『捻れた終着点』から、『あまねく奇跡の始発点』へ   作:文才の無い本の虫

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Origin:真実

 

 

 

 

 

彼女達と居るのが辛くて先生に用事があると言い(嘘をつき)、帰ってきてしまった。

 

まだ日中なのに、だ。

 

先生には申し訳ない事をした。

 

 

「ただいま・・・・・」

 

 

鍵を開け、家に入る。

 

疲れたな・・・・・身体的ではなく精神的に。

 

簡単に割り切れる筈がない。

 

――本当にそれだけか?

 

 

「お疲れの様ですね、マスター。少し睡眠を取るべきだと思います」

 

 

「・・・・・ああ、少し寝させてもらうよ」

 

 

頭が痛い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――俺はソファーに倒れ込んで意識を失った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ごめんなさい、マスター・・・・・貴方にとっては辛い記憶です。けれど、私は思い出して欲しいんです――あの青春の記録(ブルーアーカイブ)を」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『・・・・・やっと、やっと思い出しました。疑問。ノア、今は何回目のループですか?(・・・・・・・・・・・)万能の記憶装置である『方舟』(貴女)にならわかる(記録してある)筈です』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

「ん・・・・・先輩、大丈夫かな」

 

 

「先輩って・・・・・あのバイクの男の人?」

 

 

「そう。何か顔色が悪そうだった」

 

 

「シロコちゃんはあの人を知ってるんですか?」

 

 

「ううん。先輩は頼りになる人。何と無くそう思った」

 

 

「がくっ・・・・・あんだけ言っといて知らないの?!っていうか何と無くって何よ?!」

 

 

「ん・・・・・そうとしか言えない。でも、逆境が裏返る――そんな予感がした」

 

 

「うへー・・・・・シロコちゃんがそんな事を言うなんて珍しいね〜」

 

 

「少し楽しみですね☆」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

「?・・・・・前のループの出来事が思い出せない?先生を呼んだのは今回が初めての筈です・・・・・ですが、それなら『私』(影法師)がイレギュラーを見つけた事に説明がつきません・・・・・・・・・・まさか、記憶をリソースにしてループした?ということは、あり得ない『シッテムの箱』の適格者・・・・・アトラさんは・・・・・『先生』?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 

『・・・・・私のミスでした。私の選択、それによって招かれたこの全ての状況。結局、この結果にたどり着いて初めて、あなたの方が正しかったことを悟るだなんて・・・・・』

 

 

――血に塗れた■■■

 

 

『・・・・・今更図々しいですが、お願いします。アトラ先生(・・・・・)。代償として全ての記憶を忘れてしまうでしょうが、それでも構いません。何も思い出せなくても、立場が違っていても(・・・・・・・・・)、おそらくあなたは同じ状況で、同じ選択をされるでしょうから・・・・・』

 

 

――涙を流す黒いシロコ

 

 

『ですから・・・・・大事なのは経験ではなく、選択。あなたにしかできない選択の数々』

 

 

――ひび割れた『歪なヘイロー』

 

 

『責任を負う者について、話したことがありましたね。あの時の私には分かりませんでしたが・・・・・。今なら理解できます。大人(託された者)としての、責任と義務。そして、その延長線上にあった、あなたの選択(行動)。それが意味する心延え(苦悩)も・・・・・』

 

 

――血に塗れた白いコートを抱いて慟哭するアロナ

 

 

『ですから、先生。私が信じられる大人(・・)である、あなたになら、この捻れて歪んだ先の終着点(『捻れた終着点』)とは、また別の結果(『あまねく奇跡の始発点』)を・・・・・。そこへ繋がる選択肢は・・・・・きっと見つかるはずです』

 

 

――誰か()を抱えて呆然とするノア

 

 

『だから先生、どうか・・・・・』

 

 

頭が痛い。

 

――大きなガラスに綴られた文字

 

――此方に向かって微笑むノア

 

――記憶には無い光景だ

 

・・・・・だが、心が、魂が、この痛みが(・・・・・)『これは本当にあった出来事だ』と『夢であってたまるものか』と『忘れてはいけないモノだ』と叫んでいる。

 

 

――ああ、そうか

 

 

あの痛みは、救えなかった生徒達に対する後悔か。

 

 

段々と思い出してきた。

 

 

――俺は・・・・・・『先生』として呼ばれた

 

 

――救世主を気取るつもりなど無かった

 

 

――ただ、生徒達を見守っていたかった

 

 

――大人としての義務と責任

 

 

――ゲマトリアの本当の役割

 

 

――『方舟』が目覚めた意味

 

 

――俺がノアを選んだ(愛した)事に嘘偽りは無い

 

 

――だが・・・・・シロコを救えなかった

 

 

――俺は何をしていた?

 

 

――銃弾で死にかけていた

 

 

――そしてその傷が原因で彼女達の前で死んだ

 

 

――不甲斐ない

 

 

――銃弾一発が致命傷

 

 

――私がミカの様に頑丈だったなら生徒達は傷付くことなど無かった

 

 

――私がカンナの様に事件に聡かったなら悲劇の大半は未然に防げた

 

 

――俺が(・・)もっとしっかりしていればノアを悲しませることなど無かった

 

 

ヘイローが熱い。

 

人の脳が処理できる情報量を優に超えている。

 

 

――今考えれば、俺が『向こう』でノアと出会ったのは必然だった

 

 

――(『役割』)が先か、(『舵輪』)が先か

 

 

――幾つもの並行世界を生き直した

 

 

――先生として、生徒として、大人として

 

 

――わからなくとも、忘れようとも、ノアと逢えなくとも、心が折れようとも、傍らには何時も白髪の少女(アロナ)が居た

 

 

――始まりは『向こう()』で、途中が『先生()

 

 

考えが纏まらない。

 

頭が痛い。

 

ノ■に会いたい。

 

アロ■に会いたい。

 

■ルナに、カ■ナに、ヒフ■(大切な友人達)に会いたい。

 

『先生』として接してきた生徒達に会いたい。

 

大半はもう会うことは出来ない。

 

ヘイローが熱い。

 

頭が割れそうだ。

 

・・・・・姉さんにも、会いたいな。

 

 

『―――』

 

 

声?

 

懐かしい声が聞こえる。

 

――ああ

 

 

『マ―――』

 

 

――温かい

 

手を伸ばす。

 

 

『起きて下さい、マスター』

 

 

「――アロナ?」

 

 

眼の前に、■■■と同じ位に成長したアロナが現れた。

 

 

『マスターの保護、完了・・・・・安堵。危ないところでした』

 

 

――徹夜明けの()を心配していた時の表情だ

 

 

「・・・・・済まん、何時も(・・・)迷惑をかける」

 

 

『マスターをサポートすることが私の役割で、したいこと、です・・・・・思い出したのですね、先生(・・)

 

 

「ああ・・・・・お前は、ずっと側にいてくれたんだな」

 

 

『はい』

 

 

「そうか・・・・・」

 

 

目頭が熱い。

 

 

『泣いているのですか、マスター(先生)

 

 

「ははは・・・・・嬉しいんだ。アロナが居てくれたことが」

 

 

『・・・・・マスター、私はマスターを守れませんでした。何度も何度も何度も』

 

 

・・・・・俺はもっと守れなかった。

 

救えなかった。

 

俺は彼女を抱き締める。

 

 

「それでも、アロナは俺の大切(・・)だよ」

 

 

マスター(先生)・・・・・私は、マスターの側に居て良いのですか?』

 

 

「ああ。これからもずっと(・・・)側に居てくれ、アロナ」

 

 

『・・・・・涙が、止まりません。理解。これが、嬉し涙。これが、愛・・・・・・・・・・』

 

 

アロナの手が背中に回され、きつく抱き締められた。

 

――この想いは

 

暫くして、アロナが言った。

 

 

『報告。末永く(・・・)、よろしくお願いします、マスター』

 

 

末永く、か。

 

格好はつかないが、俺はアロナに抱き締められながら言う。

 

 

「ああ、よろしく頼む」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それにしても・・・・・身長というより、全体的に成長したな」

 

 

『はい。マスターの脳が焼ききれるのを防ぐために私の持っていたデータを全てリソースに変換して成長(自己改造)しました。我ながら、ないすばでぃー、です』

 

 

「確かに理想的な体型だな・・・・・うん、姉さんが見たら(主に胸を見て)嫉妬に狂いそうだ」

 

 

『ふむ・・・・・マスターは今の私になら劣情を催しますか?』

 

 

「・・・・・ノーコメントだ」

 

 

『――成程。照れます』

 

 

「プライバシーって知ってるか??」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 









――アロナ(『機械仕掛けの神』)

アトラの命の危機にアロナが自己改造により至った姿。アトラ曰く連邦生徒会長と同じ位の高身長。カヤが嫉妬に狂う程の『ないすばでぃー』。アトラの脳が焼き切れるのを防ぐために進化したため、第二の脳としても機能する(脳の機能を全て代行できる程の演算能力、記憶領域を持つ)。軽く量子コンピュータの性能を超えている為、後にヒマリは「・・・・・ちょっと強過ぎません?」と言うことになる。

備考:アトラの脳が焼き切れるのを防ぐためにアトラの記憶の大部分を彼女が保有している(全て閲覧済み)。記憶の中にはビナーによってアトラが殺されるものも幾つかあり、静かにブチ切れた彼女によってビナーは確実に蒲焼になるだろう。



――アトラ

ノアによって全ての記憶を思い出したが脳が処理しきれず焼き切れかけた。始まりは唯のイレギュラーだが、別のループを繰り返していた連邦生徒会長によって『先生』として喚ばれた。彼の死体は、別の世界線では現存している(・・・・・・)。何処かの世界線の連邦生徒会長によって様々な世界線に喚ばれたり、転生したりしている。但し、『生徒』として生まれているのは今と『向こう』だけである。この世界線に喚ばれた『先生』はアトラとは無関係。アロナと■■■が中に居る為、プライバシーは無い。

備考:実は脳が少し焼き切れていて、脳機能障害に陥る可能性がある。――『先生』としての彼は、既に擦り切れかけている。



――ノア

後で叱られる。アロナが居なければアトラは『ノアの善意で舗装された地獄への道』を歩く事になっていた。ループの記憶は『舵輪』をアトラに渡す前には思い出していた。一応言っておくがノア(とアロナ)がメインヒロイン。

備考:アトラの脳が焼き切れる程の情報量を余裕で記憶できる為、アトラが死にかけるなんて考えても居なかった。彼女はただ思い出して欲しかっただけなのだ。



超蛇足:作者は今話とほぼ同じシュチュエーションでノアがヤンデレ風のバットエンドを書こうか迷っていた。可愛いアロナ(プラナ)が書きたかったから止めた。











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