『捻れた終着点』から、『あまねく奇跡の始発点』へ 作:文才の無い本の虫
――ベアトリーチェについて?
――俺が話せることはあまり無いな・・・・・精々、彼女が何処か遠くのキヴォトスで失敗して、折れてしまった
――ああ、その通りだよ。ゲマトリアとは、元先生が歪んで、捻れて、擦り切れて・・・・・それでも尚キヴォトスを守ろうとする集まりだ
――但し、その為に生徒を食い物にしたら本末転倒な事に、変わり果ててしまった彼彼女らに理解できる訳もないがね
「済まない、詳しい話は後だ。今は付いてきてくれるか?」
「うん。約束は守ってくれるんでしょ?」
「ああ。その為にも、今はベアトリーチェを倒すのが先決だ」
「・・・・・理解した。それなら、先生。私も手伝うよ」
「助かる」
「マスター・・・・・楽しそうですね?それにアロナちゃんと何かコソコソしている様ですし?
「・・・・・ああ」
「(・・・・・アロナ、どうだ?)」
『(解析完了・・・・・少なくとも2回は使用可能です。本当に使うのですか?あのババアの為に?)』
「(アロナ・・・・・口が悪いぞ)」
『(失言。ですが、マスターが
「(ああ。だけど良いんだよ・・・・・俺は彼女を倒すのには変わりがないが、少し位なら救いがあってもいいだろう?)」
『――・・・・・マスターは、その
◇◇◇◇◇
「・・・・・こっち」
俺達はアツコに先導され、カタコンベ内を進んでいる。
結局、あの状態でミサキへの説得は
その後、アツコが「先生・・・・・案内してあげようか?」とカタコンベの案内を申し出てくれたのは正直助かった。
――最悪、カタコンベの壁を蹴破るつもりではいたが
「・・・・・そろそろ」
「ありがとう、アツコ。ノア、戦闘準備を」
「了解です。マスター、戦闘になったら何時も通りで良いですね?」
俺は途中で入手した――流石に火力が心許なかった為、カタコンベに入る前に不良と『お話』をして譲ってもらった――新品のショットガンと拳銃を確認しながら言う。
「ああ。背中は任せる」
「はい♪」
――アロナも頼んだぞ
『もちのろん、です』
暫くして、大きな扉の前に辿り着いた。
――まるで大聖堂・・・・・いや、正しく大聖堂なのか
俺とノアは扉の左右に分かれ、俺が軽く扉を開ける。
「居るのはわかっています。入ってきなさい・・・・・イレギュラー」
中から、苛立った女性の声が響く。
俺はノアに目配せをしたあと、拳銃を構えて中に入る。
聖堂の前の方――大きな十字架の前に白いドレスに赤い肌をした
「貴様がベアトリーチェだな?」
「ええ、その通りです。忌々しいイレギュラー・・・・・いえ、不知火アトラ。貴方に一つ、聞きたいことがあるのです」
「・・・・・なんだ?」
「セミナー、ミレニアムの貴方がこの件に介入する事にメリットはあるのですか?計画を邪魔され、苛立っていましたが、冷静になって考えると意味がわかりません」
・・・・・そうだな、ミレニアム
だが
「友人に助けを求められたから。それと昔の約束を果たすため・・・・・要するに俺の自己満足だ」
「ふむ・・・・・相容れない様ですね」
「ああ」
ベアトリーチェが肥大化し、花をモチーフにした様な怪物に成り果てていく。
「では――死になさい!〙
――神秘を足に
瞬間、赤い触手が降って来て――
ナイスショット。
「それは困りますね」
俺は、振り向かずにベアトリーチェに向かって走る。
――ビナーの様な、
精々、ネル先輩を除いたC&Cが少し苦戦する位か。
触手が次々とノアの
「せーのっ!!」
〘ぐっ?!撤退を?!〙
ベアトリーチェが後退ろうとし、それを妨害するかの様にシャッターが降りる。
『――ハッキング完了。カタコンベ内を封鎖。逃げ道は有りません。てめーの神に慈悲を乞え、です』
「ふふ、そこが弱点ですね?」
〘くっ・・・・・この私が?!たかが
「彼女達を舐めたのは貴様だろう?」
〘ガァアァァ!!〙
――神秘をこの散弾銃に
「少し寝てろ」
俺は散弾銃を至近距離で叩き込んだ。
〘ガハッ・・・・・そんな、馬鹿な・・・・・」
ベアトリーチェが萎んでゆき、ボロボロになった元の姿になって倒れ伏す。
俺はベアトリーチェに近付く。
「・・・・・とどめを刺すつもりですか」
「・・・・・ああ、そうだな。だが、
俺は懐からボロボロの『カード』を取り出した。
――彼女の最も愛した生徒の想いを
身体ではなく、もっと根本的なものが訴える苦痛で顔を顰める。
「マスター?!」
手元で『カード』が光り始める。
――一言で良い。彼女が『先生』だったというのなら
ベアトリーチェの前に、
『――』
「あ、あぁ・・・・・そんな・・・・・私は・・・・・」
『――――――――。――――――――――――――』
「・・・・・忘れていたとはいえ貴女に、『先生』と、そう呼ばれる資格は・・・・・・・・・・私にはもう、無いのです」
『―――。――、―――――――。――――?』
「・・・・・・・・・・私は貴女の居るところには行けません」
『――――――。
「そう、ですね・・・・・責任は、取らなければなりませんね・・・・・・・・・・」
そう言って、ベアトリーチェは付き物が落ちた様な表情で自信から血が流れ落ちるのを厭わずに立ち上がった。
彼女は懐から端末を取り出して、此方に放り投げた。
「不知火アトラ・・・・・
「礼の必要は無いが・・・・・有難く貰っておこう」
俺は端末を仕舞う。
ベアトリーチェは、俺達に背を向けて言う。
「まったくもって不思議なものです・・・・・私がこんな気分で、最後を迎えるとは・・・・・・・・・・」
『―――、――』
「ええ、何処までも一緒ですよ■■■・・・・・」
次第にベアトリーチェと靄の輪郭が崩れて行く。
そして、彼女達は元から居なかったかの様に光の粒になって消えた。
――残ったのは、一輪のベアトリスだけ
・・・・・『夢の様な恋』、か。
――・・・・・あと、一年は保ってくれよ
『・・・・・』
――ベアトリーチェ
何処かで『先生』をしていた女性。ベアトリーチェという名前は唯一覚えていた単語であるベアトリスから取った。
果たして彼女は、何処の誰だったのだろうか・・・・・。
――■■■
ベアトリーチェに成り果ててしまった誰かの最も愛した生徒。ベアトリスの花が好きだった様だ。
備考:ベアトリスの花言葉「夢の様な恋」
――アトラ
元凶はどうにかしたが、色々と問題は山積みで『カード』も使ってしまったので帰ってからが大変である。
備考:超不穏な雰囲気の主人公
いらない情報:番外編で大変な目に遭う事が決定した(あみだくじ)