人理修復を成し遂げたマスターはありふれた世界じゃ最強に決まっている   作:アイリエッタ・ゼロス

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返り討ち/そりゃ相手が溶岩水泳部じゃあこうなるよ....

 立香side

 

「ありえない....私の白竜のブレスの襲撃を躱し五十体の灰竜の掃射を防ぐなど....! 

 貴様等、一体何者だ! いくつの神代魔法を修得している!」

 そう言ったのは白い竜に乗っている魔人族の男だった。

 

「さて、いくつだろう、なっ!」

 俺はそう言いながら十本の鎖を空を飛んでる竜達に向かって伸ばした。十本の内、五本は

 竜の首に突き刺さり、俺はマグマの中に叩き落とした。

 

「南雲! ユエ! 時間稼いでる間にさっさと神代魔法取ってこい。静謐ちゃん、二人に

 ついて行って護衛頼む。ワンチャン中にまだこいつ等の仲間いるかもしれねぇからな」

「マスターは!」

「ここで時間稼いどく。ほら、さっさと行った行った」

「っ、分かりました。お二人とも、私の後に」

 そう言うと、静謐ちゃんはいつの間にか現れていた黒い建造物の方に走っていった。

 

「ありがとう」

「すぐに戻ってきます!」

 二人もそう言うと静謐ちゃんの後を追っていった。

 

「っ! 行かせるかものか!」

「それはこっちのセリフだっての」

 魔人族の男は静謐ちゃん達に向かって攻撃を放とうとしたが、それよりも早く俺は攻撃を

 放つ方向に五芒星を作り攻撃を防いだ。

 

「ったく、魔人族は血の気の多い連中しかいねぇのか? ....はぁ、おい魔人族。大人しく

 引くって言うなら見逃してやるがどうする? まだやるって言うならウルとオルクスにいた

 魔人族同様ぶっ殺すが....」

 俺は親切でそう提案した。すると、魔人族の男は俺を睨みつけてきた。

 

「ウルとオルクスだと....? という事は、貴様がレイスとカトレアを殺した人間か!」

「(片方は俺だけどもう片方はパイセンなんだけどな....)」

 俺はそんな事を考えながら目を逸らした。

 

「異教徒の分際で我が精鋭を殺すなどと....! 貴様はこの私、忠実なる神の使徒の一人

 フリード・バグアーの名のもとここで息の根を止める!」

 そう言った魔人族の男、フリードは俺に向かって四十五体の竜がブレスを放とうとしてきた。

 

「面倒だな....」

 そう呟きながら俺は鎖で迎え撃とうとした時、突然天井が音を立てながら崩壊した。俺は

 何事かと驚いて天井を見ると、崩壊した天井から水色の炎の竜が現れた。

 

「な....」

「そこをどきなさいトカゲ!」

 その水色の炎の竜の後に続くように、今度は頼光さんが剣を振り下ろしながら現れた。

 

「無事かマスター」

「全員勢揃いかい....」

 そしていつの間にか背後には巌窟王がいた。

 

「何で全員こっち来た?」

「あぁ、実はだな....」

 そう言うと巌窟王は数分前に起こったことを話し始めた。

 

 ~数分前~

 

 巌窟王side

 

「これぐらいあればいいか....」

 静因石と呼ばれるものを回収した俺達は外に出た。

 

「マスター、遅いですね....」

「そうですねぇ....」

 そう話している二人を横目に見ながら煙草を吸おうとした時、上空から気配を感じた。二人も

 気配に気づいたのか、武器を構えて向かってくる攻撃を打ち消した。俺も攻撃を打ち消して

 上を見ると、そこには数十体の竜と竜に乗った一人の男がいた。

 

「あれは....」

「魔人族とか呼ばれている奴等か....」

 俺はダ・ヴィンチから聞いていた報告を思い出しそう呟いた。

 

「フリード様から預かった灰竜の攻撃を軽く防ぐだと....! ありえない! き、貴様等

 何者だ!」

「答える必要はないでしょう」

「そうですね」

「な、舐めやがって....! ただの人間の分際で! 我等魔人族に刃向かうか! ならば迷宮に

 入った小僧ともども殺してくれる!」

 そう言った瞬間、二人のバーサーカーからどす黒い殺気が放たれた。

 

「「今、何と言いました....?」」

「迷宮に入った小僧ともども殺すと言ったのだ! 迷宮にはフリード様が小僧どもを待ち伏せて

 いる! 迷宮の攻略で疲弊したところは確実に葬るためだ! 今頃、フリード様の手によって

 奴等は....!」

「そうですか....」

「巌窟王さん、ここはお任せしますね....?」

 そう言うと、二人は自分達の足元を破壊して迷宮の中に入っていった。

 

「なっ....!」

「はぁ....ここは俺に丸投げか。まぁいい....」

 そう言いながら俺は手袋をはめ直した。

 

「貴様等に情けはかけぬ。存分に、朽ち果てるがいい」

 

 ~~~~

 

 立香side

 

「ということがあったのだ」

「てことは外の連中は....」

「既に俺の炎で焼き尽くした」

「でしょうね....取り敢えずありがと」

 そう言いながら、俺は清姫達の方を見た。既に灰竜は全滅しており、残っているのは白い竜と

 魔人族の男だけだった。

 

「(あーあ....俺が思ってたこととは違うけど全滅してるし....言わんこっちゃねぇ)」

 そう憐れみながら魔人族の男を見ると、魔人族の男は俺のことを睨みつけた。

 

「おのれっ....! この手は使いたくなかったが....!」

 そう言って魔人族の男が肩に止まっている鳥に何かを言うと、突然この迷宮全体が巨大な

 揺れを起こし始めた。

 

「貴様等はここでマグマに飲み込まれるがいい! 同胞に神代魔法を授けられないのは痛恨だが、

 貴様等を殺すことができるのなら惜しくはない!」

 そう叫び、魔人族の男は首に下がっているペンダントを天井に掲げた。すると、天井は勝手に

 開いていき、地上までの道となった。その道を魔人族の男は猛スピードで抜けていった。

 

「逃がしません!」

「いや頼光さん。あれはほっといていい。それよりもこっちだ」

 そう言いながら俺は噴き出してくるマグマ柱を避けながらそう言った。さっきの地震の影響か、

 周囲のマグマは波打っており、至る所からマグマ柱が噴き出していた。

 

「(このままだと噴火しそうな勢いだな....)」

「水月先生!」

 そう思っていると、黒い建造物から南雲達が出てきた。

 

「これどういう状況で....!」

「説明は後だ。南雲、ユエ。急いであの地上に繋がってる道を抜けて脱出しろ。静謐ちゃん、

 巌窟王は二人について行ってくれ。マグマの噴火は俺達三人で止める」

「....了解した」

「わかりました」

「ん....」

「は、はい!」

 俺はそう言うと、四人は魔人族の男が開いた道を全速力で走っていった。そして、俺は清姫と

 頼光さんとマグマがまだ来ていない場所に移動した。

 

「頼光さん、清姫。俺が今から噴火したらマグマが通る道にバリアを作る。二人はそのバリアを

 宝具で押してくれ。それで噴火を防ぐ」

「わかりました」

「えぇ。任せてください」

 二人がそう言ってくれたので、俺は急いで鎖を壁に突き刺し巨大な五芒星を作った。そして

 数秒後、マグマは五芒星に向かって噴き出してきた。

 

「二人とも頼む!」

「転身火生三昧!」

「牛王招雷・天網恢々!」

 二人の宝具は俺のバリアを後押しし、噴き出してくるマグマを受け止め続けていた。

 

「(熱いし身体がビリビリする....)」

 マグマを受け止めれたのは良かったが、近くでバリアを張っている俺はモロに宝具の余波を

 受けていた。そんな状態が数分続き、噴き出してくるマグマの量はどんどんと減っていった。

 そして、完全にマグマの噴き出しが止まると俺は二人に宝具を止めるように言った。二人の

 宝具が止まると、俺もバリアを解除してバリアの向こう側を見た。マグマは完全に勢いが

 止まっており、元の状態に戻っていた。

 

「取り敢えずどうにか止まったか....二人ともありがとな。急いで上に向かうぞ」

 そう言って、俺は鎖を壁に突き刺してワイヤーの要領を使って地上に出た。

 

 ~~~~

 

 地上に出ると四人が待っていた。

 

「水月先生!」

「噴火、止まったの....?」

「あぁ、何とかな。そっちも神代魔法は取れたか?」

「うん。空間魔法だった」

「そうか。なら良い。じゃ、さっさと帰るとするか。悪いが南雲、運転任せるぞ。俺は今

 身体が痺れて蛇行運転になりかねん」

「わ、わかりました」

 そう言って、俺は車の後部座席に乗りアンカジに向かった。

 

 

 

 

 

 

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