人理修復を成し遂げたマスターはありふれた世界じゃ最強に決まっている 作:アイリエッタ・ゼロス
「(まぁ、所詮こんなもんだな....)」
決闘が終わった俺はあくびをしながらそう考えていた。
「水月、少し良いか?」
すると、突然メルドが話しかけてきた。
「何だ?」
「光輝の状態次第なのだが、明日からオルクス大迷宮で魔物の実践訓練をする。それに
お前もついてきてくれないか?」
「俺も? 理由は」
「万が一の事態に備えて腕のあるお前には今回の遠征についてきて欲しいからだ。ウチの
騎士団からもかなり腕の立つ連中を連れて行くが城の警備も怠れない」
「だからか。....まぁ良いぞ」
メルドの言葉に俺はそう返した。
「そうか! 助かるぞ!」
「じゃあまた明日」
そう言ってここから離れようとした時....
「あぁ、ちょっと待ってくれ。一つ聞いても良いか?」
「何だ?」
「お前のその戦い方....明らかに戦い慣れている者の動きだった。お前、戦闘経験が
あるのか?」
「....まぁな。少なくとも、ガキどもとお前等よりはある」
そう言って俺はここから離れた。
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八重樫side
「(明日から実践訓練か....)」
そう思いながら私は場内を歩いていた。本当は早く寝ようと思っていたのだがどうにも
目がさえてしまって眠れずにいた。
「(それよりも、今日の水月先生の戦い方....)」
私は今日の光輝と水月先生の戦いを思い出していた。
「(光輝が手を抜いていたって訳じゃない。逆に先生の方が手を抜いて戦っていた....
それでも動きには一切無駄が無かったし確実に相手の急所を狙った攻撃をしていた。初日の
殺しの時もそう....いったいどこであんな戦い方を....というよりも....)」
「先生は、一体何者なの....?」
「....繰り返すつどに五度。ただ、満たされる刻を破却する」
「....ん?」
そんなことを呟いていると、どこからか声が聞こえた。声が気になり声の聞こえた方に歩いて
行くと、そこには水月先生とピエロの頭をした何かがいた。そして水月先生は右腕を前に
突き出していた。
「(水月先生? それにあのピエロは....)」
「―――告げる。汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。聖杯の寄るべに従い、人理の轍より
応えよ。汝、星見の言霊を纏う七天。降し、降し、裁きたまえ、天秤の守り手よ!」
水月先生は何かの呪文を唱え終わると残念そうな表情をした。
「やっぱ無理か....」
『魔力が根本的に足りてねぇな。やっぱカルデアぐらいの魔力量がいるなぁ』
「だな。....それよりも」
水月先生は突然私の方を見た。
「盗み見か八重樫」
「っ!?」
そう言われ私は固まってしまった。
「怒らねぇからちょっとこっち来い」
水月先生はそう言いながら手を振っていた。何となく断ると嫌な予感がしたので大人しく
私は水月先生の方に歩いて行った。
「何やってんだこんな時間に」
「その眠れなかったので散歩を....そしたら偶然水月先生が見えて....」
「....嘘ではなさそうだな。まぁ良いか。今見たこと誰にも喋んなよ」
そう言いながら、水月先生は腕を突き出していた方に歩き出し地面から何かを手に取った。
よく見ると、地面には何かの魔法陣の様なものが描かれていた。そして、水月先生は指で
何もない所に変な模様を描き始めた。その模様を地面に向けると、地面に描かれていた魔法陣は
燃えて消え去った。水月先生はそれを確認して地面から拾った何かを首に付けた。よく見ると、
それは銀色の尖った装飾品の付いたネックレスだった。
「はぁ、失敗したし俺も寝るか....」
「失敗って....何しようとしてたんですか?」
「魔法でやりたいことがあったんだがな。魔力が少なすぎて失敗したんだよ」
「そうだったんですか....あの、それよりも....」
「何だ?」
「そのピエロは?」
私は空中に浮いているピエロは指差してそう聞いた。
「あぁ、コイツは....」
『俺の名前は
「そゆこと」
「は、はぁ....」
私はピエロのノリについて行けずそう答えるしかなかった。
『じゃ、俺は消えるぜ!』
「あぁ」
そう言うとピエロは煙に包まれて消えた。
「じゃ、お前もさっさと寝ろよ」
「ま、待ってください!」
そう言って立ち去ろうとした水月先生を私は呼び止めた。
「何だよ」
「水月先生は、どうしてそんなに戦えるんですか? 訓練をしている様子は一切無かったのに
光輝をあんなに簡単に倒した....それだけじゃない、初日に武器を向けた騎士相手に一切
怯むことなく返り討ちにして殺した....水月先生は一体何も....!」
そう言い終わろうとして水月先生の顔を見た時、水月先生の目は凄く冷たい目をしていた。
その目に私は怖くなり、身体が震えてしまった。
「....畑山先生もそうだったが、あんま人の過去を詮索するのは止めとけよ。人によっては
地雷になったり話したくないってことがあるからな」
そう言いながら、水月先生は普段と変わらないような気配に戻った。
「ま、いつか話す時が来たら話してやるよ。じゃおやすみ」
水月先生はそう言ってここから立ち去った。
「っ! はぁ、はぁ....」
水月先生の姿が見えなくなると、私は力が抜けて膝から崩れ落ちた。
「(今の威圧感....人が出していい物じゃないでしょ....)」
私は心の中でそう思った。
「何か、一気に疲れた....早く寝ましょ....」
そんなことを呟きながら私は立ち上がり自分の部屋に戻った。
少し先のストーリーで出すサーヴァントは....
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エレシュキガル
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獅子王
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邪ンヌ
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アルキャス
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ジャンヌ
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山の翁