人理修復を成し遂げたマスターはありふれた世界じゃ最強に決まっている 作:アイリエッタ・ゼロス
メルトリリスside
「チッ....! あのポンコツ!」
センチネルのライダーと戦闘が開始して三分、既に南雲と白崎はかなり疲弊していた。
ライダーの放つ一撃はかなり威力が高く、攻撃の風圧や熱で二人は少しづつ体力を
削られていた。私と立香はある程度攻撃の範囲やパターンが頭に入っていたので
今のところノーダメージだったが....
「(あの二人にはかなりきついわね....初めからあの二人が狙いってところかしら)」
そう思いながら攻撃を相殺していると、二人に対して攻撃が放たれた。
「(あぁもう! あとであのポンコツは蹴り飛ばす!)」
頭の中でそう考えながら二人に向かっている光線を脚で斬った。だが、突如死角から
光線が私に対して向かってきた。
「メルトリリスさん!」
「っ....!」
「(この距離に攻撃速度....! 間に合わない....!)」
そう思い咄嗟に防御の体勢をとったのだが、何故か光線は私に触れるギリギリのところで
止まった。そして私が何もしていないのに光線は消滅した。
「何が....」
「あっつ!?」
私が目の前で起こったことを疑問に思っていると、突然立香がそう叫んだ。立香の方を
見てみると、さっき私に直撃しそうだった光線が立香に直撃していた。そして立香の
左腕は光線によって消滅していた。
「立香!?」
「(何で攻撃が立香に向かって....!)」
「マジで威力ヤベェじゃねぇか! "ガンド"!」
立香は体勢をを崩しながらも指で銃の形を作りライダーに向かって"ガンド"を放った。
その一撃で、ライダーにはスタンがかかり動きが止まった。
「今のうちに距離を取るぞ!」
立香はそう言うと、右手の指に着いた鎖を二人に巻き付けた。そして二人を空中に
浮かしながらこの場から走り出した。
「ちょっと立香!」
「何だメルト!」
「あとでちゃんと話しなさいよね! さっきの事!」
私は立香の横を並走しながらそう叫んだ。
「さっきの!?」
「攻撃がそっちに行ったこと!」
「....あぁわかった!」
そう叫んでいると私と立香の間に光線が飛んできた。
「あと4分半....」
「デバフ掛けまくって逃げ切り狙うか、それか逆に反撃してみるか?」
「....そうね。なら、一撃で葬りましょうか」
「了解。ならデバフに一分、バフに一分、どうにか足止めよろしく」
「えぇ」
そう言って、私はオジマンディアスに向かっていった。
~~~~
シアside
「ひぃ!?」
「(何なんですか何なんですか!? あれ戦っちゃダメなやつでしょう!?)」
現在私は死ぬ気で敵の攻撃を避けていた。
「(斬撃の余波だけでも吹っ飛ばされるのになんであの二人は吹っ飛ばされて
いないんですか!?)」
敵の一撃は今まで戦ってきた相手の比ではなく、一発の斬撃を避けても私は斬撃の
余波で吹き飛ばされていた。
「流石に一筋縄ではいきませんね....」
「どうしますか?」
「パッションリップ、一時的に注意を引けますか? どこまで削れるかは分かりませんが、
宝具を放ちます」
「....分かりました。シアさん、セイバーが宝具を放つまでの間、セイバーへ向かう攻撃を
どうにか捌いてください。多分こっちまではわたしも対処は出来ないので....」
パッションリップさんはそう言うと、敵に向かって走り出した。そしてセイバーさんは
両手で剣を持つと魔力を溜め始めた。セイバーさんの剣には周囲の魔力が集まっているのか
蒼い粒子が集まり始めた。
「っ!」
そうしている間に、敵の攻撃がセイバーさんに向かう未来が見えた。
「(あぁもう!)」
「どりゃぁぁぁ!」
私は叫びながら敵の攻撃にドリュッケンをぶつけた。敵の一撃は私の一撃で防げたが、すぐに
もう一撃が私に向かってきた。
「根っ性ぉぉぉ!」
私は気合で次の一撃を弾くと、空中で回転して敵に向かってドリュッケンを振りかぶった。
だが、その攻撃は当たらず敵は後方に回避していた。
「シア殿! パッションリップ! 私の後ろに移動を!」
すると魔力を溜めていたセイバーさんがそう叫んだ。セイバーさんの方を見ると、魔力が
溜まったのか剣が赤く輝いていた。
「この剣は太陽の現身。あらゆる不浄を清める焔の陽炎! 『
セイバーさんがそう叫びながら剣を振り下ろすと炎の斬撃が敵に向かって放たれた。
その斬撃が敵に直撃すると、敵は巨大な炎に包まれた。
「やりましたか!?」
「....いえ」
私がそう聞くと、セイバーさんは炎の方に剣を構えた。
「流石にこの威力では倒せませんか....」
そう言ったセイバーさんの視線の先には炎の中からゆっくり歩いている敵の姿があった。
「い、今のを食らって立ってるんですか....」
「でも、ダメージは入っているみたいです」
「えぇ。このまま力技で押し通しましょう。シア殿、敵の攻撃は私とパッションリップで
捌きます。シア殿は渾身の一撃を叩き込んでください」
「私がですか!?」
「恐らくそれが最も理にかなっています。敵の攻撃をシア殿が受ければタダでは済まない。
ですが私とパッションリップならどうにか受け流すぐらいは出来ます」
「向こうがダメージを追っている今がチャンスです。ここを逃せばこっちが押し負けます」
二人はそう言いながら武器に魔力を込め始めた。
「シアさん、お願いします」
「っ~~!? わかりましたよ! やってやろうじゃないですか!」
私はこの状況でこれ以上悩むのが意味のないことだと悟りそう叫んだ。
「では、任せました。隙ができれば合図を出すので」
そう言うと二人は敵のもとに向かっていった。
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ユエside
「っ、速い....!」
「それに何という威力じゃ....!」
私とティオとアーチャーは馬に乗った敵と戦っていた。だが、その状況は防戦一方だった。
敵の動きはメルトリリス程ではないがかなり速く、こちらの攻撃がかすりもしなかった。
それに何より敵の攻撃の威力が凄まじかった。敵の放つ光は近くに落ちただけでも
こちらの身を焦がすような威力だった。
「直撃したら流石にシャレにならんぞ....」
「その通り。あの槍の宝具など食らえば全員木っ端みじんです」
「冷静に言うとる場合か!?」
アーチャーの呑気な発言にティオはツッコんでいた。
「何か策は....!」
「ほぼ無いに等しいですね。私ではランサーの王には相性最悪ですので」
そう言いながらアーチャーは弓の弦を引いた。
「ですが....時間稼ぎは可能です」
弓からは斬撃が放たれ、敵の馬の足元に飛んで行った。その攻撃を察知したのか敵は
後方に回避していた。
「一先ず、宝具を放たせないように攻撃を続けましょう」
「それしかないようじゃの....!」
「了解....!」