盈月の儀で八人目になったのですが、何故か英霊がいません 作:飽き性なSS作家
短文だけど・・・続けられるの?これ・・・
「」
「まさか、八人目の喚び人がいるとはね」
「盈月の儀は元々手探りだ。多少の異物は仕方あるまい。現に逸れの英霊がいるのだから」
「(だ、誰か~?た、助けてー。病弱そうな人に声をかけられたらいきなり刺されたし、紙人形が浮いてるどころか声がするんだけど、いつの間に現実が夢に変わったんですか)」
とりあえず死んだ振りだ、死んだ振り。奇跡的に刃物はそこまで刺さってはいないけど・・・ほんの先っちょでもかなり痛い。まさか昼に買った春画に命を助けられるとは。後で神棚に献上しておこう
「それにしても・・・喚び人なら、あざがあると思っていたのだが、何故こいつには無かったんだ」
ひー。死んだ振りでもかなり気を使うのに、なんで右手を触って持ち上げる。これでバレたら終わっちゃう
「・・・まあ、刺されただけで死ぬような雑魚には必要ないか」
や、やっと離した。早くどこかに消えてくれー
「ああ、そうだった。死体は消y「もう限界、逃ぃげるんだよぉ!!」なに?!って、はやっ!?」
何故か嫌な予感がしたので、これにてごめん!というか、これ以上付き合ってられるか!俺は帰らせてもらう!!
「あばよぉ、とっつぁん~」
「待てぇ!ルッ、誰がとっつぁんだ!」
この私、小さい頃から逃げ足だけは天下一品だ。今回も逃げられ
ました。
朝
「・・・今日は晴天、風は強くない。よき釣り日和かな」
母屋の扉を開けてから、天に向かって延びを一つ。まだ日が昇り始めた時だが、目当ての釣り場は遠い。だからこそ、このような時間に起きて、向かうかどうかを判断するしかないのだ
「さてと、早く洗い物をして行かなければ。釣り場がなくなってしまう」
井戸から水を組んで、せっせと着物を洗う。後一着のところで、可愛らしい子が洗濯物を抱えて向かい側からやってきた
「おはようございます、因幡さん」
「おはよう、カヤちゃん」
カヤ。小笠原カヤ。大名家の娘なのだが、近くの長屋にすむ兄の様子を見に時々やってくる
「って!まさかだと思うけど、着物を着たまま洗おうと考えてる!?」
「えっ?そうですけど」
「駄目だから!そんな綺麗な着物着てやるなんて、ダメだから!」
慌てて彼女が持ってきた物を引ったくり、自分の桶に入れて洗い始める。おのれ、見ず知らぬ兄め。こんなに思いやりがある妹にこの仕打ち。許せん。近いうちに藁人形を神社の鳥居に打ち込んでやる。覚悟しろ
「すみません、ありがとうございます」
「いいって、いいって。洗った物を干すだけだし」
そう言いながら、桶に入っている彼女の兄の着物を取って干す。洗っている時、たまたま気がついたのだが腕の部分に赤黒い点々が染み付いていた。これは明らかに返り血。もしかしてこの子の兄はそうとうヤバい奴なのではと思うようになった
「これで終わり。じゃあ、後は・・・。すぐに天井直しておくようにって今度会ったら言って欲しい・・・」
「わ、わかりました・・・」
兄が使っている長屋に入った途端、妙に明るいと思ったら天井がなくなっていた。住民は少ないが、私は仮にもここら一帯の大家でもあるのだから、これぐらいは言いたい。これといい、近場で起きた火事と破壊された店の犯人は同一人物じゃないだろうな。だとしたら、賠償金せしめないと気が済まない
「本のじいちゃん、隣家も使うか。って言ってたけど・・・大丈夫かな?」
何故だろう、後ろのカヤちゃんが不穏なことを言っている気がする。いや、大丈夫だ。カヤちゃんは礼儀を正しい子。なら兄も礼儀正しい人のはずだ
だから、明日。確認しに来よう。ごめん、カヤちゃん。疑ってる訳じゃないから。本当だよ