機動戦士ガンダムSEED-アネモネの花言葉-   作:ピーチフィズ

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シルバーウインド号、爆発させてしまいました。


episode:02 護衛②

 

ザフト軍の基地から宙に出て、数時間後の事だった。

事態は速やかに、悪い方向へと進んでいた。

 

「ラクス様、地球軍の艦から通信が入っております。この艦の目的を説明した所、臨検されたいと」

 

「わかりました。お受け致します、とお伝えください」

 

「は!」

 

伝えに来たザフトの兵士を見送った後。

 

───ドクン。

 

(嫌な予感がします···)

 

ラクスの返答に、カシスは嫌な予感が走るのを胸に感じた。

 

「···、お姉様」

 

「カシス?」

 

カシスはラクスの手を握り席を立とうとした瞬間。

 

ドォォォォォンンッッッ!!!

 

「きゃあ!!」

 

船内は酷い襲撃に会い衝撃にラクスはふらりと倒れそうになるのを、カシスが腕を引いて抱きとめた。

 

フラフラとザフト軍の兵士が揺れに耐えながらも、2人の元へ。

 

「ラクス様!!カシス様!!地球軍により襲撃され、この艦はもうダメです!お2人とも直ちに救命ポッドへ!」

 

「承知しました!お姉様、急ぎますよ」

 

「···ですが!」

 

緊迫した空気に喉が張り付きそうな感覚。

後ろ髪を引かれるラクス。

ここに残るザフト軍兵士の安否を気にかける姉の手を、必死に引っ張り救命ポッドの格納庫まで急いだ。

 

爆発音が続いている、衝撃も地震のように伝わりここもいつ火に飲み込まれるのかも時間の問題だろう。

 

「お姉様、艦のハッチは私が開きます。ポッドのハッチを閉めてください。私も後から直ぐに行きます!」

 

「カシス!あなたも乗るのです!」

 

「お姉様、私だってザフトの赤なんですよ?大丈夫、このくらいのピンチ、切り抜けてみせますわ」

 

「さぁ、だから早く」と言葉を続けた所で格納庫まで爆発が届いた瞬間、2人に向かって鉄の破片が飛んで来るのがわかった瞬間、カシスはラクスを庇った。

 

「お姉様っ!!」

 

──ザシュッ!!

 

破片はカシスの頭の右を横切りながら、髪を裂き皮膚を裂いた。

じわりと滲み出る血は、無重力により赤い丸い粒を作り浮く。

 

「···カシス!!」

 

「大丈夫、掠めただけですっ」

 

どんどん滲み出る血が鬱陶しく思う程、カシスは焦燥感に駆られていた。

早く、お姉様を外に出さなければと。

 

そんな時、一人のザフト兵士により、二人揃って救命ポッドに押し込められた。

 

「不敬を承知で申し訳ありません、早くお逃げください。ここはもうダメだ」

 

「お待ちください!あなたはっ!!」

 

一人のザフト兵士の安否も確かめられぬままに、二人の乗って救命ポッドは宙へと投げ出された。

 

カシス達が最後に見た物は、爆発を起こし消えるシルバーウイング号の姿だった。

 

 

 

 

2人共、しばらくは言葉が発する事も出来ずにいた。

たった数時間だけ、一緒にいた、つい先程まで一緒に艦に乗っていた人達が一瞬にして命を落としたのだ。

 

胸が痛い。

 

苦しい。

 

カシスは言いようの無い悔しさと、悲しさと、寂しさを唇をきゅっと結んで耐えていると、不意に頭にズキリと痛みが走った。

 

「っ!!···」

 

ラクスが、ふわりと触れたのだ。

 

「ごめんなさい。カシス」

 

白いラクスのハンカチが瞬く間に赤く染まって行く。

 

「···お姉様。ありがとうございます。ハンカチ、ダメにしてしまいましたね」

 

「それは良いのです。カシス、守ってくださってありがとうございました」

 

「···、いえ」

 

頷きながら、カシスは救難チャンネルのボタンを押した。

果たしてこの広い宇宙の中で、拾われるのはいつになるのだろうと不安を抱いていた。

 

 

 

 

 

しばらくして、救命ポッドに衝撃が走った。

進み速度から恐らくジンに拾われたのだろう、ポッドのハッチが開かれるまではそう思っていた。

 

ラクス達は安堵したのもつかの間。

 

ハッチが開くと同時にハロがまず先に飛び出した。

 

「ありがとう、ご苦労さまです」

 

私の手を握り、外に連れ出された光景にカシスは心臓をビクつかせた。

 

 

──ここは、地球軍の艦だ。

 

 

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