戦え!超ロボット生命体ユメパイセン   作:クソザコぎつね

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I was named

 

 

『戻ったか。ちゃんと必要な物は揃えてきたな?』

 

(うわ、帰った途端に来たよ〜)

 

ドアを開くと同時に打ち込まれたテキストに私は少し引いた。まさかとは思うがずっと監視されてたのだろうか?

 

『うん。見ての通り……というか見えてるの?』

 

それとなく買った物を画面の前に置いてみる。ディスプレイには別にカメラとかはついてなさそうだけど。

 

『見えてるぞ。何処からかは言えないが』

 

『怖っ。ストーカーさん?』

 

『マネージャーだ』

 

『じゃあじゃあマネージャーさんの名前は?』

 

『またその話か』

 

『だって気になるし。HSL-1って呼びづらいし』

 

なにか考えているのだろうか、返信の手が少し遅くなる。

 

『では今から私の出す試験を受けろ。それに受かれば教えてやらない事も無い』

 

『試験?どんなの?』

 

ペーパーテストとかだったら辞退しようかな。

 

『無人兵器を2体そちらに送った。自分で迎撃しろ』

 

(嘘でしょ!?スパルタにも程があるよ!)

 

半信半疑でハンドガン片手に飛び出すと、瓦礫がまばらに配置された砂漠に2足歩行の奇妙なロボットがこちらに向かって歩いていた。

 

(えぇ……、本当に言ってる?)

 

雰囲気で分かる。これは支援もなんも無いやつだ。

身をかがめてコンクリートの瓦礫の後ろに着き、まずは相手の武装を確認する。

目を細める動作をすると、それに連動して眼帯がズームをしてくれた。どうやらただの機械じゃなさそう。

 

(何あれ……鶏さんみたいな脚だけど)

 

改めて確認するが、目立った武装は確認できない。この手の兵器にはバルカンやsマインでも装備されていそうではあるが、らしきものは見受けられなかった。不審なのは4つある細いバレルの様なものだけである。

 

(飛んだ!?)

 

背後にあるブースターらしきものを吹かせると、その軽そうな見た目に違わず俊敏に浮き上がって見せた。

こちらの視線に気がついたわけでは無さそうだが、標的を探そうとしているに違いない。

 

(ええい、ままよ!)

 

バレる前に仕留めるしかなさそうかな。私だって伊達にアビドスにいた訳では無いし。

セーフティを解除、瓦礫から頭と右腕を出し片方へと狙いを定め、一射。

 

パパパパパパと軽い銃声が乾いた音で鳴く。店主の言う通り6点バーストに改造されているのは間違いない。反動も懸念点ではあったが右腕のみでもブレ無く抑える事は出来た。身近なもので例えるならスマホの着信くらいにまで軽減されている。

しかし私が最も驚いたのはそこでは無い。

 

銃弾が青いのだ。

 

そもそもこれを銃弾と言っていいのかは分からない。ほぼ音速だったので分かりづらかったが、青いエネルギーの様な何かを固めて飛ばしている様にしか見えなかった。

予想外の攻撃に被弾した機械だが、まだ余裕そうだ。

更に2回、3回トリガーを引く。

 

連続での攻撃に避けるのが遅れると被弾箇所は最初の2回でグズグズに溶け、3回目で内部のバッテリーに引火でもしたのか爆発四散してしまった。

 

(あれ、これって人に向けちゃダメなタイプの奴じゃない?)

 

などとまたもや引いていると、残されたもう一体がこちらに照準を合わせてきた。急いで体を引っ込めると聞き慣れない音が頭上を掠めていく。

 

(まさかレーザーを撃ってるの!?)

 

実弾主体のキヴォトスにおいてレーザーを連射してくる兵器など私は見た事がなかった。ミレニアムの子なら作ったりしていてもおかしくは無いが、少なくとも一般にはそんなものは流通していない。

何処から引っ張り出してきたのかは知らないが、考えていたよりもマネージャーは意味不明の存在であった。

 

空気の焼け付く音に私は少し怯えてしまう。レーザーに当たるとどうなるか、それが分からないからだ。

 

いや、知っている。

 

私は

 

私はあの熱を覚えている。

 

皮膚が溶ける感触を。

 

肉がはち切れる音を。

 

視界に広がる光を。

 

私はふと手元に目線を移す。あの白い蛇に持っていかれたであろう右腕に。起きた時よりもその失った手はある様に感じられ、燃えるような痛みがムカデの大群を彷彿とさせながら這いずり回ってくるのだ。

自然と拳銃を握る手に力が入ってしまう。

とにかく心を落ち着かせようと、マガジンを抜いて残弾をチェックする。残りのマガジン内弾数は6発。リロードしようとマグポーチに手を回し、使用済みの弾倉を排出後予備のに交換しようとするが、ブレーキが掛かってしまう。

 

やはり怖い。

 

しかしいつまでも遮蔽物に隠れている訳にはいかない。ジワジワとだが着弾音がコンクリ越しに聞こえやすくなってきているのが分かる。

 

今向こうに飛ばれたら、弾を装填していない現状では太刀打ちが出来ない。

 

怖いが、やるしかない。

 

使命を果たす為、私は私の手でその道を選んだのだから。

 

(大丈夫……でしょ?)

 

イメージするのは頼りになる後輩。荒々しく、気高いその動きを脳裏に描き、私は覚悟と弾倉を拳銃に強く叩き込んだ。

 

腰からグレネードを取り出し、デコイとして自分とは別方向に素早く投げる。幸いそれは上手く作用し、ほぼ同時に瓦礫から飛び出した私はがら空きの右脚に素早くトリガーを2回引いた。

 

耐久力を犠牲にしたであろう脚部は破壊され、兵器の体勢が崩れる。こちらに気づき銃口を向けられると同時に私は脚に力を込め、飛び上がった。その際右脚に被弾するも、痛みは感じない。

 

(なんだ、大した事ないじゃん)

 

肩透かしから、更に驚いた事がある。それは身体能力の向上。私は前よりも速く、高く跳躍していたのだ。

自由落下に移行する直前、一瞬の静止のタイミングを見計らい、トリガーを引く。

先程よりも軽い感触で撃ち出された弾丸が制御ユニットらしき場所に直撃し、相手は見事に爆散した。

化石燃料独特の嫌な匂いが熱風と祝福する。

 

(……思ったより、だね)

 

ホルスターに拳銃を戻すと、いつからスタンバイしていたのか小型のドローンが颯爽と私の前にダンボール箱を落としていった。

 

(なにこれ)

 

貼られたテープをナイフで切り、梱包材の山をかき分けると小さなサイズの無線機とメモ用紙が姿を現した。

メモ用紙には【スイッチを入れろ】とだけ書かれている。しかも直筆ではない。

言われた通りスイッチを入れると、強気な女性の声がクリアに聞こえてきた。

 

『まずはおめでとう』

 

(女の人だったの……)

 

『聞こえているぞ』

 

(えっ!?なんで!?)

 

『君の体には体内通信用にナノマシンを打たせてもらった。任務中にアドバイスが欲しければ使え』

 

何やらとんでもない技術だぞ。なんなのこの人。

 

(あれ?これって他の人とはお話できないの?)

 

『これが精一杯だ。我慢しろ』

 

(そんなあ)

 

『話を戻すが……認めよう、君の力を。今この瞬間から君はレイヴンだ』

 

(レイヴン?)

 

『私の故郷ではそう呼ばれる』

 

なんだかかっこいい名前だ。これで名乗りも問題なし。

 

『念の為言っておくが、任務中に下手な事はするなよ』

 

(はい……)

 

『それから、私の名前についてだったな。…………【ラナ】と呼べ』

 

(意外と可愛い名前じゃん。これからよろしくね、ラナ)

 

『おい』

 

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