人理修復を成し遂げたマスターはありふれた世界じゃ最強に決まっている   作:アイリエッタ・ゼロス

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ホルアド到着

「ようやく着いたな。さて、じゃあギルドに向かうか」

 ホルアドに着いた俺はそう言ってギルドの方に歩こうとした。だが、突然首根っこと

 袖を引っ張られた。

 

「ぐえっ」

「後輩。ちょっとお金貸しなさい。あそこの賭場で一儲けしてくるわ」

「おかあさん! あれ食べたい!」

 首根っこを引っ張ったのはパイセンで袖を引っ張ってきたのはジャックだった。

 

「急に引っ張らないでくれません....? てかパイセン、ギャンブルクソ雑魚じゃないっすか。

 絢爛ラスベガスで一回も勝てなかったでしょ?」

「あ、あの時は運がなかっただけよ! 良いからさっさと貸しなさい! 勝ったらおまえにも

 得はあるでしょ! それに負けっぱなしなんてプライドが許さないわ!」

「勝てばの話でしょうが....まぁ良いっすよ。無駄に金も余ってるんで」

 俺は呆れながらそう言ってパイセンにいくらか金の入った袋を渡した。

 

「言っときますが、それ以上は貸さないっすよ」

「これだけあれば十分よ。見てなさい! 後でおまえは私に感謝することになるわ!」

 そう言うと、パイセンは機嫌良さそうに賭場の方に歩いて行った。

 

「....メルト、悪いがパイセン見といてくれ。あれ、絶対負けると思う」

「面倒ね....はぁ、まぁ良いわ」

 俺は申し訳ないと思いながらメルトにそう頼んだ。すると、メルトは心底呆れながらも

 了承してくれてパイセンの後を追っていった。

 

「それで、ジャックはあれが食べたいんだな。なら一緒に行こうか。南雲、お前等先に

 ギルドの方に向かってくれ。買った後、俺達も向かうから」

「分かりました」

 そう言って、俺は南雲達と別れてジャックの食べたい物を買いに行った。

 

 ~~~~

 

「おかあさんありがとう!」

「あぁ。清姫は何かいるか?」

「わたくしはますたぁと一緒にいることができれば他には何もいりません」

 ジャックの食べたい物を買った俺は、ジャックを肩車していた。そして、腕には清姫が

 抱き着いていた。

 

「そうか。じゃあ、そろそろギルドの方に向かうか」

 そう言って、俺達はギルドの方に向かった。だが、ギルドの方に近づくに連れて随分周囲が

 騒がしくなっていった。

 

「(随分騒がしいな....)」

 そう思いながら歩いていると、いつの間にかギルドの前に着いた。すると、ギルドの前に

 南雲達が待っていた。

 

「あれ、お前等入ってなかったのか?」

「だって水月先生がイルワさんからの手紙持ってるじゃないですか」

「あー....そうだったな。悪かったな待たせて」

「いえ。じゃあ入りましょうか」

 そう言って、俺達はギルドの中に入った。ギルドの中は随分空気が重苦しく、どことなく

 ピリピリした雰囲気であった。そして、ギルドにいた冒険者達は俺達に向かって殺気が

 籠った眼で見てきた。その眼で見られたためか、ミュウは南雲の背後に隠れていた。

 

「....ねぇおかあさん。あいつら解体しても良い?」

「ますたぁ....あの方達、燃やしてしまって構いませんよね?」

 すると、殺気を向けられたためか、二人がそんな物騒なことを言ってきた。

 

「ダメに決まってるでしょうが....わざわざ余計な死体増やさないの」

「でも、あいつらおかあさんに向かって殺気向けたよ? なら敵でしょ?」

「....はぁ。じゃあ俺が一手動いてもかかってくるようなら解体しても良いよ」

 そう言って、俺は一歩前に進んだ。すると、地面に脚をつけた瞬間、踏み込んだ場所は

 粉々に砕けた。そして、周囲に向かって殺気が飛び散った。その殺気を受けた冒険者達は

 その場で動きが止まった。

 

「....そういうわけだ。下手なことをしたらその首が飛ぶと思え。分かったな....?」

 俺は声を低くして冒険者達を睨みながらそう聞いた。冒険者達はそれを聞くと高速で首を

 縦に振った。

 

「先生....急に殺気飛ばさないでくださいよ....」

「悪い悪い。はぁ....」

 俺はため息をつきながら殺気を押さえて受付に向かった。

 

「悪いな騒がしくして。フューレンのギルド支部長から手紙を預かっている。ここの支部長に

 渡してくれ」

「は、はい....お預かりします....え、えっと、フューレン支部のギルド支部長様からの

 依頼....ですか?」

「あー....まぁそんなとこだ」

「も、申し訳ありませんが、ステータスプレートを拝見してもよろしいでしょうか....?」

「あぁ」

 何処か怯えた表情の受付嬢はそう言ってきたので、俺はステータスプレートを渡した。すると、

 受付嬢はステータスプレートを見ると目を見開いた。

 

「き、金ランク!?」

 受付嬢のその言葉で、何故か周りの冒険者達とギルドの職員はざわつき始めた。すると、

 ざわつきを聞いてステータスプレートを見た受付嬢は顔を青ざめた。

 

「も、申し訳ありません! 本当に、申し訳ありません!」

「あー....別に良い。取り敢えず、支部長に取り次いでくれ」

「は、はい! 少しお待ちください!」

 受付嬢はそう言うと、慌てたように奥の方に消えていった。そして少しすると、ギルドの

 奥から何かが走ってくる音が聞こえた。受付嬢が来たのかと思い、音が聞こえた方を見たが、

 そこにいたのは受付嬢ではなく全身黒装束の男だった。

 

「(何だあの男....)」

 そう思いながらも、俺は特に興味がなかったので視線を逸らすと南雲と白崎がこう呟いた。

 

「「遠藤くん?」」

 

 

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