人理修復を成し遂げたマスターはありふれた世界じゃ最強に決まっている   作:アイリエッタ・ゼロス

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増えた同行者/立香がいなくなったカルデアでは

「倒壊した建物十棟、半壊した建物四棟、消滅した建物六十一棟、死亡が確認された

 フリートホーフの構成員十八名、行方不明者三百名以上....で、何か言い訳はあるかい?」

「俺はほとんど手を出してねぇって....やったのここにいる四人だし」

 そう言いながら、俺は膝に乗せたジャックの頭を撫でながらそう言った。

 

「ますたぁ、わたくしも撫でてくださいませ?」

「はいはい....」

 あの後、結局俺は清姫に捕まった。そして、しばらく炎で燃やされながら説教されて令呪を

 三画奪われた俺はフューレンのギルドの応接室に来ていた。隣にはメルトと清姫が座っており、

 膝の上にはジャックが乗っていた。そして俺の背後に南雲達と巌窟王が立っていた。

 

「はぁ....やり過ぎだと思うが、私達も裏組織に関しては手を焼いていたからね....今回の件は

 正直助かったといえば助かったとも言える」

「そうか....」

「さて....それで、そのミュウ君についてだが....」

 イルワはシアが抱っこしている海人族の女の子を見てそう言った。ミュウと呼ばれた女の子は

 不安そうに南雲とシアを見ていた。

 

「こちらで預かって正規の手続きでエリセンに送還するか、君達に預けて依頼という形で

 送還してもらうか....二つの方法がある。君達はどっちがいいかな?」

「んなもん、そっちに預けて....」

「水月さん! 私絶対、この子を守ってみせます! だから、一緒に....お願いします!」

 俺はそう言ってイルワに預けようとしたが、シアが俺の前に立って頭を下げてそう言ってきた。

 

「お前なぁ....危険だってわかってるのか?」

「わかっています! でも! 私がちゃんと守りますから! だから!」

「....はぁぁぁ。わかったわかった。じゃあちゃんと面倒見ろよ」

 俺はシアが絶対に引かないと思い、渋々同行を許可した。

 

「ありがとうございます!」

「お兄ちゃん! ありがとうなの!」

「はいはい....」

「....いやはや、本当に君達は凄いね。先程、私の部下から連絡があったがウルで万を超える

 魔物達を撃退したそうだね」

「あぁ....有象無象の類だったから楽だったがな。あの数が統率取れて動かれたら流石に

 何人かは死んでただろうけどな」

「それでも全滅はしない、か....君達と敵対は本当に避けた方が良さそうだ」

 イルワは何処か疲れた様子でそう言った。

 

「取り敢えず、話は以上だ。ミュウ君の事、どうかよろしく頼むよ」

「あぁ」

 そう言って、俺達は応接室を出た。

 

 ~~~~

 

「えっと、こっちがバーサーカー、こっちがアヴェンジャー。で、この子がアサシン」

「確かジャックちゃんですよね?」

 俺が今回来たメンバーを紹介しているとシアがそう言ってきた。

 

「何で真名を....」

「ごめん立香....私がうっかりジャックって呼んでたわ....」

 すると、メルトが申し訳なさそうな表情でそう言った。

 

「そうか....ま、そんな時もあるから気にすんな。....てなわけで、アサシンのジャックだ」

「ジャックだよ! よろしくねおねえさんたち!」

「ジャックでアサシンって....」

「まさか、この子ジャック・ザ・リッパーですか!?」

 南雲はジャックが何者かに気づいたのか驚きながらそう叫んだ。

 

「流石に知ってるか」

「ハジメ、ジャック・ザ・リッパーって....?」

「....僕達の世界で、最も有名な連続殺人鬼だよ。正体がわからず、都市伝説って言われてる

 ぐらいの....」

「こんな子供が....」

 南雲の説明を聞いてユエ達は驚いた表情でジャックの方を見ていた。

 

「ジャック・ザ・リッパーって女の子だったんですね....」

「ま、俺が召喚したジャックはな」

「....? どういうことですか?」

「召喚される場所、時代、マスター、クラスによって姿が変わるらしい。誰にも正体が

 分からなかったから様々な噂が生まれて正体についても色々な可能性があるとされてるから、

 もしかしたら大柄の男のジャックが召喚される可能性もあったんだと」

「な、なるほど....」

「ま、こんな子供のサーヴァントは珍しいからな。カルデアにも何人かこれぐらいの年頃の

 サーヴァントはいるがな。普通に人間よりも強いぞ」

 そう言いながら、俺はジャックの頭を撫でた。ジャックは嬉しそうな表情をしており、俺の

 肩の上に乗ってきた。

 

「えへへ、おかあさん」

「おかあさん....?」

「....そういう呼び方ってだけだ。あまり深く考えるな」

「は、はい....」

「んじゃ、今日は解散。明日もう一日観光したらホルアドに行くぞ」

 俺はそう言ってサーヴァント達を引き連れて南雲達と別れた。

 

 ~~~~

 

「zzz....」

「えへへ~、ますたぁ....」

「寝たわね」

「あぁ....」

 パイセンと合流し、俺はサーヴァント達を連れて酒を飲んでいた。だが、ジャックは眠くなった

 のか俺の膝の上で眠り、清姫も寝言を呟きながら俺に抱き着いて眠っていた。

 

「相変わらずだな、おまえは」

「甘いってか? 昔に比べりゃ、随分冷酷になった方だと思うがな....」

「どうだか....冷酷だったら、あの時にガキども殺してるわよ」

「....」

「ほら見なさい」

「あーあー、聞こえない聞こえない」

 俺はパイセンの言葉を無視しながら酒を飲んだ。

 

「そういや、俺いなくなってからカルデアってどうなったんだ? 清姫、随分暴れただろ?」

 俺は今日の出来事を思い出しながら巌窟王にそう聞いた。

 

「その女だけじゃない。溶岩水泳部の残り二人、冥界の女王、ビーストⅡ、インドの方の

 ビーストⅢ、黒い聖女、そこのアサシン、ビーストⅥ候補、人斬り....上げていけばキリが

 ない程のサーヴァントがそれはもう大暴れしたぞ」

「大暴れした連中は力づくで止めたわよ。おかげでストームボーダーは半壊、艦長とあの

 所長、頭抱えてたわよ」

「やっべ....絶対説教される」

「バカか。奴等以外にも説教しようとしているサーヴァントは多いぞ」

「頭いてぇ....」

 巌窟王の言葉を聞き、俺は頭を抱えた。

 

「そういえば、退去したサーヴァントはいるの?」

 すると、メルトがそんな事を聞いた。

 

「いや、退去したサーヴァントは0だ。全員、揃いも揃ってカルデアに残っている」

「へぇ....てっきり何人かは退去したものだと思ってたけど」

「退去するとしても一目会って文句を言ってからだそうだ」

「良かったわね後輩」

「何もよくねぇよ!」

「ま、お前がいなくなってからはそんな感じだ。特異点も発生したがクリプターのあの男と

 マシュが代理で指揮を執っていた。一度この女が指揮を執ったが....まぁ酷いものだったな」

「余計なこと言うんじゃないわよ!」

 巌窟王が余計なことを言ったため、パイセンは巌窟王に向かって剣を振り下ろした。それを

 巌窟王は素手で受け止めていた。

 

「まぁパイセン、そういうのドへたくそっすもんね」

「はっ倒すわよ後輩!」

「事実でしょうが! 欠陥してるんですよパイセンの指揮は!」

「こんの....! 表出なさい後輩! ぶっ飛ばしてやるわ!」

「上等だ! やってやろうじゃねぇか!」

 そう言って俺とパイセンは表に出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「....あの二人、途中から酔ってたわね」

「あぁ。大して強くないのに勢いよく飲むからだ。あの女もあの女で度数の強いのを

 ガンガン飲んでいたしな」

「バカね....」

「あぁ。言い返せない程のバカだ。だが、そのバカに惚れた貴様はもっとバカだな」

「余計なお世話よ....」

 

 

 

 

 

 

 

 

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