『捻れた終着点』から、『あまねく奇跡の始発点』へ 作:文才の無い本の虫
「ウタハ先輩、ただいま帰りました♪」
「ウタハ部長、これが申請にあった物品だ。確認してくれ」
「アトラ君にノア君、すまないね。この部品や鉱物はゲヘナにしか売ってなくて・・・・・それで、どうしてアトラ君はノア君を横抱きにしているか聞くべきかい?」
「・・・・・ノアの笑顔には勝てなかったんだ」
「そう言う割には満更でもなさそうだ。私には男日照りなんてものはないからノア君が少し羨ましいね」
「ふふふ、ウタハ先輩も来ますか?」
「いや、今は遠慮しておこう。姉君も怖いしね。それに、アトラ君の腕の中は君が居るほうが良い絵になる・・・・・あ、そろそろ定期検査をするから暇なときに来てくれ」
「わかりました」
「わかった」
◇◇◇◇◇
「起きて下さい、マスター。朝ですよ」
「ふぁ・・・・・おはよう、ノア・・・・・ふぁ・・・・・」
俺は横に居たノアに挨拶をして、のろのろと台所に向かう。
――朝食を作らなくては
先ずは米を炊く。
豆腐を切り、冷蔵庫から作り置きの出汁と味噌を取り出し・・・・・。
「ふぁ・・・・・眠い」
「相変わらずマスターは朝に弱いですね・・・・・何故そんな状態でも料理の手際に淀みがないのか不思議です」
暫くして、ネギ抜き――姉さんが苦手な為――味噌汁が出来上がる。
取り敢えず俺は姉さんの部屋に向かう。
布団の上でヘイローが点滅している。
「ふぁ・・・・・姉さん、朝だよ・・・・・」
「ふぁ・・・・・起きます、起きます・・・・・超人ですから・・・・・ふぁ・・・・・アトラのご飯が待っていますし・・・・・」
姉さんが布団から起き上がる。
「おはよう、姉さん・・・・・」
「ええ・・・・・おはようございます、アトラ・・・・・」
二人でのろのろとリビングへ向かう。
丁度良い感じに味噌汁が温くなっているだろう。
「「「いただきます」」」
これが、俺の日常だ。
玄関で、連邦生徒会の制服に身を包んだ姉さんが言う。
「じゃあ、お姉ちゃんは行ってきますね、アトラ。気を付けるんですよ」
「うん。姉さんも気を付けて」
「ええ、勿論ですとも!」
「・・・・・マスター、私達も行きましょうか」
「ああ」
鍵を閉める。
――そうして、俺とノアは二人で歩き出した。
◇◇◇◇◇
俺達は二年生になった。
新しい風紀委員の体制を整備したらしくハルナが週に二回程遊びに来る様になったし、ウタハ――ウタハ先輩。エンジニア部の部長。簡単に言うと天才――の協力で『舵輪』の方の不確定要素もどうにかできた。
「相変わらずいい身体をしているね」
「鍛えているからな」
「
「鍛えといて損は無い・・・・・それに、いざという時に後悔はしたくないからな」
「君らしいね。そうだ、アロナ君と■■■君は何か要望とかあるかい?」
『甘露を所望します。いちごミルクを』
『あ、私にもお願いします』
「はぁ・・・・・」
「ははは、愉快な身体だね・・・・・アトラ君、お迎えが来たみたいだよ?」
「マスター、終わりましたか?」
「ああ。検査は終わったところだ。いちごミルクを二本買って帰ろう」
相変わらず俺はノアと居るし、アロナと■■■は俺の中で騒いでいる。
ノアとハルナの間で苦笑するのも屡々。
「ほら、アトラさん!!行きますわよ!!」
「マスター、お出掛けです♪」
「ははは・・・・・引っ張らないでくれ。千切れる」
・・・・・カンナ、君の伝言は受け取った。
『お幸せに、と』。
――なるさ、幸せに
その為に努力してきたんだから。
◇◇◇◇◇
ある日、セミナーの部屋。
電話を取っていたノアが、声を出した。
「はい?」
「どうした?」
「・・・・・連邦生徒会から、キヴォトスの行政がストップしたと」
すると、近くで電卓を片手に書類の計算をしていたユウカが立ち上がる。
「はぁ?!連邦生徒会は何やってるのよ?!ちょっと状況の確認と抗議に行ってくるわ!!」
「ユウカちゃん、何が起こるかわかりませんから気を付けて下さいね」
「わかってる!!」
そう言ってユウカは銃を引っ掴んで走って行った。
――連邦生徒会の行政権は連邦生徒会長が持っている
ふと、『向こう』で起きた連邦生徒会長の
「・・・・・ノア、原因は?」
「・・・・・えーっと、連邦生徒会長のボイコットだそうです」
「は?」
するとノアは手を口元に当てる。
「えーこほん・・・・・『毎日毎日問題ばかりです!!いい加減にしてくださいよキヴォトス!!私は物凄ーく大切な、た・い・せ・つ・な!!用事で出掛けますので少しぐらい反省してください!!』との事です」
「・・・・・」
――帰って寝たくなってきた
『あはは・・・・・』
『向こう』の元連邦生徒会長として、気分はわかる。
・・・・・本当、いい加減にしろよ頭キヴォトス共。
◆◆◆◆◆
「先生・・・・・起きて下さい先生」
「“・・・・・?”」
「キヴォトスへようこそ、先生」
「“君は?”」
すると、眼の前の女性?は涙を流し始めた。
「うぅ・・・・・先生ぇ、ずっとずっとずっと!!お待ちしておりました・・・・・助けて下さい先生ぇーー!!」
抱き着かれた。
いきなりで何が何だがわからない。
だけど、彼女が僕/私を『先生』と呼ぶのなら、
“彼女の涙を拭う。”
選択を、選んだ。
「“――わかった。”
――先生
『有り得そうで有り得ない可能性』『黒』『先生の役割を振られた何か』
備考:彼/彼女は固有名詞を持たず、ただ『先生』として喚ばれた。