人理修復を成し遂げたマスターはありふれた世界じゃ最強に決まっている 作:アイリエッタ・ゼロス
あの後、俺達は移動することになりハイリヒ王国という国にいた。そして王宮の
玉座の間に着き国王やら上流階級の人間の紹介を受けた。そして現在、晩餐会が
始まりガキどもは豪華な晩飯を食っていた。俺はそれを横目に見ながらバルコニーで
城の外観を見ていた。
「(ギルガメッシュ王の城の方がよっぽど綺麗だったな....)」
そんな事を考えていると一人の人間が近づいてきた。見ると、その人間はこの国の
王女だった。
「何か用か王女さん」
「いえ....その、先程からお食事を取られていなかったので....お口に合いません
でしたか?」
「あぁ....気にしないでくれ。単に信用できてないから口にしてないだけだ」
「信用、ですか....」
「あぁ。急に呼び出して戦争に参加しろって言ってきた連中の出したもんだ。毒とか
催眠の類の物が入ってるかもしれないからな。アイツ等、よく警戒なく食えるな....」
「っ....それについては申し訳ありません」
そう言うと、王女さんは頭を下げてきた。
「謝罪はいらんさ。てか、王女のアンタがそう簡単に頭を下げていいのか?」
「体裁よりも誠意の方が大事です」
「へぇ....」
「(....その年でそれがわかってんのか)」
俺は王女さんの言葉に素直に感心した。
「王女さん、アンタなかなか面白い人間だな」
「えっ?」
「信用なんねぇ連中ばかりと思ったがアンタは別だな。一先ずアンタの事は信用する。
アンタの誠意に免じてな」
そう言って、俺はバルコニーから離れようとした。
「お、お待ちください! お名前、何というのですか?」
「俺か? 水月 立香だ。じゃあな王女さん」
そう言って、俺はバルコニーから離れた。
~~~~
晩餐会が終わり、俺達は各々一人部屋が与えられた。
「さて....どう動いたもんか」
そう呟きながらベッドに寝転がると、俺の目の前にクレスが現れた。
『オイオイ! 随分厄介ごとに巻き込まれたなぁ!』
「全くだ。ま、カルデアにいた頃の巻き込まれ事故に比べりゃまだかわいいもんだがな」
『ギャハハハ! それは違いねぇ!』
「ま、今は情報収集優先だ。どんな時でも場所でも情報は命を左右するからな」
『ま、定石だな。何かあったら呼べよ。いくらでもルーレットを回してやるからよ!』
そう言うとクレスは姿を消した。
~~~~
次の日
「俺は騎士団長のメルド・ロギンスだ! お前達の戦闘指導教官に当たる人間だ。これから
よろしくな!」
「(騎士団長前線行かなくて良いのかよ....)」
次の日の朝、俺達は外に集められ騎士団長の話を聞いていた。そして一人一枚銀色の
プレートと針を渡されていた。
「全員に配られたな? このプレートは、ステータスプレートと呼ばれていて文字通り自分の
客観的なステータスを数値化して示してくれるものだ。身分証明書代わりにもなるから
失くすんじゃないぞ」
メルドは笑いながらそう言った。
「プレートに魔法陣があるだろ? そこに血を一滴たらしてくれ。そうすれば所持者が
登録される。ステータスオープンと言えば表に自分のステータスが表示されるはずだ。
原理とか聞くなよ? そんなもん知らないからな。神代のアーティファクトの類だ」
「アーティファクト、ねぇ....」
そう呟きながら、俺はプレートに血を垂らした。すると魔法陣が光りプレートに文字と
数値が現れた。
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水月 立香 22歳 男 レベル:1
天職:マスター
筋力:C++
耐久:C+
敏捷:D+
魔力:D
幸運:C
技能:英霊の加護・幻霊の加護・神霊の加護・召喚術・ルーン魔術・槍術・剣術・弓術・
体術・砲術・物理耐性・魔法耐性・毒耐性・精神耐性・状態異常耐性・第六感・魔力操作・
縮地・魔力感知・気配感知・威圧・言語理解
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「(CにDって....サーヴァントみたいだな。てか俺人間か?)」
そんな事を思いながら俺はステータスを見ていた。
「全員見れたな? 説明するぞ? まず、最初にレベルがあるだろう? それは各ステータスの
上昇と共に上がる。上限は100でそれがその人間の限界を示す。つまりレベルは、その人間が
到達できる領域の現在値を示していると思ってくれ。レベル100ということは人間としての
潜在能力を全て発揮した極地ということだからな。まぁそんな奴はそうそういない」
「(RPGと同じだな....)」
「ステータスは日々の鍛錬で当然上昇するし、魔法や魔法具で上昇させることもできる。
また魔力の高い者は自然と他のステータスも高くなる。詳しい事は分かっていないが、
魔力が身体のスペックを無意識に補助しているのではないかと考えられている。それと、
後でお前達用に装備を選んでもらうから楽しみにしておけよ。救国の勇者御一行だからな。
国の宝物庫大解放だぞ!」
「(武器ねぇ....丁度良い物あったら貰っとくか)」
「次に天職というのがあるだろう? それは言うなれば才能だ。末尾にある技能と連動していて、
その天職の領分においては無類の才能を発揮する。戦闘系天職と非戦闘系天職に
分類されるんだが、戦闘系は千人に一人、ものによっては万人に一人の割合だ」
「(少な....よく戦争やろうと思ったな)」
「後の各ステータスは見たままだ。大体レベル1の平均は10くらいだな。まぁ、お前達なら
その数倍から数十倍は高いだろうがな!」
「(数値....?)」
その言葉を聞き、俺はステータスプレートを見た。
「(数値....何で俺のはアルファベットなんだ?)」
俺は不思議に思いながら近くにいた南雲に声をかけた。
「南雲」
「す、水月先生....! どうかしたんですか....?」
「お前、ステータスどんなだった?」
「ス、ステータスですか....」
俺の言葉に南雲は落ち込んだような表情になった。
「....どうした?」
「いえ....その、ほんとに平均的な数値だったんで....」
そう言いながら南雲はプレートを見せてくれた。見ると南雲のステータスは全ての欄が
10だった。
「(数値化されてんな....それに筋力魔力敏捷は同じだが違うのが三つある....)」
「俺の壊れてんのか?」
俺はそんな言葉が思わずそんな言葉が出た。
「どういう事ですか?」
「ん? ほれ」
俺は南雲にプレートを渡した。
「っ! ホントだ。ステータスの部分が違う....というか、技能多っ!?」
「ん? どうかしたのかお前達」
南雲の声に反応したのか、俺達の方にメルドが歩いてきた。
「いや、俺のステータスが変だったんでな」
「変?」
「あぁ。南雲」
「は、はい」
南雲はメルドに俺のプレートを渡した。すると、メルドは首を傾げた。
「ん~? ステータスの部分が変だな....少し待っていろ」
そう言うと、メルドは新しいプレートを持ってきた。
「もう一度やってみてくれ」
「あぁ」
俺は再びプレートに血を付けステータスを見たが、さっきと同じ文字が出てきた。
「故障、というわけではなさそうだな....」
「みたいだな」
「ふむ....一先ずこちらでも調べてみよう」
「そうか」
「あぁ、それと....」
メルドは周りに聞こえないぐらいの声でこう言ってきた。
「魔力操作は隠しておけ。見つかると面倒だ」
「....わかった」
そう言うと、メルドは南雲のステータスを見始めた。
「錬成師か....まぁいわゆる鍛冶職だな....」
「おいおい、南雲~。お前、そんなんで戦えるわけ?」
「戦うかどうかは南雲の決めることだぞ、檜山」
そう言いながら、俺は檜山を見た。すると檜山は俺の視線にビビったのか身体を
震わせた。
「(まぁ、南雲が覚醒すればある意味トップクラスの戦力になるかもな....)」
そう思いながら俺は南雲を見た。
~~~~
その日の夜
部屋で図書館にあった本を読んでいると、部屋の扉が叩かれた。
「(誰だこんな時間に....)」
そう思いながら扉を開けると、扉の前には畑山先生がいた。
「畑山先生。どうしたんですかこんな夜中に」
「す、すみません....あの、少しお話したいことがありまして。生徒の皆にはあまり
聞かれたくなくて....」
「はぁ....まぁどうぞ」
そう言って、俺は畑山先生を部屋に入れた。
「で、話っていうのは?」
「その、昨日は皆を止めてくれてありがとうございました。それと、ごめんなさい!」
俺が椅子に座ると畑山先生は頭を下げてきた。
「ごめんって....何の謝罪ですか? 俺別に謝罪されるようなことしてませんけど....」
「いいえ! 私が水月先生を頼ったばかりに水月先生は人を....」
畑山先生の言葉に、俺は何となく察した。
「あぁ....そんな事ですか」
「そんな事って....!」
「人を殺したのは別にあれが初めてじゃないんで....それに、俺は間違った選択をしたと
思っていませんよ」
「それは、どういう事ですか....?」
「....畑山先生。あまり人の過去にズカズカ踏み込もうとするのは止めた方が
身のためっすよ」
そう言いながら、俺は畑山先生に殺気を向けた。その殺気に畑山先生は身体を震わせていた。
「....ま、後者については話しましょうか。あの時、向こうに取引させたのは死者を
少なくするためですよ」
「死者を、ですか....」
畑山先生は身体を震えさせながらそう言った。
「えぇ。あのまま流されるように戦争に参加すれば全滅がオチです。ならやりたい奴だけに
やらせればいい。そうすればやりたくない奴は戦争で死なずに済む。この時点で数人は
死なずに済む、そうは思いませんか?」
「確かにそうですね....でも....」
「戦争に参加するって言ったやつらは好きにさせればいいんですよ」
「でも!」
「アイツ等もあと数年すれば大人です。生徒を導くのは教師の役目。結構な事ですが、
善悪の区別を考えさせるのも大事じゃないですか? 教師がそこまで教える義理は正直無いと
思いますよ」
「....」
俺の言葉に畑山先生は何も言えなくなっていた。
「ま、考えさせるのも教師の仕事ですよ。....さ、そろそろ寝るんで部屋に戻ってください。
畑山先生も早くの寝た方が良いですよ」
「そうですね....夜分遅くにすみません。じゃあ、おやすみなさい」
そう言って畑山先生は部屋から出て行った。
「教師の仕事、ね....」
「(師匠だったらこんな時なんて言ったんだろうな....)」
そんな事を考えながら俺も眠りに就いた。
~~~~
? side
「ダ・ヴィンチ、今いるメンバーのほとんど集めたぞ」
「あぁ、ありがとうエミヤ」
私は赤い外套を纏った浅黒い男にそう言った。
「急に集めてすまない皆。全員に共有しておかなければならないことがあって
集まってもらった」
「共有しておかなければならないこと?」
「あぁ。....数時間前、マスター君の魔力と似た反応が感知された」
そう言った瞬間、食堂の空気は一変した。
「そ、それ本当なの!?」
「あぁ。だが、まだマスター君と決まったわけではない」
「マスターはどこにいるのよ?」
「....並行世界。この世界とは別の世界だ」
「あっそ。ならさっさと行くわよ」
「待ちたまえ! 行くのは並行世界だ。レイシフトとはまた訳が違う。だから最低でも
一週間は待ってほしい。並行世界に行けるように私と技術職のサーヴァント達で
調整をかける。皆にはそれまでいつでも行けるように準備をしておいて欲しい」
「....わかったわ」
「じゃあ技術職のサーヴァントは私と一緒に。他の皆はここにいないサーヴァントと....
マシュにも伝えてあげてくれ」
その言葉を最後に、サーヴァント達は解散した。
「(さて、天才の誇りにかけて必ず見つけるよ。立香くん)」
立香とビーストの人格は....
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同じ
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別人格