『捻れた終着点』から、『あまねく奇跡の始発点』へ   作:文才の無い本の虫

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――コレは、蛇足である

――それでも尚、物語を求める者だけ進むが良い







Vol.8「終着点のその先に」
Reina:とある一日


 

 

 

 

 

「ほら、キリキリ働いて下さい!!」

 

 

「いや、もう既に限界なんだが?!俺もお前も昨日から寝て無いんだぞ?!」

 

 

そうして騒ぎながら、目元に隈を作った俺とレイナは書類を捌いていく。

 

――だから人を育てろと言ったのに・・・・・

 

俺とレイナが――運営側として――働いているアリウス学園は、今ではキヴォトス有数のマンモス校と化していた。

 

昔は生徒会長だったアツコは、今では学園長として頑張っている。

 

――あれからもう、3年が経ったのか

 

それは嬉しいのだが・・・・・ぶっちゃけ書類仕事が多過ぎて地獄だ。

 

 

「ぬぁーっ!!仕事が多いんだよっ」

 

 

「アトラ、口調が崩れてますよ」

 

 

「取り繕う余裕が無いんだよ!!そんな事よりもこの書類の山を捌き切らんと帰れないんだが?!」

 

 

「私もですが何か?」

 

 

部活や学校行事等はアツコが担当してくれるものの、自治区の行政やその他諸々を俺とレイナの二人で回している状況だ。

 

そうして書類と格闘すること数時間後・・・・・どうにか5時までに仕事を終えることが出来た俺達は二人並んでソファーに座り込んだ。

 

と、同時にレイナは俺の膝を枕にして足を伸ばす。

 

――ここ数週間の日常だ

 

 

「「・・・・・疲れた」」

 

 

「ん・・・・・二人共、お疲れ様」

 

 

その声と共に、ソファーの前に置いてある硝子張りのテーブルに湯気を立てる湯呑みが置かれる。

 

顔を上げると、黒くヒビ割れたヘイローを浮かべたシロコがお盆を持って立っていた。

 

俺は彼女が――給湯室に置いてある備品的に考えてインスタントだとは思うが――淹れてくれたであろうそれを飲んだ。

 

――ああ、疲れた身体に温かいお茶が染みる・・・・・

 

インスタントだろうと、有り難い。

 

 

「シロコ・・・・・ありがとう」

 

 

「ありがとうございます、シロコさん。後で頂きますね」

 

 

「ん、どういたしまして。何時も通り大変そうだね。何か手伝えること、ある?」

 

 

「ああ、それなら・・・・・この処理済みの書類をアツコさんに渡してくれますか?」

 

 

「わかった。渡して来るね」

 

 

シロコは書類を抱えて理事長室を出ていく。

 

彼女にはもう、あの時の悲壮感は見受けられない。

 

――合うことは無いと思っていたが・・・・・まさか同僚になるなんてな

 

色々と(・・・)、人生とは摩訶不思議なものだ。

 

理事長室に置いてある大きな鏡――に写る青い舵輪の様な(元の)ヘイローを浮かべた|青髪碧眼の大人(自分)――を見て、そう思った。

 

 

「そう言えば、アトラ。もう一ヶ月ですね。どうです?」

 

 

レイナは、俺の膝に頭を乗せた状態で言った。

 

 

「まぁ・・・・・今でも夢みたいだよ」

 

 

あの時『存在ごと消える』筈だった俺が皆とまた会えて、忙しいけど充実した日々を過ごせている。

 

それを『奇跡』と言わずして、なんと言う?

 

そんな俺の様子を見たのか、彼女はふにゃりと微笑む。

 

 

「ふふっ・・・・・これは泡沫の夢なんかじゃありませんよ」

 

 

「わかってはいるんだがな・・・・・」

 

 

ふと、思ってしまう。

 

――また、何かが起こり、その為に俺は『呼び出された』のではないかと

 

 

「うーん・・・・・まあ、良いじゃないですか。そういうのはゆっくりと考えれば。それに、もしそうなっても、私が一緒に悩みますから」

 

 

レイナの手が頬を撫でる。

 

 

「それが、一緒に歩むという事でしょう?」

 

 

「・・・・・そうだな。ありがとう、レイナ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「先生の膝枕・・・・・」

 

 

「ん・・・・・理事長と副理事長はラブラブ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 

「「「理事長先生、副理事長先生、さようなら!!」」」

 

 

「ああ、さようなら」

 

 

「はい、さようなら。皆、気を付けて帰るんですよ」

 

 

「「「はい!!」」」

 

 

アリウス学園の生徒達の元気な声を背に、俺とレイナは校門に向かって歩いて行く。

 

暫くして、校門に辿り着き、其処で待っていた生徒――アリウス学園の制服を着たアロナに声を掛ける。

 

 

「アロナ、待たせたな」

 

 

「ごめんなさい、少し仕事が長引いてしまって・・・・・」

 

 

「大丈夫です。生徒達の様子を見ていましたし、退屈はしていませんでした」

 

 

そうして三人で並んでアリウス自治区を歩く。

 

アロナが手を握ってきて、それを握り返す。

 

すると、レイナが空いている方の腕に腕を絡ませて言う。

 

 

「アトラ、両手に華ですね♪」

 

 

確かに、白髪美女(・・・・)と白髪美少女に挟まれているわけだが・・・・・。

 

 

「何方かというと家族に見えるんじゃないか?」

 

 

「ふふふ。じゃあ、アロナちゃんが私達の娘ですね」

 

 

「むぅ・・・・・不満」

 

 

次の瞬間、アロナの背丈がレイナ程まで伸び、プロポーションが変化する。

 

そして、彼女は先程まで手を繋いでいた俺の腕を抱き寄せた。

 

――心頭滅却・・・・・

 

 

「ないすばでぃーな私なら、どうですか?」

 

 

「むむむ・・・・・流石にその胸はずるいと思います」

 

 

「本の言葉を借りるなら、胸の大きい良い女、です」

 

 

「ちょっと待てその本誰から借りた??」

 

 

「ヒマリが貸してくれました」

 

 

「ヒマリ・・・・・・・・・・彼奴、後で絞める」

 

 

「あー・・・・・程々にしてあげて下さいね。多分・・・・・悪意は半分ぐらいだと思うので」

 

 

そうやって話しながら、俺達は家への帰路に就いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

鍵が回る音が聞こえた。

 

私は、玄関へと小走りで向かう。

 

そして、扉が開いて、見慣れた三人が帰って来た。

 

 

「ノア、ただいま」

 

 

「ノアさん、ただいま帰りました」

 

 

「ノア、ただいま、です」

 

 

何時も通りの家族(・・)の声に、自然と口元が綻ぶのを感じる。

 

私は、彼らに微笑む。

 

 

「はい。皆さん、おかえりなさい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――ユウカちゃん、私はちゃんと幸せですよ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 









――不知火 レイナ

元連邦生徒会長とそっくりなので髪を白く染めた美女。現アリウス学園理事長。アリウス学園は理事長が自治区の統治権の大半を持つので毎日仕事に忙殺されている。だが、愛する男と仕事が出来るのと、本人のスペックが桁外れであるためそこまで苦痛では無い模様。本人曰く「幸せな苦痛」とのこと。ギリギリになる前にアトラが強制的に寝かし付ける為、徹夜の最長記録は3日。

備考:戸籍上は元連邦生徒会長の双子の姉ということになっている。その為、シャーレの先生が義弟に、ユウカが義妹(?)にあたるのでどうするか悩んでいるとか。



――不知火 アロナ

現アリウス学園生徒会会長の白髪の美少女/美女。美女の時のスタイルは本人曰く「ないすばでぃー」本の言葉を借りると「胸の大きい良い女」とのこと。相変わらず『機械仕掛けの神』ではあるが、今は一生徒として青春を謳歌している模様。但し、表情が変わりづらいので友達が出来づらいのが悩み。裏では小動物みたいで可愛いとファンクラブが出来る程人気らしい。

備考:『アロナ会長を守り隊』や『親衛隊』なる過激派テロリストグルー・・・・・ファンクラブがあるらしい。



――黒狼 シロコ

アリウス学園のOBで現アリウス学園の教頭先生。スパルタで有名だが、基本的にスパルタは生徒を想ってのものであるし、いざとなったら頼れる先生で、ノリも良いため生徒からは好かれている。奇しくも彼女の先輩と同じ「普段は抜けているが、いざとなったら一番頼りになる」という評価をされている。彼女は、『先生』との約束を果たすために青春を謳歌し、その果に教鞭をとった。



――秤 アツコ

初代アリウス学園生徒会長。現アリウス学園学園長の女性。立派に成長し、アリウス学園の生徒達を見守っている。その母の様な姿勢から生徒達から『皆のお母さん』や『マザー』と呼ばれるのは何の因果だろうか。だが、本人は『マザー』という言葉が良いものになってくれたとこの呼び方を気に入っているようだ。

備考:修羅場を起こす気は無いし、アトラと付き合いたいわけでも無い。彼女はアトラに親の様に甘やかして欲しいだけなのである。



――不知火 アトラ

現アリウス学園副理事長。理事長といちゃついたり、ミレニアムに出張したり、アリウス学園の学園長の機嫌をとったり、生徒会長を甘やかしたり、ゲヘナの騒動に巻き込まれたり、シャーレからの救援要請でアビドスに出張したり、ファウストによってトリニティに誘か・・・・・特別講師として呼ばれたり、運命の悪戯か別の世界線に迷い込んだりと何かと忙しい男性。アリウス学園やミレニアム、ゲヘナにトリニティなど様々なところで特別講師として教鞭をとる事があるのでキヴォトスでも有名人。

備考:何故彼が生きているのか、何故此処で働いているのか・・・・・それはまたの機会に。










――不知火 カヤ

出番が一切無かったお姉ちゃん。多分シャーレやノアに焦点を当てる所らへんで大活躍する。



――シャーレの先生

今は三人を指す言葉。










――最後の言葉に関して

ある時にノアに対してユウカが問うた『幸せ』。その直後に、彼女は彼と再会した。

メタ:次回のキーワード。




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