『捻れた終着点』から、『あまねく奇跡の始発点』へ 作:文才の無い本の虫
一度アロナに中に戻ってもらい、俺はミレニアムサイエンススクールに戻って来たゲーム開発部一行の前に出て言う。
「ゲーム開発部諸君、少し事情を聞いても良いかな?」
するとゲーム開発部の少女達――才羽姉妹。姉は才羽モモイ、妹は才羽ミドリ――の片方が顔を顰める。
「げっ?!こ、この声は・・・・・生徒会四天王の一人!リア充白髪ヤローの異名を持つ生徒会の庶務!不知火アトラ!!」
「お姉ちゃん失礼だよ?!」
相変わらずの才羽姉妹の様子を見て、俺は言う。
「人の顔を見て失礼だなぁ・・・・・というか何だその変な異名は?」
「“やあ、久し振りだね。”」
才羽姉妹の後ろから出て来て先生はそう言った。
俺は軽く会釈して、言う。
「ああ、お久し振りです先生。その少女について話してもらえますか?」
すると、暫く悩んでから先生は言う。
「“・・・・・わかった。”」
「ええ?!先生、良いの?!」
「“アトラなら大丈夫・・・・・だと思う。”」
そう言って先生は頷く。
『この信用度・・・・・流石はマスターです』
――会ったのは数回なはずなんだがな
「ふむ・・・・・では場所を移しましょうか」
◇◇◇◇◇
「・・・・・成程ね。廃墟の地下で見つけた少女と」
まあ、知っていたが。
――反応を見るに、まるで無垢な子供だ
すると先生は言う。
「“まずかったかな?”」
「まあ、危険地帯に行ったことはユウカに叱られて下さい。ですがこの少女を連れてきた件で咎めるような事はありません。校則に『廃墟の地下で見つけた少女を連れて来てはいけない』などという項目は無いですし」
「“あったらそれはそれでびっくりだよ・・・・・。”」
続けて俺は言う。
「それと・・・・・才羽姉、その少女をウチの生徒にするつもりだな?それもゲーム開発部の一員として」
「ぎくっ」
「ヴェリタスに頼めば簡単だろう。それでは廃部は撤回されないよ」
「え?!どうして?!」
「そもそも廃部通告は君達の成果不良が問題だ。ミレニアムは結果主義なところがあるが、それにしても成果という成果が無さ過ぎる」
「け、結果だってあるもん!私達もちゃーんとゲームを開発してるんだから!!」
「そ、そうですよ!テイルズ・サガ・クロニクルはちゃんとあのコンテストで受賞してますし・・・・・」
「“テイルズ・サガ・クロニクル?”」
その単語に先生が首を傾げた。
俺は少し頭を抑えながら、言う。
「確かに受賞はしていた・・・・・クソゲーランキング1位をだがな」
「うぐっ」
「読み上げはしないが・・・・・散々な評価だ。君達の成果はその散々な評価を下されたゲームだけだ」
・・・・・チャンスは与えよう。
――彼女達にも、価値はある筈だ
俺は言う。
「丁度いい機会だ。先生も居ることだし、君達がどうするべきか、どうしたいか良く考えると良い。明日、回答を聞く。才羽姉妹――いや、モモイ、ミドリ。
「はい」
――そうして俺達はゲーム開発部の前を後にした
「ふふふ、マスターはお人好しですね。一日も待ってあげるなんて」
「無垢な子供・・・・・それと向き合って得られる答えがあると良いんだが」
『マスター、任せて良かったのですか?』
「まあ、先生ならどうにかするだろう。それに、物語はハッピーエンドが良いに決まっているさ」
『『AL-1S』が暴走したらどうするのですか・・・・・仕方の無いマスターです。私が居ないとだめだめです』
「ああ、済まんな」
『いえ
・・・・・マスターは、だめだめなままでも良いんです。ずっとずっと、マスターには私が居ますから。だめだめじゃなくなっても・・・・・ずっとずっとずっとずっと。
◆◆◆◆◆
「“それで、モモイとミドリはどうしたいのかな?”」
部室に着いてから、彼女達は黙ったままだ。
「「・・・・・」」
そうして、沈黙が場を支配する。
――何かの電子音が鳴った。
「これが、ゲーム・・・・・アリスは、ゲームをします。・・・・・『GAME OVER』????ガイド通りにボタンを入力した筈」
『AL-1S』――アリスがゲームをしていた。
モモイ達がアリスの方を向く。
「まさか・・・・・!!」
「テイルズ、サガクロニクル・・・・・!!」
アリスはひたすらに『GAME OVER』という画面を見て首を傾げている。
「理解不能・・・・・理解不能・・・・・思考回路にエラーが発生」
すると、モモイが近付いて言う。
「あ・・・・・それはガイド通りにボタンを押しちゃだめな所なんだ」
さらに首を傾げるアリス。
「ガイド通りにボタンを押しては不正解??理解不能・・・・・」
「“いやちょっとそれは
そして、その会話を聞いてミドリが近付いて言う。
「お姉ちゃん・・・・・最後かもしれないけど、アリスちゃんにゲームをさせてあげたいな」
「うん。どうせ最後かもしれないし、クリアしちゃおうか」
そうして――
「意味不明、理解不能・・・・・!!」
「アリスちゃん、そこはめげずに頑張るところだよ!!」
――おお、勇者よ。妹に後ろから刺されて爆死するとはなさけない
「“いや世界観おかしくない?!”」
それから、5時間後。
アリスは――いや、
「ねえ、アリスちゃん・・・・・私達の作ったゲーム、どうだった?」
そう、恐る恐る、モモイがアリスに聞いた。
暫くして、アリスが口を開いく。
「・・・・・まるで、夢を見ているような・・・・・旅をしている様な、感覚・・・・・・・・・・楽しく、面白かった・・・・・」
その瞬間、ポロポロとアリスが涙を流しだした。
「これが・・・・・・・・・・ゲーム。もう一度、やりたくなるもの・・・・・・・・・・これが・・・・・感動」
そう、アリスは言う。
“もう一度モモイ達に問いかける。”
「“もう一度聞くよ、モモイ、ミドリ。君達はどうしたい?”」
◇◇◇◇◇
翌日。
俺――アロナは昨日と同じ様に俺の中に居てもらっている――とノアはゲーム開発部の、彼女達の
「じゃあ、答えを聞こうか」
暫くして、モモイは俺の目を見て言う。
――良い顔だ
「私は、こんな所で終わらせたくない。アリスだって面白いって言ってくれたんだ!!私達のゲームを、もっともっと面白いって言わせてみせる!!」
「ふむ・・・・・ミレニアムプライスに出すんだね?」
「勿論!!皆の度肝を抜いてやるんだから!!」
その啖呵を切る様子に、俺は笑う。
「ははは!!良く言った!!・・・・・廃部は此方の方でミレニアムプライスの結果発表まで差し止めて置く。その少女と先生まで巻き込んだんだ。無様なものを作るなよ?」
「確か・・・・・申請されていた名前は天童アリスだったね?」
「は、はい!!アリスは天童アリスです!!」
「頑張れよ」
「!!・・・・・パンパカパーン!!アリスは応援を受け取った!!」
「・・・・・台無しだよ」
――AL-1S
『古の民』が残したオーパーツを下に『無名の司祭』達に作られたオーパーツらしい。