決戦はバレンタインデイ☆   作:クリリ☆

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二人の心、二つの心

 

そうして闇遊戯と海馬は破り捨てた包装紙を拾い集めていく。

そうしてる間にだんだんギャラリーは消えていった。そして昼休みは終わり、午後の授業が始まった。

授業中、闇遊戯が杏子の様子を見る。すると杏子は遊戯の視線に気付くと、プイッとそっぽを向いてしまう。

 

(相棒、杏子のヤツかなり怒ってるぜ)

 

すると遊戯が、闇遊戯の心の内に言った。

 

『仕方ないよもう一人のボク。今は杏子の機嫌が直るのを待とう』

 

(ああ、そうするしかないな…)

 

そうして午後の退屈な授業が終わり、放課後を迎える。すると闇遊戯は速攻で校庭に飛び出し、杏子の投げ捨てたチョコレートを探し始める。

 

「たしかオレたちの教室は2階だから、杏子の腕力じゃここら辺に落ちてる筈だぜ…」

 

杏子が窓からチョコを投げ捨てた時、闇遊戯は教室の奥の方にいたため、どこまでチョコが飛んだのかが分からなかった。闇遊戯はおおよその見当をつけてチョコを探し始める。

 

『全然見つからないね、もう一人のボク』

 

「ああ。一瞬しか見えなかったが、確かピンク色の目立つ色の包みだったよな」

 

『う~ん、もしかしたらすでに誰かに拾われちゃったとか?』

 

「でも、まだ放課後になったばかりだぜ。午後はどのクラスも校庭を使う授業はなかったはずだ」

 

そうして闇遊戯は探す範囲を広げ、ひたすらチョコレートを探し続けた。

 

チョコレートを探し始めておおよそ1時間が経過する。辺りはもう薄暗くなっており、探すのはかなり困難になってきていた。

 

『ねえもう一人のボク、もう暗くて見えないよ。明日また探そうよ』

 

「いや、そういう訳にはいかないぜ相棒。バレンタインっていうのは今日だけなんだろ? だったら今日受け取らなきゃ意味がないぜ」

 

『でも…』

 

「すまない相棒、このままじゃオレの気が済まないんだ。もう少しだけ付き合ってくれないか?」

 

『うん、分かったよ』

 

それからさらに30分程が経過し、ようやく闇遊戯は校庭の一番隅っこの生け垣の中でチョコレートを見つけた。

 

「あ、あったぜ相棒!」

 

『うん! やったねもう一人のボク!』

 

遊戯はチョコレートの包みを拾い上げると、それを軽くパッパッと叩いて砂挨を払う。

 

「それにしても教室からここまで100mはあるぜ。まったく、なんて馬鹿力だ。杏子だけは怒らせちゃいけないな…」

 

「馬鹿力で悪かったわね!」

 

「えっ!?」

 

闇遊戯は突然後ろから声を掛けられ、思わず後ろを振り向く。するとそこには杏子がいた。

 

「あ、杏子!?」

 

「遊戯…」

 

「何でお前がこんな所にいるんだよ。ビックリしたぜ」

 

「だって、遊戯が必死に私のチョコ探してるから、何だか声をかけずらくて…」

 

(それに、ちょっと嬉しかったし…)

 

「っていうか、放課後からもう2時間近くは経ってるぜ。ずっといたのか?」

 

「そうだよ。ず~っといたんだよ。遊戯ってば全然気が付かないんだもん」

 

「マジかよ」

 

「フフ、黙っててごめんね遊戯」

 

「いや、オレの方こそすまなかったな。チョコレートをくれた人の気持ちを踏みにじるような真似をして…」

 

「いいよ、分かってくれれば。もう怒ってないよ」

 

その時、ようやく闇遊戯に笑顔が戻る。

 

「なあ杏子。こいつを開けていいか?」

 

「うんいいよ」

 

そして闇遊戯は丁寧に包装紙をはがしていき、中の箱を開けた。するとそのチョコレートはハートの形をしていたが、真ん中でキレイに真っ二つに割れていた。

 

「あ! どうやら地面に落ちた時の衝撃でチョコレートが割れちゃったみたいだぜ…」

 

「ふふ、そうだね…」

(違うよ。私の心はあなたと、もう一人の遊戯と半分ずつ…)

 

「ん、今何か言ったか?」

 

「えっ、な、何でもないよ遊戯…//」

 

杏子は耳まで顔を真っ赤にしてしまうが、辺りはもう真っ暗で闇遊戯には気付かれなかった。

 

「なあ杏子。今から、夕食でも食べに行こうぜ!」

 

「うん、たまにはいいね!」

 

すると闇遊戯が杏子の手をスッと握る。

 

「えっ…!?」

 

「どうしたんだよ杏子。手、繋ごうぜ」

 

「う、うん…//」

 

杏子はぎこちない手つきで闇遊戯の手をそっと握り返す。

 

「杏子、何が食べたい?」

 

(う~ん、本当はラーメンが食べたいけど、ムードが台なしよね…)

「私は何でもいいよ」

 

「じゃ、相棒の大好物のハンバーガー食べに行こうぜ!」

 

「うん…」

(あなたって、こんな時でももう一人の遊戯の事を考えてるんだね…)

 

「どうしたんだよ杏子、早く行こうぜ!」

 

「うん!」

 

 

そうして闇遊戯と杏子は童実野(どみの)街の雑踏の中に消えていった。

 

 

 

 

 

決戦はバレンタインデイ☆

 

 

 

 

おしまい☆

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