『捻れた終着点』から、『あまねく奇跡の始発点』へ 作:文才の無い本の虫
「へぇ〜アトラくんが連邦生徒会副会長だったなんてね。おじさんびっくりだよ~」
「おじさん?・・・・・何だその奇っ怪な一人称は」
「ふむ・・・・・
「ん、先輩は変だけど頼りになる」
「ちょ、シロコちゃん?!今私のこと変って言った?!」
「ホシノさんとシロコちゃんは仲が良いんですね」
「・・・・・平和だな」
《――肯定。マスターが常々言っているように平和が一番です》
『何ですかアトラ?』
「プライベート用の方ですまんが頼み事をしていいか?」
『はぁ・・・・・貴方の事ですし、どうせ人助けでしょう?今度屋台で何か奢ってくださいよ』
「それぐらいはするさ。何時も助かっているしな」
『助かっているのは
「アビドス砂漠に砂嵐を起こす大きな蛇が居るらしい。少し調査してもらいたい。余裕があればアビドス高等学校についても調べてくれると助かる」
『ふむ・・・・・今日は大きな仕事もありませんしアビドス方面に違和感がない程度にパトロールに行っておきます。アビドス高等学校については十分程待って頂ければ、直ぐに』
「助かる」
◇◇◇◇◇
俺はアビドス高等学校の屋上でカンナから届いた資料に目を通しながら、アビドスの
・・・・・2年前に
辛いな。
「アロナ、どうだ?」
《――報告。地形や環境から砂の発生源は移動している可能性が大。自然に砂漠化がここまで進行するには十年単位の時間が必要です》
「ふむ・・・・・わかりきってはいるが、対処法は?」
《回答。小鳥遊ホシノの証言の『巨大な蛇』の討伐》
「そうなるな。アロナ、どれぐらいの戦力が必要だと思う?」
《――回答。最低でもマスターとノア、スナイパーとタンクが一名ずつ、サブアタッカーが何名か必要だと考えま(TapTap)・・・・・憤慨。理解できない行動です。つつかないでくださいマスター》
「ははは、済まんな。つい」
《激おこぷんぷん丸、です》
「そんな言葉何処で覚えた?!」
《ノアに教えてもらいました》
頭の中で『すみません♪』とおどけているノアが容易に想像できる。
お前、自由過ぎだろ。
会った頃の『私は、『情報の方舟』にして・・・・・』と宣わっていたお前は何処へ行った??
――まあ、今の方が好みではあるが
《――報告》
「どうした?」
《現在地点から1km先の砂漠に強力な『神秘』を確認しました。対象をセフィラ:ビナーと
アロナが言ったように
・・・・・見ているだけでは埒が明かない。
俺は急いでノアがシロコ達と
「ノア、済まん、来てくれ」
「了解しました。セフィラ:ビナーですね?」
「話が早くて助かる」
ノアがレールガンを担いでいるのを片目に俺は
すると小鳥遊が聞いてきた。
「ちょちょ、そんなに急いでどうしたの?」
「『巨大な蛇』が此処から1km先の砂漠に出現した。今から向かうところだ」
小鳥遊は息を飲む。
だが、こちらを強く見た。
「っ!!それだったら私も行くよ」
「ん、仲間はずれは良く無い」
小鳥遊に続いてシロコも言う。
――俺が思うよりも彼女達は強い
「・・・・・助かる」
「もう仲間何だしさ、ホシノで良いよ。それに『助かる』じゃなくて『ありがとう』でしょ〜?」
仲間、か。
「ふ、そうだな。俺もアトラで良い。ホシノ、シロコ、準備は良いか?」
暫くして、ホシノとシロコが返す。
「うへ~、オッケーだよ〜」
「ん、何時でも」
そしてノアが俺の隣に来た。
「準備完了です、マスター。急ぎましょう」
「ああ」
《――報告。マスターを含めたメンバーの準備完了を確認しました。ナビゲートを開始します》
――そうして俺達は砂漠に向かって走り出した
◇◇◇◇◇
〘―――――!!〙
巨大な体躯に、頭部のヘイロー。
見た目は機械のようだ。
「あれが、セフィラ:ビナーか」
「うへ~・・・・・大っきくて硬そうだねぇ」
「ん、大きな白蛇」
「マスター、どうしますか?」
《――警告。セフィラ:ビナーが此方に気付きました。攻撃開始を確認》
此方を向いたセフィラ:ビナーの背部から、多数のミサイルが放たれる。
――蛇の癖に現代兵器を使うのかよ?!
「戦闘開始だ。ノアは付いて来てくれ」
「了解しました」
俺とノアはセフィラ:ビナーの側面に回り込むために右斜め前に走り出す。
「さて、気合いれてこ~」
「ん、頑張る」
シロコとホシノは俺とは反対側に走り出した。
ミサイルが着弾。
先程まで俺達が居た場所を爆破する。
――思ったよりも追尾性能は低い?
「ノア、援護を頼む」
「了解しましたがマスターは?」
「あの蛇に一発喰らわせてくる。アロナ、バリアを」
《了解しました。バリア、展開します》
周囲に透明な膜の様なものが発生する。
――『神秘』を脚に
俺は、走り出す。
〘―――!!〙
「遅い」
飛来するミサイルを避け、前進する。
手に持つ
――『銃を使わないのか、ですか?せーので殴ったり蹴ったりすれば大体どうにかなりますよ?』
俺は、ビナーの背部を目指して、跳んだ。
――内部に直接打てば効くだろう
「せーのっ!!」
■■■から教わった掛け声に合わせて俺はビナーの背部装甲を蹴る。
するとグシャリ、とビナーの背部の装甲が陥没し、内部の一部が露出する。
すかさず
「まず一発」
〘――――?!!〙
ビナーが苦悶の声を上げているように見える。
其処に――
「――対象をロックオン。発射します」
ノアのレールガンが命中。
周囲に衝撃が伝播する。
「お〜派手にやるね~。おじさんも張り切っちゃおうかな!!」
「ん、命中」
追加でホシノのショットガン、シロコのアサルトライフルの弾も命中し、セフィラ:ビナーの装甲を破壊していく。
あと少し。
すると、ビナーがノアに顔を向けた。
嫌な予感。
〘―――――〙
《――警告!!》
瞬間、俺は矢の様に駆け出していた。
――『神秘』を全部、速度に!!
「ッ間に合え!!」
周囲が明るくなる。
焼け石に水かもしれんが。
「アロナ!!一秒後にバリア最大出力!!」
《――了解》
俺は勢いのままノアを抱き締め、出来るだけ遠くへと跳ぶ。
「マスター?!何でですか?!」
ノアの驚いた顔が近くにある。
・・・・・ははは、こんな感情は初めてだ。
「間に合って良かった」
〘―――アツィルトの光〙
――そして俺とノアは光に飲まれた
――ノアの武器『スーパーノヴァMk-Ⅱ』
ノアの使うレールガン。彼女の身長ほどの大きさで、携行する場合はベルトで肩に担ぐ必要がある。予算とオーパーツを注ぎ込んだエンジニア部の傑作。
――セフィラ『ビナー』
『理解を通じた結合』『違いを痛感する静観の理解者』
備考:アビドスを蝕む砂嵐の発生源。