人理修復を成し遂げたマスターはありふれた世界じゃ最強に決まっている 作:アイリエッタ・ゼロス
風呂に入った俺はメルトの髪を梳かしながらある事を思い出した。
「(町に着いたことだし、ダ・ヴィンチちゃんに連絡を取るか。気になることもあるし)」
そうしてメルトの髪を梳かし終わった俺はダ・ヴィンチちゃんに連絡を取った。
『はいはい、こちらダ・ヴィンチちゃん』
「こちら立香。ダ・ヴィンチちゃん、さっき近くの町に着いた」
『そうかい。なら、そろそろ今回のメンバーを送ろうか?』
「あぁ、頼むって言いたいところなんだが....今そっちにBBっているか?」
『BBかい? 少し待ってくれ』
ダ・ヴィンチちゃんがそう言うと、通信機越しにはバタバタといった音が聞こえた。そして
五分後....
『....あー、こちらダ・ヴィンチちゃん。立香君、BBなんだが恐らくそちらの世界にいると
思われる。数日前、レイシフト用の機械の前で何かやって姿が消えているのを虞美人が見ていた
らしい....』
「やっぱそうか....」
「チッ....あのポンコツAI、やっぱり来てたわね」
ダ・ヴィンチちゃんの言葉を聞き、メルトは舌打ちをしながら嫌そうな顔をした。
『そちらの世界のバリアが破れていたのも彼女の仕業というかおかげか....一先ず、BBは君達に
接触してくるだろう。接触してきたらまぁ説教でもしておいてくれ。こちらに戻った際にも
お説教はしておくよ』
「了解した」
『うむ。取り敢えずそちらに今回のメンバーの三人を送る』
「あぁ、頼んだ」
そう言うと通信が切れ、俺とメルトの目の前に魔法陣が広がった。そして、魔法陣から三人の
サーヴァントが現れた。
「ふむ、久しいなマスター」
「マスター、また会えたね」
「久し振りっすね、マスター」
「師匠! それにメリュちゃんにマンドリカルド!」
現れたメンバーは比較的問題をほとんど起こさないサーヴァント達だった。
「聞いていた通り元気そうだな。よし、ならば少し私の相手をしろ」
「へっ....?」
だが、師匠は突然そんなことを言うと俺の首根っこを掴み、引きずりながら外に行こうとした。
「ちょ、ちょっと師匠!?」
「協会に一人で乗り込んで壊滅させれるぐらいには強くなったのだろう? 少し私に付き合え」
「いやいやいや! 師匠とやっても勝てるわけねぇだろ!」
「さぁ、どうだろうな? 人の可能性というのは目を見張るものがある。特にマスター、お前は
その中でもトップクラスだ」
「無理無理無理! メリュちゃん! マンドリカルド! 師匠止めて....!」
「いやぁ....」
「ちょっと無理かなぁ....」
俺は助けを求めたが、二人は師匠から目を逸らしながらそう言った。
「うそん....」
「あぁ、マスター。一つ提案してやろう。説教と修行、どっちがいい?」
「修行でお願いします!」
「なら行くぞ」
そして、俺はそのまま師匠に引きずられて外に連れて行かれた。
~数時間後~
「せ、先生!? どうしたんですかそのケガ!」
ボロボロの姿で宿に戻ってきた俺を見て、白崎は大声を上げた。他の三人も俺のボロボロ具合を
見てただ事じゃなさそうというの察していた。
「ちょっと師匠に絞られてな....」
「し、師匠ですか?」
「あぁ....出てきても良いですよ」
俺がそう言うと、俺の背後に師匠が出てきた。
「ふむ....この者達が話に聞いていた人間達か。半分は人間ではないな」
「あの....もしかして水月先生のサーヴァントの方ですか?」
「如何にも。ランサー、影の国の女王スカサハだ」
「あの師匠....そんな真名をすぐに話さないでください。一応気を遣ってるんですけど....」
「知られたところで私は問題ない。それにこの世界には私達の歴史は無いだろう」
「だと言ってももうちょい気を遣ってください....」
そう言いながら、俺は近くの椅子に座った。
「まぁ良いだろう。それよりも....少し腕が落ちているな。これは改めて修行のつけなおしだ」
師匠はそう言いながら俺の身体にルーンを描いた。すると、俺の傷は綺麗さっぱり治った。
「はい....」
「っ!? 今何を....」
「私の魔術だ。ルーン魔術というものだ」
「リツカが使ってるのと同じ....」
「あぁ。私が教えたものだからな。魔術と槍に関しては私が教えた」
「だから師匠って言ってるんですね....」
「そういう事だ。あぁそれと、今回来たメンバーを一緒に紹介しとくか。二人とも」
そう言うと、メリュちゃんとマンドリカルドが出てきた。
「この子がランサーで、こっちはライダーだ」
「はじめまして」
「どうも....」
二人は四人にそれぞれ挨拶をしていた。
「....あれ? そういえばメルトリリスは?」
「メルトなら多分....」
「ここにいるわよ」
メルトの声が聞こえると、メルトは俺の背後にいた。
「終わったのか?」
「えぇ。外に埋めて来たわ」
「埋めて来たって....何を埋めたんですか?」
「アナタ達が知らなくていい事よ。それよりも立香、膝を貸しなさい」
「どうぞ」
「(明日になったら掘り起こしてやるか....)」
そう思いながら俺は膝に座ったメルトの頭を撫でた。