人理修復を成し遂げたマスターはありふれた世界じゃ最強に決まっている 作:アイリエッタ・ゼロス
立香side
『おそらく宝具を使った影響だろうね。あの二人の宝具、広範囲かつ高出力の宝具だ。
魔力の消費量が単体宝具とは桁違いだ』
「なるほど....」
宿の部屋で俺はダ・ヴィンチちゃんに連絡を取っていた。
『それと虞美人だが、恐らくそっちの世界の魔力をこっちの世界の魔力に変換して
いるのだろう。だから魔力の消費がほとんどない』
「パイセンが消えなかったのはそういう理由か....相変わらずチートだな」
『ま、本人が戻ろうとすれば勝手にこっちに戻りそうだよ。魔力切れでこっちに戻る事は
無いだろうけどね』
「了解」
『それと、次のメンバー三人を明日送るよ』
「わかったよ」
俺がそう言うと通信は切れた。
「だそうですよパイセン」
「ふーん。じゃ、好きにさせてもらうわ」
俺は部屋にいたパイセンにそう言った。すると、パイセンは霊体化して消えた。
「いいの? 自由にさせて」
「ま、大丈夫だろ。パイセンだし」
「そう言って厄介なことになったことあるわよ....」
俺の言葉にメルトは何処か呆れたような様子でそう言った。
「その時はその時だ。さ、明日はどうする?」
「そうね....買い物にでも行きましょうか。ま、明日来るメンツ次第だけど」
「わかったよ」
そう言って、その日は眠りに就いた。
~次の日~
「さて、誰が来るのやら....」
そう呟くと、俺とメルトの目の前に魔法陣が現れた。魔法陣は光り出し、光が収まると
魔法陣の上にいた誰かが俺の方に走ってきた。
「おかあさーん!」
「ジャック!」
走ってきたのはジャックで、ジャックは俺に抱き着いてきた。
「えへへ、おかあさん久しぶり! 会いたかった!」
「俺も会いたかったぞジャック。相変わらず元気だな」
「うん!」
「フフフフ....ますたぁ様、お元気そうで何よりです」
そう言ってジャックを抱っこしていると、突然背後から背筋が凍るような声が聞こえてきた。
「(....マジで? 滅茶苦茶怒ってる....)」
「どうしたのですますたぁ様? わたくしの方を見てくれないのですか?」
「(振り向いたら、死ぬ!)」
俺は背中から嫌な汗が流れ、咄嗟にジャックを下ろしてこの場から逃げた。
「ダメですよますたぁ様....わたくしから逃げるなんて、許しません!」
そう叫びながら、清姫は俺を追いかけてきた。
「何で地獄の鬼ごっこしなきゃならねぇんだ!」
~~~~
メルトside
「奴がいると、やはり騒がしいな」
立香が清姫と鬼ごっこを始めて姿が見えなくなると、一人静観していた男はそう言った。
「そうね。アナタも久し振りね、巌窟王」
今回来たサーヴァントの最後の一人は巌窟王だった。
「あぁ。貴様も久しいなメルトリリス。相変わらず刃物のような女だな」
「それはどうも」
「(前に会った時よりも気配が違うわね....)」
私はそう思いながら巌窟王を見た。すると、ジャックが私の袖を引っ張った。
「メルトリリス、おかあさん追わないの?」
「....少しして戻って来なかったら探しに行くわ」
そう言った十分後、私とジャックは一緒に立香を探し始めた。巌窟王は巌窟王で立香を
探すために何処かに行った。
~~~~
「まったく....何処まで逃げてるんだか....」
立香の魔力を追いながらしばらく町中を歩いているが、なかなか立香と合流しなかった。
「あれ? メルトリリスさん?」
どのように合流するかを立ち止まって考えていると、突然声をかけられた。声の方を見ると、
シアと南雲がいた。そして、何故か二人は小さな女の子と手を繋いでいた。
「アナタ達....その子どうしたのよ」
「下水道に落ちていたのを助けたんです。それで保安署に預けようと思って....それよりも、
そちらの女の子は?」
「今回来た立香のサーヴァント」
「メルトリリス。この人たち、解体しちゃダメ?」
「ダメに決まってるでしょ。立香に怒られるわよ」
「はーい....」
ジャックの問いかけに私はそう返して解体させるのを止めた。ジャックは少し残念そうな
表情をしたが、私はシア達を見ている男の方を見てこう言った。
「でも、あそこにいる男どもは解体しても良いわよ。敵みたいだから」
「本当! やった!」
ジャックはそう言うとナイフを抜いて物陰からこっちを見ている男達に攻撃を仕掛けた。
男達はジャックの動きに翻弄され四肢を解体されていた。
「一人だけ生かしなさい。聞きたいことがあるわ」
「はーい!」
そう言うと、ジャックは一人だけを残して他の男どもを解体した。そして、私は一人残った
男の前に立った。
「さて、アナタはどこの誰かしら? 正直に話すなら四肢も治して助けてあげるわ。もしも
断るなら、お仲間の様になるけど?」
「お、俺達はフリートホーフの構成員だ!」
男は脅しが効いたのかペラペラと話し始めた。
「フリートホーフって何?」
「じ、人身売買をしている裏組織だ!」
「何でこっちを監視してたの?」
「そ、そこの海人族のガキを連れ戻すためだ! そいつは商品なんだよ!」
「ふーん。つまりクズの集まりって事ね。この近くに拠点があるのかしら?」
「あ、あぁ! ここを右に曲がって20m行った所の家だ!」
「そ。なら用済みね。ジャック、解体していいわよ」
「お、おい! 話しがちが....!」
男は何かを言おうとしたがジャックによって解体されてしまった。
「はぁ....面倒増やしてくれたわねアナタ達」
「「す、すいません....」」
「ま、子供助けて偶然こうなったから大目に見てあげるわ。さてと....」
私はパーカーの袖を空に向けた。すると、袖の下からリヴァイアサン達が出てきた。
「南雲、シア、この子達預けておくからその子供をイルワの所にでも連れて行きなさい。
ギルドまでは攻めてこないでしょ。で、ギルドに裏組織潰してるから逃げてきた捕まってた
人間の保護しろって言っておきなさい。私はフリートホーフの拠点を潰してくるわ。行くわよ
ジャック」
「はーい! またね!」
そう言って、私とジャックは拠点の方に歩いて行った。その途中、私は立香に念話をした。
『立香、私だけど』
『何だメルト! 今取り込み....! あっぶね!?』
『まだ逃げてたのね....一応事前報告しておくけど、今からフリートホーフっていう裏組織
潰すから。何か起きてもほっといて大丈夫よ』
『あぁ分かった!』
そう言うと立香からの念話は切れた。
「はぁ....ジャック、敵は好きに解体していいわよ」
「やったー! ありがとうメルトリリス!」
「(さっさと終わらせましょうか....)」
そう考えながら私はフリートホーフのアジトの扉を蹴り飛ばした。
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立香side
「ぜぇ、ぜぇ....」
「(キッツ....! マジでそろそろヤバい....)」
俺は屋根の上を走りながらそう考えていた。一瞬背後を見ると、眼が怪しく光る清姫が
追いかけてきていた。
「(どうっすかな....一度室内に入って....!)」
そう思った俺は近くの七階建ての建物の窓を蹴破って中に入った。
「っ!? 何者だテメェ!」
「悪い悪い! 今ちょっと....」
俺は中にいた男の顔を見ると、ある事が思い浮かんだ。
「(....コイツ、明らかに表の人間じゃねぇな)」
男の服装や顔つき、そして周りにいた三下みたいな連中を見てこの男達はいわゆる裏組織の
人間だと思った。
「テメェ....! まさか襲撃者の一味か! フリートホーフの本拠地に手を出して生きて
帰れるとは思ってねぇだろうな! テメェ等やっちまえ!」
ボスみたいな男がそう叫ぶと、周りにいた三下連中は俺に襲い掛かってきた。
「っ! めんどくせぇ....!」
俺はクレスを呼び出して連中を斬ろうとしたのだが、それよりも早く三下連中は黒い炎に
よって燃やされていた。
「この炎....まさか....!」
俺が自分の影を見ると、そこには巌窟王がいた。
「巌窟王!」
「また会えたな、我が共犯者。....再会の言葉は、ここを抜けてからにするぞ」
「OK!」
そう言って武器を構えようとした時、今度は蒼と赤の炎が男達を包み込んだ。
「ますたぁに剣を向けるとは....許しておけませんねぇ」
すると、窓から清姫が第3再臨の姿になって現れた。
「マスター....今のうちに逃げておけ。奴等は俺が止めておこう」
「助かる....! じゃあ頼んだぞ!」
そう言って、俺は道を塞ぐ三下連中を潰しながら外に出た。