『捻れた終着点』から、『あまねく奇跡の始発点』へ 作:文才の無い本の虫
貴方は私を『情熱的で、一本の筋が通ったような生き様』と称しました。
ええ、確かにそうなのでしょう。
ですから・・・・・貴方が何処に居ようと、追い掛けますわ。
「ふむふむ・・・・・困りましたわね」
ですか・・・・・何故私はタイムスリップ――いえ、タイムリープでしょうか――をしているのでしょう?
「はっ!!タイムリープしているという事は・・・・・あの時食べ逃した料理を味わえるという事ではありませんか?!」
いざ、美食の旅へ!!
「行倒れでしょうか?」
「・・・・・もう、めんどくさい」
「貴女は・・・・・って大丈夫ですの?!」
風紀委員の彼女の目元には酷い隈。
こんな時アトラさんなら・・・・・。
「仕方ありませんわ。貴女を少し助けしてあげましょう」
私は彼女に肩を貸す。
それに治安が良くなればアトラさんとのデートを邪魔されずに済むでしょうし。
「ただいま帰りましたわ」
「ハルナ、温泉開発部の鎮圧ご苦労さま。ハルナは休憩に入って良いよ」
「ええ、お言葉に甘えさせて貰いますわ。それと、ヒナも少し休憩したらどうでしょうか?目元の隈が隠しきれてないですわよ」
「うっ・・・・・この書類が終わったらそうする」
「では、近くのカフェに行きましょう。そこのパフェは絶品ですわよ」
・・・・・はて、何故私は風紀委員になっているのでしょうか??
◆◆◆◆◆
「まったく・・・・・君、無事かな?」
「は、はい・・・・・貴方は?」
「俺は不知火。不知火アトラだ」
「・・・・・アトラ、さん」
陳腐な物語に出てくるようなピンチに颯爽と駆け付けてくれるヒーロー。
胸がドキドキします。
――ああ、気付いちゃ駄目
「?・・・・・顔が赤いな。熱か?」
「い、いえいえ!!大丈夫です!!」
そうやって私はアトラさんと出会った。
「モモフレンズ・・・・・?」
「そう!!そのモモフレンズのペロロ様はですね!!」
他の
――私は私の気持ちに蓋をする
「お礼、どうしましょうか・・・・・?」
そうだ、ペロロ様の小説を。
「・・・・・詰め過ぎちゃいました」
ダンボールには
――ああ、駄目です、駄目なんです
アトラくんには、ノアさんが居るから。
『・・・・・・・・・・ヒフミ、モモトークの文章が長い。長過ぎる。軽く原稿用紙5枚はあるぞ?それとペロロ柄のダンボールで送りつけるのはやめろ。無駄に高いだろアレ。というかこのダンボール凄く重いんだが??コレ本当に本だけか??』
「あはは・・・・・
『・・・・・前、ペロロのゲリラライブがあったと聞いたが、また定期考査サボったりしていないよな??』
「ぎくっ」
「うぅ・・・・・なんで、こんなにも胸がズキズキするんでしょうか」
◇◇◇◇◇
「・・・・・なあ、■■■」
「なんでしょうか?」
「夢の中でよくお前と話すが・・・・・俺ってちゃんと寝れてるのか??」
『――回答。此処は魂の外殻。マスターの心象風景。『舵輪』に適合したマスターは魂に記録を保持が可能です』
「ふむ・・・・・要するに今の俺は魂だけだから身体はちゃんと寝ているという認識で合ってるか?」
『肯定』
「・・・・・というか『舵輪』って何だ?」
『『方舟』・・・・・ノアの『万能鍵』、『運命の回し手』』
「余計に意味がわからん」
『――要約。ノアのマスターへの
「成程。なら問題無いな」
「あははは・・・・・相変わらずアトラはノアさんの事になるとダメ人間ですね」
「何か悪いか?・・・・・そう言えばお前とももう十年以上の付き合いか。夢の中だが」
「そうですね・・・・・あ、此方の世界線にも私は居ますよ」
「■■■が?」
「はい。もしかしたらアトラのことを知っているかもしれませんね。何かあったら助けを求めてみるのも手ですし・・・・・これ以上貴方に背負わせる訳にはいきませんから、
『――報告。マスター、男として腹を括って下さい』
「?何だいきなり?」
「おーっと、不味いですね。乱数が増えました・・・・・
『マスター、修羅場というやつですね。頑張って下さい』
「は?」
◆◆◆◆◆
「あー!!もう嫌です!!先生に会いたい!!赤ちゃんみたいによしよしされたい!!もう!!乱数が!!
※ギャン泣き
◇◇◇◇◇
「・・・・・ん?」
ふと、床の上で連邦生徒会長が泣き喚く
――何時もの事か
「どうしたんですか?」
「いや、何でも無い」
俺は先程のスチルを頭の片隅に押しやり、手を繋いで歩いているノアに言った。
とある事情により、俺達はゲヘナに来ていた。
――荷物が重いな
「・・・・・正直に言っていいか?」
「はい」
「俺達がエンジニア部の買い出しに来る必要あったか??」
「ウタハさん曰く、トラブル防止のためだそうですよ?」
俺とノアが持っている袋の中には鉱物やら、何かの部品やらが所狭しと入っている。
それに財布の中はレシートと領収書でパンパンである。
ミレニアムの部活からの申請などを処理するのもセミナーの役割なため、庶務である俺が駆り出されたという訳だ。
「はぁ・・・・・ゲヘナは治安が悪いからな。仕方無い」
――ブラックマーケットほどではないが
「ふふふ。ですから、
そう言ってノアは悪戯っぽく笑う。
「そうだな・・・・・気楽に考えるか。必要なものはあらかた揃っているし、ノアは何か食べたい物とかあるか?」
「そうですね・・・・・今はマスターとパフェが食べたい気分です」
「よし、それなら向こうの方にスイーツを置いているカフェがあった筈だ」
ハルナに付き合わされていたお陰で、ゲヘナの
――まあ、温泉開発部に爆破されてなければの話だが
暫くして、目当ての店に着く。
その店のテラス席に二人で座り、メニューを見る。
ラインナップは『向こう』と同じか。
「マスターは何を頼むんですか?」
「俺はコーヒーだな」
『向こう』ではハルナは少食だったから、その食べ残しを俺が良く食べていた。
そのせいで、こういう店に来るとコーヒーだけを頼むのが癖になってしまった。
こういう店のコーヒーは基本的にハズレが少ないしな。
「ふーん?じゃあ、私はこの『特盛パフェ』を頼みますから、分け合いっこして食べましょう」
そう言って、ノアは店員を呼び、注文を伝えた。
『
『アトラはそう云う星の元に生まれたんだと思いますよ』
――お前達は何を話してるんだ?
『いえ、気にしなくていいですよ』
『――肯定。マスターはノアの相手に集中するべきです』
――余計に気になるんだが?
暫くして、俺達の前に大きなパフェが現れた。
「・・・・・幾らなんでも大き過ぎやしないか??」
すると、眼の前にホイップの載ったスプーンが差し出された。
ノアは、満面の笑みで言う。
「マスター、あーん♪」
言えと?
俺だって羞恥心はあるんだぞ?
――ノアの笑顔には勝てなかった
「・・・・・あーん」
スプーンを口に入れる。
甘ったるいな・・・・・。
「ふふふ(少し、気分が高揚してしまいます♡)。マスター、あーん♪」
そうして、暫く俺は雛鳥のようにノアの差し出すパフェを食べる事となった。
当然、特盛パフェの八割は俺が食べることになった。
・・・・・コーヒーの苦さが沁みる。
俺は、空になったパフェの容器と上機嫌なノアを前に、言う。
「当分、パフェは御免被りたいな」
すると、ノアは言う。
「また来ましょうね、マスター」
「・・・・・次はノアが食べ切れる量で頼む」
「ふふふ」
そうして暫くテラス席で寛いでいると、少し周囲が騒がしくなってきた。
少し頭を向ける。
二人組の人影。
腕には『風紀委員』の腕章。
――そして、見覚えのある橙色のヘイローと黒い帽子
「ハルナ?」
「・・・・・アトラ、さん?」
ガシャン、と彼女が銃を落とした音が響いた。
――止まっていた歯車が、動き出す音がした
――黒舘 ハルナ
『ゲヘナ学園2年生』『風紀委員会・副委員長』
『世界を超えた者』
備考:ヒナと触れ合い、気付けば何故か風紀委員会に入っていたお嬢様。美食はそのままだが、風紀委員の権限が味方につき、『美食の副会長』として恐れられている。美食研究会名誉会長。