『捻れた終着点』から、『あまねく奇跡の始発点』へ   作:文才の無い本の虫

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――この世界の主人公は一人じゃない







Vol.4「砂漠の王」
Hello:先生


 

 

 

 

 

「“成程・・・・・。” ()はそのシャーレの先生として呼ばれたんだね?」

 

 

「はい・・・・・」

 

 

“立ち上がる。”

 

僕は彼女に手を差し伸べて、言う。

 

 

「“じゃあ、そのシャーレってところに行こう。” 案内してくれるかな、連邦生徒会長」

 

 

「はい、先生!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 

ユウカが出ていってから数時間後。

 

セミナーに様々な苦情等の電話がかかって来る。

 

どうやら何処もかしこも同じ様な状況らしいとヒフミから聞いた。

 

今ヒフミはセミナーの部屋の端でペロロの小説を・・・・・。

 

 

「おいヒフミ、どうやって此処まで来た?!」

 

 

「あはは・・・・・来ちゃいました」

 

 

すると、姉さんから電話がかかって来た。

 

 

「姉さん?こんな時間(勤務時間)にどうしたの?」

 

 

『それが、連邦生徒会長が『先生』とユウカさんを連れて何処かに向かいました。ユウカさんのことなので一応知らせておこうと思いまして』

 

 

「成程・・・・・ありがとう、姉さん。仕事頑張ってね」

 

 

『んぐっ・・・・・ええ、お姉ちゃんはこれで!アトラも頑張って下さいね!』

 

 

電話が切れる。

 

『先生』か。

 

・・・・・しかし、ユウカを連れて?

 

戦力が必要な理由が?

 

 

「ノア」

 

 

「マスター、行きますか?」

 

 

――お見通しだった様だ

 

 

「ああ。ユウカが心配だ。この混乱で何が起こるかわからないからな」

 

 

「あのー、アトラくん、私もついていきましょうか?人手はあった方が良いと思います」

 

 

「・・・・・確かにそうだな。ミレニアムにはC&C(防衛戦力)が居る。杞憂に終わるならそれが一番だ。ヒフミ、手伝ってくれ」

 

 

「はい!」

 

 

「しかし、移動手段をどうするか・・・・・」

 

 

「(ちょんちょん)」

 

 

「ん?」

 

 

するとノアがポケットから鍵を取り出した。

 

――確かあの鍵はウタハ(エンジニア部)に頼んでいた・・・・・

 

ノアが悪戯っぽく笑って言った。

 

 

「マスター。少し、ズルしちゃいましょう♪」

 

 

「ははは。最高だ」

 

 

「え?!どういう事ですか?!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ははは!!注文以上の仕上がりだな。自爆機能さえついてなければ」

 

 

「楽しいですね、マスター。合理的ではないけれど、気分が高揚します♪」

 

 

「ちょ、これサイドカー付きのバイクでする機動じゃないですよ?!ていうかなんでこのバイク壁面走ってるんですか?!」

 

 

「ヒフミ、そんなに喋ってると舌噛むぞ?」

 

 

「いっ・・・・・うぅ」

 

 

「・・・・・言っただろうに」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

「えいっ」

 

 

「ぐわー!!」

 

 

「ていっ」

 

 

「くそー!!」

 

 

「せーのっ」

 

 

「「「ぎゃあああ!!」」」

 

 

彼女――連邦生徒会長が台風の目となって、不良達が次々と空を舞う。

 

()はサンクトゥムタワーで会った早瀬ユウカという生徒の後ろでその光景を見ていた。

 

 

「痛っ?!・・・・・ってこれホローポイント弾じゃないの?!危ないので先生は私の後ろから出ないで下さいね!!」

 

 

「“ユウカ、ごめんね。”」

 

 

「いいえ、大丈夫ですよ、先生。銃弾一発が致命傷になってしまう先生を放置するほど狭量ではありませんから!!」

 

 

暫くして、銃声が止み、連邦生徒会長が戻って来た。

 

彼女の後ろには不良が積み重なってできた山が見える。

 

 

「ふう・・・・・あらかた片付きましたね。先生、先に進みましょう」

 

 

「・・・・・連邦生徒会長ってアトラみたいに脳筋だったのね」

 

 

“(・・・・・彼女のみたいな子がもう一人いるんだ。)”

 

そうして()達は移動して行く。

 

暫くして目的地であるビルが見えてきた。

 

 

「ようやく・・・・・ってあれは戦車にロケットランチャー?!先生、ユウカちゃん、私の後ろに!!」

 

 

「え、ええ!!」

 

 

「“わかった!!”」

 

 

ドゴーーン!!

 

瞬間、凄まじい爆音が響き渡る。

 

 

「痛てて・・・・・この感じだと対戦車榴弾(HEAT弾)じゃないですか?!私じゃなかったら大怪我ですよ?!」

 

 

「撃て撃て!!連邦生徒会長も同じ人間だ!!」

 

 

「くっ・・・・・先生とユウカちゃんは私の後ろから出ないで下さい!!」

 

 

爆発音や銃声が立て続けに響く。

 

どうやら彼女は()とユウカが居るために此処から動け無いようだ。

 

どうすれば・・・・・。

 

すると、膠着を破る様にバイクの排気音と声が聞こえくる。

 

その方向を見ると、青と白のサイドカー付きのバイクが走って来ていた。

 

 

「前方に戦車。ユウカちゃんも居ますね」

 

 

「よし、突っ込むぞ」

 

 

「アトラくん?!相変わらず脳筋過ぎませんか?!」

 

 

「せーのっ」

 

 

「ちょ?!」

 

 

ズガーーン!!

 

“(・・・・・うわあ。)”

 

戦車にバイクが盛大に追突した。

 

そのままバイクは跳ねて、此方の前に停車する。

 

バイクに乗っていた生徒の一人が言った。

 

 

「はじめまして、先生。詳しい話は後でお願いします・・・・・ユウカ、無事か?」

 

 

ピンチにバイクで駆け付けるって・・・・・。

 

(“・・・・・物語の主人公かな?”)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 

連邦生徒会長達の前にバイクをつける。

 

ふむ・・・・・この黒髪の『大人』が『先生』か。

 

 

「はじめまして、先生。詳しい話は後でお願いします・・・・・ユウカ、無事か?」

 

 

「ええ・・・・・って何でアトラとノアが?!」

 

 

「ユウカちゃんが心配でしたので♪」

 

 

すると、ユウカと先生の前に居た連邦生徒会長が俺を見て動揺していた。

 

 

「アトラ?・・・・・まさか貴方が」

 

 

――知っているのか?

 

向こうで戦車がまた動き出している。

 

 

「はぁ・・・・・連邦生徒会長、話は後だ。ノア、さっさと片付けてしまおう」

 

 

「はい、マスター」

 

 

俺は二丁拳銃を抜き、ノアも拳銃を構えた。

 

 

「うぅ・・・・・頭を打っちゃいました」

 

 

「ヒフミは先生達の護衛を頼む」

 

 

「わかりました・・・・・」

 

 

・・・・・仕方無い。

 

俺はヒフミの方を向いて指を3本立てた。

 

 

「ヒフミ、ペロロのぬいぐるみ三つ」

 

 

「頑張ります!!」

 

 

少し現金過ぎて心配なんだが?

 

まあ良い。

 

俺は隣に立つノアを見てから言った。

 

 

「戦闘開始だ」

 

 

「マスター、カバーは任せて下さいね」

 

 

『――マスターの『神秘』に接続。マスターのサポートを開始します』

 

 

隣にアロナが現れる。

 

 

 

「アロナ、身長伸びたか?」

 

 

『肯定。ウタハやヒマリの協力を経てアップデートしました。ヒマリ曰く『スーパーアロナちゃんspecⅡ』です』

 

 

「・・・・・頭が痛くなってくる名前だな」

 

 

俺は走り出す。

 

向こうには何人かの不良と戦車。

 

最優先目標は戦車だ。

 

 

「撃て撃て!!」

 

 

「ぽっと出が調子漕いてんじゃねえ!!」

 

 

「はぁ・・・・・狙いが甘い」

 

 

飛んでくる弾を避けて走る。

 

更に掠りそうな弾はアロナによって逸らされる。

 

(セフィラ:ビナー)の1割にも満たない。

 

――両手の拳銃を構える

 

 

「先ずは一人」

 

 

発砲。

 

 

「ぐわ?!」

 

 

「姉御がやられた?!」

 

 

「なに?!当たらない?!」

 

 

「二人目」

 

 

二発目でもう一人を片付ける。

 

 

『マスターと私の敵ではありません』

 

 

さらに不良がノアからの援護射撃で倒れる。

 

 

「はい、三人目です。アロナちゃん、私も居ますよ?」

 

 

「ノア、左側を任せる」

 

 

「はい♪」

 

 

俺は右に、ノアが左側に回るように走る。

 

戦車の足、取らせてもらう。

 

――『神秘』を右の拳銃に込める

 

するとアロナの手が添えられた。

 

 

『――ここが最適解です』

 

 

「ああ」

 

 

修正し、発砲。

 

放たれた銃弾は戦車のキャタピラを破壊した。

 

 

「なるほど。そこが弱点ですね?」

 

 

反対側でも破砕音が響き、戦車が動かなくなる。

 

すかさず俺は戦車の上に登り、扉を少し開けて・・・・・。

 

 

「寝てろ」

 

 

エンジニア部謹製のスタングレネードを放り込んで閉めた。

 

手に微かな振動が伝わった。

 

――よし、片付いたな

 

 

『・・・・・密室スタングレネード』

 

 

「合理的だろう?」

 

 

するとアロナは両手を頬に添えて言う。

 

 

『愉悦、です』

 

 

「おい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 









――アロナ(スーパーアロナちゃんspecⅡ)

ヒマリやウタハの協力を経て保存してあった『シッテムの箱』の機能を取り込み、進化した。今のアロナは『アトラのヘイローの化身』とでも言うべき存在である。

備考:ヘイローは意識と魂に附随する




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