『捻れた終着点』から、『あまねく奇跡の始発点』へ   作:文才の無い本の虫

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Standby:記憶、ヒフミからの電話

 

 

 

 

 

「――マスターの覚醒を確認。おはようございます、マスター」

 

 

「ああ。おはよう、アロナ・・・・・此処は?」

 

 

そう言いながら、俺は周囲を見回した。

 

――防衛室の机、それに立て掛けられた『スーパーノヴァ(LG)』、防衛室のソファー、連邦生徒会の服が掛けられたハンガー、宙に浮く罅割れた『シッテムの箱』と『Self-certification(レバーアクション式SG)

 

他に様々な物が浮いていたり、置いてあった。

 

地面は水浸しになっており――『シッテムの箱』の中の様に濡れた感触はしない――、水面には満天の星空が写っている。

 

――ああ、懐かしいな

 

すると、アロナが言う。

 

 

「――回答。此処は(機械仕掛けの神)の中に在るマスターの永く、屈折した『記憶(記録)』の集積地。形骸化した『シッテムの箱』が別の意味を持ったもの。生徒達の『想い』の終着点(Archive)。――呼称:『記録の回廊(Memorial Lobby)』」

 

 

「・・・・・アロナ、説明してくれている所に済まないんだが・・・・・詩的表現ではなく、簡潔に言ってくれると嬉しい」

 

 

「・・・・・要するに、マスターと私の(・・)精神世界の様なものということです。近くの物を何か手に取ってみて下さい。それでわかります」

 

 

「?」

 

 

――精神世界というのはわかったが、近くの物を手に取る?

 

俺は首を傾げながらも、アロナに言われた通りに近くにあった物――ライオットシールドを手に取った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『救護騎士団団長、蒼森ミネと申します。先生、貴方には救護が必要だと判断しました。これからよろしくお願いします』

 

『私に出来ることでしたら、何なりと』

 

 

 

『かしこまりました。参りましょう』

 

 

 

『救護騎士団・・・・・いえ、連邦捜査部です!!道を開けて下さい!!』

 

 

 

『たとえ何があっても、私が必ず先生をお守りしますので』

 

 

 

『先生が私を、少しずつ変えたのですよ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『先生!!先生!!目を閉じてはいけません!!先生!!』

 

 

 

『・・・・・・・・・・・・・・・私は、先生のお陰で強くなると同時に弱く(脆く)なっていたのですね。すみません、セリナ。救護が必要な方には申し訳ありませんが、少しだけ・・・・・休ませてください』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・っ」

 

 

手に持ったライオットシールドを凝視する。

 

――確かにあった事だと、俺の中で『私』()が云う

 

今、垣間見たのは、()彼女(ミネ)が駆け抜けた物語だった。

 

 

「大丈夫ですか、マスター」

 

 

「ああ・・・・・」

 

 

アロナの言った様に、理解する。

 

――これら全てが、何時かの『()』の記録(誰かとの記憶)なのだと

 

何時ものように俺の思考を読み取ったのか、アロナは頷く。

 

 

「肯定。此処、『記録の回廊(Memorial Lobby)』に存在する全ての物はマスターが紡いだ物語の『しるし(Index)』。記憶を呼び起こす為の『思い出の品』です」

 

 

アロナは言う。

 

 

「本来なら、『この物語』()マスターとノアが世界を救う、そんな大衆にとっての『ハッピーエンド』、マスター達にとっての『バッドエンド』になるはずでした。ですが、私はそんな未来が許せなかった。だからこの『記録の回廊(Memorial Lobby)』を創り、因果を捻じ曲げる為に私は『機械仕掛けの神(マスターの為だけのご都合主義)』に成りました。私は、レイナ(連邦生徒会長)の様に『可能性(未来)』を見せる事は出来ません。ですが、『何時か何処かであった事(過去)』を見せる事は出来ます」

 

 

そう言って、アロナは俺に仮面(ガスマスク)の様なものを差し出す。

 

 

「これは?」

 

 

「今のマスターに必要だとされるものです。気に入りませんがレイナも、世界もこの方向(マスターがこれを見ること)を望んでいます。ですが、これ(記録)を見るかどうかも、見たあとでどうするかも、マスターの自由です。私はマスターの意思を支持します・・・・・どうしますか?」

 

 

「・・・・・」

 

 

――俺は・・・・・

 

 

「・・・・・見る。貸してくれ」

 

 

「わかりました」

 

 

俺は、その仮面(ガスマスク)の様なものを受け取った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『私の名前は秤アツコ。先生は・・・・・私に何を望むの?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――そうして俺は、アリウス分校を買収(救う)する事を決意した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アロナちゃん。今は私とマスターの時間なのですが」

 

 

『謝罪。ですが事態は急を要します。後でマスターが知れば、確実に何らかの後悔をする事になります』

 

 

「・・・・・はぁ。予定ギリギリ迄はこの島でゆっくりとしていても構いませんね?」

 

 

『もちのろん、です。些事は私が片付けておきます。マスターの休息が最優先事項です。ベアトリーチェのおままごとは、おしまいです。てめーの神に慈悲を乞え、です』

 

 

「口が悪くなってますよ」

 

 

『・・・・・反省。つい暴言を吐いてしまいました。猛反省です』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 

あれから、数日。

 

――ノアとのバカンスも今日で終わりか

 

 

「ふふふ、また来れば良いんですよ。ね、マスター?」

 

 

「そうだな・・・・・」

 

 

――でも、心臓に悪いので思考を読むのは程々にしてくれると助かるな

 

俺がそう思っているとノアは悪戯っぽく微笑んで言う。

 

 

「前向きに検討して置きます♪」

 

 

――その笑顔は可愛いが、絶対に止める気無いだろ(言っている事は可愛くない)

 

 

「ふふっ。可愛いなんて言われちゃうと照れますね♪」

 

 

「・・・・・まあ、良いか」

 

 

『(・・・・・マスターは、ノアに甘過ぎです)』

 

 

そうして駄弁っていると、携帯が震えた。

 

――誰だろうか?

 

俺は携帯を手に取る。

 

画面には、ペロロのアイコンが表示されていた。

 

 

「もしもし。俺だ」

 

 

『えーっと、アトラ君・・・・・それは新手の詐欺ですか?』

 

 

「違うが?ヒフミなら判るだろ?」

 

 

『へうっ・・・・・・・・・・と、取り敢えず、時間もないので要件を手短に伝えますね』

 

 

「ああ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『アトラ君、助けて下さい』

 

 

「わかった」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・但し、またしょうもない事(ペロロ関連)だったらデコピンだからな?」

 

 

『あはは・・・・・何時もお世話になってます・・・・・』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 









――アトラ

度々ヒフミのペロチキな部分に振り回されてる。なんのかんのと言いながらヒフミへは甘い対応を取ることが多い。そんなんだからノアが嫉妬するんだよ・・・・・。

備考:自覚症状はあるので更に手に負えない。



――ヒフミ

別の世界線よりもほんの少し逞しくなっている。恋する乙女は強いと言うやつなのだろうか・・・・・。

備考:アトラの「ヒフミなら判るだろう?」という言葉に恋する乙女してる。



――ノア

備考:ヒフミとの電話に軽く嫉妬中。



――アロナ

ふんす、ベアトリーチェごとき瞬殺です。書類を・・・・・買収する為の理由、ですか?・・・・・アリウス・・・・・マスターの為の私兵・・・・・ふむ、我ながら完璧な計画です。




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