戦え!超ロボット生命体ユメパイセン   作:クソザコぎつね

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追記 サブタイトルがコロコロ変わってすみません。


小鳥というワスレモノ

 

 

スマホに送られた文字の羅列に目を落とした後、私はベッドに潜り込んだ。

 

「はぁ……」

 

枕に顔を押し付けながら、悩みの種を吐き出す。

事の発端は数ヶ月前の事だ。【グローバルコーテックス】と名乗る企業からの依頼がアビドス対策委員会に来た。依頼内容はヘルメット団の撃退や、賞金首の確保。

一回、なんでありふれた傭兵達に回さずこのアビドス高等学校に依頼してきたか聞いたことがある。

 

『我々は貴方達に期待しているのです』

 

正直言って信用ならなかった。

 

先輩が姿を消してからは私一人で毎月借金を返す事になってしまった。毎日寝る時間も惜しんで活動していたが、流石にキツいものがある。今思えば、よくやっていたと自負できる。

ユメ先輩の捜索も、その頃は頻繁に行っていた。しかし手がかりは全く見つからず、広大な砂漠を目的地も無しにひたすら歩き続ける日々。連邦生徒会に捜索を依頼した事もあったが、まともに取り合ってくれた試しは無かった。

やがて私はあるものを見つけた。それは今でも私の事を守ってくれている。冷たい金属の筈なのに、面影を感じてしまう。まるで魂が宿ったかのように。

私は立ち直り、借金返済に専念した。

 

後輩達が入ってきてからは幾らか楽になった。どうやって接したらいいか分からない時、ふと私は先輩ならどうしただろうと考えた。

 

私にとってユメ先輩は……。

 

瞼を閉じれば、いつもあの青い空と、白い雲、表情豊かな顔が住み着いている。

 

それに手を伸ばしても、もうその鮮やかさには触れられなかった。

 

一歩近づく事に一歩遠ざかる。やがて二歩、三歩と日に日にその距離が届くことはない。

 

私は楽しかった。バカみたいに日々を過ごしたあの日が。だから後輩ちゃん達にもそんな青春を送ってほしい。その為に、私は行動した。

 

「ホシノ先輩」

 

そう呼ばれると、なんだかくすぐったい。

 

もうすっかりアビドスも賑やかになった頃、定期的に訪れていたあの場所に妙な存在がいた。カイザーグループのものでは無い、出処不明の二足歩行兵器達が巡回をしていたのだ。こちらを襲ってくるかと思い、銃を構えたりもしたが、向こうは気にもしない様子で辺りを闊歩していた。

 

その頃からだろう、怪しげな依頼が来るようになったのは。

 

重い頭を動かし、何とか眠ろうとすると、自然にあのポスターが目に入ってしまう。

 

見たくない。

 

でも、私はきっと逃げてはいけない。

 

だから毎日、ボロボロなポスターに謝る。

 

多分、私の一生分の眠りを、ユメ先輩は自分のと間違えて持って行ってしまったのだろう。

 

世話のやける人だ。

 

ある日、私は黒服という人物からコンタクトを受けた。酷く苦手だ。

彼の言う提案は最低だが……一考の余地はあった。

 

しかし私にはグローバルコーテックスからの依頼があった。最大限に注意を払いながら、裏切りの可能性も考慮に入れて任務を達成した。

 

『依頼の完遂、ありがとうございました。もし良ければ今後とも我々に御協力お願い致します』

 

丁寧なメッセージと共に送られたのは、任務の難易度と比べて明らかに見合わない大金だった。

桁を幾らか間違えていると連絡すると。

 

『これは貴方達の頑張りに対する正当な報酬です。遠慮なく受け取って下さいね』

 

気味が悪かった。

 

でも、黒服の提案に乗るよりは遥かに信用出来た。

それからはこのグローバルコーテックスからの依頼に少し助けられている。

報酬を返済に充てることで利子だけでなく、元本も少しづつ返す事が可能になったのだ。

 

やがてその依頼にも慣れてきた頃、砂漠地帯にある傭兵が現れた。

 

名前は【レイヴン】

 

依頼達成率100%を誇る、誰も顔も知らない人物。その人物は企業間の抗争に新たな変数を持ち込み、バランスは崩壊。

カイザーグループ、ムラクモ、セイントネフティスの三大企業という構図へ書き換えられてしまった。

 

その余波かもしれないが、カイザーグループからの利子も増え続けるばかり。結局、悪魔の手は再び私に近づいてきた。

 

「……」

 

私には使命がある。

 

その為に為すべきことをする。

 

その為に、私は戦い続ける。

 

 

 

 

でも。

 

 

 

 

 

 

ユメ先輩。

 

 

 

『──────』

 

 

 

あなたの声をもう一度聞きたいと思うのはワガママでしょうか?

 

私は……怖いんです。

 

あなたの声を忘れてしまうのが。

 

小さな手を握って、私は何度目かの頬を流れる感触に思いを馳せた。

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