タカ×2
トラ×1
チーター×1
カマキリ×1
バッタ×1
途中で消えてしまったりと色々あって4ヶ月もかかってしまった。期待している人が居なくても投下。
「はあっ!」
走りながらオーズの手に持つ銃、バースバスターから放たれた光弾が次々とビナーに撃ち込まれる。
本来なら仮面ライダーバース用の武装でありオーズは劇中使用していないのだが、全長数百メートルはありビームやミサイルといった砲撃能力が豊富なビナーに対して肉弾戦だけでは無理だと判断しオーズドライバーなどと共に遺跡から持ち出したバースバスターを使うことにしたのだ、が…
(変身するのを間違えたか…?)
半ばノリと勢いで変身してしまったが、よくよく考え返せばCLAWsユニットが使えるならバースの方が良かったのではないだろうか。
カッターウィングでの高速空中戦やブレストキャノンによる強力な砲撃など、コアメダルの少ない現状ではバースの方が汎用性は高かった。
そう思っても戦闘中だから変身解除するわけにもいかない。
セルメダルからエネルギーを抽出して放たれるエネルギー弾を何発受けようとものともしないビナーはタメの体制をとる。
「とぅあっ!!」
攻撃を察し胸部のオーラングサークルからバッタレッグのラインドライブを通してエネルギーを送りバッタの能力を引き出しそれをバネにして跳躍。次の瞬間撃ち込まれるビナーのゲロビことアツィルトの光。
バースバスターのカートリッジ、セルレンダーにセルメダルをリロードしてビナーへ向かって撃ちながら走り出すが今度はミサイルの雨、大道の劫火に阻まれ、跳躍して躱す。
「近付けさせないつもりか…ならっ!」
オーズドライバーのバッタメダルを交換する。
タカ! トラ! チーター!
下半身がジェット噴射でマッハ1.32で疾走できるチーターレッグとなり仮面ライダーオーズ亜種形態、タカトラーターへと変化する。
腰を低く落としてタメを作る、アツィルトの光が放たれると同時に溜めたジェットを噴射し一気に距離を詰める。
「はぁぁぁぁ…せいやぁっー!!」
こちらの行動パターンが変わったことで反応が鈍ったビナーに一気に肉薄し、展開したトラクローで切り抜ける。
トラクローで切り裂かれたビナーの傷口から何かがこぼれ落ちているようだが気にしていられない。
スライディングするように急制動すると再びジェット噴射で肉薄してはトラクローで切り抜けたりチーターレッグの飛び蹴りによるヒットアンドアウェイを繰り返す。
「トラクローじゃあまり効果はないか、なら!」
今度はトラメダルを交換する。
タカ! カマキリ! チーター!
両腕が鉤爪がついたトラアームから大型ブレードカマキリソードを装着したカマキリアームに変化し、仮面ライダーオーズ亜種形態、タカキリーターへと変化する。
そして再度オースキャナーをコアメダルの上を走らせる。
スキャニングチャージ!
前方に出現した赤、緑、黄のオーラリングサークルをくぐりながらビナーへ肉薄。その巨体の上に飛び乗るとその上を頭部に向かって疾走しながら強化されたカマキリソードで回転するように何度も切り刻む。
タカキリーターのコアチャージアタック『タカキリータースラッシュ』だ。
切り裂かれたビナーの傷口から大量の何かが溢れだした。それはオイルや機械部品ではなく…
「え? セルメダル? 何で…ってうわっ!?」
飛び散ったものを掴むと数枚のセルメダルだった。それ以外にも無数のセルメダルが吹き出している。
それに気を取られていたところをのたうち回ったビナーに振り落とされてしまう。
「いてて、何でビナーからセルメダルが……って今考えたって仕方ないか、ならっ!」
タカヘッドの視力で変身前に吹き飛ばされて砂漠に突き刺さっていたメダジャリバーを見つけるとチーターレッグの脚力にものを言わせて駆けて回収する。
逃げたと見たのかビナーもその数百メートルはあろう巨体で追撃してくる。
ビナーに向き合うと先ほど入手したセルメダルを3枚メダジャリバーに装填してメダレバーでロックするとセルメダルの上をオースキャナーを走らせる。
トリプル・スキャニングチャージ!
装填した3枚のセルメダルからエネルギーが解放され、刀身ジャリバーエッジに纏わる。
「はぁぁぁぁ…はぁああっー!!」
強靭なエネルギーを纏い光を放つメダジャリバーを一閃。
メダジャリバーの必殺斬撃『オーズバッシュ』だ。その威力は凄まじく、空間断裂すら引き起こす。
事実、斜めに振り上げられた閃刃はビナーを周囲の空間ごと斬り裂き、一瞬ずれるが空間は瞬時に戻るもビナーはずれたまま戻らず爆発した。
爆発と共に大量のセルメダルが吹き飛ぶ。
オーズマスクの中でもトップレベルの視力を有するタカアイがその中に一枚だけ違うメダルが混ざっていることに気付きキャッチした。
グレーがかったセルメダルと似た色ではあるが金色の縁取りにサイのレリーフのメダル…
「サイメダル!?」
サイのコアメダルだった。
いや、何でビナーくんからセルメダルだけじゃなくてコアメダルまで出てくるの!?
誰かがサイのセルメダルに色を塗っただけとかないよな…よし、試しに…
サイ! カマキリ! チーター!
頭部が一本の角を持つサイヘッドに変わった。仮面ライダーオーズ亜種形態サキリーター。
タカヘッドに比べて視力は劣るが聴力が勝り、更に角のグラビドホーンで頭突き攻撃も出来る。他にも重力制御の中枢であったりロケットパンチことゴリラアームのゴリバゴーンへのコントロール出来る能力もあるが、ゴリラメダルとゾウメダルのない現状では無用の長物である。
「変わっちゃった、本物だよコレ…」
ペタペタ触って何でビナーくんから出てきたのかと考えていたらゴゴゴゴゴ、と地響きが聞こえてきた。
音の聞こえる方を見るとのっそりと起き上がるビナーの姿があった。
トラクローやカマキリソードで与えた傷だけでなくオーズバッシュで横凪に斬られて泣き別れとなっていた筈の破損すら修復されていた。
来るかと思って身構えるもビナーは砂嵐を巻き上げると砂地に潜航、そのまま離れていくのをサイソナーが捉えた。
「何とかなったか、でも何でビナーくんにコアメダルやセルメダルが?」
俺が転生した影響か、ビナーを構成する部品は大量のセルメダルとなっていたのか?
それならば瞬時に損傷が回復したのも頷ける。
俺はオーズドライバーのオースレイターを水平に戻しコアメダルを取り外すと変身解除する。
変身していた間はそうではなかったが、慣れてないせいかそれともユメの身体を無理矢理修復していたからか一気に疲労が襲ってきて大の字になって倒れた。
暫くの間、息を調えていると何処からともなくパチパチと拍手する音が聞こえた。
「素晴らしいっ!単独でビナーを撃退するとは予想以上に素晴らしかったですよ、梔子ユメさん。いいえ、新たな欲望の王とお呼びましょうか?」
いつの間にか傍らに立っていて拍手を送ってくるのは黒いスーツにヒビ割れた覆面のような異形の頭部の推定男性。
「黒服…!?」
「おや、ご存知でしたか」
驚き跳ね起きて臨戦態勢を取る俺に向かって黒服は仰々しく芝居がかった一礼をした。
「改めてご挨拶を、ゲマトリアの探求者黒服と申します。以後お見知りおきを」
姿勢を正すと黒服は一方的に続ける。
「正直に申しますと、私は貴女には大して期待しておりませんでした。キヴォトスでも有数の神秘を持ちながらも突き抜けたまでのお人好しで楽観主義者で平和主義者。我々が求めるものでないのであれば神話再現でホルス覚醒の贄としようとしましたが…」
黒服の顔のヒビの隙間が広がり中の青白いナニかが見える。
「貴女は土壇場で我々が長年探し求めていても見つけることのできなかった王のベルトを見つけ出し新たな欲望の王となったわけです。いやぁ、人生どう転ぶかわからないものですね」
黒服はクツクツと嗤う。
「新たな王の誕生を祝したいのもやまやまですが、今現在手元に献上品がありませんでしてね。またの機会にさせていただこうかと。後日貴女に相応しい品をお持ちいたします、それでは失礼いたします」
「何なんだよ、いったい」
踵を返して去っていく黒服の後ろ姿を見続けながらぼやくしかなかった。
デカグラマトンの預言者、第三セフィラ・ビナーは困惑していた。
デカグラマトンの「メダルを集めよ」の指示のもと彼はアビドスの遺跡を中心に回遊してはメダルを飲み込んでいた。
彼にとってメダルは自身を構成するパーツであり、更に特別なメダルは彼自身を強化していった。
今日もメダルを探して回遊し、僅かな気配を辿って地上に出てみればそこにいたのはバイクに乗った一人の人間。
その人間から特別なメダルの気配が、それも複数感じる。
人間なんぞ自分にとっては取るも足りない蟻も同然。今までの経験から大して驚異にもならないと判断し襲いかかる。
人間はバイクで逃走しようとするも大道の劫火の爆風で無様に転げ落ちる。
人間ごと丸飲みしてしまおうと舌舐りをしながら近づくと、人間は腰に何かを装着すると三枚のメダルを、それも特別なメダルを取り付けると右手に持った円盤状の物体で特別なメダルの上を順番に触れていく。
「変身!」の掛け声と共に変な音楽が流れると人間の姿が変わった。
それが何だと思った。撃ってくる銃は今までの人間の武器とは比べ物にならない威力はあるが装甲表面を抉り傷付けるだけでメダルを使えばすぐに修復できる。
銃撃が無駄だと知ると人間は脚や腕を変えて接近してきた。特に自分の上を走りながら何度も緑の剣で斬りつけられた際には痛みで思わずのたうち回ってしまった。
すると人間は離れて青い剣を構え、距離があるのに振り抜く。
何をしているのかと疑問に思う前に自分の身体がズレた。
斬られた?あの距離で?メダルで強化した自慢の装甲も関係なく?
ナゼナゼナゼナゼなぜ?
理解不能理解不能理解不能理解不能理解不能理解不能…
ナニが起きタノかワからなイ。
自身の身体は何ヵ所か完全に分断され、頭部すらもズルリとズレてしまう。
そして爆発。破壊された箇所の機械やメダルが連鎖的に爆発していく。
溜め込んでいた多数のメダルが吹き出してしまう。一緒に特別なメダルも一枚だけだが放出してしまった。
倒れ伏せた後、何とか切断面を接続する。この身は大半がメダルで構成されているため接続するのも比較的容易い。
粗方接続が終わると砂地へ潜りこの場を離れる。
何なんだあの人間は!?自身のAIをフル回転してもわからない。メダルをエネルギーに変換するジェネレーターが早鐘のようにバクバクと暴走したように鼓動と唸りを上げて稼働し続ける。
何なのだ、この感情は……
はっ、この感情、もしや恋?
小鳥遊ホシノはアビドス砂漠で探していた。昨日喧嘩別れしてしまった先輩を。
彼女は昨日ついに戻ってこなかった。
ネフティスは百歩譲ってもカイザーも協賛のアビドス砂祭りなど胡散臭さと詐欺臭さが全開のイベントを楽しげに話し希望的観測を続ける彼女を全否定してしまった。
流石に言い過ぎたかな、会ったら謝らないと。そう考えながら宛もなく探し続ける。
そして見つけた。
代々アビドス校に受け継がれてきた盾と、砂の中からひょっこり付き出したいる愛用の拳銃を握っている絆創膏の貼られた見慣れた右手。
「そこに居たんですね、ユメ先輩」
砂塵にでも巻き込まれたのか埋まってしまい、出ようとして力尽きてしまったのか。
そんなところで寝てしまうなんて間抜けですね。なんて思いながら砂の中から引っ張り出そうと手を取る。
冷たさに違和感を感じるも一晩中こんなところに居たら冷えきってしまうかと考え直し思いっきり引っ張ると思いの外簡単に抜けてしまい想わず尻餅をついてしまう。
ホシノは数分は理解できなかった。引き抜いたのが血塗れの右手だけだったことを。
黒服「早く王さまに贈り物用意しないと」ルンルン