『捻れた終着点』から、『あまねく奇跡の始発点』へ 作:文才の無い本の虫
「“エデン条約機構か・・・・・。”」
――・・・・・つまるところ。『エデン条約』というのは、「憎み合うのはもうやめよう」という約束
――キヴォトスの『七つの古則』はご存知かい?その五つ目・・・・・その一つの解釈である「楽園の存在証明に対するパラドックス」。そう、まるで「不可解な問い」だ
――ああ、長く語るのはもう懲り懲りだよ。だから少し簡潔に言おう
――先生
――これから始まる話は、『彼』では無い君には適さない、辛い話になるだろう。不快で、前提を疑い、苦しくて、息を止めたくなる様な・・・・・最悪に後味の悪い話だ
――それでも、君が『彼』の様に「この先」を選ぶと云うのなら・・・・・決して折れないでくれ。それが君の『義務』だ
――最後に個人的なお願いだ・・・・・ミカとナギサを頼むよ
昨日見た、妙にリアリティのあった夢。
(“彼女は誰だったんだろう?”)
そして、彼女が言っていた『彼』――
「先生・・・・・先生!!聞こえてますか?!」
「“?!・・・・・あ、ごめんユウカ。少し考え事をしてたんだ。”」
「まったく・・・・・何度も呼んでいたのに反応が無くて心配したんですからね!!」
「“本当にごめん・・・・・。”」
「それで、何について考えてたんですか?先生の事ですからどうせ生徒がらみなんでしょうけど」
「“うん。エデン条約について考えてたんだ。”」
「確か、補習授業部でしたか?」
「“うん。今日からなんだ・・・・・少し心配でね。”」
「成績が振るわない生徒達を集めた部活ですか・・・・・まるでゴミ箱みたいですね」
「“ゴミ箱にならないようにするのが
「勿論です。
「“うん。頼りにしてるよ、ユウカ。”」
◆◆◆◆◆
「“
「えっ?!そ、それって・・・・・」
「“出来れば、手伝ってくれると嬉しいかな?”」
「・・・・・ま、まったく。仕方無いですね・・・・・手伝ってあげます。ですから、立派な先生になって下さいね。約束ですよ、先生」
「“うん。約束だ。”」
◇◇◇◇◇
「おはようございます、マスター」
「ああ。おはよう、ノア・・・・・うん?」
「昨日は激しかったですね♪」
「・・・・・」
「あぁ、これが俗に言う昨晩はお楽しみでしたねと言うやつですね」
「食事に何か混ぜたな?」
「ふふふ。身体に害が無くて、少し素直になれるお薬です♪それに、最近はご無沙汰だったようですし・・・・・しても良いんですよ?」
「・・・・・爛れた生活は送りたくないんだが??」
「良いじゃないですか別に。今は私達しか居ないのですし、存分に楽しみましょう♪ね、マスター」
「こんな状況で言うのもなんだが・・・・・
――ノア、愛してる」
「はい。私もです、マスター♪」
『・・・・・マスター、後で少しお時間を頂きます』
◆◆◆◆◆
「もう嫌っ!!こんなことやってらんない!!分かんない!!つまんない!!めんどくさい!!――それもこれも、全部先生のせい!!」
「“えっ・・・・・
机から立ち上がった少女――下江コハル――の言った言葉に私は驚く。
すると近くの席に座っていたハナコが言う。
「もう、コハルちゃん。そんな無茶苦茶な事を言ったら、先生が困ってしまうでしょう?」
ハナコは続けて言った。
「あくまで先生は私達を助けるために来てくださっているんですし・・・・・そもそも勉強がわからないのも、試験に落ちたのも、先生ではなくコハルちゃんが原因ですよ」
そう言われて、コハルは少し気まずそうな表情をした。
そして、
「ええ、ハナコの言う通りよコハル・・・・・先生に理由のわからない事を言って、覚悟は出来てるんでしょうね?」
「ひっ?!・・・・・わ、私はユウカの恐怖に屈したりしない!!」
「もうすでに勉強に屈してるじゃないの?!比べるのは悪いけれど、
「うぅ・・・・・」
ユウカがコハルを叱っているのを見ていると、ハナコが近づいて来て小声で話しかけて来る。
「(ユウカさん、まるで駄目な子を叱るお母さんみたいですね)」
それに
「(“うん。ユウカは良いお母さんになると思うよ”)」
するとハナコはニコニコとした表情で言う。
嫌な予感が・・・・・。
「(あらあら・・・・・それは先生がユウカさんと
「(“何を言ってるのハナコ?!”)」
「(ふふふ・・・・・素敵です♡)」
――ヒフミ、早く帰って来てくれると嬉しいな・・・・・
そうして
――ユウカ
『ミレニアムのオカン』『先生の嫁』
紆余曲折あり、今のポジションに。実質シャーレの部長。その先生を完璧にサポートする働きを見たリンから連邦生徒会に来ないかとオファーを受けていたが「セミナー会計という私が一度請け負った仕事を途中で投げ出したくない」と断ったそうだ。
――先生
理想の器に中身は注がれ、意味は与えられた。糸に繰られていた人形は