IS インフィニット・ストラトス BREAKERS(改訂)   作:raludo

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第五話 二人が出会う時

――疲労困憊。今の一夏を表すならその言葉がぴったりと合致していた。とあるブラウザゲームならば赤疲労マークがついていることだろう。連日連夜、鬼も怖がる鬼教官の元、しごかれていては、つい先日まで中学生であった一夏には耐えられない。それは自明の理であった。

 

「うへえ……」

 

倉持技研にて割り振られた自室の机に突っ伏し、へなへなと弱り切ったうめき声を上げる一夏は確かに誰がどう見ても、疲れているのだなと一目でわかる状態であった。だが、首の皮一つで未だに耐えられているのは、あの鬼教官が耐えられるか、耐えられないかの絶妙なラインで加減をしているからだろう。ある意味、半殺しの才能があると言えよう。

 

「ちゃんと、最初の方は一つ一つ動きをしっかりと教えてくれたのになあ……」

 

そう、最初の飛べるようになるところまでは、しっかりと懇切丁寧に教えてくれていたのだ。だが、ある程度自由に飛べるようになったら、あの鬼教官はいきなりISを纏い、ブレードを担ぎながら、イイ笑顔を浮かべていたことには、戦慄を通り越し、乾いた笑いしか出すことができなかった。

 

『一夏、ISの戦闘空間というのは、基本的に空中だ。では、空中と地上の違いは何だ?』

 

『そりゃあ、飛んでいるか、飛んでいないのかの違いじゃないのか?』

 

『そうだな。正確に言うなら、地に足が付いているか、付いていないかだ』

 

『そりゃ、そうだ。それが何なんだ?』

 

『まあ、簡単に言ってしまえば、踏ん張れないんだ。一時期ではあるが、剣の道を歩んでいたお前ならわかることだろう?お前なら踏み込んで剣を振るう場合、どうする?』

 

『え、そりゃあ、思い切り足を……あっ』

 

『そう、剣を振るうためには、全ての工程に置いて〝踏ん張り〟という動作が混じる。だが、ISは先程言った通り、活動空間は空中だ。お前、足で踏ん張れるか?』

 

乾いた笑いを出していた一夏を見た千冬はこのように疑問を投げかけた。剣を振るう、いや、剣を振るわなくても、近接格闘戦を行うのなら、踏み込みは必要不可欠。その時、足は必然的に踏み込むために、踏ん張っているのだ。だが、空中に足場など存在しない。なら、ISでの近接戦闘はどうすればいいのか?千冬は一夏の問いにもしっかりと答えた。

 

『脚部のスラスターを吹かせるんだ。自分が踏ん張る分だけのスラスターを吹かせ、〝瞬間的〟な足場を作るんだ』

 

『前に進もうとするブーストの力を踏み台にするって言うのか?』

 

『そう、ただ単に相手の懐に踏み込むためにブーストを使うのでは踏み込めても体が剣を振るう体勢になっていない。足で踏ん張るという工程がないと体が剣をしっかり振るえないんだ。そのためにはブーストの調節が不可欠。それも細かく、丁寧に。その機動技術は普通の練習では身につかない。実戦機動を繰り返し行い、自分で掴んでいくしかない。お前は習うより慣れろ。そんなタイプだ。私と同じで……な』

 

そこからはもう大変だった。悪鬼の化身が如く、凄まじい機動を駆使して、一心不乱にブレードを振るってくる。あれはトラウマになる一歩手前だったと、今更ながら冷や汗が吹き出す一夏。だが、確実に己の糧になっていることも確かである。千冬のブレードを拙い機動ながらも、少しずつ避けられるようになっている。できることが少しずつ増えていく。そのことに確かな手ごたえを感じていた。

 

「……やらなきゃな、必死に。何が何でもしがみついていってやる」

 

突っ伏していた体をゆっくり起こす。凝り固まった体が音を鳴らして悲鳴を上げるが、一夏は丁寧にそれらの凝りをほぐすように、ストレッチを行っていく。こんなところでだらけている場合ではない、その気持ちが今の一夏を突き動かしていた。さて、まずは、今日習った基礎理論の復習から。実技だけでなく知識の方も蓄えていかないといけない。

 

「そう言えば……」

 

一夏はふと思い出す。今まで苛烈な訓練で忘れていたが、もう一人の男性IS操縦者のことを思い出した。

 

「いつ、会えるんだろうな……」

 

――そのいつかは、もう目前に迫っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「〝ミスティック・クラッド〟起動。――(れい)、起きる時間だ」

 

早朝の倉持技研。その一室。輝かしい朝日が開かれたカーテンからめいいっぱい自己主張の如く、部屋の中を照らしつける。その眩しさに紅牙は目を顰めながらも、自身の右手に納められている携帯端末に向かって声を掛ける。すると携帯端末の画面が白く明滅し、そこに〝type ZERO〟と映し出される。

 

(〝type ZERO〟起動します)

 

紅牙の脳内に無機質な女性の声が響く。マシンボイスとでもいうべきか。無機質だが決してそこに感情が込められていないわけではなかった。

 

(システムチェック――完了。おはようございます、紅牙)

 

(ああ、おはよう)

 

紅牙は挨拶の返事を声に出さず、心の中で念じるように呼びかける。すると、その呼びかけを読み取ったかの如く、さらに返事が返ってくる。

 

(珍しいですね。紅牙が私をスリープモードにしておくなんて)

 

(なに、大したことじゃない。それより、零。今日からまた起動しっぱなしになるが、システム面に問題はないな?)

 

(はい。先ほどのシステムチェックでは異常は確認されませんでした)

 

零と呼ばれたその声の主は――ISだった。

 

一般的な基礎理論として、ISには自己成長のシステムが組み込まれている。それは最終的にはISの自我とも言うべき深層意識を作り出すもので、ISはパートナーとよく言われている所以がある。

 

つまり、零とはIS自身であり、ISの自我とも言うべきものであった。

 

ここまで自己意識を形成しているIS、いや、ISコアは恐らくこの〝ミスティック・クラッド〟のみであろう。それは〝type ZERO〟に起因する。

 

〝ミスティック・クラッド〟には〝type ZERO〟という名前が隠されている。そのZEROとはコアナンバーのことである。

 

コアナンバーゼロ。通称〝ナンバーゼロ〟と呼ばれるISコアで〝ミスティック・クラッド〟は動いている。〝ナンバーゼロ〟とはISコアのプロトタイプとも呼べるコアであり、最初のコア、〝白騎士〟のプロトタイプでもある。

 

コアとしての質は他のコアと変わらないが、一つの点に置いて〝ナンバーゼロ〟はずば抜けている。それはISの経験値と呼ばれる、ISの成長だ。〝ナンバーゼロ〟はコアのプロトタイプ。そして、篠ノ之束の手によって造られたその当初から、一度も初期化されていない。つまり、一番長くコアとして起動している。それはどのコアにもない強みとなる。その経験値がISを成長させ、自意識を作り出すのである。

 

話は逸れたが、〝ミスティック・クラッド〟はすべてのISの原点にあたるコアを使用しており、それ故に零と呼ばれるISの自我が形成されている。紅牙とのやり取りも、コアネットワークの一種で、他人には聞こえることはないし、オープンチャネルやプライベートチャネルとも違うチャネル形式をとっているため、零が合わせようとしない限り、他のISとも干渉はしない。

 

(ハイパーセンサーとのリンクはいたしますか?)

 

(いや、それはいい。必要になったら頼む)

 

(了解いたしました)

 

ふと、時計を見れば、そろそろいい時間になっていた。今日は朝のうちに赴いておきたい場所がある。紅牙は〝ミスティック・クラッド〟の待機形態である携帯端末を懐にしまい、その部屋を後にする。向かうは一人目の男性IS操縦者、織斑一夏の元へ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここ……だな」

 

(はい、部屋の中に生体反応が二つあります。恐らくここで間違いないでしょう)

 

先の部屋から歩いて数分。件の部屋の前へと紅牙は来ていた。どうやら、場所はここであっているようだ。生体反応が二つと言うことは、恐らく織斑姉弟がもう朝の研修を始めているのだろうか。

 

(出直しますか?)

 

(いや、向こうにも一応伝えてはあるから大丈夫だろう)

 

織斑弟の方にはたぶん何も伝わっていないだろうとなと紅牙は思うが、そんなことは紅牙にはあまり関係なかった。姉の方がいるのなら問題はない。

 

内心そう思いながら、扉の横にあるインターフォンを鳴らす。ここ倉持技研は研究所という特性柄、各部屋にはインターフォンが取り付けられており、入るには中から開けてもらうか、専用のカードキーを使わない限り、部屋に入ることはできない。紅牙は自室となる部屋以外のカードキーを持っていないため、こうしてインターフォンで呼び出さなければならないのだ。

 

『誰だ……黒咲か。そう言えばもうそんな時間か。わかった。今開けるから入れ』

 

その返事が聞こえたと同時に、カシュッと軽い空気音がなり自動扉が開く。

 

紅牙は促がされるがままに室内に足を踏み入れる。そこには先日会った通り、ビシッとスーツを着た織村千冬と、席に座りポカンとこちらを見つめている少年、織斑一夏がいた。

 

「黒咲、自己紹介をしろ」

 

「分かりました。――黒咲紅牙だ。恐らく俺の方が年上だろうが、そんなことは気にしなくていい。男二人だ。仲良くしようじゃないか」

 

紅牙は笑みを浮かべながら握手を一夏に求める。その笑顔が本心から笑っているのかは本人にもわからないが、とりあえず笑みを浮かべておく。社交辞令のような気分だが、あながち間違いでも無いので、スルーしておく。

 

紅牙の自己紹介にハッと気付いたように、差し出された紅牙の手を握り、握手する。

 

「よろしくな!俺は君のこと何と呼べばいい?」

 

「黒咲でも紅牙でもお好きに」

 

「じゃあ、紅牙って呼ばせてもらうな。俺のことも一夏でいいから」

 

「オッケー。わかった」

 

お互いの呼び名を確認し合い、握手の手を離す。すると、一夏は妙に神妙な顔になりながら、紅牙に問う。

 

「……あのさ、紅牙。――俺と昔どっかで会ったことないか?」

 

一夏の問いに紅牙は少しばかり胸をドキリとさせる。これは決して胸の高鳴りやときめきといったものではなく、悪いことがばれた子供のような、いわば驚きである。

 

だが、紅牙自身何故驚いたのかはわからない。一夏とは初対面のはず。参考資料として写真は飽きるほど見ていたが、それとも違う、よくわからない既視感に囚われていた。全く身に覚えがないのに、である。

 

(紅牙?どうしましたか。私の記録では織斑一夏とは初対面のはずですよ)

 

(……そうだよな)

 

釈然としない気持ちはあるが、初対面であるのは確かなので、とりあえず初対面であることにしておく。

 

「……いや、初対面のはずだ。誰かと間違えていないか?」

 

紅牙の答えにそれもそうかといった具合に頷く一夏。どうやら向こうも確信があって言った言葉ではなさそうだ。

 

「そう……だよな。悪い、昔会ったことがあるような気がしたけど、どうやら勘違いみたいだな」

 

バツが悪そうに頭を手で掻きながら、苦笑いを浮かべる一夏。こういう素直に感情をさらけ出せる奴はそうはいない。とりあえず紅牙は織斑一夏が異常な性格の持ち主でなくて良かった、と別の意味で内心ほっとさせる。

 

「自己紹介はそのくらいでいいか?なら、先の続きをやりたいのだが」

 

「分かりました。自分はどうすれば?」

 

「なに、折角だ。講義を聞いていったらどうだ?」

 

千冬の提案に紅牙は少しばかり思案する。ここは受けておくべきだろうか。一夏の出来具合も見ておきたいし、これも交友関係を維持するものと思えばいいか。紅牙自身に経験はないが、同じ釜の飯を食った仲という言葉があるくらいだ。一緒に講義を受けておいた方がいいだろう。

 

「では、受けておくことにします」

 

紅牙は一応の理由があって受けることにした。しかし、千冬には別の思惑があったようだ。

 

「なら、午後は二人で軽く模擬戦でもしてもらうか」

 

「え?」

 

素っ頓狂な声を上げたのは一夏の方だった。鳩が豆鉄砲を食ったような顔というのは、こういう顔を指すのだろうと、他人事のような感想を紅牙は抱いた。

 

「なに、黒咲の実力はお前より上だ。だが、一夏。同じ男として、負けているのは嫌だろう?」

 

にやりと、まるで女豹のように獰猛で悪女のような笑みを千冬は浮かべる。そんな挑発的な笑みに、どこか思うところがあったのか、一夏は顔を引き締め、真剣な表情になる。

 

「紅牙の方が俺より強いのか……。確か、IS委員会にいたんだっけ?」

 

「そうだな。間違ってはない。確かに俺はIS委員会に所属していたよ」

 

「ふーん、なるほど。わかった。紅牙、模擬戦よろしく頼むぜ!」

 

きらきらと子供のような純粋な笑顔を紅牙に向ける一夏。その笑顔に紅牙は内心戸惑っていた。こういう純粋な笑顔を浮かべられるのは紅牙にとってすごく新鮮なことであるので、躊躇してしまう。こんな笑みを自身に向けられるのはいつぶりだろうか。

 

「あ、ああ、わかった。午後ですよね、千冬さん」

 

「ああ、午後のIS実技の時間を模擬戦に充てる。一夏もそれでいいな?」

 

「オッケーだぜ、千冬姉。なんだか楽しみになってきたなあ!」

 

模擬戦に喜ぶ一夏。紅牙はそんな一夏の様子に慣れないのか、調子を狂わされたままであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

午後。清々しかった朝の陽ざしが、今度は鬱陶しいほどにぎらぎらとした光が地表を照り付ける。まだ三月であるが、この強い日差しの照り付けは初夏の日差しを思わせるほどに、本日の天気は晴天であった。

 

「眩しいな……」

 

紅牙は照り付ける太陽の日差しに目を細く顰める。この行為自体、既視感を覚えるが。恐らく気のせいだろうと、とりあえずすっとぼけておく。

 

(零、〝ミスティック・クラッド〟はどうだ?)

 

(各部オールグリーン。問題ありません。ですが、武装のインストールチップが足りないため、兵装は通常より少なくなっています)

 

(何がある?)

 

(近接用のシュナイダーナイフが四本、ハンドライフル、ハンドランチャーがそれぞれ一丁です。あとは機体の固定装備であるアームアンカーとBFSですね)

 

やはり武装が少ない。というのも、本格的な武装は学園入学前日にインストールチップを受け取る予定だったからである。インストールチップは〝ミスティック・クラッド〟の武装が量子化、インストールされているチップで、その量子化データをIS本体にダウンロードさせることで、簡易的に武装の追加や解除ができる代物である。特殊任務を請け負うことが多いBREAKERSでは任務によってすぐさま武装の入れ替えができるように、このチップを重宝している。

 

(普段の得物がないのが痛いな。まあ、仕方ないか。少ないと嘆いていても何も変わらないからな)

 

(特殊大型対艦刀〝エクスイグザム〟は調整中ですからね。仕方ありません)

 

(まあ、やってやれないことはないだろう)

 

決して侮るつもりは無いが、一夏はまだ初心者。千冬との訓練で多少の技術は習得しているかもしれないが、つい最近までは学生の身であったことを考えれば、丁度良いハンデになるのではないかと紅牙は考えていた。

 

「それにしても……技研の中にこんな大層な実験用ISアリーナがあるとは。いや、ISの研究所だから当たり前か」

 

現在、紅牙は午後に予定された模擬戦を行うべく、実験用アリーナのピットに来ている。恐らく反対側のピットには、一夏が待機していることだろう。

 

「そうだねえ。でも、国内でこんな大層なアリーナがあるのはたぶんうちだけだと思うよ」

 

紅牙がアリーナを見て感慨にふけっていると、後ろから声がかけられた。

 

「ああ、社長さんか。立派なアリーナだからそれも当然か」

 

特に驚くでもなく、自然体で返す紅牙。その様子に声を掛けた倉持柚葉はありゃ、と少し落胆の意を込めた声を発した。

 

「なんだ。せっかく驚かせようと思ったのに、ばれちゃった」

 

「驚かすなら、反対側のピットに行ったらどうです?さぞかし驚いてくれると思いますよ」

 

「いやあ、向こうは怖い教官殿がいるだろうからね。私も命は惜しい」

 

なるほど、確かに命は大事にしたほうが良い。くすっと紅牙は内心で笑みを浮かべる。

 

「それで、行けそうかい?そろそろ時間だと思うけど」

 

「ええ、行きますよ。――そんなに急かさなくても、俺のISは逃げませんよ。好きなだけ戦闘データを取ればよろしい」

 

「おや、それもばれていたか。――うん、しっかりとデータは取らせてもらうよ。私は研究者。それも生粋を自負しているからね。必ず君のISを丸裸同然の状態にして見せよう」

 

「それはお手柔らかにお願いしますよ」

 

その言葉を残し、紅牙はピットのハッチの方へ向かう。柚葉の目的は最初から分かっていた。自身のISは委員会秘蔵のIS。委員会が作ったというわけではないが、このISには秘蔵されてもおかしくない要素があった。

 

――なぜなら、このISには篠ノ之束の手が加えられているからだ。

 

恐らく柚葉は自前の敏感な研究者としての嗅覚でその辺をしっかりと嗅ぎ取ったのであろう。さすがは一流研究者。生粋と自称するのは伊達ではないということか。

 

(よろしいのですか?)

 

(大丈夫さ。それにこの先、いくらでもデータを取られる機会はあるからな。ここだけ取らせないようにしても、結局は無意味だ)

 

(そうですね。――そろそろ時間です。〝ミスティック・クラッド〟展開)

 

零の声と共に紅牙の体が光の粒子に飲まれる。量子化されていた〝ミスティック・クラッド〟の装甲が瞬時に紅牙の体にセットアップされていく。

 

光の粒子の中から現れたのは、一つのIS。鋭角的なフォルムで全身を覆っており、薄い蒼と白が混ざったブルーホワイトが紅牙の全身を彩る。ISにしては珍しく、フェイス以外はフルスキンであり、所々に固定武装が装備されている。背部ウイングスラスターは大型のものが左右一つずつ、まるで大翼のような形状。ヘッドは多目的なバイザーが装着されており、今はバイザーが上げられている状態。このバイザーが下ろされると目元まですっぽり覆う形となり、視覚センサーやステルス機能が大幅に向上する仕組みとなっている。平常時では下ろされることはないが、特務を請け負う場合など、実戦では下ろされる場合が多い。

 

〝ミスティック・クラッド〟の展開を一秒以下で済ませた紅牙は、ハッチがオープンされるのを待つ。もうすぐ時間なので、オートでハッチが開かれる。

 

重苦しい機械音が響きながら、ゆっくりとハッチが開閉していく。徐々に開いていくそのハッチからは、輝かしい日光が差し込んできて、紅牙は再度目を少しだけ顰める。だが、すぐにハイパーセンサーの補正が入り、日光はただの薄い光と化す。

 

(ハイパーセンサー感度良好。〝ミスティック・クラッド〟稼働可能です)

 

(なら、――いくか)

 

ハッチが完全に開かれるのを待って、紅牙は陽の光が満ちた、大空へとその大翼を羽ばたかせた。

 

 

 

 




あとがき

こんにちは、raludoです。

ぎゃー、模擬戦の内容が書けなかったよー。ということで、申し訳ありませんが次回も学園入学は難しそうです。うーん、入学できるかな。たぶん次話ではまだ無理かなーと思います。

紅牙のISは自身の旧作とは多少変更しています。どのような変更点があるかはお楽しみに。もう結構ばらしちゃってますけど。

そして今回はなんと、たつなさんに紅牙の立ち絵を描いてもらいました。立ち絵自体は結構前に描いてもらっていましたが、今回使わせてもらうことになりました。たつなさん、格好良く描いてくださって、本当にありがとうございます!


【挿絵表示】


というわけで、今回は模擬戦の戦闘前までということで一つ、皆様にお届けしました。次話は模擬戦の内容から入ると思いますので、よろしくお願いします。

BREAKERSをご覧いただきありがとうございました。

追記 竜羽さん、評価していただきありがとうございました!
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