『捻れた終着点』から、『あまねく奇跡の始発点』へ 作:文才の無い本の虫
俺はロードバイクから降りた少女に自己紹介をすることにした。
――ファーストコンタクトは重要だからな
「俺は連邦生徒会の不知火アトラだ」
「同じく連邦生徒会の白波ノアです」
俺達がそう言うと、少女は律儀に返した。
「ん、アビドス対策委員会2年生砂狼シロコ。貴方達は、何でアビドスに?」
少女――砂狼は俺達に問う。
・・・・・もう仕事で良いか。
「・・・・・仕事でな。アビドスの様子を見に来た。今からアビドス高等学校に向かう積りだ」
「なるほど・・・・・なら、丁度帰るところだし、案内してあげる」
「む、助かる。ありがとう、砂狼」
「ん、シロコでいい・・・・・二人共、こっち」
そう言って砂狼――いや、シロコはロードバイクを押して歩き出す。
・・・・・思ったより親切だな。
あの光景の前だから荒んでいない?
もしくは別の要因があるのか?
「マスター、行きますよ」
「む、済まん」
そうして俺達はシロコの後について歩き出した。
――
◇◇◇◇◇
「ん、着いた。此処が、アビドス高等学校」
校門には確かに『アビドス高等学校』と書かれている。
・・・・・壁面には大小様々な戦闘痕。
周囲は砂漠に埋もれた廃墟。
思わず絶句する。
どうやら隣でノアも驚いている様だった。
「「・・・・・」」
「?どうしたの、二人共」
・・・・・シロコは良い奴だ。
――彼女にあんな光景が待っていていい筈が無い!!
■■■は言った。
『大切なのは、結果では無く、過程です。貴方がどう思い、どう考え、どう感じたか。貴方の心に従って下さい』と。
だから、俺はシロコを助けると、そう決めた。
――俺が俺であるために
俺は、シロコの目を見て言う。
「シロコ、君・・・・・いや、お前は俺の友人だ」
「?うん」
「教えてくれ、シロコ。
「!!」
シロコは目を見開く。
その表情は驚きだったものの、瞳は困惑の混ざった、助けを求める者の目だった。
暫くして意を決したのか、シロコが口を開こうとした瞬間、背後に強い『神秘』を感じ、振り返る。
「シロコちゃん、おかえり〜」
「・・・・・ホシノ先輩」
少し離れた場所から、桃色の髪をした、シロコと同じ制服の少女が歩いて来た。
俺はその少女を警戒した。
――彼女は、■■■以外のコレまで会った奴らの中で一番『神秘』の量が多い
「君は誰だ?」
「普通、人に名前を聞く時は自分から名乗るべきだと思うな〜」
「む、正論だな・・・・・俺は連邦生徒会の不知火アトラ。シロコの友人で、このアビドスの様子を見に来た」
「・・・・・ふ〜ん。シロコちゃんの友達なら歓迎しないとね〜。話とか自己紹介は中ですればいいからさ、ほら、入った入った」
少し沈黙した後、シロコに『先輩』と呼ばれた彼女は校門を開け、中に入って行った。
俺達はその後ろをついて行く。
寂れた校舎の中を通り、彼女は一つの教室に入った。
その教室の中は校舎の外観とは裏腹に、綺麗に掃除されていた。
彼女は教室の机の一つに座って言った。
「じゃあ、改めて・・・・・私は小鳥遊ホシノ。此処の3年生だよぉ」
「ふむ、小鳥遊か。俺は連邦生徒会の不知火アトラだ。宜しく頼む」
「同じく連邦生徒会の白波ノアです。よろしくお願いしますね」
「アトラくんにノアちゃんね。よろしく〜」
そして、少女――ホシノが言う。
「で、連邦生徒会のアトラくんとノアちゃんが
今更?
どういう事だ?
・・・・・いや、それは後だ。
「教えてくれ小鳥遊。
すると、小鳥遊の目が細くなった。
ああ、この目は値踏みをしている目だ。
――疲れてしまった者の目だ
きっと
「・・・・・小鳥遊」
「何かな?」
「俺を疑うのなら好きに疑え。『俺は君の味方だ』とか大層なことをほざく積りはない。連邦生徒会だからではなく、俺は、
暫くの沈黙。
小鳥遊は言った。
「・・・・・わかった。アトラくんを連れてきたシロコちゃんを信じるよ」
――「シロコちゃんを泣かしたら殺す」という目だなコレは
肝に銘じなくてはな。
それから、小鳥遊は喋り始めた。
「
状況から考え得るのは・・・・・。
「砂漠化が原因か」
「そう、その通りだよ・・・・・昔のアビドス生徒会は、砂漠化を止めるために無理をして、色んな対策を行った。」
「・・・・・」
「だけど、対策は効果を発揮しなくて、砂漠化は進行。生徒会はもっと無理して・・・・・それを繰り返した。意固地になってたんだろうね。で、私の入学した時には学校の運営に支障が出てて、生徒数も二桁台になっていた」
「・・・・・原因は?」
俺は小鳥遊に問う。
彼女は少し間を置いて言った。
「・・・・・砂漠に、大きな蛇がいたんだ。それが砂嵐を起こしてたんだよ。連邦生徒会に助けを求めたけど、頭の可怪しい妄想だって相手にされなかったよ」
思わず悪態をついてしまう。
「ったく・・・・・そんなオカルトが原因だとは」
「そうだよ〜。アトラくんも頭の可怪しい妄想だって言う?」
「いや、信じるさ・・・・・良く、耐えたな」
――本当にそうだ
唯の高校生が背負って良いものじゃない。
見た限り、彼女は超人ではなく、唯の少女だ。
俺は彼女の目を見て言う。
「役に立つかはわからんが、助力しよう」
すると小鳥遊は驚いた後、少し不安気に言う。
「おーっと・・・・・・・・・・本当に信じてくれるの?」
「俺に二言はない。ノアも手伝ってくれるか?」
「愚問ですね。私はマスターの
《――肯定。私も同意見です》
「ん、アトラとノアがいれば百人力」
「いいえ、シロコちゃん。マスターが居ればキヴォトスを味方につけた様なものですよ。だってマスターは連邦生徒会の
「「え?!」」
俺は気分転換序に来たんだが??
まあ、仕方無い。
「・・・・・腹を括るか」
――そうして、俺はアビドスに助力することにした
うむ、その小鳥遊が言った対応をした奴は締めるとして・・・・・カンナに調査を頼んでも職権乱用にはならんよな?
――アトラの武器『Self-certification』
アトラが■■■にプレゼントされた骨董品のレバーアクション式ショットガン。彼の初めての私物。故に『自己証明』。
――アビドス高等学校
アビドス砂漠に隣接する廃校寸前の学校。
備考:数年前に■■ユメが行方不明。