人理修復を成し遂げたマスターはありふれた世界じゃ最強に決まっている 作:アイリエッタ・ゼロス
立香side
『マスター、今こっちで迷宮の入り口らしきを見つけたぞ』
探索を始めて数時間後、師匠から連絡が入った。
「本当ですか師匠!」
『あぁ。目印を出すからこっちに来い』
「目印?」
そう呟くと通信が切れ、ここから離れた場所から花火の様な物が見えた。
「あそこか....こちら立香。全員花火が打ち上げられた所に向かってくれ。師匠が入り口を
見つけたみたいだ。俺達もそっちに向かう。....メルト、行くぞ」
「えぇ」
俺は全員に連絡をし、師匠がいると思われる場所に向かって走り出した。
~~~~
花火が打ちあがった場所に着くと、既にメリュちゃんとユエがいた。そして何故かシアは
煙を上げながら地面に倒れていた。
「....何があった?」
「スカサハさんの稽古受けたみたい」
「あぁ....そういう事....それよりも入り口は?」
「あそこ」
俺はシアを横目に、ユエが指差した方を見た。そこにはこう書かれていた。
"おいでませ! ミレディ・ライセンのドキワク大迷宮へ♪ "
「何かBBっぽさを感じるのは気のせいか....?」
「奇遇ね。私もそう思ったわ」
壁に書かれた文字を見て、俺とメルトはそう呟いた。
「....取り敢えず、四人を待つか」
~数分後~
「ここが入り口ですか....」
「でも何というか....軽いと言うか....」
「なーんかわたしみたいで鼻につきますねぇ....」
しばらくして、残りの四人もここに辿り着いた。白崎以外の三人は壁の文字を見てそう呟いて
いた。そして白崎は倒れているシアに回復魔法をかけていた。
「一回休憩してから迷宮に行くか。南雲、宝物庫から食料出して飯の準備してくれ」
「わかりました」
~~~~
「じゃ、行くとするか」
食事が終わり、俺達は壁の前に立った。
「入り口らしい扉は無し。この壁をぶち破るか。クレス」
『トゥルルルルル! "5"!』
「5か....」
クレスを呼び出してルーレットを回すと、5でルーレットは止まった。すると、クレスは
分裂して俺の腕と脚に防具として装備された。
「オラァ!」
そして、俺は壁を一発殴った。すると壁に亀裂が走り、壁一面が粉々になって崩れ去った。
その崩れ去った壁の向こうには部屋の様な空間と通路が見えた。
「当たりみたいだな」
俺がそう呟いて部屋に入ると、風切り音が聞こえた。俺は飛んできた何かを全て物理攻撃で
地面に叩き落とした。叩き落とした物を見ると、そこには鉄の矢が落ちていた。
「矢?」
「物理的なトラップか。随分古臭い物を」
「....マスター、ここに何かあるよ」
メリュちゃんがそう言った方を見ると、そこには石板があり文字が彫られていた。
"ビビった? ねぇ、ビビっちゃった? チビってたりして、ニヤニヤ"
"それとも怪我した? もしかして誰か死んじゃった? ....ぶふっ"
「うわぁ....この迷宮造った人間、絶対性格悪いっすよ」
「「「「確かに....」」」」
マンドリカルドの言葉に、南雲達四人も同意していた。
「師匠、ボスがいそうな部屋ってわかります?」
「あぁ。一際大きい魔力がある場所があるな」
「そうですか。BB、この迷宮ハッキング出来るか?」
「トラップは全部破壊しましたよ」
「OK。ならやる事は決まりだ。師匠はボスの部屋に行くルートの指示を、俺、メルト、
ライダー、ランサーで壁をぶっ壊していく。どうせ罠だらけなのはあの文章見る
感じわかるからな。まるでBBだ」
「一言余計ですよセンパイ!」
「残りの四人は周囲の警戒とモンスターが出た時に殲滅だ。良いな?」
俺はBBの言葉を聞き流して四人にそう言った。
~~~~
? side
「ちょっとちょっと!? 何でトラップ発動しないのさ!? それに何あの速さの攻撃は!?」
私は手元にあるアーティファクトを見ながらそう叫んだ。アーティストには私の迷宮を破壊して
ここに向かってくる挑戦者たちが見えていた。
「(って、あの扉....)」
そして気づけば、挑戦者達は見覚えのある扉の前に立っていた。そして....
ドンガラガッシャーン!
扉は粉々に砕かれて挑戦者達が私の部屋に入ってきた。
「(き、来たあぁぁ!?)」
~~~~
立香side
「ラストォ!」
師匠の指示通り進み続け、俺達は足場が浮いている部屋に着いた。
「師匠、ここですか?」
「あぁ」
「っ! センパイ! 何か来ます!」
「っ! 全員散れ!」
BBの言葉を聞き、俺はそう叫んで今いる足場から近くの足場に跳んだ。メルト達も他の足場に
移っており、俺達がいた足場は何者かによって破壊されていた。見ると、俺達がさっきまで
いた場所には巨大なゴーレムがいた。そして、その周囲には小型のゴーレム達もいた。
「こいつがボスか....! 白崎! お前は師匠とBBと一緒に俺達のサポート! 師匠! 白崎
頼みます! ユエ! 南雲! 俺とメルトと一緒にデカブツの相手だ! シアはランサーと
ライダーと小型の処理! 良いな!」
俺はすぐに全員へ指示を飛ばした。
「了解っす」
「ふむ、指揮の腕は落ちていないようだな」
「了解」
「仕方ないですねぇ....」
「わかりました!」
「「はい!」」
「わかった....!」
「えぇ」
全員それぞれ返事をするとそれぞれの相手に向かって行った。
~~~~
シアside
「おりゃぁぁ!」
私は武器であるドリュッケンを振り回しながら小型のゴーレムを破壊しまくっていた。だが....
「もぉ! 全然数が減らないですねぇ!?」
「質より物量って感じですねぇ....」
周囲には倒しても倒してもゴーレムがやって来ていた。
「....なら、一掃すればいい」
そう言うと、ランサーさんの身体は光り出した。そして光が収まると、ランサーさんの姿は
さっきまでのクールな姿ではなく禍々しい姿に変わっていた。
「マスター、宝具使うから」
「宝具? ....宝具!? 師匠! BB! 白崎! こっちにバリア!」
水月さんは何処か驚いた様子で白崎さん達にそう叫んでいた。
「こりゃここもヤバいっすね....一度マスターの所まで行きますよ!」
ライダーさんはそう言うと水月さん達の方に走り出した。私も後ろを追っていると、背後から
詠唱の様な物が聞こえてきた。
「朽ちる躯よりいでよ、炎の息、鉄の翼! 黄昏の空に──産声のように!
『
そして、背後にはいつの間にか巨大なドラゴンがおりゴーレムが出てきた場所に向かって
光線が発射された。
「な、何ですかあれは!?」
「あの人の....まぁ必殺技って言えばいいんすかねぇ....」
ライダーさんは腕で風を受け止めながらそう呟いた。そして、私達が入っていたバリアには
至る所にヒビが入っていた。
「外にいたら間違いなく即死でしたねぇ....」
「(いやでしょうよ!?)」
光線が発射された場所は粉砕されており、所々燃えていた。そしてドラゴンがいた場所には
姿が変わったランサーさんがいた。
「(....絶対、怒らせることはしないでおこう)」
私はランサーさんを見て固く心に誓った。
~~~~
ユエside
「ちょ、ちょっと君達何者なのさ!? 人が造った迷宮破壊して!」
「喋った....!」
「ほっときなさい。下手に喋るとペース持ってかれるわよ」
私はゴーレムが喋ったことに驚いたが、メルトリリスは一切気にした様子はなくゴーレムに
蹴りかかっていた。
「こんのっ!」
ゴーレムが腕を振るうと、宙に浮いていた足場がメルトリリスとリツカに向かって行った。
だが二人は焦った様子はなく、それぞれ足場を破壊していた。
「野郎....重力無視した攻撃と動きしやがって....」
「メルトリリスさんと水月先生の攻撃なら傷はつきましたけど....致命傷といった感じじゃ
なさそうですね....それにすぐ回復するし」
「立香、私も宝具使って良い? そろそろ飽きてきたのだけれど」
「ダメ。てか使わなくても勝てるだろ。アイツ、メルトに一点集中で明らかに南雲とユエに
対して警戒が薄い。ならその油断を利用するぞ」
「油断を利用?」
「あぁ。ユエ、カドックに教わった方法を使え。南雲も対物ライフルで攻撃しろ」
そう言うと、リツカとメルトリリスはゴーレムに向かって行った。
「カドックに教わったこと....そっか....!」
私はカドックに教わったことを思い出し、両手を重ねてゴーレムに向けた。
「"蒼天突"!」
すると、両手の前に現れた魔法陣から蒼い炎が圧縮された槍が現れゴーレムの右腕を貫いた。
「うっそぉ!?」
「やった....!」
ゴーレムが驚いていると、隣から銃撃音が聞こえた。見るとハジメがスナイパーライフルを
構えており、放った弾丸はゴーレムの左腕を貫いていた。
「何でぇ!?」
「気を取られすぎよ!」
「そこだ!」
ゴーレムが状況を理解できないでいると、メルトリリスとリツカは両足を斬り落とし粉々に
粉砕していた。
「....ちょ、ちょっとタンマ!」
「無理よ。さっさと落ちなさい! ヴァリアシオン・パラディオン!」
「いやぁぁぁ!?」
メルトの一撃はゴーレムの心臓部分を貫き、ゴーレムの目からは光が失われ奈落の底に
落ちていった。
「うふふふふ。良いわその悲鳴....! その悲鳴を聞けただけでも時間をかけた甲斐があったわ」
そう言って、メルトリリスは高らかに笑っていた。
「「ドSだ....」」
そんなことを呟いていたら、突然足場が繋がり一つの扉の前に繋がった。
「この先か。みんな行くぞ」
リツカはそう言って、メルトリリスと先に扉の方に走っていった。