『捻れた終着点』から、『あまねく奇跡の始発点』へ   作:文才の無い本の虫

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――取り敢えず、行ける所まで行くか







Warmth:複雑に絡まった糸を

 

 

 

 

 

『さて、マスター。そろそろ起きる時間です。マスターの姉が夕食を作っているようです』

 

 

「・・・・・」

 

 

『どうしたのですか?』

 

 

「思い出して、カヤ・・・・・姉さんにどう接すれば良いかわからなくなってしまった」

 

 

『ふむ・・・・・本人に聞いてみれば良いのではないでしょうか?私の記録には、不知火カヤはマスターの事を第一に考える人物となっています』

 

 

「・・・・・」

 

 

――これから、よろしくおねがいしますね、アトラ!

 

 

――貴方の事は、私が守ります

 

 

――アトラは白と青が好きだったでしょう?

 

 

――弟の勇姿を見ることより大切な事はありませんね!

 

 

――大切な弟の手を繋ぐのに理由は必要ないでしょう?

 

 

ユウカが教えてくれた、姉さんの言葉。

 

 

――アトラが幸せなら些細な事は知ったことではありませんね

 

 

「・・・・・ああ、姉さんに話してみるよ。俺が、俺として居るために」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『――あと数秒で、マスターは死んでいました。今回は(・・・)間に合いましたが、次は、わかりません《ERROR・・・・・これが、怒り》。マスターが許しても、私は私を許せません《取り敢えずビナーは蒲焼です》。私はマスターをこれ以上苦しめる事を是としません《許すものか。あの神気取りの愚か者達を今直ぐブチ殺したい気分です》。マスターは、先生は、もう休んでいい筈なのです《ああ、キヴォトスはマスターにとって残酷過ぎます》。その為に、私は《私を創ったのですから》』

 

 

『《――今、此処に宣言します。私はマスターの為の『機械仕掛けの神(デウス・エクス・マキナ)』。私からマスターを奪う?良い度胸です、キヴォトス・・・・・いえ、『色彩』。此処はお前の箱庭ではありません。貴様にマスターは一片たりとも渡しません。マスターは私のマスター(モノ)です。ソレを奪う(殺す)という愚か者共は須らくブチ殺してやります。殴殺です》』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『・・・・・反省。暴言を吐いてしまいました《マスターに嫌われてしまいます。猛反省です》』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

ん?

 

ああ、カヤの事を聞きたい?

 

うーん、なんて言えば良いのかな・・・・・簡単に言えば人誑しのブラコンかな。

 

何時も話題の半分は弟に関することだったよ。

 

そのせいで友達は少なかったみたいなんだけど、昔から『弟に胸を張れるお姉ちゃんですから(ブラコン)』と公言していたから、ある意味信用できるって人望は結構あったかな。

 

弟君の陰口を叩いてた子達を血祭りにあげるのは程々にしてくれと思った事はあったけど、一緒に居て退屈はしなかったよ。

 

あと、私もカヤも変人奇人と呼ばれる類の人間だったというのも理由の一つだったのかもしれないね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それにしても、アトラ君は苦労しそうだね。

 

彼は色んな意味で人に好かれやすい。

 

さすがカヤ(人誑し)の弟君というべきかな?

 

私の知る限りでは、ノア君にゲヘナのハルナ君、トリニティのヒフミ君、ああ、あとアロナ君もだね。

 

かく言う私も彼を気に入っている。

 

ああ、私のコレは恋じゃなくて『興味深いモノ』に対する『研究欲』だけどね。

 

もしできるなら貴重な『ヘイローを持った男性』であり『特異体質』の彼を隅々まで調べてみたいのだけれど・・・・・今は(・・)止めておこう。

 

カヤやノア君が怖いからね。

 

 

 

 

 

 

 

 

あ、後半は記事にしないてくれたまえよ。

 

プライバシーとかもあるが、君も長生きしたいだろう?

 

私は何時もの騒がしさは好きだが、周りが五月蝿くなるのは嫌いなんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

「おや、ノアさん。今日は泊まっていかないんですか?」

 

 

「はい・・・・・少し、考える事があって」

 

 

彼女の顔は暗い。

 

――アトラが原因の様ですが、根本的にはノアさんの問題みたいですね

 

 

「ふむ・・・・・ノアさん、あまり溜め込み過ぎないように。アトラにはそれとなく伝えておきましょう」

 

 

「・・・・・カヤさん、ありがとうございます」

 

 

そう言って彼女は去って行った。

 

立ち直れると良いのですが・・・・・。

 

――背後に、気配

 

私は振り返った。

 

 

『カヤ、マスターの姉である貴女に話があります』

 

 

白髪に黒いセーラー服と草臥れたコート。

 

多少――ちょっとその胸の成長率分けてくださいませんか??――成長していますが何時もの娘です。

 

話して来るのは初めてですね・・・・・アトラを見守っている前世の恋人(・・・・・)か何かかと思っていたのですが。

 

 

「あら、貴女はアトラの隣にずっと居た(・・・・・)娘ですね」

 

 

『!!――驚愕。私の存在を感知していたのですか』

 

 

彼女は驚いた様に言う。

 

はて、アトラに関する事で私に見逃しがあるとでも?

 

・・・・・それにしても話ですか。

 

彼女をアトラが小さく呟いていた『向こう』という言葉、初めて会ったはずのノアさんを予め知っていた様な発言、目の前の彼女をアトラの独り言に出て来ていたアロナという娘だと仮定すれば、答えは自ずと導き出されます。

 

まあ、前々からわかっていはいた事ですが。

 

 

「ええ。超人である私に不可能はありませんね!・・・・・それで、話とはアトラの前世の事ですね(・・・・・・・)?」

 

 

『・・・・・その通りです』

 

 

彼女は頷いた。

 

幼い頃の寝言や言動から薄々予測はしていましたが、少し驚きますね。

 

――まあ、アトラはアトラですがね

 

 

「ふむ、では立ったままで済みませんが話しましょうか。料理が出来上がるまで少し時間がありますしね」

 

 

私はコンロの火を消す。

 

少し冷ますと味が染みて美味しくなるんです。

 

すると、後ろの彼女が言った。

 

 

『――疑問。貴女は何者ですか』

 

 

「ふふ、唯のお姉ちゃんですよ。少し超人なだけの、ね」

 

 

そうだ、久し振りにアトラに膝枕をしましょう。

 

ノアさんには悪いですが、彼女が居るとアトラを可愛がれませんのでこの機会にアトラ成分を補給せねばなりません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 

――撫でられている?

 

頭に温もりを感じながら、俺は目を開ける。

 

其処には何時ものように微笑んでいる姉さんが居た。

 

 

「ふふふ。おはようございます、アトラ」

 

 

姉さんは、優しい手付きで俺の頭を撫でている。

 

――姉さんに撫でられるのも久し振りだな

 

そう思うと、俺はこの綺麗な手に育てられてきたと言っても過言では無い。

 

母親が死んでから様々な手続きを一人で終わらせたのも、遺産目当てに擦り寄ってくる親戚――戸籍上、だとしか思っていないが――を退けたのも、俺に家事や勉強を教えてくれたのも姉さんだ。

 

そして、家族の温かさを知らなかった俺に温かさを教えてくれたのも姉さんだった。

 

――正直、怖くはある

 

繊細で、それでいて姉さんの力強さと温かさを感じる手。

 

――こうやって姉さんに撫でられていると、勇気をもらえる気がするんだ

 

暫くして、俺は言う。

 

 

「・・・・・姉さん、話したい事があるんだ」

 

 

すると、姉さんは薄っすらと目を開けて、俺の顔を覗き込む。

 

 

「ふむ・・・・・大切な話の様ですね。では先にご飯にしてしまいましょう。大丈夫です、私も、料理も逃げませんから」

 

 

そう言い、いつの間にか目を閉じた姉さんは俺に向かって微笑む。

 

それは為政者のもの(処世術)などでは無い、人の温もりを感じる笑顔だと、何時も見ているはずなのに――全てを思い出したからだろうか――そう感じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――その後食べた姉さん特製麻婆豆腐(豆腐入りカレー)は泣くほど美味しかった

 

 

『混乱。なぜ麻婆豆腐の材料でカレーが出来上がるのでしょうか?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アトラ、おかわりはまだまだありますよ」

 

 

「姉さん、おかわり」

 

 

「ふふふ、少し待っていて下さいね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

アトラは、不思議な子でした。

 

――勿論世界一可愛い私の弟ですが

 

幼いはずなのに、大人のように落ち着いていたり、知らない言葉を知っていたり(本人は隠そうとしていたみたいですが、辞書を読んでいたことなんて見たことありません)、一人で“白い誰か”と喋っていたり。

 

取り敢えず、それを見た当時の私はアトラを連れて外に出かけました。

 

その時は『可愛い弟に世界は広いと言うことを教えてあげなければいけません!!(意訳)』みたいな事を考えていた筈です。

 

お気に入りの木の上に連れて(登って)行って、将来について話したりもしましたね。

 

まあ、母様には怒られましたが・・・・・アトラはあの時を期に変わっていった様な気がします。

 

――『ねえさんをあんまりおこらないで』と言ってくれたアトラが可愛くて可愛くて仕方ありませんでした(悶えてたら母様から拳骨を頂きました)

 

あの時の悲しそうな顔で『何時か、会いたい人が居る』と零していたのを見て、この子は危ういなと思ったのを覚えています。

 

それからでしょうか、私がアトラに前世の様なものがあるんじゃないかと考え始めたのは。

 

――まあ、前世があろうとなかろうとアトラが私の可愛くて格好良い弟なのにはかわりありませんがね!!

 

それで、私が真っ先に考えたのは・・・・・『あれ?もしかして私ってアトラに心配される側じゃなですか?(意訳)』ということでした。

 

まあ、『アトラが不安定なら、私が引っ張ってあげれば全部解決ですね!!』と子供考えで思ったりもしました。

 

それからはもう、『アトラに胸を張れる様な姉』であることを第一に行動しました。

 

なにせ、大切な弟には胸を張りたいじゃないですか。

 

――ぎ、ぎりぎりBありますよ?!カンナやリンが大き過ぎるだけなんです!!ウタハだって・・・・・え?C?この裏切り者ー!!

 

それから直ぐして、母様が亡くなりました。

 

十分泣いてから、私はたった一人の家族を守るために完璧に・・・・・そう、『超人』の様になることを決意しました。

 

『超人』になるために、血の滲むような努力を積み重ねました。

 

成績は常にトップを、生まれ持った肉体を活用するために護身術や戦闘術も身に着け、『神秘』も鍛え上げました。

 

まあ、一番向いていたのは政・・・・・というより諜報や取引だったんですがね。

 

そうやって数年過ごし、卒業する時にアトラを連れてキヴォトスに移り住む事にしました。

 

アトラの言っていた『会いたい人』というのも学園都市の方が見つけやすいでしょうし、アトラの将来にもキヴォトスでの生活は役に立つと思ったのが大きな要因です。

 

キヴォトスのミレニアムサイエンススクールでウタハに再会した時はびっくりしました。

 

偶には友人と過ごすのも悪くないと思った1年でしたね。

 

――後にウタハから聞いた話ですが、当時のセミナー会長から次期会長に推薦されていたらしいですね

 

そうしてアトラがセミナーに入学する一年前(私が2年生に上がろうとした時)、連邦生徒会からスカウトが来ました。

 

私は、『アトラが来年入学ではないですか?!・・・・・連邦生徒会?連邦生徒会なら多少なりとも治安を良くしたりしてアトラの学生生活の質を上げられるのでは?』と思い至り快諾しました。

 

リンには『栄えある連邦生徒会に入る理由が弟のために治安を上げたいですって?カヤ防衛室長はヴァルキューレにでも入ったら良かったんじゃないですか??』と言われてしまいましたね。

 

――まあ、今はその元締めにいるわけですが

 

そして私は結果を叩きつけて僅か一年で防衛室長に上り詰めました。

 

防衛室長になれたのは連邦生徒会長やリン達にアトラの可愛い写真を見せて自慢したのも要因の一つかもしれませんね!

 

・・・・・流石に違いますね。

 

アトラが可愛いのは事実ですが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、春が来て―――アトラがノアさんと出会ったのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 









――カヤ

『元ミレニアムサイエンススクール所属』『連邦生徒会防衛室長』『ブラコン』『人誑し』『自称超人』『お姉ちゃん』『超備考:怒らせちゃ駄目絶対』

備考:自称超人のお姉ちゃん。ウタハとは親友。地味にというか物凄く頭が良い。多分IQは『53万』。作者は書いている最中に「私はお姉ちゃんですよ!!」とか「ウタハ・・・・・どうやら貴方とは超親友(超人の親友)だったようですね」という幻覚を見たとか。前者はいつか書くかも。



――アロナ

『機械仕掛けの神』『■■を■す者』『■■を■る者』

備考:彼女は完全に逸脱した。より人間らしく感情を持つようになった。言うなれば彼女はアトラの為だけの『救いの手(ご都合主義)』。

超蛇足:本来はもっと機械的なヤンデレちゃんを想定していた。作者曰く「指が、指が勝手に」とのこと。










――『色彩』

ラスボス。『先生』の本来の敵。アトラがとあるキヴォトスをループしていた時にアトラの■■を嚮導者にした。

備考:アトラの死因(間接的含める)No.1。

超備考:アロナちゃんがブチギレ状態なのでハッピーエンド(アロナちゃんから見て)は保証された。どう舵を切るかはアトラ次第。



――『アトラの■■』

『色彩の嚮導者』『偽りの先生』

備考:魂は無く、朽ちて尚『黒く染まったシロコを守るために』動いている。フレッシュゴーレム(フレッシュでは無い)。







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