『捻れた終着点』から、『あまねく奇跡の始発点』へ 作:文才の無い本の虫
――ん、修羅場確定。アトラ先輩は腹を括るべき
『戦闘終了。周囲に敵影はありません』
「ふぅ・・・・・ヒフミ、無事か?」
「はい!」
姉さんが合流してから十数分。
俺達はようやくヒフミ達と合流した
――正確にはヒフミ達が苦戦している所に間一髪間に合った訳だが
俺は周囲を見回しながら――姉さんがアリウス生徒を締め上げているのを見なかった事にして――ヒフミに問う。
「ヒフミ、状況は?」
「それが・・・・・いきなり大きな爆発に巻き込まれて、知らない人達も
すると姉さんが言う。
「・・・・・確か今日はエデン条約の調印式だったはずです」
「すると、目的はエデン条約の不成立かな?」
「そう考えるのが妥当ですね。それだけでは無いとは思いますが」
「すると・・・・・」
自然と、言葉が重なる。
「「
「そんな?!それじゃあナギサ様が?!」
「・・・・・十分にあり得る・・・・・いえ、現状最も可能性があります。でなければこれ程の大混乱を起こす必要はありませんから」
「どういう事か分からないけど・・・・・急がないといけないってこと?」
ヒフミ達が話しているのを横目に、俺は宙に浮くアロナの方を向く。
「(アロナ、どう思う?)」
『早急にベアトリーチェを倒し、アリウスの作戦行動を停止させることを推奨します・・・・・検索完了。ベアトリーチェまでの最短ルートをナビゲートできます。どうしますか、マスター』
「(・・・・・レイナと姉さんにこちらの方を任せる。俺とノアでベアトリーチェを倒す)」
『了解しました』
俺は姉さんの方へ向き直り、言う。
「姉さん、此処を頼んでも良いかな?」
「・・・・・相手の首魁を制圧しに行くのですね?」
「ああ。それで止まるかはわからないけど、少なくとも事態は好転するはず」
「ふむ、わかりました。こちらの方は私に任せて下さい。このアリウス達を一人残らず捕縛すれば良いのですね?」
「うん。後で引き取りに行くから出来れば纏めておいてくれると嬉しい」
「ええ、その様に取り計らいましょう・・・・・気を付けるんですよ、アトラ」
「わかってるよ。姉さんもね」
姉さんから離れて、ヒフミに近づく。
話しかけようとすると、ヒフミに何かを握らされた。
「アトラくん、話は聞いてました・・・・・これを」
手を見ると、そこには見慣れた不思議な鳥が兜を被っている――確か、ヒフミに送られて来た図鑑に名前があったな。
「これは・・・・・ペロロ将軍のキーホルダー?」
「はい、お守りです。頑張って下さいね!!」
――キーホルダーと一緒に、ヒフミから力を貰った気がする
俺はこんな時も
「ああ。ヒフミ、また後でな」
「はい!」
俺はキーホルダーを上着の胸ポケットに仕舞い、銃を構え直す。
「ノア、行こう」
「了解です、マスター」
『ナビゲートを開始します』
そうして俺達は走り出した。
――さて、ベアトリーチェ・・・・・いくらゲマトリアとはいえ、貴様はやり過ぎた
今行くから、
「さて・・・・・アトラに任されてしまいましたし、お姉ちゃんとして――いえ、年長者としての格好良い所を見せてあげなければいけません。聞こえていますね?FOX小隊及びRABBIT小隊。仕事の時間です。貴女達の正義に、意味を与えてあげましょう」
『此方、FOX小隊了解』
『RABBIT小隊了解です。カヤ防衛室長、オーダーは?』
「トリニティ全域で発生している戦闘の鎮圧及びアリウス生徒達の捕縛です。ヴァルキューレにも応援を要請。総員、私に続きなさい!!」
『『了解!』』
◇◇◇◇◇
『マスター』
「どうした?」
『ベアトリーチェを処すのを優先するなら真っ直ぐ、最善のハッピーエンドを目指すなら左を進んで下さい』
「なら左だな」
走る、走る、走る。
そうやってアロナのナビゲート通りの道を進んで行くと、移動中と思わしきアリウスの部隊に鉢合わせる。
相手はまだ俺達に気付いていない。
――数は、
「ノア、援護を」
「了解です♪」
――神秘を脚に
俺は拳銃を構えて、突撃する。
「ふふ、
横をノアの
それに乗じ、俺は壁を蹴って上に跳んだ。
――発砲
「敵?!ぐあっ?!」
「まず1」
「ちっ・・・・・総員散開。交戦、開始」
俺はグレネードを放り投げる。
――流石に対応されるか
「撃て!!」
『――笑止。そんなへなちょこな弾丸は、マスターに当たりません』
その射撃は、ネル先輩に比べれば遅すぎる。
――爆発するより速く蹴れば問題無い
俺は、
「無駄」
「・・・・・(先生?)」
――アツコ・・・・・其処に居るのは、俺の知っている君なのか?
それとも・・・・・いや、今は考えるな。
「アロナ、済まんが防御を!」
『了解。アロナちゃんバリアー、フルパワーです』
俺は、銃を上に投げた。
「は?」
「・・・・・(銃を投げた?!)」
相手の、一瞬にも満たない混乱。
軍隊として訓練されているなら尚更――隙が生まれる。
「せーのっ」
俺は
そして落ちてきた拳銃を摑み取り、銃口を
「くっ・・・・・」
「大人しくして貰おうか・・・・・うん?」
アツコの手元が動いていた。
――まだ武器が?!
「・・・・・(貴方は、先生?)」
「姫?」
「・・・・・(たぶん大丈夫。敵じゃない)」
見慣れた――あの時の俺が教えた――『先生』を表す手文字。
俺は、彼女に・・・・・果たせなかった、約束の言葉を言う。
「アツコ・・・・・迎えに来た」
すると彼女は仮面を外して微笑んだ。
「・・・・・遅いよ、先生」
アツコの笑顔から放たれた言葉に胸を抉られる。
「・・・・・済まん」
「先生・・・・・『俺のお姫様』って言ってくれたら許してあげる」
「わかった・・・・・俺のお姫様」
すると、彼女は向日葵の様な笑顔で言った。
「ん。許してあげる・・・・・私の王子様」
――アロナ
アトラにとってのハッピーエンドを目指して奔走中。何方かというとアトラが振り回されている模様。
コメント(狼):ん・・・・・コメント差し控えてもいい?
――ノア
いい雰囲気()だったので遠くから聞き耳を立てていた。後でアトラは浮気がバレた夫かの様に言い訳をすることになるだろう。
コメント(狼):ん、先輩の身から出た錆
――アツコ
アトラにお姫様と言わせて大満足。他の世界線よりも図太い気が・・・・・。
コメント(狼):ん、アツコは笑顔が一番