 提携してる宿が割引とか。登録には千ルタだよ」

「じゃあ頼む。ただ今手持ちがなくてな。買取金額から引いておいてくれ」

「可愛い子いるのに文無しなんて何やってんだい....ちゃんと上乗せしておいてあげるから

 不自由させんじゃないよ」

「あら、お上手ねマダム。アナタもこれぐらい上手になりなさい立香」

「へいへい....」

 俺はそう言って、外にいた四人を呼びに行き受付に素材を渡した。すると、受付は驚いた

 表情になった。

 

「これは....あんた達とんでもない物を持ってきたね。これ、樹海の魔物だね。それに

 この鉱石の純度、どこでこんなの取って来たんだい」

「あぁ。そいつは確かに樹海の魔物だ。そっちの鉱石は、まぁある大迷宮の魔物を殺した時に

 ドロップしたやつだ」

「はぁ....こりゃまた随分な量だね。でもまぁ、樹海の素材は良質なものが多いからね、

 売ってもらえるのは助かるよ」

「そうか」

 そう話しながら買い取りは進んでいき、買取金額は五十八万二千ルタになった。

 

「中央ならもう少し高くなるだろうけど、これでいいかい?」

「あぁ。それとこの二人にも冒険者登録を頼む。買取金額から引いておいてくれ」

「あいよ」

 そう言ってプレートを渡すと、俺達三人の天職欄の横に冒険者という文字が追加され、青い点が

 付いていた。

 

「あぁそれと、この町の地図ってどこかに売ってるか?」

「地図? ならこれを持って行きな」

 そう言うと、一枚の地図を俺に渡してきた。

 

「随分精巧な地図だな....これいくらだ?」

「タダだよ。私が趣味で書いてるものだからね」

「趣味って....」

「凄いですね....」

「私からすれば落書きみたいなもんだよ。二人も持って行きな」

 そう言って、南雲と白崎にも受付は地図を渡した。

 

「ありがとうございます」

「良いってことさ。それより、金はあるんだから少しは良いところに泊りなよ。治安が

 悪いわけじゃあないけど、その四人ならそんなの関係なく暴走する男連中が出そうだからね」

「出たらボコッとくさ」

「手加減はしてやってくれよ。特にあんたは。....あんた、相当の死線を乗り越えてるだろ? 

 そっちのお嬢ちゃんも」

「....さて、どうだろうな。....行くぞ」

 俺はその言葉を軽く流してギルドの外に出た。

 

 ~~~~

 

「いらっしゃいませー、ようこそマサカの宿へ! 本日はお泊りですか? それともお食事だけ

 ですか?」

 ギルドの外に出て、俺達はまず宿屋に向かった。

 

「宿泊で。この地図見て来たんだが、ここに書いてる通りで良いか?」

「ああ、キャサリンさんの紹介ですね。書いてある通りですよ。何泊のご予定ですか?」

「取り敢えず一泊で。食事と風呂も一緒で頼む」

「はい。お風呂は別料金で十五分百ルタですが....今のところ、この時間帯が空いてますよ」

「あー....取り敢えず三時間もありゃ十分か」

「さ、三時間ですか!?」

 俺がそう言うと、受付の女の子は驚いていた。

 

「問題あったか?」

「い、いえ....え、えーと、それでお部屋はどうされますか? 二人部屋と三人部屋が

 空いてますが....」

「じゃあ二人部屋三つで。お前等は話し合って部屋割り決めろよ」

 そう言って俺は四人を見た。

 

「じゃあ私がハジメくんと」

「ダメ、私がハジメと」

「わ、私だってハジメさんと!」

「す、水月先生....僕と水月先生じゃ....」

「そんな事言ったら白崎達が黙ってないだろ。それに俺はメルトと一緒が良いしな」

「あら、さっきの言葉を聞いて学んでみたいね。流石は私のアルブレヒトね」

「そりゃどうも。じゃ、俺等は先行ってるぞ」

 そう言って、俺は鍵を受け取ってメルトと一緒に部屋に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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