『捻れた終着点』から、『あまねく奇跡の始発点』へ 作:文才の無い本の虫
ガタンゴトンという振動で目を覚ます。
「・・・・・また此処か。久し振りだな、
俺は、対面の座席に座る彼女に言う。
彼女――連邦生徒会長は微笑んで言った。
「――ええ、久し振りですね、アトラ。どうやら随分と面白い事になっているみたいですね。悩み位ならお姉ちゃんが聞いてあげましょうか?」
「お姉ちゃん?お前が??」
何方かと言うと手の掛かる妹――アロナの方が妹っぽいな――では?
「酷くないですか?!私、一応年上なんですけど?!」
「はぁ・・・・・まあ、お前になら話すのも悪くないか」
「はい、ノアさんのことについて悩んでるんですね?青春してますね〜」
「何も話していないのだが?」
「ずっと見守ってましたから・・・・・というか
「プライバシーって知っているか??」
「大丈夫ですよ。見ているのは飽く迄大雑把な所だけですから・・・・・それで、先程の悩みについてですが、別に良いと思いますよ。人を愛するのに資格は要りません。大切なのは、思いですから」
そうか。
確かにそうかもしれない。
「『思い』、か」
「ええ。アトラにはわかるでしょう?その『思い』が生み出す『情熱』が。それに、その『思い』は貴方の一部でしょう?」
「・・・・・ああ」
カンナの『正義』、ハルナの『美食』、俺の『偽善』。
どれも何かの『思い』によって生み出された『情熱』だ。
――この『思い』は
「ああ、
「それなら良かったです」
――迷いは晴れた
だが、■■■が俺を
「で、これが目的じゃ無いんだろう?」
「はい。では、本題に入りましょうか」
彼女がパチンッと指を弾く。
――赤い空、黒い塔
――『虚妄のサンクトゥム』
――『方舟』の本体
――『アトラハシースの方舟』
――『鍵』は此処に
――『舵輪』『シッテムの箱』
『・・・・・愛してます、マスター』
『ああ・・・・・俺もだ。ノア、愛してる』
強い、慈愛と
俺とノアが光りに包まれて、
――直感する
「・・・・・■■■、コレは未来だな?」
「はい。貴方達の辿る未来です」
「『起こってしまう』では無く、確実に起きるんだな?」
「ええ。私が教えなくとも、貴方達ならこの
ふむ。
「推測だが・・・・・原因は俺だな?」
「・・・・・はい」
■■■は苦しそうな表情で頷く。
成程な。
「わかった。このキヴォトスの為に死んでやる」
「それは・・・・・」
「元々、お前に拾われた命だ。俺はキヴォトスの平和を祈ってるし、お前もだ。なら、命の使い所は、此処しか無いだろう?」
すると、彼女は歯を食いしばった後、言った。
「・・・・・・・・・・アトラ、お願いします。このキヴォトスの為に、然るべき時に『消えて』、下さい」
「ああ。承知した」
――夢が、覚めていく
◇◇◇◇◇
「なあ、ノア」
「何でしょうか、マスター」
「俺が一緒に死んでくれと言ったら、付いて来てくれるか?」
「ふふっ・・・・・愚問ですね。私が付いて行くのは、貴方がマスターだからですよ?」
「そうか・・・・・ありがとう」
「そこは、『愛してる』ですよ」
「・・・・・もう少し待ってくれ」
――不知火 アトラ
この世界線の連邦生徒会長が偶然見つけた最高の変数にして、最大のイレギュラー。『舵輪』と『シッテムの箱』を持ち、『方舟』の主。
備考:連邦生徒会長は、この展開を望んでいなかった。だが、未来は一定の因子が揃えば、確定してしまう。