そうして闇遊戯と海馬は破り捨てた包装紙を拾い集めていく。
そうしてる間にだんだんギャラリーは消えていった。そして昼休みは終わり、午後の授業が始まった。
授業中、闇遊戯が杏子の様子を見る。すると杏子は遊戯の視線に気付くと、プイッとそっぽを向いてしまう。
(相棒、杏子のヤツかなり怒ってるぜ)
すると遊戯が、闇遊戯の心の内に言った。
『仕方ないよもう一人のボク。今は杏子の機嫌が直るのを待とう』
(ああ、そうするしかないな…)
そうして午後の退屈な授業が終わり、放課後を迎える。すると闇遊戯は速攻で校庭に飛び出し、杏子の投げ捨てたチョコレートを探し始める。
「たしかオレたちの教室は2階だから、杏子の腕力じゃここら辺に落ちてる筈だぜ…」
杏子が窓からチョコを投げ捨てた時、闇遊戯は教室の奥の方にいたため、どこまでチョコが飛んだのかが分からなかった。闇遊戯はおおよその見当をつけてチョコを探し始める。
『全然見つからないね、もう一人のボク』
「ああ。一瞬しか見えなかったが、確かピンク色の目立つ色の包みだったよな」
『う~ん、もしかしたらすでに誰かに拾われちゃったとか?』
「でも、まだ放課後になったばかりだぜ。午後はどのクラスも校庭を使う授業はなかったはずだ」
そうして闇遊戯は探す範囲を広げ、ひたすらチョコレートを探し続けた。
チョコレートを探し始めておおよそ1時間が経過する。辺りはもう薄暗くなっており、探すのはかなり困難になってきていた。
『ねえもう一人のボク、もう暗くて見えないよ。明日また探そうよ』
「いや、そういう訳にはいかないぜ相棒。バレンタインっていうのは今日だけなんだろ? だったら今日受け取らなきゃ意味がないぜ」
『でも…』
「すまない相棒、このままじゃオレの気が済まないんだ。もう少しだけ付き合ってくれないか?」
『うん、分かったよ』
それからさらに30分程が経過し、ようやく闇遊戯は校庭の一番隅っこの生け垣の中でチョコレートを見つけた。
「あ、あったぜ相棒!」
『うん! やったねもう一人のボク!』
遊戯はチョコレートの包みを拾い上げると、それを軽くパッパッと叩いて砂挨を払う。
「それにしても教室からここまで100mはあるぜ。まったく、なんて馬鹿力だ。杏子だけは怒らせちゃいけないな…」
「馬鹿力で悪かったわね!」
「えっ!?」
闇遊戯は突然後ろから声を掛けられ、思わず後ろを振り向く。するとそこには杏子がいた。
「あ、杏子!?」
「遊戯…」
「何でお前がこんな所にいるんだよ。ビックリしたぜ」
「だって、遊戯が必死に私のチョコ探してるから、何だか声をかけずらくて…」
(それに、ちょっと嬉しかったし…)
「っていうか、放課後からもう2時間近くは経ってるぜ。ずっといたのか?」
「そうだよ。ず~っといたんだよ。遊戯ってば全然気が付かないんだもん」
「マジかよ」
「フフ、黙っててごめんね遊戯」
「いや、オレの方こそすまなかったな。チョコレートをくれた人の気持ちを踏みにじるような真似をして…」
「いいよ、分かってくれれば。もう怒ってないよ」
その時、ようやく闇遊戯に笑顔が戻る。
「なあ杏子。こいつを開けていいか?」
「うんいいよ」
そして闇遊戯は丁寧に包装紙をはがしていき、中の箱を開けた。するとそのチョコレートはハートの形をしていたが、真ん中でキレイに真っ二つに割れていた。
「あ! どうやら地面に落ちた時の衝撃でチョコレートが割れちゃったみたいだぜ…」
「ふふ、そうだね…」
(違うよ。私の心はあなたと、もう一人の遊戯と半分ずつ…)
「ん、今何か言ったか?」
「えっ、な、何でもないよ遊戯…//」
杏子は耳まで顔を真っ赤にしてしまうが、辺りはもう真っ暗で闇遊戯には気付かれなかった。
「なあ杏子。今から、夕食でも食べに行こうぜ!」
「うん、たまにはいいね!」
すると闇遊戯が杏子の手をスッと握る。
「えっ…!?」
「どうしたんだよ杏子。手、繋ごうぜ」
「う、うん…//」
杏子はぎこちない手つきで闇遊戯の手をそっと握り返す。
「杏子、何が食べたい?」
(う~ん、本当はラーメンが食べたいけど、ムードが台なしよね…)
「私は何でもいいよ」
「じゃ、相棒の大好物のハンバーガー食べに行こうぜ!」
「うん…」
(あなたって、こんな時でももう一人の遊戯の事を考えてるんだね…)
「どうしたんだよ杏子、早く行こうぜ!」
「うん!」
そうして闇遊戯と杏子は
決戦はバレンタインデイ☆
おしまい☆