人理修復を成し遂げたマスターはありふれた世界じゃ最強に決まっている 作:アイリエッタ・ゼロス
「さて、一撃で潰すか....」
そう呟き、俺はスライムの核に向かって"道具作成"で作った槍を、魔力を乗せてスライムに
向かって投げた。槍はとんでもない速さで飛んで行き、スライムの核を粉々に破壊した。核が
破壊されたスライムは身体が崩れ、オアシスの中に水となって消えていった。
「終わり終わりっと。おそらく毒を撒いてた原因は殺した。これで毒がこれ以上広がることは
無いはずだ。ま、オアシスには奴の毒素が残ってるかもしれねぇ。上手いこと毒素のある水だけ
排出すれば元に戻るだろ」
俺はランズィにそう言った。
「そう、か。....感謝する、水月殿。しかし、あのバチュラムらしき魔物は一体なんだったのか....
新種の魔物が地下水脈から流れ込みでもしたのだろうか....」
「いや、どっちかっていうと魔人族が送り込んだものじゃねぇか?」
「魔人族だと!? 水月殿、貴殿がそう言うからには思い当たる事があるのか....?」
「確証はねぇが....ウルの町襲って勇者にも襲撃を仕掛けた。その時に見慣れない魔物もいた気が
するからな。そこらを考慮したら可能性は高いだろうな」
「魔物のことは聞き及んでいてこちらでも独自に調査はしていたが....よもや、あんなものまで
使役できるようになっているとは....見通しが甘かったか」
「向こうもそれなりに本気ってこった」
「そうか....水月殿、貴殿は冒険者と名乗っていたがその強さ....香織殿と同じ....」
「おっと、それ以上言ってくれるな。別に俺は正義の味方って訳でもないんでな」
俺がそう言うと、ランズィは言おうとした言葉を止めた。
「そ、そうか....水月殿、アンカジ公国領主ランズィ・フォウワード・ゼンゲンは、国を代表して
礼を言う。この国は貴殿等に救われた」
「その礼はこの国の人間を助けてから改めて聞かせてもらう。....ここでやることは終わった。
さっさと戻るぞ」
俺はそう言って白崎達のもとに向かった。
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「白崎」
「先生! そっちは終わったんですか?」
医療院に着き、俺は白崎に声をかけた。白崎は俺に返事しながらも患者達の治療を行っていた。
「あぁ。元凶は潰した。毒もしばらくしたら消えるはずだ。それよりも今から大火山に向かう。
大体持つとしたらどれくらいだ?」
「三日....いえ四日は持たせます」
「十分だ。なら南雲とユエは借りていくぞ。あいつ等には神代魔法を覚えてもらう必要が
あるからな」
「わかりました」
「シア! お前は引き続き白崎のサポート! ティオ! お前はミュウ見ながら手伝ってやって
くれ!」
「わっかりましたぁ!」
「了解じゃ」
「それとメルト。悪いがここに残ってくれないか?」
俺は後ろにいるメルトを見てそう言った。
「....一応、理由を聞いても?」
「場所は火山。はっきり言ってメルトと相性が最悪レベルだ。それにさっきの魔物。魔人族の
仕業だとするのなら周辺にいる可能性も0じゃない。下手すりゃ襲撃のある可能性もある。もし
そうなった時に戦力は置いておきたい」
「....ま、筋は通ってるわね」
「そういうわけだから....頼むメルト。さっさと攻略して戻ってくるからさ」
俺はそう言って顔の前で手を合わせてそう言った。
「....はぁ。仕方ないわね....ならさっさと行って早く帰ってきなさい」
するとメルトは呆れた表情をしながらそう言った。
「ありがとなメルト。南雲! ユエ! 急いで向かうぞ! 準備しろ!」
俺はそう言って治療院の外に出た。