東方狂奏夏【~Phantasy “Hot” Orchestra~】 作:トカゲの妖怪
「う〜ん……なるほどなるほど、これはマズイですね」
「そ、そんなにお空はまずい状態なの?」
「今は抑えられてますけど、後々魔力が回復しればまた暴走状態に陥るかもしれませんね」
私は確認した事項をメモ帳に記しながら、不安そうな顔を浮かべるお空から顔を離す。
さとりは大事そうにお空を抱きしめつつ、私の顔を見つめる。
「普段の八咫烏と地獄烏の力の比率は、3:7です。ですが今は5:5、ギリギリ抑えられている程度です。そしてその暴走状態ではおそらく、比率が逆転したのでしょう」
「逆転すると、また暴走が……」
「ですがご安心ください! 守矢のアフターサービスにお任せあれ!」
「……守矢なら私帰ってもいいですか?」
はたてがぼやく様に呟く。
私は大きなため息を吐きながら、両肩を竦めてはたての方に振り返る。
「な〜に言ってるんですか。一緒に異変解決した仲、困った事は二人で乗り越えましょうよはたてちゃん!」
「いやぁ……まぁ……そう言われたら断れませんけど……」
「でしょう! 終わったら晩御飯奢りますから、ちゃちゃっと解決しちゃいましょう!」
「はぁ……それでどうするんですか?」
「方法は簡単、八咫烏をボコします!」
私は拳を握り、お空を指さす。
その瞬間さとりがお空を抱きしめ、私から隠す様に振る舞う。
はたてが私の指を下げさせる。
「いやお空さんはボコしませんよ」
「とりあえず物騒な事言うの控えましょうよ……」
「は〜い。それで方法なんですけど、まずは守矢の力で八咫烏を切り離します」
「そんな事出来るの?」
「分かりません! でも出来ます!」
さとりは更に不安そうな目を私に向ける。
私は気にせず、説明を続ける。
「そして切り離した八咫烏を倒して、お空さんの中に戻します」
「……それで?」
「立場を弁えた八咫烏は大人しくなります。解決!」
「そんな簡単に行きますか!?」
「行きます、なぜなら守矢だから!」
奇跡を使い、歓声と拍手の音を無から発生させる。
歓声を浴びながら私はポーズを決め、お空の額に指を当てた。
「では! いざ!」
「お、お空をお願いね」
「お任せあれ!」
私が奇跡の力を使い、お空から八咫烏の力を切り離す。
そして切り離した八咫烏が、お空の口から飛び出した。
「Fuuuuuuu!」
八咫烏は雄叫びを上げながら、旧地獄の天井スレスレまで飛び上がった。
絵画の世界からシルエットだけが飛び出してきた様な見た目で、そのシルエットはお空の様に羽が生えている。
そして何より、真っ赤な二つの目が私を睨みつけていた。
「今ですはたてちゃん!」
「え! 何すればいいんですか!?」
「戦ってください!」
「嫌ですよ! あんなよく分からない奴!」
「なら一緒に行きますよ!」
私ははたてちゃんを引っ張って飛び上がり、空間に結界を張る。
復旧作業中の旧地獄に被害が出来ないように配慮した。後はこいつを倒すだけだ。
「さぁ、妖怪退治です!」
「ふざけんな! 俺は八咫烏、妖怪ではなく神だ!」
「喋れるんですか!?」
思わぬ反論に驚き、思わず聞き返す。
八咫烏は自分の体を見回しながら、核反応を起こし始める。
「お前らの事を覚えているぞ、守矢! よく分からん地獄烏になど詰め込みやがって!」
「神奈子様は八咫烏の力だけを渡したはずです、どうして自我があるんですか?」
「あぁ!? ……かの太陽神天照大神様の力を持つ者が、俺が必要だと自我をお与えになったのだ! その名はミズチ、古の龍にして蜃気楼の大妖怪だ!」
「あぁ、倒しましたよ。もう異変も終わりましたし」
八咫烏は一瞬静かになり、何かを探る様に空を見上げる。
そして数秒固まると、こちらに向き直った。
「ほんとだ。もう声も聞こえねぇな」
「何が聞こえていたんですか?」
「俺を呼ぶ声だ、あれはきっと太陽神様本人だろうな。……って事はもう俺は暴れなくてもいいのか?」
「暴れなくて……? どう言う事ですか?」
はたての質問に、八咫烏はうんうんと頷きながら答える。
「いや自我を与えられる代わりに、襲い来る敵を倒して幻想郷の温度を上げろって命令されててな。ずっと蝉の妖怪相手でつまらなかったぜ」
「なるほど。幻想郷が夏になったと思ってましたが、本当は蝉がわんわん鳴いてただクソ暑かっただけなんですね」
「……早苗さん、さっきあいつ太陽神って言ってましたよね。もしかして神子さんが事情を知っていたのって」
「なるほど! 聖徳太子、日出処の天子! 太陽に由縁があるから事情を知っていた! 『聖は聖を知る』っていうのは、暗に神様の事を指していたんですね!」
そこで私はある事に気づいた。
「……大日如来はこの事情を知らなかった? いや、知っていて言えなかったのか……?」
「ど、どうしたんですか? 急に怖い顔をして……」
「いえ、後で命蓮寺に寄る用事が出来ただけです。今は事に集中しましょう」
「お、やっとか」
八咫烏は私達に向けて、腕と一体化した制御棒を向ける。
既に核制御は暴走状態に入り、放射線と熱を放っていた。
「俺もそう簡単に消されたくねぇからなぁ、あの巫女と同じくらい楽しませてくれよ! 【灰燼『ポンペイの灰』】!」
『CAUTION! CAUTION!』
警告音が鳴り響き、灰色の弾幕が放たれる。
火砕流の様な弾幕が、私達に向かって降り注ぐ。
「【天流『お天水の奇跡』】!」
神奈子様から借りてきたスペルカードで弾幕を放ち、灰色の弾幕を押し流す。
真正面からやってくる弾幕を滝の様に弾幕でかき消し続けるが、八咫烏のエネルギーのせいか押され気味だ。
「はたてちゃん、近くに!」
「は、はい!」
私の周りにバリアを張りつつ、火砕流の様な弾幕を突破する。
バリアを解いた瞬間、八咫烏の制御棒がこちらを向いた。
「【絶滅『コロナバースト』】!」
制御棒から放たれた火炎は渦を巻き、まるで龍の様に周囲を動き回る。
そして間髪入れず、八咫烏は次々と火炎の龍を放つ。
「はたてちゃん!」
「【連写『ラピッドショット』】!」
はたてのシャッター音が連続で響き、火炎の龍達は動きを止める。
その合間を縫う様に八咫烏が一瞬で距離を詰めてくる。
私の目の前で翼を広げ、制御棒の銃口を顔面に突きつけられる。
「【死滅・獄炎『40億年前の地獄絵図』】!」
「【奇跡『神の風』】!」
私は赤熱する制御棒の中を見つめながら、はたてに奇跡でバフを盛る。
何をすべきか理解したはたては、私を抱えて八咫烏から引き離した。
「はっはぁ! 流石ですよはたてちゃん!」
「助けて欲しいなら言ってください! マジで!」
その直後、大爆音と共に八咫烏の制御棒から炎が噴き出る。
まるでマグマの様に真っ赤な炎だが、魔力の類が一切感じられない。恐らく地球が出来た頃の、不純物の一切ない炎。あれは奇跡でのガードも不可能だっただろう。
はたてはバタバタと翼を動かし、私を抱えたまま炎から距離を取る。
「はたてちゃん! このままタイマンお願いできます?」
「……はぁ!? あれと一人で戦えって事ですか!?」
「少しでいいから! ほんと一分だけ! おねが〜〜〜い!」
「……あぁもう、死んだら許しませんからね!」
はたては私を放り投げ、八咫烏に向かっていく。
私はすかさず奇跡を使い、はたての体を強化する。
「おい烏! お前の相手はこの私、姫海棠はたてだ!」
「あぁ!? テメェも烏だろうが! 焼き鳥にしてやるよ!」
「【写真『籠もりパパラッチ』】!」
はたてのシャッター音が響き、八咫烏の動きが止まる。
その瞬間、はたての弾幕が八咫烏を飲み込む。
はたては様子を見る様に、煙にそろそろと近づく。
「離れて!」
「っ!」
「【『太陽を掴む手』】!」
急に煙の中から岩の様な腕が伸び、はたての顔を掠る。
一瞬で煙が蒸発し、その中心に赤い球体に包まれた八咫烏が見える。
「【Fixed star『Barrier•The•SUN』】!」
「な、なんですか!?」
赤い球体に包まれた八咫烏は笑い声を上げながら、また炎の龍を放ち始める。
はたては器用に炎の龍を避けながら弾幕を撃ち込むが、全て吸収される様に赤い球体に消えていく。
その瞬間、八咫烏の翼から高々とレーザーが放たれる。
「うわ! 今度はなんですか!」
「逃げろ逃げろ! あははははは!」
レーザーははたてを追跡し始め、はたてが弾幕を撃ち込む度に数を増やす。
何十本ものレーザーに追われながら、はたては八咫烏に攻撃を続ける。
「そろそろキツイんですけど!? まだですか!」
「もうちょっと! あと30秒お願いします!」
「絶対許早苗!」
クソみたいな駄洒落を叫びながら、はたてはレーザーを引き連れ八咫烏の周囲を飛び回る。
しかしこれも友情の成せる技。しみじみと心で味わいないながら、手帳のメモ書きを頼りにお札を書き進める。
「これ撃ち込んだらレーザー増えてません!?」
「今気づくとは大馬鹿者だ! 焼き殺されろ!」
レーザーが炎の龍と合体し、速度を増す。
はたては撮影でレーザーの動きを止めるのと、全速力で逃げるのを交互に繰り返し上手く時間を稼いでいる。正直なところ本当に一分しか持たないと思っていたが、現実は五分稼いでくれている。
私は完成したお札を手に、はたての隣を目指して飛び立つ。
「はたてちゃん!」
「遅い! 死にますもう!」
「大丈夫大丈夫、これで解決だから!」
「なんですそのお札は!」
若干キレ気味なはたてに、作りたてのお札を見せる。
「まぁあとは任せてください!」
私ははたてに奇跡をかけて保護しつつ、かけていたバフを全て自分に移す。
その瞬間はたては息切れを起こし墜落し、レーザー達の狙いは全て私に移った。
「選手交代かぁ!? 守矢の巫女ぉ!」
「えぇそうですとも! この東風谷早苗がお相手です!」
レーザーを引き連れ、八咫烏に接近する。
八咫烏は制御棒を向けるが、炎が発射されるギリギリで避ける。
私の狙い通り、レーザー群は避けきれずに八咫烏を覆うバリアにぶつかる。
「チッ! 攻略法を知ってやがったか!」
「え? ゲームでよくあるじゃないですか! そんなギミックすぐにピンときますよ!」
「ならギミックの無い攻撃をくれてやるよ! 【顕現『飛翔・八咫烏』】!」
八咫烏の体から炎が吹き出し、文字通り巨大な八咫烏になってしまった。
三つの目が私を捉え、大口を開けて突っ込んでくる。
私は咄嗟に避け、お札を握って八咫烏を待ち構える。
「さぁ来い!」
お札を片手に、八咫烏とすれ違う。
すれ違う瞬間に本体にお札を貼り付け、一瞬で自分の火傷を治療する。
「痛った!」
「カカカカカカ! こんなお札一枚で何ができるのだ!」
巨大な口をバカバカと動かしながら、八咫烏が笑い声を上げる。
私はさっき覚えたままに術式を発動し、意識を集中させる。
「【大結界『博麗大結界』】!」
その瞬間お札から博麗の印が浮かび上がり、八咫烏の本体を結界が囲う。
本体を失った巨大な八咫烏は綻び消えて、四角い結界に詰められた八咫烏だけが残った。
「はっはぁ! 一発成功なんて私天才じゃないですか!?」
「で、出られん! 結界か!」
「さ、早苗さんどういう事ですか? 今、博麗大結界って……」
「ふふん。ミズチを最初に結界で捕まえた時、私霊夢さんの隣にいたんですよ。その時、結界の張り方を見て盗んだんです! 本家には劣るかもしれませんが、かなり本物に近い効力を持っていますよ!」
「えぇ……結界術ってそんな簡単にできるものでしたっけ……こわぁ」
少し引き気味のはたてを放って、箱の結界に閉じ込められた八咫烏に近づく。
箱の中で八咫烏は暴れているが、結界には傷すらつかない。
「さて、あとはこいつに身の程を弁えさせるだけです!」
「せっかく自由を得たんだ! こんな所で終わってたまるか!」
「いいえ、終わりです! あなたが暴れたらとんでもない被害が出るんですからね!」
私は奇跡を使い、はたてと自分が浴びた放射能を消し去った。
地球が耐えれる量を超える放射線を一瞬で放つ危険生物なんて、この世にいてはいけない。結界がなければ、今ごろこの星自体終わっていたかもしれない。そう考えると悪寒が走る。
結界内も奇跡で消毒し、改めて八咫烏の入った結界を叩く。
「どうします? 一生この中か、自我を失ってただの力に戻るか」
「ふざけんな! 自我を失うのも閉じ込められるのも、どっちも一緒だろうが!」
「では聞き方を変えましょう。自我が残る可能性のある、ただの力に戻るか。この結界の中に閉じ込められたまま、何もない異空間とかに放り出されるか。どちらがいいですか?」
「……」
八咫烏は急に静かになる。
そして、小さな声で何かを話す。
私は聞き取ろうと、耳を結界に近づけた。
「舐めやがって。俺は八咫烏だぞ」
「っ!?」
殺気の籠った言葉に怯み、一瞬で距離を取る。
次の瞬間、結界の中の八咫烏が黒く染まる。
「【『ソドムの火』】!」
一瞬で八咫烏を捕らえた結界が砕け、八咫烏に吸い込まれていく。
周囲の空気、魔力、何もかもが吸収される。
「舐めやがって、小娘が」
「……マジですか」
「あれって極小の博麗大結界ですよね……こいつがこのまま自由になれば、現実の博麗大結界も……」
「そうはさせませんとも、守矢の名にかけても」
「俺は……自由だ! 【『ゴモラの火』】!」
八咫烏の体から黒い炎が吹き出し、世界を塗りつぶす様に広がる。
私はすかさず奇跡で防御を張るが、一瞬で破壊される。
「はた」
「【写真『フルパノラマショット』】!」
シャッター音が響くと同時に、黒い炎の勢いが止まった。
その瞬間に、奇跡をお祓い棒に込める。
「【開海『モーゼの奇跡』】!」
止まったままの黒い炎は真っ二つに割れ、八咫烏に向かって一直線の道が出来る。
そして私は全速力を出し、止まったままの八咫烏にすれ違いざまにお札を貼り付ける。
そして後頭部にも、もう一枚お札を貼り付ける。
「あれだけ時間を稼いでもらったんです。一枚だけじゃ不安でしょう」
「……ッ! お前!」
八咫烏が動き出した瞬間に結界を発動させ、八咫烏の体に二つの結界が発生する。
二つの結界は結びつき、より強固な結界となって八咫烏の目だけを隔離する。
すると、八咫烏の体も黒い炎も影の様に溶けて消えてしまった。
「あなたの本体は【目】ですね。あの黒い体も炎も全て、与えられた余分なもの。今この状態こそが、神奈子様がお与えになった八咫烏の力」
私は両手で優しく目だけが入った結界を受け止める。
中の目は赤く燃え上がるようだが、どこを見ている様子もない。
私ははたてを回収して、結界から外に出る。放射線も炎も外に出ていないようで安心する。
「あ! 早苗さん!」
ぐったりとした小さな烏を抱えて、さとりが駆けてくる。
私は赤い目の入った結界を見せる様に前に出す。
「ちゃんと取り返してきましたよ、ほら」
「……何も入っていないように見えるんですが」
「え? そんなはずは……はたてちゃん、見えます?」
「う〜ん……何も見えませんね」
私は不思議そうな顔をしつつ、結界の中を覗き込む。
角度を変えても赤い目は見えるし、中に入っているのは間違いないはずだ。
「とりあえず、お空さんにこれを戻します」
「お願いします」
さとりが腕の中の烏を差し出す。
私は結界を完全に解き、中から赤い目を持ち上げて烏に移植する。
「うっ、すごい神性……」
はたてが小さくこぼす。
そこで私は少しだけ納得がいった。
(私、少しずつ神様に近くなってるんだ)
完全に赤い目が取り込まれると、小さな烏は呼吸が安定した。
そしてゆっくりと体内から胸に赤い目が出てくる。
「うにゅ……」
「お空……! よかった……」
さとりは烏形態のお空を抱きしめながら、頬擦りをする。
私は少し距離を取り、傷を気にするはたての隣に座る。
「付き合ってくれてありがとうございます」
「ふん。早苗さんが引き摺り込んだの間違いでしょ?」
「とか言って、逃げれる場面はいっぱいありましたよ。ありがとうございます」
「ならご飯、ちゃんと奢ってね」
「はい。焼き鳥とかどうです?」
「あはは! ……え、本気?」
歪んだ笑顔を浮かべるはたてに、笑顔で微笑み返す。
私は上機嫌の中、心地よい疲労感に身を浸した。
~その後~
「マジで焼き鳥屋に連れて行かれるかと思いましたよ」
「ははは! はたてちゃんが鴉天狗だって事を忘れるわけないじゃないですか!」
「でも八目鰻って結構美味しいんですね」
私とはたては屋台の椅子に座り、ミスティアの焼く串料理に舌鼓を打つ。
私はねぎまのネギの部分だけを取り外し、肉だけを食べる。
「それにしても太陽もちゃんと沈んでてよかったですね」
「あ〜あれは霊夢さんとかが解決したんでしょう。何はともあれこれでめでたしめでたしって事ならいいんですけどね」
「いや〜あの太陽には参っちゃいましたよ。私達妖怪は夜に生きるモノですから、ずっと日が出ていると力が出なくって大変で」
ミスティアが空のグラスにビールを注ぎながら、私達にぼやく様に話す。
私は注がれたグラスを傾けながら、グラスの端を噛む。
「ふ〜ん……まぁ妖怪が力を失う分に関しては、立場上はウェルカムですけどね」
「守矢の巫女さんは妖怪に厳しいですね」
「は〜? 私とはたてちゃんはド親友ですけど〜?」
「……早苗さんってあんな暴挙ばっかりするのに、お酒に弱いんですね」
「まだ一杯目ですよ。お客さん」
私は回る視界が心地よく、はたての肩に頭を乗せる。
暖かな体温が妙に安心でき、静かに目を瞑る。疲労も手伝い、すぐに眠気がやってくる。
「う〜ん……はたてちゃん」
「何です?」
「眠い」
「……ちゃんと送り返しますから、ゆっくり休んでくださいね」
「うん……ありがとね」
「おやすみ、早苗ちゃん」
私は串料理の香りを嗅ぎながら、意識を手放した。
これで私の何度目かの異変解決は、完全勝利で幕をおろした。
~END~